2019年1月14日 ANA735便搭乗記 テスト勉強は機内で 復路

搭乗記2019

すぐに仙台へ戻ります

ANA732便から降機し、降り立った搭乗口に掲げられている出発便案内の「パタパタ」を撮影しました。今さっき仙台空港から乗ってきたばかりのBoeing 767-381ER(JA606A)はこのあと再び仙台へと折り返すそうです。というわけで、この便に搭乗し見出し通りすぐに仙台へ折り返します。往復で同じ機体への搭乗です

現在伊丹空港発着の地方路線で767が投入されているのは仙台線のみとなっています、かつては九州路線を中心に伊丹空港から西日本へ向かう路線では中型機の767が数多く活躍していましたが、近年の国内線の運航機材のダウンサイジングや九州、山陽新幹線との競合により供給座席数の適正化が図られ、伊丹ー西日本路線では小型機による多頻度運航がメインとなってしまいました。

そのような状況もあってか伊丹ー仙台線は伊丹空港発着の地方路線の中では最も利用者数が多い路線となっており、山陽新幹線との競合が激しい幹線である伊丹ー福岡線よりも利用者数が多い路線となっています。

ラウンジでもお勉強

5番ゲートの脇にあった自動チェックイン機で折り返し便の搭乗手続きを行い、その後テクテク歩いてANAラウンジへとやってきました。今回のヒコーキ移動の本来の目的は機内と空港でテスト勉強をすること。先ほどまで乗っていたANA732便の機内でもそこそこ勉強していたのですが、この折り返しの時間も無駄にすることはできません。

ANAの国内線のラウンジはプレミアムクラス利用者、スターアライアンスゴールドメンバーとANAの上級会員のうちプラチナ、ダイヤモンド、SFCの種別を保有している会員が利用できるANAラウンジとANAの上級会員種別のうち最高峰であるダイヤモンドの種別を保有する会員のみが利用することができるANAスイートラウンジの2つに分かれます。(いずれも同行者複数名と入室可)

羽田空港や新千歳空港と言った主要な空港はいずれのラウンジも完備しており、伊丹空港も勿論両者が設置されています。私はダイヤモンド会員ではないのでANAラウンジ止まりです。
ラウンジ入室前の壁には写真のようにスイートラウンジのロゴが上に表示されているわけですが、実際のところは2階にスイートラウンジが、3階にANAラウンジがありこの表示とは真逆のレイアウトになっているのが逆説的で面白いところですね。(※2019年2月より、伊丹空港のANAラウンジ、ANAスイートラウンジは場所を移転し新規開業済み、この当時の配置とは異なります

ANAラウンジでは基本的に飲み物のみが用意されており、アルコール類ももちろん飲み放題。出張帰りと思われるサラリーマンや、ただの旅行で飛行機を利用しているであろうヘビーユーザーの方々は朝や昼からここでビールを浴びている姿も見受けられます。私はテストを控えたクソ真面目な学生ですので健康にも気を使って青汁をグラスに注ぎ短い時間でも学習に勤しみました。ここで提供される青汁は無農薬に加えて無添加だったような気がしますので、真の青汁ユーザーにとっては欠かすことができない、そんな存在です。

この時点で時刻は09:25、搭乗便であるANA735便の出発は10:00ですので、約20分ほど集中して学習に取り組む環境が整いました。

再びJA606Aの機内へ潜入

09:40過ぎにラウンジを出て再び伊丹空港5番ゲートへ、機材も乗員も往路と同じANA735便で再び仙台へと戻ります。

搭乗は09:44、優先搭乗に間に合ったのでスムーズにアサインした22Kの席までたどり着きました。できれば往路と同じ32Kの席が良かったのですが(特に理由はありません)、この便はそこそこ座席が埋まっており、主翼の上のこの席に落ち着きました。ちょうど往路で色々お話させていただいたCAさんと目があったので「どうも〜っす()」とご挨拶。この類のコミュニケーションを図るような行動は今後もどこかで活きてくるに違いありません

09:56、定刻よりも早くドアが閉まりました。プッシュバックは定刻1分前の09:59、伊丹空港の5番スポットは奥まった場所に位置しているため他のヒコーキの通行を妨げないように2つ隣の7番スポット付近まで長々とプッシュバックされました。

プッシュバック中には仙台空港までの飛行時間が1時間、目的地の天候は晴れで1度とのアナウンスもありました。秋田に住んでいると太平洋側は冬でも寒くない、という印象があるのですが、太平洋側とはいえども東北地方ともなると流石に気温も低く寒いですね。東京くらいまで南下しないと居住には適しません。

