2019年9月12日 ANA478便搭乗記 修行僧御用達のF478で帰京

搭乗記2019

修行僧御用達、那覇ー羽田線最終便で東京へ

航空会社のステータス修行、各航空会社の提示する条件に従って効率よく修行することが修行僧の方には求められますが、ANAの場合は搭乗回数ではなく搭乗ごとに付与されるステータスポイント(プレミアムポイント)を獲得することでステータスの資格を獲得することができます。ステータスポイントは飛行距離が長く、航空券の予約クラスが高いほど溜まりますが、東京ー那覇線の場合は飛行距離が長いため、早期割引運賃のANA Super Valueでも片道あたり1476ポイント獲得することができます。

那覇空港を最も遅く出発するANA478便であれば、1日中羽田ー那覇線を往復している方、羽田ー那覇往復の間に離島路線を挟む方、修行の合間に少し沖縄観光を挟みたい方、と様々なニーズにこたえることができるダイヤ設定のため、修行僧の方が多い印象があります。特に石垣空港からの最終便であるANA3750便(SNA50便)から乗り継ぐことができる唯一の便というのはいろんな意味で利便性が高いですよね。

今回はそんな那覇ー羽田線の終電ならぬ終便で羽田空港へと帰る搭乗記です。

大荒れの夜の羽田線

石垣空港からJTA626便で那覇空港へやってきました。JTA626便の到着が15分ほど遅れてしまいましたが、乗り継ぐANA478便の出発時刻は20:50、90分以上も乗り継ぎ時間があるため余裕のよっちゃんです。一旦ゆいれーるで那覇市内中心部へ出る時間の余裕さえありますが、特にやることもないのですぐに保安検査場を通過することにしました。

自動チェックイン機で紙の航空券を発券しようと一度3階のカウンターまでやってきました。出発便案内板の上部には、出発時刻が変更となった便が3便並んでいます。10分遅れの石垣行きANA1781便はさておき、厄介なのは2時間5分遅れのANA474便と1時間20分遅れのANA476便です。揃いも揃ってB777-300で運航の両便、普通席の残席表示は○と出ていますが、B777-300の場合は約480席を下回るまでは△表示になりません。前日までは両便ともほぼ満席近い予約状況でしたので、出発まで時間がかかりそうです。人員、地上支援車にも限りがありますから、こちらまで遅延に巻き込まれないか心配になってきました。

2つある大型モニターのうち片方にはこのような通知がどデカく表示されていました。ANAのB747-400D最終運航時には、”ありがとうジャンボ”という旨の告知が表示されていた気がしますが、台風やこういった大幅遅延に関する案内を見ると現実味が増しますね。

石垣空港の時点でこの大幅遅延については知っていましたが、繁忙期でフル稼働状態のB777-300、予備機を用意することもできず状況は変わらないままここまで来てしまったようです。因みに私が搭乗するANA478便も羽田空港からのANA1097便の折り返しです。結局474便、476便、478便に使用するワイドボディー機が那覇空港へ一気に押し寄せることになってしまったのは言うまでもありません。

新しくなったANA Lounge

B777-300で運航している便は大幅遅延で大混乱ですが、私の搭乗する478便はB787-8での運航。飛行機自体は予定通り那覇空港へ向かっているようですので一先ずラウンジにこもって休憩することにしました。

ANAでは全国の主要空港のラウンジ、及びそれに直結する専用カウンターの改修を進めており、那覇空港でもダイヤモンドメンバー専用のSuite Loungeに引き続いてANA Loungeでもラウンジの移転、改修が行われました。これまでは31番搭乗口向かいにあったANA Loungeですが、Suite Loungeの隣にお引越しです。これまでダイヤモンドメンバー以外の上級会員用の専用保安検査場もありませんでしたが、今回新たにラウンジ直結の保安検査場も設置されました。私が入室した19:30過ぎの時間帯は人もまばらで、簡単にこの写真を撮ることができました。

