ANA404便 秋田ー羽田線搭乗記 767で初めてのお正月フライト(2019年1月1日)

搭乗記2019

新年早々の乗り初め式

今回は秋田空港から羽田空港までの搭乗記です。

4月から大学が仙台に変わりました。これまでは横浜の大学で過ごしており、そちらでは正月明けの授業開始は1月2週目の火曜日からだったのですが、大学により授業開始日が異なるようで、仙台の某大学では1月4日から授業が始まるとのことでした。

1月3日までには仙台に辿り着かなければならない、一方で世間は年末年始休暇を終えた方々のUターンラッシュが早くも1月2,3日から始まります。それに伴い航空券の値段も爆上がりしてしまうため、今回は仕方がない、正月1日から移動することにしました。生まれてこのかた、正月早々飛行機に乗って移動するという経験はしたことがありませんでしたが、正月真っ只中の空港や飛行機の様子を経験することもたまにはいいだろうというわけで、1月1日の秋田発羽田行き、ANA404便のチケットを抑えたのでした。

当日は近所の神社へ初詣に向かったのち空港へと向かいました。門松が空港にも配置され、正月ムードは確かに出てはいますが、空港の運用自体はいたって普通、特に航空関係の方にとっては正月もクソもありませんから、粛々と業務をこなすのみです。既に羽田空港から搭乗機は到着しているようで、デッキで一枚撮影したのちすぐに保安検査場へ向かいました。

ANAの国内線では2018年12月より、羽田空港での保安検査締め切り時刻を出発時刻の20分前に変更しました。9:40発の便であれば9:20までに保安検査を通過している必要がありますが、それはあくまで羽田空港の話。他の空港では出発時刻の15分前までに保安検査場を通過していれば良いため、ギリギリセーフです。ギリギリを攻めるというのもあまり褒められた行為ではありませんが、規則に従って15分前までに通過すればとりあえず大丈夫でしょう。

保安検査場の締め切り時刻に近づいていたため、逆に空いていた保安検査をさっさと通過し、その目と鼻の先にある搭乗口3番から飛行機へと乗り込みます。勿論搭乗は既に開始しており、列ができている間にこの写真を撮ることもできました。確か伊丹ー羽田線などでは、優先搭乗後の一般客の搭乗時でも、優先搭乗レーンを設け、いつでも上級会員は優先的に搭乗することができるようになっていますが、秋田空港の場合はそもそも改札機が少ないため、そのような対応は取られません。素直に列に従って搭乗口を通過するのみです。もっとも、伊丹ー羽田線のその対応が異常であるというだけの話ですが(笑)

いざ機内へ

09:35、搭乗となりました。今回の座席は前方の12Kです。機内はやや混雑していましたが、ラッキーなことに私の隣、12Hは空席のままでした。これには助かりましたねえ……
かなり最後の方に搭乗したので、席にたどり着いてすぐの09:36にはドアクローズとなりました。航空ファン界隈では、飛行機に乗るとツイートすると言う文化があるようで、それに習い早々とツイートを行い携帯電話を機内モードに設定します。

ANAお馴染み”キャビンアテンダンツ、セットスライドバー”の業務連絡が終わると、正月らしく”皆様、あけましておめでとうございます”とアナウンスが入りました。これは正月の便に乗らなければ聴くことができませんからね。早くも正月らしい雰囲気が出始めました(笑)

定刻よりも1分早く、09:39に秋田空港の3番スポットを離れ、トーイングカーに押し出されます。トーイングカーを外したりなんなりと、自走を開始するまでに少々時間がありますが、その間に雪が降ってき始めました。秋田空港は標高93mの丘陵地に位置しており、特に冬場は天候が変わりやすいです。みるみるうちに吹雪のような天気になってしまい、離陸を前にタイミングが悪いなあ、、と心の中で思っていました。

しばらく待機していると雪が再び小康状態に戻り、グランドスタッフと整備士の方に見送られて、滑走路へと向かっていきます。今年もよろしくお願いしますと、手を振り返させていただきました。

雪国育ちの方には共感していただけると思いますが、冬場の歩道は、前の人が歩いた後をたどってそろそろと進んでいくのが一般的だと思います。誰も極力足を雪に突っ込みたくはないですからね(笑)
それを遠くから見るとだいたいこんな感じのように見えると思います。ここまで露骨に地面が雪から顔を出すと言うことはありませんが、だいたいこのような一本道が雪国の歩道には出来上がっているものです。

空港の誘導路も、歩道よろしく中心のオレンジの線が見えていれば最悪いいようで、このような除雪になっているのでしょう。因みに、秋田空港の除雪隊にも名前があります。忘れちゃいましたけど(笑)

