2019年4月11日 タミ寝からの早朝フライト(ANA401便 羽田ー秋田線搭乗記)

搭乗記2019

どれを選びますか?

夜の羽田空港でカンタスジャンボとカタール35Kを撮影し、一旦ターミナル館内へ引き上げた私、24時間営業の某カフェに入って、翌日の航空券を漁り始めました。

皆さんはこの表示を見て、どの便をチョイスしますか?

私は、一番上一択でした。

2008年から2013年にかけて、羽田ー秋田線で腐るほど767に乗りまくっていた時期は、他の機種に乗りたいという欲が出ていました。しかし、現在は737やA321も投入され、767への搭乗頻度が減っているため、機会があれば優先的にチョイスしているという状況です。

人間、あるものの存在を失ったときに初めてその価値が分かります

目をこすりながら制限エリアへ突入です

羽田空港の国内線ターミナルは朝の5時からオープンします。深夜早朝も出発便、到着便を抱える国際線とは異なり、国内線の運航は朝6時過ぎから日付が変わる前までですので、深夜の時間帯はクローズとなっているのです。 それに合わせてタミ寝先だった国際線ターミナルから無料のシャトルバスで移動しました。

保安検査場もそれに習って5時から、と言いたいところですが保安検査場のオープンは15分後の5:15。しばらく待って保安検査場を通過すると出発ロビーにはまだほとんど人がいません。以前、日曜日の同じ時間帯に来たこともありますが、同じように殆ど人がいませんでしたね。

ラウンジも朝からオープンしています。早速青汁とすなっくみっくすおつまみをテーブルにセットして写真を撮りました。SNSにはあげません。

この時間ともなるとまだ朝刊が届いていないようで、新聞が配置される棚もまだ空きとなっていました。流石に朝イチでの潜入は早すぎましたが、5時台後半から6時台にラウンジへ潜入すると新品の新聞を手に取ることができます。

前日夜から私はほとんど寝ていませんでした。タミ寝とはいいつつ実際のところは空港内のベンチなどで野宿をするだけですので、なかなか眠りに入ることができなかったのです。そのような環境でなるのが得意ではないことは分かっているのですが、それでも宿泊代の節約にはなるので、捨てられない選択肢なんですよねえ…

ラウンジの中にいても睡魔との戦いです。保安検査場を通過したとは言えども、出発時刻を過ぎてから搭乗口へ向かっても飛行機に乗ることはできません。搭乗口の前であれば寝過ごすこともないだろうと出発時刻の1時間ほど前に搭乗口へとやってきました。

今回の搭乗口は71番、前回羽田空港から出発した時はお隣の搭乗口70番でしたので、一つ手前というわけですね。

搭乗機がやってきました

搭乗口へたどり着くとちょうど本日の搭乗機がトーイングトラクターに引っ張られてきました。

秋田までお世話になるのはBoeing 767-381ER(JA604A)です。界隈の方であればすぐにピンとくるJA604Aという登録番号ですが、このつい先日まで「ANA STARWARS JET」として就航していた機体です。その塗装時代に搭乗済みでしたが、通常塗装になってから乗るのは初めてです。

因みにこちらのJA604A、元国際線機材で2013年に国内線仕様に転用されました。ちょうどその整備を終えて国内線で再デビューを待つ間に、フジテレビ系のドラマ「ミス・パイロット」に登場していました。

朝の羽田空港は出発ラッシュの時間帯です。出発便が出たスポットには、次から次へと後ろに控えているような沖どめのスポットで夜を明かした飛行機が移動されていきます。その飛行機が出発準備を整えて、出発していくといった光景が朝の9時頃まで続きます。

いざ、機内へ

7:36、搭乗となりました。乗り慣れた国内線仕様の767-300ER、通路を1番奥まで進んだ41Kが今回の座席です。
今回は25歳以下のANAマイレージ会員が当日のみ購入可能なスマートU25運賃で発券したのですが、窓側の空きがこの41Kともう1つしかなく、ギリギリセーフといった状況でした。当日発券のリスクがここにあります。