保安検査場を通過するとすぐにラウンジです。直結なので当たり前ですが(笑)

よく行く伊丹空港ではラウンジ入り口から見て右側にANA Lounge、左側にANA Suite Loungeがあるため、癖で右側に進んでいきました。するとラウンジのスタッフの方から”お客様、ダイヤモンドメンバーですか?”と尋ねられました。”いえ、普通のプラチナです”と答えると、”普通の方はこちらです、、”と左側のラウンジを案内されました。伊丹空港とは配置が逆のようです。それにしても”普通のプラチナ“ってなんだよ、と冷静に自分にツッコんでいました。まあダイヤモンドと比較するとプラチナもブロンズもSFCも正直ハナクソみたいなもんですが(笑)

ラウンジ内部自体は、他の改修を受けた他の主要空港(新千歳、伊丹、福岡)と似ており、マクドナルドやスターバックスで感じるのに似た安心感を得ることができました。テーブルに置かれている工芸品はそのご当地のものがディスプレイされているはずですので、今度またゆっくり見物したいですね。

久々のドリームライナーに搭乗

ラウンジで30分ほど過ごしていたのですが、なんだか手持無沙汰だったので搭乗口へと向かいました。既に羽田空港から搭乗機は到着しており、折り返し我がANA478便の出発準備へ取り掛かっているようです。

今回の搭乗機はB787-8、JA819Aです。2013年5月導入、今年で導入から6年になります。私はこれが2回目の搭乗、以前は羽田空港から秋田空港まで搭乗しました。B787シリーズへは今回が今年初めての搭乗です。国内線仕様機は13機で羽田発着の幹線、ローカル線問わず就航しているB787ですが、よほどのことがない限り好んでB777運航便を選んでしまうため、なかなか搭乗機会がありませんでした。

今回アサインされた搭乗口は36番A搭乗口です。474便、476便の遅延の関係からか搭乗口がここへ変更になりました。36Aがあるということは、36Bも勿論存在します。羽田空港第2ターミナルの67番スポット同様、マルチスポットというやつです。B737やA320クラスの飛行機を2機駐機することができるのがこのマルチスポットですが、大型機が使用する場合は1つのスポットを1機で使用します。

前述の通り、羽田線の2便が遅延しているため、地上係員もバタバタしているのかと思いきやそうではなく、出発時刻の30分ほど前でも3名の方が搭乗口前でスタンバイしていました。

足元のびのび非常口座席

20:35、機内へと入りました。今回アサインした座席は10Aです。ご覧の通り非常口座席ですが、私の目の前にあるのはL2ドア、非常口としてだけでなく、通常の乗降にも使用されるドアですが、このフライトではL1ドアのみにボーディングブリッジを接続し搭乗を行っていました。満席近い予約状況ですから、L2ドアにもボーディングブリッジを接続すればいいのに…と思った反面、常に自席の前を人が通過していく騒がしさからは解放されるのでは、と捉えなおし、やっぱりこれでいい!と自分を納得させました。

非常口座席をアサインすると決まってCAさんから緊急時の援助を依頼されますが、これを断ったらどうなるのでしょうか…勿論座席指定の時点でそれを了承して搭乗しているため、断るという選択肢自体が存在しないに等しいのですが、万が一そのような乗客がいた場合の対応もマニア心理として気になってしまいます。

ANAの国内線仕様B787-8の10列目からの眺めはこんな感じ。少々エンジンに景色が阻まれてしまいそうですが、飛行機好きの方であればエンジンがこうして見えた方がいいのかも分かりません。

精神的にあまり得意ではないB787ですが(察してください)、窓が大きく、座席に座ると顔の横にちょうど窓がやってくるのが個人的にはポイントが高いです。B787のデビュー当初は、B787と既存の飛行機、特にリプレースする予定だったB767との比較でそのアピールポイントを大々的に宣伝していましたが、窓の大きさもそのアピールポイントの一つでした。就航から8年が経過した現在でも、B787への搭乗の頻度がそこまで高くないせいか、B787に搭乗すると窓の大きさはまだ新鮮に感じられます。