地上にいる時も窓の外に注目

プッシュバック中に、恐らくターミナル改修によって取り外されている9番スポットのものと思われるボーディングブリッジが放置されているのが確認できました。すでに改修が終えられたボーディングブリッジはガラス張りのものに取り替えられているため、このボーディングブリッジはお役御免となってしまったのでしょう。

秋田空港のボーディングブリッジが改修された時は新品と付け替えはせず、既存のものを改修していたような気がしますが、最近のボーディングブリッジはバリアフリーの観点から段差のない仕様のものに改められているようで、そう言った面からも新品のものと付け替えになるのでは、と個人的には予想しています。2020年には東京でオリンピックが開催されますし、2025年にはここ大阪で万国博覧会が開催される予定となっていますから、バリアフリー化の進行を世界にアピールするいい機会でもありますね。(※東京オリンピックは諸事情により1年ほど延期が決定しました

東京云々と言っていると東京からやってきたヒコーキが目の前に現れました。2020年の東京オリンピック開催に向けてデビューした「Hello 2020 Jet」、2019年1月でちょうどデビューから1周年となりました。この塗装は伊丹空港に隣接するMRO Japanの格納庫で施されました。私はちょうどこの機体が伊丹空港から運航の拠点となる羽田空港へ回送された日に羽田空港への到着シーンを目撃した他、2018年4月に搭乗する機会を得たりと特別塗装機の中では縁があると個人的に思っています。しかし、まだ秋田空港で見たことがないのでいつか地元でお目にかかりたいところです。

飛行機はこの後C1誘導路を経由してA滑走路を横断、先ほど着陸したばかりのB滑走路RWY32Lへ向けてタキシングを続けました。

10:12、これから離陸する伊丹空港のB滑走路RWY32Lまでやってきました。ここで2機の着陸機を待った後滑走路へと入りました。機内アナウンスでは「伊丹空港が出発機ならびに到着機で混雑しており…」とありましたが、混雑というよりかはタイミングが悪かっただけでしょう。

伊丹空港は2本の滑走路を有していますが、ターミナル寄りの1本は滑走路が短く、中型機以上クラスの飛行機の離発着はできません。この辺が運用上もネックになっており、度々ニアミスなどのインシデントも発生しています。後方に控えるのはANAの羽田行き20便、こちらも787-9(これは大型機なのか中型機なのかわからない微妙なサイズですが)ということで長いB滑走路しか使うことができません。

滞在時間1時間でさようなら大阪

10:14、離陸しました。遠目に見える高層ビルは大阪市の北、豊中市の千里ニュータウンにある高層マンションです。左側「”ザ千里タワー」、右側が建設中の「シエリアタワー千里中央」というそうですが、共に高層階からは伊丹空港を離発着するヒコーキの姿を見ることができそうですね。

伊丹空港から仙台空港へ向かう場合の出発方式はMINAC THREE DEPARTURE。伊丹空港を離陸後大きく左に旋回、進路を北東に向け鈴鹿山脈上空を通過、名古屋上空まで向かっていく航路を取ります。往路同様復路も中部地方の真ん中を突っ切って飛行していくため、景色に飽きることはありません。

というわけで離陸後すぐに左に大きく旋回します。

左側の窓側席からは今さっき離陸してきた伊丹空港の姿や、兵庫県伊丹市にある昆陽池(池の真ん中に日本列島が浮かんでいる)などが見え、シャッターチャンスが腐る程あるのですが、右側はひたすら青空しか見ることができません…まあ伊丹空港を北へ向けて離陸する飛行機は例外なく離陸後大きく左に旋回する航路を取る上、伊丹空港は年間通して殆どが出発機は北へ向けて離陸する運用がとられているため、何度も見ると飽きてしまいますが(笑)

ANAの国内線仕様767で最も広いラバトリー

10:26、ベルトサインが消灯しました。空港で色々飲みすぎたのでベルトサインが消えると同時にラバトリーヘ駆け込みました。2014年に国内線仕様へと改修されたばかりの機体ですので手洗い機はもちろん自動、手をかざすだけで水が出てきます。トイレットペーパーがだらしなく垂れ下がってる感じがなぜか好きです。

