ANA406便 秋田ー羽田線搭乗記 秋田空港から777に乗る「花火特需7772019 ①」(2019年8月31日)

搭乗記2019

花火特需トリプルの恩恵を受けるオタク

全国花火競技大会「大曲の花火」のおかげで、毎年8月の最終土曜日、とその翌日の日曜日には秋田ー羽田線にBoeing 777が必ず投入されるようになりました。

いくら人口30万人の大都会である秋田市の需要を担う秋田空港でも、777の定期運用は2012年以降ありません。しかし、この2日間は2017年以降必ず777が投入されており、今年も夏ダイヤの予約開始と同時に、機種欄に「772」の表示が出ていました。2017年以降毎年このチャンスを逃すまいと777に乗っている私ですが、今回も例年通り、無理やり予定を作って乗ることにしました

今回搭乗するのは、大曲の花火開催日である8月31日(2019年)、11:50発のANA406便。東京からの花火見物客を乗せてきた折り返し便で、空いている777に乗ることができるのが売りとなっています。

前便であるANA403便を撮影した第3駐車場からターミナルへと移動し、3階の送迎デッキへと向かいました。ここで見たいのはやはり「2本付けのボーディングブリッジ」。777や787でも、乗客が少ないと2本目のボーディングブリッジをつけてくれないことも多々ありますが、この日のように満席が確定している便であれば確実に2本つけてくれます。

撮るものも撮り、満足したので制限エリアへ向かいました。保安検査場を抜け、いつもの通り3番搭乗口の前に陣取ります。

乗客は子供連れが多い印象で、事前改札で改札機を通過していく方が多数見られました。優先搭乗の資格を持つ上級会員になっても、機内へ乗客として最も早く入ることができる資格を持つのは、事前改札対象の方ですので、時々小さなお子様に退化したいなあ…と思っていしまいます(笑)

事前改札が終わると優先搭乗の番になります。3名いらしたダイヤモンドメンバーの方も続いて機内へと入ります。その前にボーディングブリッジの途中で1枚撮りました。約2か月ぶりの飛行機搭乗、5%の高揚感と95%の実家のような安心感をもってボーディングブリッジを進んでいきます。

今回の搭乗機は、Boeing 777-281(JA706A)。これが2018年の春に続いて2度目の搭乗となりました。

前方席からの眺め

11:36、搭乗となりました。座席は3Kです。キツい、汚い、危険の3Kです。と、ここで3Kについて調べると、ウィキペディア曰く、「新3K」と呼ばれるキツい、帰れない、給料が安いという語群があるようです。私は帰れないよりでしたら、汚いの方が1000倍はマシです。

話が大幅に脱線しましたが、ANAの777-200の座席番号3Kはプレミアムクラスです。綺麗、快適、ケツが滑るの3Kで今回は羽田空港を目指します。

機体前方の席だけあって、ターミナルビルの前に止められている特殊車両も見放題です。手前から、飛行機に電源を供給する電源車、バラ積みの荷物を飛行機に搭載するベルトローダー、コンテナを飛行機に搭載するリフトローダー、そしてコンテナを積む台車を引っ張るトーイングトラクターです。こうして車両には航空会社のロゴが入れられていますが、時々ANA機にJALのロゴが入った車両で作業を行うなんてことも秋田空港ではあります。他の空港でもあるかもしれません。

前方のモニターにはマップが表示されています。しっかり飛行機の向きも実際と同じようになっていますね(秋田空港のスポットに駐機している状態だと、機首が南向きになる)。今回搭乗のJA706AにはWi-Fiの装備がないため、こうしてマップを出してくれるのは大変ありがたいのですが、飛行中常にマップを出してくれるわけではないのが残念なところです。機内上映番組って需要がどれほどあるんですかねぇ…

ここ最近、日本の大手航空2社では、国内線機材でも新規に導入する機材では全席に個人用モニターを装備するようになりました。ANAでは2017年より導入を開始したAirbus A321neoより、JALではこの翌日よりデビューしたA350より、個人用モニターの設置を進めています。厳密にいえば、2002年にJALと合併したJASが運航していた777-200の7機に1997年から設置されていたのが国内初なのですが、一周回って再びモニター設置の流れになったようですね。

こうして国内線機材にもモニターを設置することができるようになったのも技術革新の1つなのかもしれません。私としては、常にマップを表示させることができることがメリットの1つであると考えています。

11:45にドアが閉まり、プッシュバックは11:48、機首を東に向けて押し出されました。この飛行機が着陸してきたRWY28からの離陸となるようです。私の搭乗機と2番スポットに新千歳行きのE170、5番スポットに伊丹行きのQ400で3機もエプロンに鎮座しています。流石出羽地方の基幹空港、賑わい方が他とは違います