出発前は多少の遅延を覚悟していましたが、定刻の3分前にはドアクローズ、20:55にはプッシュバック開始となりました。この調子であれば時刻表通りに羽田空港へ到着することができそうです。

と、ここまでは良かったのですが、プッシュバックの長いこと長いこと。フィンガーの付け根に位置する36番スポットから長々と押し出されること4分、滑走路に並行するA誘導路まで押し出されそこでようやくエンジンスタートとなりました。トラフィックの少ない夜の時間帯なのでまだマシですが、那覇空港の混雑の要因の一つに複雑なスポット配置が関連していると個人的に思います。官公庁との共用空港で敷地に限りがあるのはわかりますが、フィンガー方式のスポットではなく、一般的なスポット配置にすることができなかったのか、疑問です。

さようなら那覇空港

飛行機は誘導路を移動し、先ほど着陸してきたRWY36までやってきました。滑走路末端のE8誘導路から滑走路に入り離陸となります。離陸の様子は動画で撮影しました。夜間ですのであまり景色は見えませんが、何かとお騒がせ系エンジンのロールスロイス製、Trent1000エンジンのエンジン音をお楽しみください。

2019/9/12 NH478 離陸

というわけで那覇空港から21:10に離陸し、一路羽田空港を目指していきました。

21:16には23:20に到着予定というアナウンスが入り、その後すぐにベルトサインが消えました。ANAの国内線仕様のB787ではWi-Fi装備率が100%となり、B787-8、B787-9問わず上空でネット接続を行うことができるようになりました。しかし、この便では出発前に”Wi-Fiサービスはご利用になれません”とのアナウンスが入っていました。ただでさえ洋上飛行であることに加え、夜間飛行ということもありWi-Fiにつないでネットサーフィンが唯一の楽しみでした。上空ではWi-Fiも復活しているかも…と何度かトライしてみましたが結局ダメ、本当に死んでいるようです。まあこればかりは仕方がありません。聞き飽きたオーディオをBGMにネット環境になくともできる作業をすることにしました。

まったり巡航

満席のキャビンで2時間半も缶詰め状態で座りっぱなしというのは体によろしくありません。しかし、今回の私の座席は非常口座席。他の普通席よりは他の方に気兼ねなく席を立つことができます。散歩がてらラバトリーに来ました。大体飛行機のトイレを見ればその飛行機が新しいのかどうかわかります。勿論2010年代にデビューしたB787のトイレは清潔感にあふれており快適そのものです。B787の中で最も評価することができるのはこのトイレかもしれません。強いて言えば、国際線の上級クラスの区画にあるトイレに標準装備されているウォシュレットがあればもう完璧です。

このタイプのトイレでも十分綺麗なのですが、2019年8月より就航しているANAの最新の機内プロダクトを積んだB777-300ERのトイレには、白いシンクが採用されているとのこと。地上にいる感覚で用を足すことができそうですね(笑)

比較的フライトの前半で機内の照明が落とされました。そのため機内の様子を撮影するのには不向きでしたが、窓から主翼を撮影するのにはもってこいの条件が完成しました。ピンとしなった主翼と主翼の先端にあるレイクドウイングチップが特徴のB787。就航当初は、まさに次世代の旅客機という印象で新しい時代の到来を感じたものですが、トラブル続きで一般ユーザーからの評価が気になります。安全に関しては他の業界以上にシビアな条件が求められる航空業界において、新技術の採用自体がリスクファクターになってしまいますが、それでも航空会社とメーカー、サプライヤーが一丸となってしっかり運航していただきたいものです。

