ANA17便 羽田ー伊丹線搭乗記 空の東海道で777-300に乗ろう①(2017年6月19日)

搭乗記2017

時間ができたので「そうだ!大阪行こう!」

東京にいる時に4時間ほど暇を持て余してしまった…そんな時は「大阪へ行く!」のが第一選択肢ですよね

2017年6月のとある月曜日の午前中、大学が午後から始まるということで、午前中が暇になってしまいました。どうしようか、と考えているうちに、気がついたら伊丹行きのeチケットお客様控えが発行されていました。これで大学が始まるまでの数時間の時間を潰すことができそうです。

という戯言はさておいて、今回は羽田ー伊丹線の搭乗記です。

777-300が入っているのを見つけました

今回の搭乗機はこちら。

Boeing 777-300です。

現在の羽田―伊丹線の主力機は、Boeing 777-200やBoeing 787-8をはじめとした飛行機です。以前は、777-300も頻繁に投入されていましたが、現在はその頻度も控えめです。

2006年に4発機の乗り入れ制限が開始されて以降、2014年にBoeing 747が引退するまで、777-300は羽田ー伊丹線の主力機として活躍していました。しかし、現在は輸送力が必要となる羽田ー新千歳線や那覇線を主戦場としているため、羽田ー伊丹線への投入機会は減少しているのです。

それでも、週末や伊丹ー那覇線へ機材を送り込むといった場合にアサインされることもあり、タイミングを見計らえば、羽田ー伊丹線でも搭乗するのにはそこまで苦労しないように思います

今回は、羽田ー伊丹線に777-300が入っているのを予約画面で確認したので、それを狙い撃ちすることになりました。

スムーズに機内へ入ります

デッキで搭乗機を確認後、保安検査場へと向かいました。月曜朝の羽田空港は、出張へ向かうサラリーマンでやや混雑しています。

保安検査場上のモニターには、プレミアムクラスと普通席の空き具合も表示されていますが、9:00発の新千歳行きや9:20発の福岡行きといった幹線は堂々の満席表示が出ています。これから搭乗するANA17便は、通常777-200で運航される便と言うこともあり、777-300で運航するこの日は座席にまだ余裕があるようです。

アサインされた搭乗口は64番です。マイレージ会員の中でも上級会員の利用が多い伊丹行きは、保安検査場から近い搭乗口を基本的に割り当てられることになっています。そのため、地方民歓喜の64番搭乗口でも、ハズレに近い方かもしれません。

上級会員が多いと言えば、この路線の特徴としては、「出発時刻のだいぶ前から上級会員による搭乗待ちの列が出来上がる」と言うものがあります。今回も例外なく、出発時刻の30分以上前から列が出来上がっていました。一体いつの時代からこのような列を予め成すという風習が出来上がったのか、気になるところです。

いくら列を作って一目散に機内へ入っても、自分の座席が無くなることはありません。

ボーディングブリッジからも機首部分を撮影しながらのんびりと機内を目指しました。前輪の格納扉に書かれている数字は「751」。どうやらANAの777-300の初号機であるJA751Aに搭乗できるようです。

そして座席へやってきました。今回は右側主翼の後方、42Kをアサインしました。空いていればなんでも良いの精神、機体後方の方が空いているので積極的に狙っています。

777-300と言えば「Wi-Fi」です

機内の天井や壁に備え付けのモニターでは、「日テレNEWS24」が放映されていました。何やら「混沌としてきた世界情勢」と言うテーマで各国の状況を解説しているようですが、それをまじまじと見ながら写真に撮るというのも何だかカオスです。

ANAの777-300は、幹線を中心に運航されていることや7機と言う限られたフリート数ということを踏まえてか、早々と全機にWi-Fiアンテナが装備されることになりました。おかげで、国内線ながらこのようにリアルタイムで衛星番組を視聴することも可能となっています。