なお、 出発日の数日前まで座席指定できない状態にあった、隣の3Hの座席は空席でした。21席あるANAの777のプレミアムクラス、各窓側席が埋まっているだけで、3席が3列並ぶ中央席は全て空席という状況の中、敢えて3Hを選ぶ人はいないだろうとは思っていましたが、案の定そうでした。俗に言う隣席ブロックというものでしょうか。

いずれにせよ隣にほかの方がいないということで、手を振ってお見送りしてくださっている、GHさんと整備士さんにブンブン手を振り返させていただきました。

11:58、秋田空港RWY28から離陸となりました。滑走路の半分くらいでエアボーン、乗客がそこまで多くない便ですが、767のように軽々しく離陸していくわけでもなく、重量感のある777らしい離陸でしたね。

離陸後は、しばらくガタガタと揺れが続いていましたが、この便のプレミアムクラスの乗客では最年少の将来有望ベイビー様がかなりお泣きになられていました…プレミアムクラスは著名人やその辺ビジネスマンが多く利用されているイメージですが、時々客層に疑問符がつけられる時があります。赤ちゃん連れの方に時々遭遇するんですよ。

しばらく滑走路方位で飛行していた飛行機は、秋田市内を右手に大きく左へ旋回、一路山形上空を目指します。

秋田市上空には、べったりとしたあまり見栄えがよろしくない雲が浮かんでいます。雲の影になってしまっているせいか、水田の稲穂もあまり見栄えが良くありません…ここ1週間ほど、晴れたり曇ったりを繰り返していた秋田市、晴れかと思って外でしばらく活動していると突然ゲリラ豪雨のような雨が降ってくるということもザラにありました。

夏らしい雲を見ながら上昇

上昇中は数分ほどこれらの雲によってかなり揺らされました。顔は平気なふりをしていますが、久々に乗ると揺れには慣れないものです。その日になってみないと空はわかりません。ガタガタ揺れまくることがありますので、久々に乗る際には信頼と実績の777じゃないとやってられませんね…

幼い頃から飛行機嫌いに陥ってしまう方がよくいらっしゃいますが、夏休みに初めて家族旅行で飛行機に乗り、激しい揺れに遭遇。結果として、揺れを恐れて嫌いになってしまう説を提唱しています。夏の雨雲はパワーがありますからね、揺れ方もあまり好きではありません(笑)

12:02、離陸から4分でベルトサインは消えました。雲を抜け、ちょうど青空が広がってきた付近でベルトサイン消灯となりました。

下界は雲に覆われてあまり見えない。そんな時は浮かんでいる雲でも見ようじゃないか、というのが限界オタクの機内での過ごし方です。この雲は一体どのように生成されたのでしょうか…素人目には竜巻のような形にも見えてしまいますね。遠目から見る分には問題ありませんが、あまり近づきたくない雲です。

因みにこの日は、秋田県の男鹿沖で、漏斗状の雲が見られたそうです。午前11時頃に確認されたということですから、出発の直前です。夏の空は確かに迫力がありますが、侮れません。

12:13、山形上空を通過しました。日本海側は雲がべったりだったのですが、その隙間から見ることができましたね。離陸から11分です。この付近で水平飛行に移りました。この日の巡航高度は26,000feetでした。

モグモグタイム

そして飯が来ました。今回のご飯は全体的にに美味しかったですね。特にお魚とじゃこのご飯が良かったです。なんだか前回プレミアムクラスに搭乗した時もじゃこご飯だった気がするのですが、好きなんですかね?

メニューは、厚焼き玉子、赤魚粕漬け、牛肉アスパラガス巻き、鴨団子、サーモンフライ、レモン、里芋煮揚げ、真だこのマリネ、海老、枝豆寄せ、赤パプリカ、青唐素揚げ、土佐御膳、炊き合わせ(豆腐、大根、人参、結び昆布、ひすい小茄子、ゴーヤ)、じゃことひじきの梅風味ご飯 でした。ゴーヤなんか特に「修行僧」って感じがしていいじゃないですか(笑)

飲み物はカテキン緑茶をオーダー。最初はスパークリングワインでも飲んでやろうかと思ったのですが、「なんだかんだ言って、カテキン茶ってこーゆー場じゃないと飲まないよなぁ」と思い直し、カテキンを補給しました。コンビニでも売ってますけど、¥200近いお金を出して買う程でもないじゃないですよね。

12:16、ご飯を食べている時に福島上空を通過しました。定点観測のようなポジションの福島市、この日は晴れ渡っていましたので見栄えも良かったですね。この付近にあるRUBISポイントで右に旋回、航空路Y10に乗ります。

12:19、猪苗代湖が遠目に見えました。航路的には秋田→羽田、羽田→秋田の往復で共に見ることができる猪苗代湖ですが、上り便で見るのは久々な気がします。

何よりも確実な搭乗証明書

今回搭乗のJA706Aは、2018年に那覇ー羽田線で搭乗済みの機体ではありました。しかし、その時は機内が混雑しており、右の主翼に書かれた登録番号の写真を撮ることはできずじまいでした。