羽田ー秋田線のスマートU25運賃は、¥12,290です。東京から秋田への帰りなど、時間に拘束されない予定がある場合には十分使える運賃だと思います。勿論私のように突発的に乗りに行くような限界ヲタクにとっても有難い運賃です。

なおこちらのJA604A、これまでスターウォーズ塗装機として活躍していたその名残か、搭乗時のBGMは、お馴染みのAnother skyに加えてスターウォーズのテーマが流れているのが印象的でした。

7:49、ドアが閉まりました。さて出発するぞー!!と言いたいところでしたが、なかなか動く気配がありません。ふと窓の外を見ると、まだ後方のカーゴドアが展開中。これでは出発することができません。コンテナが2つ投入されてようやく出発となりました。

飛行機によってはカーゴドアの開閉時に大きくガリガリと音を立てるものもあり、知らない方からすると驚いてしまうこともあるようですが、今回は特にそのようなことはなく、スムーズに閉まっていきました。

7:58、プッシュバック開始。なんとスターウォーズはBGMだけでなく、出発前のアナウンスにもいまだ健在でした。「スターウォーズ特別塗装機へようこそ!私はC3-POでぇぇーす」などと言われたところでこの飛行機は既に通常塗装に戻されています。

果たしていつまでこのアナウンスが残されることになるのでしょうか、私が思うに引退時まで残っているような気がしてなりません(笑)

機内でもスポッティング精神は忘れません

滑走路へ向けて移動を開始すると、後方にはJALのラグビー特別塗装を纏った767が見えました。JALは2019年に日本で開催されるラグビーワールドカップ、ウィルチェアラグビー大会に合わせて、それを応援する特別塗装機を2019年3月から就航させていました。機体左側にはラグビー日本代表、右側にはウィルチェアラグビー日本代表の選手をそれぞれ描き、左右非対称の特別塗装機となっています。

移動を開始しようかと言うところでこちらがやや牛歩したので先にラグビー767を行かせるのかと思いましたが、スペース的にそれは無理、こちらが先行してC滑走路へと向かいました。

JALの国内線機材では2018年から機体後部に特別塗装を施される機体が多く、それに充当される機材の多くは767や777となっています。羽田空港へ頻繁に通うことができた時は撮影するのも容易でしたが、両機とも仙台空港、秋田空港には飛来しません。こう言った数少ない遭遇チャンスをモノにするのが大事です。それとは関係ないですが、後方には富士山が綺麗にそびえているのが個人的に映えるなあと思いながらシャッターを切っていました。

お天気の羽田空港を離陸です

C-2誘導路からC滑走路へと入ります。C滑走路の長さは3,360m。C-2誘導路は北から3,000mの場所にあるため、ここからさらに南側へ360mあります。このC滑走路、以前はこのC-2誘導路が南側の末端でしたが、羽田空港の再国際化に伴って延伸されました。

国内線でも他の航空機との兼ね合いや、混雑状況次第ではこの更に南側から離陸滑走を開始することもあります。

8:09、羽田空港RWY34Rから離陸しました。機体の割にエンジンの出力が大きなB767らしく早々と地を蹴って上昇を始めます。

出発前のアナウンスでは、「飛行中ところどころ揺れることがある」とのことでしたが、羽田空港を離陸した直後から気流が悪いことをあからさまに感じさせられる断続的な揺れに見舞われました。あまり乗ったことがないため、適切な表現かどうかは分かりませんが、遊園地のメリーゴーランドを高速で動かしたのと揺れの感覚は似ていると思います。

羽田空港を北へ向かって離陸した飛行機は、東京都心部に騒音をもたらさないよう、湾岸エリアに沿って時計回りに旋回して高度を稼ぎます。前日まで雨が降り続いていた羽田空港ですが、夜が明けるとそれとは裏腹に関東一円が晴れ渡っており、横浜まで続く工場群やビル群をよく見渡すことができました。