普段は機内の後方から写真を撮るという名目で後方のラバトリーヘ向かうことが多いのですが、今回は久々に機内中央のラバトリーを訪問。やけに広い印象を受けたのですが、オムツ交換台付きに加えて車椅子対応なんだそうです。ANAの国内線機材ですと中型機、大型機は機内中央のラバトリーが同じような仕様になっているようです。

富士山(2時間ぶりこの日2回目)

10:29、巡行高度の37,000feetに到達し水平飛行にうつりました。翼の上だと景色があまり楽しむことができない上、進行方向右側は南向きですので終始日光が入ってきます。そこでシェードも半分締め切って座っていたのですが、往路と乗員さんが同じということもあり「富士山が綺麗にご覧いただけます」と再びアナウンスが入りました。シェードをあげて窓を見るとまあよく目立つんですねえ、標高もそうですが、俯瞰するだけでもその特徴的な形、冠雪具合はパッと見ただけでもすぐに富士山だとわかってしまいます。

テスト勉強をしている証拠も残しています

テーブルを使えるというアナウンスがあってから、復路はテスト勉強に精を出しました。今回の目的はあくまでも勉強することですので、巡航中はひたすら文字を書いて知識を頭にぶち込みました。この日は天候も良く、ほとんど揺れないフライトだったので文字を書くのにもほとんど苦労しませんでした。

大学に限らずテストは科目に勉強方法が異なりますが、ここで勉強していたのは「ひたすら覚えてテストに臨んでください」と言われていたもの。レジュメからここは出そうだ…と思う語句を抜き出して自作問題集を作るのは中高とやってきたことのノウハウをそのまま活かすことができます。
因みにこの10日後に行われた期末試験ではもちろんこの科目の単位を獲得することができました。ここで落単となるとシャレにもなりませんが、いかなる手段、方法で勉強しようとも単位が来れば結果オーライです。なお、全ての科目の中で最も点数が低かったのはいうまでもありません(笑)

降下開始

10:53、途中から航空路Y15に入った飛行機は福島県猪苗代湖の北を飛行中。もちろん猪苗代湖は見ることができませんでしたが、マップでその位置を確認しました。

10:45からすでに巡行高度の37,000feetから降下を始めていましたが、降下に際しては翼上部のスポイラーが役に立ちます。スポイラーが展開するとその気流の乱れから大きな音が発生しますが、時々驚くほど激しい音が発生することもありますよね。

10:58、福島市にあるOWLETポイント通過して仙台空港へ向けての到着経路に入りました。仙台空港にアプローチする場合、太平洋上空へ一旦出て海側から着陸する方式と宮城県南部にある白石市の上空を通過して奥羽山脈側から着陸する方式などがありますが、この当時私は海から着陸するルートしか経験がなく、またそちらのルートしか知らなかったため、今回も海側からの進入だろうとばかりに思っていました。つまり最終的に山側からの進入となったわけですが、この時はまだそうなると知る由もありません。

この後CAさんから「戦利品」としてエコバックと2019年5月から就航することになるA380「Flying Honu」のバルーンを頂きました。エコバックは昨年の9月に初めて頂いてからなんだかんだで5〜6枚ほど備蓄がある状態ですが、A380のバルーンは初めて頂きました。A380就航に向けて子供へ向けてもセールスを展開しようとするその抜かりなさを感じることができました(笑)

普段と異なる場所を飛んでいることに気づく

なんかいつもと違うなあ、と思い始めるのはシップが海岸線になかなか近づかないどころか、空港の西へ向かって飛行していると気づいたとき。フライトレーダーでも自機の位置をモニターしていましたが、山の方を迷走するかのごとく飛行しているのがわかり内心、これは大丈夫なんだろうかと思ってしまいました。私のように中途半端な知識を持ち合わせていると飛行機に乗っていて不安になることが多々ありますが、このときは本気でヤバいんじゃないか、と思ってしまいました。

仙台空港の西には有名な蔵王があり、仙台空港に山側からアプローチする場合はそれを避けるために、一旦海側から進入したあと空港の北を低高度で旋回して着陸するものだとばかり思っていたので、突然こんなところを飛ばれては焦ってしまいますね。

11:07、進行方向右側に仙台空港が見えてきました。飛行機は通常滑走路に対して3度の角度で進入しますが、既に空港を視認できているということは無事に着陸することができそうです(当たり前)

その後飛行機は右に旋回、車輪を出して着陸に備えます。この時点で高度は約1,500feet(=460m)ですが、手前に広がる山を超えます。仙台空港のチャートによると写真左の山の最高峰は1,039feet(=316m)だそうで、迫力は十分です。山の上をひたすら降下していく広島空港よりも迫力があったかもしれません。

