秋田ー東京間エクストリーム通学のすゝめ(2017年10月24日 ANA402便 秋田ー羽田線搭乗記)

搭乗記2017

エクストリーム通学はいいぞ

皆さんはエクストリーム通学とは何かご存知ですか?通常、通学で移動する距離は、長くとも数十キロ程度であろうと思います。それに対して、このエクストリーム通学は、数百キロ、いや、数千キロ単位の距離を通学しようというものです。

大学2年の後学期は、月曜日と金曜日に授業が入っていなかったため、実質週休4日制が実現していました。4日もあれば東京から秋田に帰り、まったり過ごすことも容易に行うことができるため、10月の第3木曜日の夜から秋田へ帰っていました。

当初の予定では、月曜日の午後に帰る予定となっていたのですが、台風21号の接近に伴い搭乗予定便が条件付き運航となりました。条件付き運航と来れば、無料で振替可能。翌火曜日の始発便で羽田空港へ向かうことにしました。火曜日は10時半頃から大学の授業が始まります。火曜日の内に秋田から大学まで通学するという、エクストリーム通学の手はずがこれで整いました。

青春の思い出・B6の始発便

今回搭乗するのは、秋田発羽田行の始発便、ANA402便です。秋田空港を7:35に出発し、羽田空港には8:45の到着です。東京都内や横浜方面などで10時から行われる会議などには余裕でアクセスすることが可能であり、かつ、今回のタイトル「エクストリーム通学」を午前中に果たすには、必要不可欠な存在です。

父に車で送ってもらい、出発時刻の30分前、7:05に秋田空港へやってきました。今回は預ける荷物もなかったため、まずはデッキで搭乗機とご対面です。

本日羽田空港までお世話になるのは、Boeing 767-381(JA8342)です。当初予定していた前日のANA410便は未搭乗の767でしたが、こちらは2016年2月に搭乗済みの機体。残念な気持ちもありますが、秋田発羽田行の始発便で767に乗るのは、小学生や中学生の頃に何度も乗っていたということで、青春の思い出の1ページ。その思い出に浸りながら、フライトを楽しみたいと思います。

ANA402便は、秋田発羽田行の始発便であると同時に、秋田空港全体の始発便でもあります。堂々の7時台に出発する唯一の便でもありますので、ビジネス需要、時間を有効活用したい観光者の需要、そして忘れてはならない、午前中からのエクストリーム通学、通勤の需要を一手に引き受け、羽田空港まで飛んでいくというわけです。

この時はまだ、保安検査場の通過締め切り時刻が、出発時刻の15分前でしたので、まだ8分余裕がありますが、保安検査場の通過はスムーズに行うことができました。

保安検査場を通過し、搭乗口の前で搭乗開始のアナウンスを待ちました。

3番搭乗口には、我がANA402便と、その次の羽田行きであるJAL162便の表示が出ています。JAL便で羽田空港へ向かうと、羽田着は10:20。最終的に目的地まで向かうとなると、早くとも11:00近くになってしまいます。午前のエクストリーム某には、やや力不足と言ったところ。やはりエクストリーム戦士にとっては6時台の起床、7時半の出発というANA402便に乗る気概は必要ですね

空いている後方区画を陣取ります

7:18、機内へと入りました。

当時私はANAマイレージクラブのブロンズ会員だったため、事前改札、優先搭乗に続いて、「機内後方座席の予約を持っているグループ」の先陣を切って搭乗しました。優先搭乗でここまでやって来る乗客の方はほとんどいらっしゃらないため、このグループで先に乗り込むことができれば、自ずと綺麗なキャビンショットを撮影することができるというわけです。

ANAの767のように、息が長く、かつ様々なバリエーションがある機材ですと、搭載されている座席も機体のグループごとに異なってきます。今回搭乗しているJA8342には、トヨタ紡織製の普通席が搭載されています。一見777や787に搭載されている座席と似たような印象を受けますが、近くで見ると当然ですが、様々な違いに気が付きます。

自席からの眺めはこのような具合。主翼に書かれた「JA8342」の文字がなによりの搭乗証明になります。前日に降った雨のため、エプロンは濡れており、窓にも水滴が付着している様子も分かります。

なお、座席は31Kをアサインしました。先ほど、「様々な需要を一手に引き受け…」と言ったことをお話ししましたが機内後方は空いているようで、座席指定の画面を見る限り、前日23:00の時点で約50名ほどしか席が埋まっていないようでした。

いざ、エクストリーム出陣

エクストリーム戦士が多く搭乗しているであろう()だけあって、定刻の7分前にドアが閉まったこの日のANA402便。定刻4分前の7:31にはプッシュバックとなり、出発時刻がマークされました。さすが時間にこだわりがある乗客が多い(と、私が勝手に思っているだけですが)だけあり、ブロックアウトまでトントン拍子で進んでいった印象を受けました。