しばらく旋回を続けていくと、機体斜め後方からは先ほど離陸してきたばかりの羽田空港の様子が見えてきました。後続で続いているであろうJALのラグビー塗装B767の姿を探しました。肉眼ではよく見つけることができませんでしたが、写真をよく見ると小さく写り込んでいるのがわかりました。ぜひ探してみてください()

京湾上空で高度を稼ぎ、千葉県浦安のディズニーリゾートを過ぎた付近から左に旋回、関東平野上空へと入っていきます。進行方向右側からは手前に京葉工業地域と千葉市内、奥には九十九里の海岸線が綺麗に見えています。

こうして上から俯瞰すると、千葉県も上総国と下総国の境界あたりはスリムになっていることがわかります。ちーばくんで言うところの丁度頚椎のあたりですね(笑)

上空は地理の教科書です

8:16、ベルトサインが消えました。秋田空港の到着予定時刻は10分遅れの9:05、天候は霧の1度と伝えられました。霧というとなかなか印象の悪い天候ですが、出発前に「引き返すかも」といった旨のアナウンスはなかったので、おそらく大丈夫だろうと思いました。

ベルトサインが消えると機内Wi-FIでインターネット接続が可能となるため、早速ネットに繋いでフライトレーダー を確認しようとしましたが、フライトレーダーには1機も飛行機の現在地が表示されていません。SNSなどはしっかり機能していたので、フライトレーダーの不具合なのでしょう…限界ヲタクとしては飛行中にフライトレーダー を見ながら乗るというのが楽しみの1つでもあるので、これは残念です。

窓からは流域面積が日本一の利根川と奥には霞ヶ浦が見えています。その先にはこちらもやはり綺麗に太平洋の海岸線が見えており、飛行機に乗るなら空気の澄んだ天気の良い日が1番だなということを再認識させてくれます。もっともこれは運次第ですが(笑)

茨城県つくば市と常総市の境を流れる小貝川、川の脇に円形の特徴的な地形が見えたので望遠レンズに付け替えて撮ってみました。これは「三日月湖」と呼ばれるもので、名前の通り湖、と言いたいところですが、元々このような形の湖があったわけではなく、地形の変化に伴い、河道が変化していった結果生じたものです。以前はこの三日月湖も川の一部として機能していましたが、現在は川とは繋がっておらず、湖のような格好で存在しているわけです。

飛行機に乗っているとやはり地理の知識が活きますね。こういった楽しみ方をするには窓側席を外すことはできません。

揺れながらの巡航でした

ベルトサインが消えてしばらくするとドリンクサービスが始まりました。相変わらず揺れが続く中ではありますが、後方席は特に空席が目立つため、コップ回収時には「おかわりいかがですか?」と勧められました。CAさんにとっては揺れなんぞヘッチャラなのでしょう!

それでも揺れの中ということもあり、コップに蓋とストローをつけてくださいました。特に書物を取り出して云々と言ったこともなかったので、このお気遣いは大変有り難いですね。ANAの国内線ドリンクメニューでは「ビーフコンソメスープ」が高い人気を誇っているような気がしますが、私はいつもお茶をオーダーします。日本人は茶が1番です。

ラウンジで飲みすぎてしまうとどうしてもトイレが近くなってしまいます。ベルトサインが消えるのを今か今かと待つのは計画性のないエセ上級会員あるあるかもしれません。

今回搭乗している767-300(ER)は、ANAでは1987年から2012年まで25年に渡って導入が続けられました。もちろん25年の歳月は機体の内装にも変化をもたらしており、時代を反映していると感じさせられるところでは、便座脇にあるオレンジの「客室乗務員呼び出しボタン」が21世紀に入ってから導入されたこの機体では「客室乗務員呼び出しボタン」と書かれているところ。何を当たり前のことを…とは言わせません。90年代初期に導入された機体では「スチュワーデス呼び出しボタン」と書かれています。時代を感じさせる変更点であると言えます。

