ANA1739便 関西ー那覇線搭乗記 ビジネスクラスシートでナイトフライト(2017年2月9日)

搭乗記2017

釣りタイトルではありません

ANAのビジネスクラスと言えば、どのような座席を思い浮かべるでしょうか?

こんなのとか…

こんなのがメジャーですよね。

以上のように「THE ビジネスクラス」のような座席がある一方、国内線の上級クラスに毛が生えたような座席や、まさに国内線の上級クラスと同じ席を使用しているものまであります。

今回は、国内線、国際線が同一仕様で運航されていたBoeing 737-700のビジネスクラスシート、もといプレミアムクラスシートのご紹介です。

シートマップを見比べましょう

ANAのホームページ内にある「機種・シートマップ」一覧には、国内線、国際線の両方に737-700の記載があります。2020年現在では、737-700の国際線投入は行われていませんが、数年前まで関西、中部発着の国際線で運用されていたため、未だに残されているようです。

まずは、国内線機材としてのシートマップをご覧いただきます。

前方にプレミアムクラスが8席、その後ろに普通席が112席設定されています。

就航当初は、全席が普通席で136席仕様だったのが、プレミアムクラスの設定により座席数が減少。ANAグループのジェット機の中では、737-500のそれを下回り、最小のキャパシティーの機種となったのでした。

続いて国際線機材としてのシートマップ。

機体の形状こそ異なっているような表示となっていますが、前方に8席設けられたビジネスクラスと、その後方112席のエコノミ―クラスは全く同様です。

機内仕様が同一なので当然のことではありますが、今現在両方のシートマップに同じ図が掲載されているのは737-700のみですので、異端な存在であると言えます。

大阪府泉南郡田尻町からスタートです

タイトルにもあるように、今回は関西ー那覇線で737-700のプレミアムクラスを利用することになっていました。

羽田空港から一旦伊丹空港まで移動し、その後バスで関西空港まで移動。バスの運賃は¥2,000弱ほどなのですが、同日中に伊丹空港ー関西空港の乗り継ぎをする際には、空港の売店で使える¥3,000のクーポンを獲得できるキャンペーンを実施しており、実質タダで移動することができました。(※2020年現在は終了しているようです

関西3空港の運営が一体となり、このようなサービスが一層拡充されるとありがたいですね。もっとも、伊丹ー関西間の移動にどれ程の需要があるかは分かりませんが…(笑)

関西空港にやってきたのは、15:30頃。制限エリア内で飛行機の写真を撮って時間を潰し出発の時を待ちました。

それから4時間ほど経った19:10頃、国内線の出発便案内板には、この日の最終便と翌朝の始発便が続けて表示されていました。初めて関西空港を訪れた時から気になっていましたが、さすが24時間空港だなぁ…と思ったものです。国内線の運航は9時間ほど開きますが、国内線エリアも基本的に24時間立ち入ることができるのでしょう。

今回搭乗するANA1739便は、1日4往復運航されるANAの関西ー那覇線の最終便。他にこの路線には、JTA、ピーチ、ジェットスタージャパンが就航しています。

関西空港には、ANAの自社ラウンジも用意されています。国内線の規模はそこまで大きくないような印象を受ける関西空港ですが、コードシェア運航を行うSFJの羽田線も合わせると、ANA国内線の便数は20便を超えます。

伊丹空港を補完するという役割だけでなく、大阪南部、和歌山北部のビジネス需要も担うという位置付けもありますので、時間帯によってはかなり混雑しそうです。

今回は、プレミアムクラス利用と言うことで、ラウンジへの入室資格を持っていました。早速中に入り、青汁をグラスに注ぎこみます。さすが主要空港だけあり、青汁がしっかり用意されていたのはポイントが高かったですね。

出発時刻が近づいてきたので、搭乗口へと向かいました。関西空港は、搭乗口の一部が国内線と国際線の兼用となっており、その中の1つである16番搭乗口からの出発です。今回搭乗する1739便は、タイ国際航空と山東航空とのコードシェア便とのこと。成田空港へ就航していない中国の山東航空の便名が付番されているのも、関西空港発着便らしいですね。

出発時刻は19:40なのですが、暫くすると出発遅延のアナウンスが入りました。航空路混雑による遅延とのことです。国内線は店じまいの時間帯ですが、これから飛ぶ航路は国際線の絡みもあり、時間帯関係なく混むのかもしれません。

座席とご対面です

19:45、機内へと入りました。いよいよビジネスクラスシート()とご対面です。

前方に8席のみ用意されたプレミアムクラス。この座席は2008年のサービス開始当初からある最も歴史の長いプレミアムクラスシートです。機内装備は新しい方が好まれるため、ハード面での「歴史の長さ」は、どちらかと言えば短い方が良いのかもしれませんが、どっしりとした座席の迫力と、布張りでふかふかしたシートは年季を感じさせないほどです。

プレミアムクラスのサービスは、 それまで国内線の上級クラスであったスーパーシートプレミアム(SSP)に代わり、 2008年4月に始まりました。機材によって複数の座席仕様が存在していましたが、その中でもこの737-700/-800に装備された座席は黎明期では最も優れており、今では当たり前となっているPC電源を唯一装備している座席でもありました。

プレミアムクラスと言えば、言うまでもなく座席間隔が広くなっていることが特徴です。

前の座席との間は、50インチ(約130cm)離れており、足元が広々しているだけでなく、前の座席の下に押し入れた荷物を簡単に撮ることができないという贅沢な悩みまで付いてきます。 