機首を東に向けてプッシュバックされた飛行機は、暫くするとタキシング開始。40分後に出発する予定となっている、伊丹行きの始発便、ANA1652便のQ400を横目に滑走路へと向かいました。

7:39、RWY28から離陸しました。相変わらず短い滑走距離で高々と舞い上がるB6の上昇性能の良さには毎度毎度驚かされますが、早朝の便ともなると、それに加え、体を完全に起床モードに切り替えてくれるという効果もあるように思います。離陸と共に、体全身の臓器という臓器が起き上がったような、そんな気がしました。感想には個人差があります。

眼下に見えているのは、秋田県立中央公園のスポーツゾーンです。中高と陸上競技を行っていた私にとっては馴染み深い場所でありますが、大会などで朝から呼び出された時に、この羽田行始発便を地上から眺めて、「高けえとこ飛びやがって…」と何度も思ったのは言うまでもありません。

東北地方の景色を優雅に楽しみます

秋田ー羽田線のSIDは、お馴染みUSYU ONE Departure。RWY28運用時は、秋田空港離陸後に右旋回し、MUSHAポイント→山形VOR/DMEを目指します。

右旋回を終えた飛行機からは、遠目に日本海を望むことができるほか、この日は離陸後すぐの右旋回であったため、秋田県内3大河川の一つである雄物川の様子も見ることができました。こちらは、前日の雨で水が茶色く濁っている様子を確認できました。

川にかかっている橋は、秋田県道9号に属する水沢橋。川の右岸側、やや建物が密集している地域は、秋田市雄和妙法地区で、2005年に秋田市と合併した雄和町の町役場があった場所でもあります。因みに今さっき離陸してきた秋田空港も、旧雄和町に位置しており、同じく2005年から所在地が秋田市に移っています。

離陸から7分で鳥海山の上空付近を通過しました。10月下旬と言うこともあり、すっかり冠雪している様子が伺えます。夏場には山頂含めて完全に雪解けしてしまう鳥海山ですが、私は雪が積もりまくっている方が好きですね。北日本の山らしさがあっていいじゃないですか。

離陸から14分経った7:53、山形市の東の上空を通過しました。飛行機にかかれば秋田と山形なんて大した距離ではありません。朝ドラ1本見ている間に到達してしまう距離なのです。

因みに、秋田市から山形市までエクストリーム通学・出勤を行う場合、最も早く移動する方法は、「自家用車」となります。東北地方の県庁所在地同士は、全て線路、道路でつながっていることは言うまでもありませんが、新幹線や高速バスの有無で、都市間移動の利便性が大きく異なります。秋田からですと、新幹線で直通できる盛岡市や仙台市への移動の便は良いですが、公共交通機関では在来線の選択肢以外をとれない山形市などは、結果的に自家用車の方が早くたどり着くということになります。

話が脱線してしまいましたが、エクストリーム勢を乗せた飛行機は南進を続けます。ここまで雲に視界が阻まれることなくやってきましたが、行く手には雲がべったり張り付いている様子が分かります。

手前には紅葉した綺麗な山々が連なっている様子が見受けられますが、これらの景色とも間もなくお別れです。

雲に景色が阻まれる前に、福島市上空を通過しました。丁度東北地方と関東地方の境目付近で天候が大きく変わるようです。この時点で時刻は7:57。到着まではあと40分程ですが、福島までやって来ると東京ももうすぐそこ、と言う印象を持ってしまうのが、北東北民の総意であると思います。

なお、Flightraderによると、この便の巡航高度は32,000feet、巡航速度は430ktsだったようです。

機体の「歳」が出るラバトリー

私は、飛行機の年齢が表れるのは、化粧室、ラバトリーにあると考えています。機内の内装は、更新すれば新しさを演出することもできますが、ラバトリーの基本的な装備については、導入してから変更が加えられるケースが少ないように思うからです。(実際のところはいかほどかわからないのですが…)

こちらが搭乗機のラバトリー。お手洗いの周囲を撮影しました。

今回搭乗しているJA8342は、1995年4月の導入ということで、搭乗日時点で機齢は22年でした。ANAの767-300は、1987年に初号機が導入されて以降、約10年間に渡って導入が続けられましたが、その中でも後期導入に当たるこの機体でも、こころなしか若干の昭和感さえ感じられます。ところどころにある文字の字体、表現が「いかにも」という印象ですよね。

そして、鏡の端に貼られていたのが、この機内禁煙についての警告文。化粧室での禁煙は航空法により罰せられるという内容です。1999年までは、国内線でも路線、機材によっては機内で喫煙もできたのですが、現在はご存知のように、全席禁煙となっています。

それでも我慢できない…というかたが万が一ラバトリー内で喫煙をしてしまった場合、勿論その行為時体が法律違反ではあるのですが、それを隠蔽しようとして備え付けのゴミ箱に吸殻を捨ててしまうと、最悪の場合火災が発生してしまいます。それを避けるために、ラバトリー内には、灰皿が用意されています。使えって言ってるわけじゃないですよ。フリではありません