誘導路の工事をしていました

9:00、定刻通りに出発しました。飛行機に乗り慣れた乗客が多い路線だけあり、定時出発率も高いのではないかと予想しています。

この日の羽田空港は北風運用でしたので、西方面へ向かう便はD滑走路、RWY05からの離陸となります。何もなければ、第2ターミナルからは、E誘導路を経由して向かうのが一般的であるように思いますが、この時は誘導路が激しく工事中でしたので、外側のC誘導路を経由してこの場所をやりすごしました。

こうしてみると、誘導路を形成するコンクリートの厚さも尋常ではないことが分かります。三角コーン半分程度はあるのではないか、と見受けられました。自重だけでも200t近い重さのある飛行機を支えるわけですから、それに耐えうるだけのものが必要と言うことなのでしょう。

日本からの別れを待つ飛行機もいました

オープンスポットで休憩中の飛行機を横目にD滑走路へ進みます。

タラップや電源車がそばに控え、何やら出発準備を行っているように見えるこの777、先日引退したJA8967です。売却整備を終えて、アメリカはサンバーナディーノへ回送される予定となっています。実は、この日一度日本を離れるべく、羽田空港を離陸したのですが、機材故障で羽田空港へ引き返してしまったのです。(翌日再び出発していきました)

引退してアメリカへ向かうということは、これから日本へ戻ることのない片道切符の旅ですので、日本を離れたくないという気持ちが勝ってしまったのかもしれませんね…

こちらも東京を離れます

JA8967と最後のお別れを果たし、こちらも羽田空港を後にしました。9:18、D滑走路、RWY05から離陸しました。離陸直後にすぐに右へ旋回。大きな777の主翼が一層大きく見えて安心感がマシマシです。

ぐるりと右旋回し、D滑走路とほぼ平行になる位置までやってきました。さっきまであの辺にいて、ここをこう移動して~などと考えるのがいつもの楽しみ方です。

それにしても大きな羽田空港、飛行機に乗ってぐるぐる移動しているとあまり大きさを感じませんが、上空から見て周囲と比較すると一際その大きさが目立ちますよね。

眼下を見ると、羽田空港へ着陸せんとする飛行機の姿が目に入ります。

右下に映っているのは、C滑走路(RWY34R)へ着陸する飛行機、左上付近に写っているのは、A滑走路(RWY34L)へ着陸する飛行機です。約3,000~4,000feet差での交差と言うことで、安全にはまったく問題のない高度でのすれ違いとなりますが、着陸機側から見る、D滑走路からの離陸機は思いのほか大きく見えるため、最初はやや興奮したのを覚えています。

早めにベルトサインが消えました

9:24、離陸から6分で三浦半島上空に差し掛かりました。横浜の街並みを右手に西を目指します。広大な関東平野もすっきり見える程に天気の良かったこの日、上空でも快適な飛行が続きます。ベルトサインもここで早くも消灯となりました。

しばし景色鑑賞が続きます

そこから4分で、相模湾上空から神奈川県小田原市が見えました。あっという間に関東地方にも別れを告げます。

神奈川県との県境を有する静岡県上空。静岡と言えば、日本最高峰の富士山です。言わずと知れた標高3,776mという高さを誇る山だけあり、既に暑い日が続く6月下旬でもまだ冠雪しています。

富士山があまりにも目立ちすぎて、周囲の風景の影が薄くなってしまっている感が否めませんが、富士山の南側には、愛鷹山(標高1,504m)も位置しています。それを避けるように曲線を描きながら東西に通っているのが、東名高速と新東名高速です。道路における渋滞の原因の一つに、「坂道によるブレーキ」があります。 このような線形を描いてでも、極力坂道を発生させないようにしていることが見て取れます。

9:32、愛知県の岡崎平野が見えてきました。フライトも中盤から後半に差し掛かります。この時点で離陸してから14分です。離陸~上昇よりも降下~着陸の方に時間がかかるため、単純にあと15分で着陸するというわけではありませんが、やはり何度乗っても飛行機の速さを感じますね。