と、このような分かっているんだか分かっていないんだかよくわからない文章で字数を稼ごうという程に暇なフライトだったということが伝わるだけで私としては十分です。

私の目の前のジャンプシートで乗務されていたCAさんがコントロールパネルでキャビンの温度を調節していたようなのですが、私の隣、10Bと10Cの方は”寒いですよねえ…”と言いながら座席上のツマミを弄っていた一方、キャビン後方を担当していたCAさんは、”後ろめっちゃ暑いですよ”とコントロールパネル係のCAさんに仰っていました。温度調整って難しいんですねえ…

22:37、23:10に着陸予定、降下中はところどころ揺れる予想というアナウンスが入り、それから数分後巡航高度の41,000feetから降下開始となりました。ところどころ雲に突っ込みながらの降下となりましたが、そこまで強く揺れるということもなく順調に高度を下げ、大島上空付近で雲を抜けました。

到着後にフライトレーダーで航路を確認すると、管制からはvector to KAIHOの指示が出ていたようで、陸地上空を飛行しないようにしつつ浦賀水道上空にあるKAIHOポイントを目指している様子がわかりました。その裏付けに、機内からも三浦半島とその先に横浜の市街地の様子がばっちり見えていました。

羽田着陸からの69番ゲートへ

雲を抜けてからは雲に捕まえることはなく羽田空港が目視することができるところまでやってきたところで左に旋回。C滑走路RWY34Rに正対する手前でギアダウンとなり、事前のアナウンス通り23:10に着陸となりました。飛行時間は2時間ジャストでした。

着陸後、最も気になるのが到着するスポットナンバーですよね。もう遅い時間帯ですし、こちらは満席のB787ですからターミナル真正面の61番とか62番とかに到着するものだと思い堂々と構えていたのですが、”この飛行機は第2ターミナル69番スポットに到着する予定でございます”とのアナウンス。

ええええーーーーー。

せやろ……

時々アナウンスとは異なるスポットに到着することもありますが、飛行機はC8、C、H誘導路を経由して69番スポットに入ってしまいました。定刻よりも5分遅れて23:15に羽田空港69番スポットへ到着となりました。69番スポットは、2007年2月に第2ターミナル南ピア増築に伴い完成したスポットです。当初はL1ドア用のボーディングブリッジしかありませんでしたが、いつからかL2ドア用のボーディングブリッジも設置され、大型機も運用可能なスポットへなったのでした。そのため、今度こそL2ドアにもボーディングブリッジが接続されるだろうと、私だけでなくL2担当のCAさんもドアの窓から様子をうかがっていたのですが、明らかに2本目のボーディングブリッジに人影がありません。

私「こっち(L2ドア)には付けないんですかねえ…」

CAさん「なんか(ボーディングブリッジ)暗いですよねえ、本当に遠いところで申し訳ありません(笑)」

私「私秋田便で良く来るので慣れてますから大丈夫ですよ(笑)」

とボーディングブリッジの接続を待ちながらCAさんとお話ししてから降機となりました。(勿論秋田便の件で会話が終わったわけではありませんw) いつもは大嫌いな69番スポットですが、こうして会話のネタになるのであれば喜んで毎回69番着、69番発で構いません。よろしくお願いします。

というわけで69番ゲートから延々と歩いて到着ロビーへ出ました。23時代の便に混じって那覇空港からのANA474便と476便が仲良く並んで表示されています。この類の大遅延が発生すると後続の便に追い抜かれてしまうということもよくありますが、我がANA478便はあと少しのところで追いつくことができなかったようです。一応時刻表通りの順番で羽田空港着となりました。めでたしめでたし。

と言いたいところですが、我が478便と476便の間にはもう一便、ANA1098便が挟まっています。こちらは那覇20:05発、羽田22:35着のダイヤが組まれています。既にこの案内板から消えているということはつまりそういうことですね。(笑)

この後は再びこの日の朝出てきた横浜のネットカフェに逆戻り、一夜を明かすことになりました。

今回はここまでにします。最後までお読みいただきありがとうございました。

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