降下開始です

8:04、まもなく降下開始と言うアナウンスが入るのとほぼ時を同じくして、高度が下がり始めました。スポイラーが立ち上がり、機体に空気抵抗が増したことを示す大きな風切り音と軽い振動が伝わってきました。

これよりも高度を下げるとあとは眼下の雲に突っ込むのみです。秋田空港離陸時から目の保養に一役買ってくれていた青空ともこれでしばしのお別れです。

雲を抜けしばらく経った8:12、飛行機からは筑波山の様子が見えました。茨城県も南部に入ると殆どが平野部に占められており、筑波山ほど標高が高い山も周囲にはありません。都内からでも、空気が澄んでいる時期にはその姿を捉えることができますが、羽田空港へ北から向かう際にも、筑波山はよく目立ちます。

筑波山の見え方で、羽田空港の着陸滑走路も大体検討が着くのですが、この時はやや遠めに見えたことに加え、高度もそれなりに高かったため、着陸滑走路はRWY34Rと予想されました。

8:16、飛行機は千葉県印西市上空までやってきました。写真奥に伸びているのは、日本一の流域面積を誇る利根川です。その脇に見えているのは、新田開発でお馴染みの手賀沼。両者それぞれ水に関する地形ではありますが、利根川の方は色が茶色で、なんだか本来の河道を超えて水が浸潤している印象さえ受けます。地図で確認すると、利根川の氾濫原にあるゴルフ場が、すっかり水に埋まってしまっているようです。川のすぐ脇にゴルフ場を建設するという土地利用はよくありますが、水没した様子を上から見ると、なんだか悲しい気持ちになってしまいます…

この付近でベルトサインが点灯し、着陸態勢に入りました。

目的地が見えてきました

そして飛行機は千葉上空へと入りました。エクストリーム通学もいよいよ大詰め。搭乗しているエクストリームの同志の方の中には、この写真に見えている場所が、本日のゴールと言うかたもいらっしゃるのではないでしょうか。

我々の「早く羽田へ着いてほしい」という期待を一手に背負って、我がJA8342ももひと踏ん張りです。

房総半島を更に南下した飛行機は、千葉県木更津市上空から東京湾上空へと入りました。 フラップと車輪を出し、いよいよフライトもラストスパートです。

飛行機から見えているのは、ご存知東京湾アクアライン。木更津市や君津市をはじめとした、この付近の地域から、東京、横浜方面への通学、通勤の利便性向上に一役買っているはずです。これらの都市同士の距離感となると、もう「エクストリーム」という接頭語は不要ですよね。ただの通学、通勤です。

天井のモニターには、これから着陸せんとする滑走路が映し出されています。筑波山の見え方で予想した通り、C滑走路、RWY34Rへの着陸です。

前方の様子をモニターに映し出すこのサービス、767に頻繁に乗りまくっていた頃は、あって当然と言う感想しかありませんでしたが、最近737や787と言った、離着陸時にモニターが収納されてしまう飛行機への搭乗頻度が増え、この光景を見る頻度が減少しています。人間、失ったときにその物の価値を感じるものですが、前方の様子、やっぱり気になりますよね。767最高です

羽田空港に着きました

8:30、RWY34Rへ着陸しました。飛行時間は51分でした。

地上に着けばもうこちらのもの。あとは電車さえしっかり動いてくれれば、エクストリーム通学が完遂となります。

到着のスポットは71番でした。ターミナル正面のスポットに入ってくれると良かったのですが、やはり地方発便はここでは冷遇されがちです。

到着時刻は8:35。定刻よりも5分早着となりました。

長いコンコースを歩いて到着ロビーへと出ました。8時台から9時台にかけ、日本各地から羽田空港へ飛行機がやってきます。私と同じように、エクストリーム通学、通勤をかまそうとする同志のみなさんも続々と集結していることが伺えますね。

前日の台風の影響で、一部の便で欠航が発生しているのが気になります。福岡空港からのANA240便であれば、他の便に振り替えることで事なきを得そうですが、小松空港からのANA752便に搭乗予定であった同志の皆さんは、JAL便などに振り替えて貰えたのでしょうか…

一先ず、無事に羽田空港へ到着しましたので、ここからは京急に乗車し、大学へと向かいました。8:50頃発の都営車で運転される押上行きに乗車した記憶があります。キャリーケースがありましたが、飛行機を降りてから10分程で電車に乗ることができました。

最後に

今回は、秋田ー羽田線を活用したエクストリーム通学のご紹介でした。飛行機にかかれば、日本全国どこでも1時間から2時間以内に移動することが可能です。是非、飛行機界隈に身を置く学生の方で、地元と大学、専門学校等が離れているという方は、飛行機で通学されてみてはいかがでしょうか。

ついでにPPも貯まるのでおすすめです。このフライトでリーチになりました。

最後までお読みいただきありがとうございました。

コメント

  1. […] […]

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