11:09、山を超えました。無事に山越えです。あとは太平洋まで仙台平野が広がりますので特に心配することはありません。通路上のモニターにも仙台空港の滑走路が映し出されていました。

11時時点での仙台空港の風は北北東から5knot、仙台空港の滑走路は東西に走っており、どちらから着陸しても横風着陸となります。カメラが映し出す画像からも機体が風に正対するようやや滑走路に対して斜めになっているのが分かりました。

無事に着陸

11:10、仙台空港RWY09に着陸しました。飛行時間は56分でした。朝仙台空港を離陸したのが08:06でしたので、3時間4分ぶりに仙台の地へと戻ってきたことになります。往復で飛行時間の比較をすると復路の方が10分短い結果となりました。偏西風による影響だけでなく、今回は降下から着陸までの経路を短縮することができたのが、飛行時間の短縮に繋がっていると思います。

このフライトでは出発前に客室乗務員呼び出しボタンらしき音がポンポンポンポン鳴っており、肘掛け上にあるボタンを気づかないうちに何度も押しまくっているお客さんがいらっしゃったと思われるのですが、着陸時も4,5回ほどポンポン連呼されていたのが特に印象に残っています。

B5誘導路で滑走路を離脱したシップは短い地上走行を終え、11:13に朝と同じく5番スポットへ到着しました。ブロックタイムは1時間14分でした。

到着前にCAさんから「着陸した滑走路をお教えしますので、お降りの際に前方の客室乗務員までお越しくださいねー」と言われていました。まあ着陸した滑走路は知っていたので聞くまでもないのですが、せっかくのご厚意ですので知らないフリをして通路を進むとCAさんに捕まりました(笑)
「着陸の滑走路ですよね?09だそうです!」とそこで会話が終わっても良かったのですが、先程の山越えアプローチが気になったので、「もしお時間がよろしければ着陸方式についてもお尋ねしていいですか」と尋ねると、インターホンで機長に尋ねてくださいました。すると、「RNAV(の方式)を使った」という回答を得ました。ここで、CAさんと着陸についての会談が始まりました。あまり詳しくないので最後に「キャプテンに聞けばよーくわかると思います!」と決めました(笑)

往復で搭乗していることは伝わっているようで、「今日はあと終わりですかー?これ宜しかったらどうぞ!」とまたA380のバルーンを頂いてシップを後にしました。1フライトで複数のひこうきふうせんを頂いたのは今回が初めてかもしれません。早速帰って膨らませてみたのはいうまでもありません(笑)

仙台空港着陸前のFlightrader24による自機の航跡と、使用したと思われるアライバルチャート、アプローチチャートです。(AIS JAPANより)特に、下の2枚目のチャートに関しては、他の障害物に注意を促すよう、山の標高や建築物の高さなどが事細かに記されています。

そして到着ロビーへ出ました。仙台に来てから手ぶらで飛行機に乗る機会が激減してしまいましたが、やはり手ぶらはいいものです。こうして当日に飛行機のチケットを買って安く乗ることができるのも25歳までですので、その恩恵を余すことなく享受していきたいところですね。

最後にデッキへ上がって再びこの日お世話になった767-381ER(JA606A)を撮影してから空港を後にしました。この日は3連休最終日ということで、3時間前は私が独占していた空港のデッキも多くの家族連れで賑わっていました。この後この767は仙台ー那覇、那覇ー広島と飛び最後に羽田へ戻ってお勤め終了という流れになったようです。本当に飛行機は働き者です。

おまけにソウル・仁川国際空港からやって来たアシアナ航空のA320も載せておきます。至って普通です。

この後は朝と同様、電車に乗って空港を後にしたのでした。航空会社のステータス修行をされている方にとっては、この同一機材、同一クルー運航便に続けて搭乗することを嫌う方も一定数いらっしゃるようですが、私は何かの話のネタにも使えそうですし、たまにやるのは悪くないかな~という感想です。しかし、できるだけ多くの飛行機にに乗りたいという欲を犠牲にするのはプライドが許さないため、積極的にやろうとは思いません(笑)

というわけで、仙台ー伊丹線の機内、往復でテスト勉強をしてしっかり単位を取得した話でした。新型コロナウイルスが収束したら、お布施がてら皆さんも機内でお勉強タッチ修行なんてしてみてはいかがでしょうか

最後までお読みいただきありがとうございました。

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