飛行機にはスタッドレスタイヤがないため、そろりそろりと滑走路までタキシングしていきました。”そろりそろり”と連呼しているお笑い芸人の方、いらっしゃいましたよね。まさにあんな具合です。

滑走路までやってくるとしばし待機、東の空からはボンバルディアダッシュ8がやってきました。秋田空港発着のANAグループ便は、羽田線を除いて全てこちらで運航されているため、遭遇頻度も高いです。JALグループのJACと同時期に運航開始したANAグループのダッシュ8ですが、こちらはまだまだ活躍が続きそうです。

新年初離陸

ダッシュ8の着陸を待ってこちらに離陸の順番が回ってきました。冬場の離陸といえば、滑走路の末端でエンジンの推力をあげ、ブレーキリリースして一気に加速するスタンディングテイクオフも行われます。今回はなかなか離陸滑走に入らなかったため、スタンディングテイクオフと判断、携帯のカメラを動画モードにセットして離陸の時を待ちました。

そして09:54、鬼のような加速であっという間に秋田空港から離陸となりました。帰省の利用であろうお子様連れも多かったこの便、あまりの離陸の過激さにやや悲鳴に近い声を上げていたお子様もいらっしゃいました。今年で22歳を迎える搭乗機のJA8971、その離陸性能は健在です。

離陸後すぐに左に旋回したシップからは、かろうじて秋田市南部の様子が見えました。上に控えるのは冬場の日本海側らしいねずみ色の雲、このペースだとすぐに雲に突っ込んでしまいそうです………

案の定すぐに雲に突っ込んでしまいました。雪雲ではありますが、そこまで揺れることもなく、ひたすら青空を目指してグイグイ高度をあげていきます。離陸後3分の09:57にはフラップも格納され、油圧の音と同時に前縁フラップが格納されていく様子が目に入りました。

ここで本日搭乗のB767-381ER、JA8971についてご紹介。JA8971は1997年3月導入の機齢21年の機体です。(搭乗時)1997年と言うと、既に新ルール(JAナンバーの末尾がアルファベット)で登録された機体が出始めている時期でもあり、ANAのB767-300/300ERの中では最後にJA8000番代で登録された機体でもあります。機体そのものはB767-300ERですが、国内線機材として使用され、ANAグループのB767-300ERの中では異端な存在と言えますが、エンジンは他の-300ER同様、CF6-80C2B6Fを搭載しています。他のJA8000番代で登録された-300ERは、現在全てが貨物機に改修されていますが、こちらはおそらく旅客機として生涯を終えるものと予想されます。座席はトヨタ紡織製の新シートを搭載しており、普通席のキャビンはB787、B777-200/ERや国内線転用したB767-300ERなどと同様、青色成分が増し増しです。プレミアムクラスは旧型のシートをまだ搭載しており、PC席の方がくたびれているかもしれません(笑)

10:00、秋田県南部、横手市の西まで差し掛かったところで雲を抜けました。つい数時間前に昇ったばかりの太陽に照らされ、既に上空は青空が広がっています。

この後10:03にベルトサインが消灯、10:05には巡航高度の32,000feetで水平飛行に移りました。秋田空港から羽田空港までは、山形上空、福島上空を経由して飛行する航路がとられますが、冬場の日本海側は雪雲に覆われ、殆ど下の景色を見ることはできません。正月に天気が良かった記憶はあまりありませんねえ……

南東北~関東へ

離陸から17分で福島市が見えてきました。奥羽山脈を超え、太平洋側に出ると確かに天候はよく、下の景色も見ることができるようになりました。しかしながら、ご覧の通り福島市内は平野部でも雪で真っ白になっています。盆地ということもあり、仙台市などと比較すると雪が積もりやすい環境にあるとは言えますが、ここまで雪化粧した福島市の様子も上空からは始めて見ました。普段積雪している様子を見ない地域ですので、何度見返しても違和感があります。

10:16、福島県の県庁所在地よりも人口が多い郡山市が見えてきました。福島市の少し南にある印象のある郡山市ですが、こちらは全く雪が積もっていません。普段見ているような景色が窓いっぱいに広がっています。40kmほど見た南にずれるだけでこうも違うのかと、一人で勝手に驚いていました。

この積雪量の差は、おそらく上空の湿った空気(天気予報風に)が、郡山市の北西にある磐梯山でブロックされ、そこで雪を降らせる要素が福島市よりも少なくなるのでは??と予想しました。このことについてはネットを漁れば答えがわいてきそうです。

10:26、筑波山の東を通過しました。シップは既に高度を下げており、この時点では17,000feet程になりました。

関東地方まで南進してくると、雪があることを示すような冠雪した様子は全くみられず、北国の人間からすると羨ましい限りです。一方で、雪のないお正月というのはこれまた違和感を感じると同時に、どこか物足りなさを感じるものです。 まあ除雪に追われない冬ほど楽なものはないですけどね(笑)