機内からの眺めはこのような感じ。前から2番目の座席ではありますが、胴体長が短いため、エンジンや主翼もすぐそこに位置しているように見えます。なお、737-700は、全長よりも全幅の方が長い飛行機となっており、ANAの飛行機の中で同じようなスタイルとなっているのは他に787-8がいるのみとなっています。

上述の通り、フローコントロールがかかり、出発したのは定刻から20分程遅れた19:59。到着時刻も20分スライドすることが予想されましたが、あとは飛行機に身を委ねるしかありません。飛行機は、R、E1、A2誘導路経由でRWY24Lへ向かいました。

元気よく離陸しました

2017/02/09 ANA1739便 関西国際空港 離陸

離陸のシーンは動画で撮影しました。離陸時刻は20:09。767のようなパワフルな離陸でぐんぐん上昇していきました。

関西空港を訪れるのは、2016年12月以来2か月振ぶりだったのですが、2回続けて夜間の離陸となりました。空港周辺の景色を楽しみたいのが正直なところですが、次回は是非日中に訪れたいと思います。

離陸後8分でベルトサインが消灯し、機内サービスが始まりました。離着陸時には天井に収納されているモニターが「ウイーン」と音を立てて登場するのは、737NGあるあるですよね。プレミアムクラス区画には4個のモニターが配置されており、1つのモニターを並びの2席で見ることができるようになっています。

このモニターだけでなく、ビジネスクラスとして使用される場合には、ポータブルモニターの提供もあるということで、フライトタイムが短い上海ー中部線などで利用する際には、あっという間に時間が過ぎ去りそうな気がします。

Premium GOZEN

ANAでは、2016年冬ダイヤから、幹線のみに限定したサービスながらもプレミアムクラスでホットミールの提供を開始しました。保温効果のあるカートを新たに開発することで実現した「ほかほかご飯」、ご飯の容器が温かくなっているだけでも感動ものでした。(ANAプレスリリース 2014年11月26日

なおこの日のメニューは、

牛蒡の赤ワイン煮ブロッコリーのアンチョビーマリネサーモンたたき風黒胡椒風味グリルチキン リプチャーロール(チキン、クリームチーズ、玉葱、パセリ)海老のカクテル エッグタルタルカボチャとモルタハムのサラダ(写真上側)

里芋とパンチェッタのコロッケズワイガニのペンネグラタンマッシュルームとベーコンのピラフ(写真下側)

の布陣でした。

大阪発便と言うことで、メニューは大阪・中之島にあるレストランアラスカさんが監修しているとのこと。プレミアムクラスのメリットは、私のようなクソガキでも機内にいながら著名な料理店の味を楽しむことができることにあると思います。これでまた空港から出るマインドが薄れてしまうのは言うまでもありません。

21:10、離陸から1時間ほどが経過し、フライトも後半に差し掛かっていました。ここまではこの先は鹿児島の離島上空を経由して那覇まで向かうようです。羽田線よりも北側を飛行するため、日中の明るい時間帯であれば屋久島などの様子も見ることができたのかもしれませんが、今回は夜間のフライトに加え、天候もあまりよくなかったため景色は見ることができませんでした。

周りの方は、パソコンでお仕事をしたり、同乗者とお話をしたりと時間を過ごしていたようですが、私は、眠気と闘いながら翌々日に控えていたTOEICのオベンキョウに勤しんでいました。やけにこのフライトは眠かった記憶があります。それだけ乗り心地が最高だったという証でしょうか。

夜中の沖縄に到着です

後半は眠気との戦いとなった今回のフライト。最後は沖縄の夜景を見ながら着陸となりました。

2017/02/09 NH1739 那覇空港 着陸

着陸前の様子も動画で撮影しました。

最終進入で気流が悪かったため、それに関連したアナウンスあり。推力を上げ下げするたびに音色が変わる、CFM56-7B24エンジンのサウンドあり。そして沖縄の綺麗な夜景ありと、まあ悪くない映像が撮れたのではないかと思います。

着陸は22:07。飛行時間は1時間58分でした。RWY36への着陸でしたので、誘導路E2でバケートし、流れるようにエプロンへと入っていきました。

31番スポットへの到着は22:10。関西空港の出発が定刻よりも20分遅れていましたが、最終的には10分の遅れでの到着となりました。この時間帯に那覇空港へやってきたのは初めてでしたが、出発便も全て終了している時間帯で、観光客で混雑している日中とは裏腹に、「地方空港の1日の終わり」の雰囲気を感じることができました。

飛行機を後にし、到着ロビーへ出ました。大阪との気温差が10度以上もあったこの日の沖縄。2月とは思えない暖かさで、厚手のジャケットで歩き回っているとじんわりと汗をかくほどでした。

この日はもちろん那覇市内に1泊し、翌日のフライトに備えました。今回は、俗に言う「プラチナ修行」の一環としての移動、そしてプレミアムクラス利用でした。翌朝は、福岡行きの始発ですぐに那覇を後にする予定となっていました。

最後に

今回は、「国際線でビジネスクラスとして使用される、プレミアムクラス黎明期のシートに乗りました」という搭乗記でした。

2020年現在、A320neoの導入により737-700による国際線の運航はないどころか、4月に発表された決算短信では3機の引退が明示されるということで、搭乗した2017年当時よりも立ち位置が微妙になってしまっているこの飛行機ですが、導入当初から内装の大きな変化がなく、かつては国際線でビジネスクラスとして活躍したふかふかのプレミアムクラスシートが装備されているというオタク受けしそうなネタを多く抱えているだけあって、搭乗をお勧めしたい飛行機の1機です。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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