富士山を過ぎたあたりから、軽い揺れが続いていたこともあってか、アナウンスで「5分ほどで揺れは収まる予想」とフォローが入りました。飛行機に乗り慣れた乗客が多い路線ではありますが、こういったアナウンスが、一定数いるかもしれない「不安を感じている」乗客に安心感をもたらすことになっているのかもしれません。

噂をすれば名古屋(の空の玄関口)が見えてきました。知多半島の沖合にある中部国際空港です。

もはや当たり前すぎる光景のため、毎度毎度コメントを用意するのが大変になってきたのですが、初めてこの光景を見る方にはどのように目に映るのか気になります。滑走路やエプロンも知っている人の視点では、「こんなもんだろ」という感想に終始しますが、全くこの界隈に明るくない方からすると、「滑走路?なにそれおいしいの?」状態ですからね、国家機密の軍事拠点にも見えてしまうかもしれません(笑)

どうでもいいことを考えていると、あっという間に飛行機は伊勢湾上空を横断してしまいます。目的地の大阪がある近畿地方上空に入りました。

大阪平野へ入りました

奈良県の上空、生駒山上空を通過し、大阪平野上空を差し掛かりました。約30分ぶりに現れた建物が所狭しと並ぶ景色、心なしか安心する光景ですよね。

ここで主翼のフラップも展開開始、着陸に備え速度が下がっている中でもしっかり飛行できるように欠かせない装置の一つです。777はボーイングの飛行機の中では初めて操縦システムに「フライ・バイ・ワイヤ(FBW)」を採用。フラップの展開もコックピットでの操作が電気信号を介して伝えられています。それ以前の飛行機では、コックピットでの操作がケーブルや油圧を介して伝えられていたため、素人目にも革新的な変化であるように感じられますね。

FBWを初めて旅客機で採用したのは、エアバスのA320シリーズであったため、個人的にはFBW=エアバスというイメージが強いのですが、777以外にも787やエンブラエルE-Jetで採用されています。

そんなフラップ、飛行機にとっては空気抵抗にもなりますので、一気に展開するのはあまりよろしくありません。着陸が近づくにつれて徐々に展開されていきます。

琵琶湖を起点に大阪湾へと注ぐ淀川上空までやって来ると伊丹空港はもうすぐそこです。777-300でのフライトも間もなく終盤、777-300に乗っていることにはあまり触れてきませんでしたが、国内線ですと「どれに乗ってもあまり大差がない」というのが実際のところですよね。取り敢えず、「777-300で羽田ー伊丹間を移動した」実績が大事なのです。

10:00、伊丹空港RWY32Lに着陸しました。飛行時間は42分でした。飛行機にかかれば東阪間と言うのは屁でもない距離ですので、移動しているという感覚さえ損なわれてしまいます。このようなことを繰り返していれば、距離感がガバガバになってしまうのも致し方ありません。

この後は、W-8誘導路で滑走路をバケート、A滑走路を横断してスポットへと向かいました。

10:04、定刻1分前に11番スポットへ到着しました。ブロックタイムは1時間4分でした。文句なしの定時運航にちょっとオマケの1分早着です。

羽田―伊丹線は、朝夜の一部便を除いて、羽田空港、伊丹空港を毎時00分に出発するパターンダイヤが組まれています。写真右に見えている777は、こちらと入れ違いで羽田空港へ出発するANA20便です。新幹線との競合路線、と言うよりもシェアの大半は新幹線に持っていかれている東京ー大阪間ですが、ANAもJALもほぼ全ての便を767以上で運航しており、これだけでも特異な路線であることが分かります。

パタパタに出迎えられました

飛行機を後にして到着ロビーへ出ました。大阪万博に合わせるように1969年に開業した現在の伊丹空港のターミナル。ところどころに時代を感じる部分がありましたが、今後リニューアルされるようで、出発導線や到着導線といった部分から展望デッキに至るまで様々改修が行われるようです。

伊丹空港名物でもあるこのパタパタも近い将来その役目を終えるのかもしれません。

最後に

皆さんも東京で暇を持て余し、かつ777-300が羽田ー伊丹線に投入されている場合は、乗ってみてはいかがでしょうか。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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