ANAでは、CAさんに頼めば、搭乗証明書のようなものをいただけることがありますが、何よりの搭乗証明になるのは機体の登録番号が書かれた右主翼の写真を撮影することだと思います。右の主翼にどデかく「JA706A」と書いてあるB777は世界中探してもこの機体だけですからね(笑)

飛行機は、猪苗代湖の東を過ぎたあたりで降下開始となりました。せっかくの撮影チャンスを逃すわけにはいきません。カテキン茶を一気飲みしてR3ドアの窓へと急ぎました。

今回搭乗のJA706Aは1998年5月に導入された機体です。形式は777-200ですが、当初は国際線機材として運用されており、今でいうところの787-9中距離仕様のような立ち位置でした。その後、国内線仕様に転換されて今に至りますが、冒頭で載せたモニターのマップなどは純国内線仕様の機体とはやや異なっていたりします。

12:36、関東上空に入ると、南進するにつれ再び下は雲がべったりになりました。アナウンスによると羽田空港は晴れということでしたが、先が危ぶまれます。この雲に突っ込んだ途端ガタガタと揺れ始め、同時にベルトサイン点灯、着陸態勢に入りました。

最近 、飛行機が苦手な方とお話をする機会が何度かありました。やはり話題に上がるのは「揺れは怖くないのですか?」というもの。確かに、揺れは心の底から大好きというわけではないのですが、雲に突っ込むときは基本的に「揺れる呈で過ごすようにすると心の準備ができていいかもしれませんよ」とアドバイスをさせていただきました。もっとも、雲に入るたびに毎回揺れるわけでもなく、また、窓側席に座っていないと雲に突っ込むのかどうかもわかりませんが(笑)

12:42、ようやく視界から間近に見える雲を追いやった頃には既に千葉上空を過ぎ、東京湾上空へ差し掛かる頃でした。北のほうに視線を向けるとRWY22へ向かっているであろう西からのトラフィックの姿を見えました。そういえば今年に入ってから羽田空港のD滑走路RWY23に着陸するのは初めてなのに気がつきました。散々着陸した羽田空港ですが、着陸コースが慣れないものだと景色も新鮮に感じるものです。

写真中央部に見えているのがJRの千葉駅周辺。ビル群が立ち並んでいるのがよくわかります。航空ファンであれば、千葉県で最も用事のある場所は成田空港であると思いますが、千葉市内は私自身あまり訪れたことがありません。京成電鉄で成田空港へ向かうとなると、通過するだけになってしまいますからね。

12:45、風切り音が変わってギアダウンしたのが分かりました。前方のスクリーンでは車輪のカメラの映像を映し出しており、その様子を撮影してる方もいらっしゃいました。

12:48、羽田空港RWY23に着陸しました。飛行時間は50分でした。いつも通りの飛行時間、あっという間に地上に帰ってきました。やはり飛行機は速くていいですねえ、久々に飛行機に乗るとその速さを改めて実感しました。

D滑走路RWY23側の最も手前にある高速離脱誘導路、D5誘導路で滑走路をバケートし、ターミナルへと向かっていきました。

D5誘導路からR誘導路を経由して羽田空港の本島に移動してきました。ちょうど右手にはANAグループの整備訓練機材、737-500が留め置かれていました。なかなか飛行機を丸ごと1機整備訓練用に置き換えてしまうというのは珍しい気がしますが、かつてJALも日本初のジェット旅客機であるDC-8(JA8001)を引退後しばらく同様の活用方法で原形をとどめていた例もあリます。

実際に訓練をするのであれば、本物そっくりのモックアップを用いるよりも、実機を用いた方がより実践的な訓練を行うことができるという点に関しては納得です。

到着ロビー直結 62番スポット着

12:57、羽田空港第2ターミナルの62番スポットに到着しました。777でもターミナルの中央から離れたスポットへ到着することもありますが、今回は堂々ターミナル正面の62番スポットへの到着となりました。ボーディングブリッジも2本接続され降機もスムーズでした。

最後に8月の機内誌をもらって飛行機を後にしようと考えていたのですが、シートポケットに入っていた翼の王国が月末にも関わらずやけに新しい…よく見たら9月号が入っていました。月末はオーディオプログラムを含め、翌月のものに変わっている場合がありますという注釈は目にしますが、8月の機内誌が欲しかった時に限ってこれとは、参ってしまいました。機内誌を確実に抑えたい方は、ギリギリを攻めるのはやめましょう

62番スポットという超人道的なスポットに到着してくれたおかげで、すぐに到着することができました。一応今回は都内で「真面目な用事」も作ってきたので、この後は京急に乗って羽田空港を後にすることになりました。12:57の到着で、10分後には京急線のホームへたどり着くことができました。大型機最高です(笑)

最後に

777-300の投入、待ってます。

最後までお読みいただきありがとうございました。

コメント

  1. […] […]

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