初富士は空から

10:32、ベルトサインが点灯、着陸態勢に入りました。
冬場で空気の澄んだ関東上空、その先には、数時間前に沢山の初日の出ギャラリーによって注目の的となったであろう富士山が見えています。この景色自体は、冬晴れの関東上空を飛行していればいつでも見ることができますが、新年最初かつ、初日の出を迎えて少ししか時間を経ていない富士山と関東地方を眺めるというのはまた違った気分になりますね。

国内の航空会社では、新年の初日の出を空からいち早く眺めようと、”初日の出フライト”なるものを実施しています。そのフライトの特性上、結構いいお値段がするわけですが、お祭りムード溢れる機内、一度体験してみたいですね。

10:43、東京湾上空へとやってきました。大体いつも海の上に出ると車輪が出る音がするのですが、今回もそれに習ってこの付近でギアダウン。ガコン、バタンと音がなり、風切り音が変わるのがギアダウンの証拠です。

巡航高度から高度を下げているところでは、やや揺れながらの飛行となりましたが、この付近になると安定した気流の中の飛行ということで揺れもあまりなくなっていました。

そしてご存知D滑走路をオーバーパスして……

10:46、羽田空港RWY34Rに着陸しました。飛行時間は52分でした。1月1日から羽田空港にやってくるのは初めてです。富士山同様普段と何か違うわけではないのですが、やはりなにかと新鮮な気持ちになりました。2019年もたくさんのフライトで羽田空港にはお世話になりたいですね!

飛行中のアナウンスでは、到着予定スポットが62番と伝えられていました。確かにB767で62番スポットに入ることに関しては、何の違和感もありませんが、日中の秋田線で当たり”のゲートに入った経験があまりなかったので、ゲートチェンジでもされているのでは??と疑っていました。しかしながら、その62番スポットには他の飛行機の姿はなく、まさに我々の到着を迎えてくれているかのようです。(大げさ)

というわけでC滑走路からC8、C8B、C、Zの各誘導路を経由して62番スポットへと向かっていきました。

そして10:50、定刻通りに羽田空港第2ターミナルの62番スポットへと入りました。ブロックタイムは1時間11分、定刻通りの到着でした。

スポットインの手前で、ANAの垂直尾翼がよく並んでいる姿を写真に収めました。しっかり写り込んでいる3機は全てB777で、まさにトリプルトリプルの完成です。

よく見たら、一番奥の4機目もB777ですので、4機B777が並んでいたことになりますね。年末年始の繁忙期は、ANAで最大のキャパシティを誇るB777がほぼフル稼働するスケジュールが組まれており、帰省やUターン需要に応えています。経年機を中心に引退が進められているB777(-200)ですが、この先もしばらくはANAの国内線最大機種として、そのキャパシティの大きさを存分に発揮してくれることでしょう。

最後に2019年1発目のフライトを飾ってくれたJA8971の写真を撮って到着ロビーへと向かいました。この後は、通常期の運用通りANA87便として宮古島へと向かったようです。宮古島と東京間の帰省需要はどれほどあるのかは分かりませんが、毎月発表される ANAの輸送実績では、羽田ー宮古線の搭乗率は毎月高い数字をマークしているのが印象的です。観光地としての開発も進められているため、観光需要が多いのは自明の理ですが、この時期くらいは宮古島の地元の方の利用も多そうです。

秋田空港で預けたキャリーケースを受け取り、到着ロビーへと出ました。横浜に住んでいた1年前であれば、このまま京急に乗り帰るだけだったのですが、今回はここから再び北上し、仙台へと戻らなければなりません。こうしてみると横浜の方がだいぶ楽だったなあ、、と思ってしまうのですが、現実は甘くはありません。

しかしながらこの日のフライトはこの1本のみ、この後は都内某所に住む友人としばし合流し、その後は成田空港へ向かう予定を立てていました。

最後に1月1日のフライトに搭乗した感想を述べて締めたいと思います。
確かにアナウンスなどは、正月らしさがありました。しかし、フライトそのものに関しては普通のフライトで、自らの心持ち次第で新年感を出すのも、いつも通りも出すのも自由といった具合でした。またそれと同時に、”公共交通機関には盆も正月もない”ということを改めて実感しました。事業者としては、こういった書き入れ時にバンバン稼いで資産を蓄えるというのは当たり前な行動であるのですが、実際に現場でオペレーションの任に就いている方々は大変そうに思います。利用者としても、この時期に働いている方には特に感謝の心を持って対応するべきなのではないか?と勝手に思った次第です(笑)

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