スチュワーデスという名詞も私が幼稚園児くらいの頃はまだ日常で使っていた気がしますが、今ではもう死語のようになっていますね。2003年のTBSドラマ「GOOD LUCK!」以降、スチュワーデス→キャビンアテンダント(CA)の転換が広く浸透したと以前何かで読みましたが、まさにその通りだと思います。

そして機体後方から一枚。
事前の座席指定画面で見たおおよその搭乗者数は、170名程でした。搭乗率は約6割といったところでしょう。後方は中央の3人掛け席を中心に空席がかなり目立ちました。

スターウォーズ塗装機時代だった頃は座席のヘッドレストカバーとCAさんのエプロンがそれぞれスターウォーズ仕様でしたが、こうして後方から見るだけだとその当時と殆ど一緒だと思います。767でも比較的新しい機体(とは言っても製造からすでに15年以上が経過していますが)では、上の共用収容棚の形状や、窓枠の形状が90年代中盤にデビューした777同様丸みを帯びたものに改められており、パッと内装の写真を見せられると777と錯覚してしまうものがあります。

今回の巡行高度は29,000feetでした。一旦31,000feetまで上昇したようですが、揺れが酷かったのか29,000feetでレベルオフ、水平飛行に移りました。

前日は南東北から関東にかけて天候が悪く、前日の夕方に訪れていた白河や宇都宮などでも雪がちらついていました。一夜明けるとその付近はこのように雪に覆われており、これらが今シーズンに積もった雪なのか、前日に積もった雪なのかは判別できませんが、もし後者なのであれば季節外れの大雪といったところですよねえ… この先からは雲上の飛行となり、秋田上空までは景色とおさらばになりました。

Keep your seatbelt fastened

8:34、しばらくのんびりとした雲上の飛行が続いていた中、突然激しい横揺れが機内を襲いました。正直静止画では何も伝わりませんが、雲に入っていないところで突然激しく揺れると驚いてしまいますね。

揺れの前におそらくパイロットさんがCAさんへ連絡する用であろう呼び出しボタンを鳴らしまくっていたので、何かトラブルがあったのかと思いましたが、激しい揺れというオチでした(笑)

強い揺れと同時にベルトサインが点灯。主翼上のスポイラーを使って降下していたところでもあったため、しばらく強い揺れと振動が機内に伝わってきました。羽田空港を出発する前に、航空機事故の解説をする「メーデー」なる動画を見ていたため、脳裏に様々その映像が焼き付いていたわけですが、いざこういった場面に遭遇すると人間意外と冷静なものです。

先程の激しい揺れポイントを通過したのちは再びトコトコと揺れるだけになりました。

ベルトサインは8:38に再び点灯し、着陸態勢に入りました。下をべったりと覆っていた雲を突っ切って降下してもさらにその下に雲があり、またしても景色はお預けでした。それでも下層にあった雲の隙間から所々下界の様子は伺うことができ、秋田県や山形県の内陸部ではまだまだ白いままの集落の様子が見えました。

雲に突っ込みながら降下しました

8:49、秋田空港の到着経路に入った飛行機は降下を続けていきます。到着経路はCHOKA East Arrival、秋田空港の南にあるCHOKAポイントから一旦北東に進路を取り、秋田空港へは東側から進入していきます。

飛行機が旋回を繰り返したり、フラップを出したりと着陸が近いことは分かるのですが、一向に雲を抜けることはありませんでした。天気予報は霧とのことでしたが、雲自体もだいぶ低いようです。

秋田空港の滑走路はほぼ東西に走っているため、羽田空港からやってきた場合は着陸の最終段階で左か右かに大きく旋回します。今回は左に大きく旋回して着陸です。天気が良ければ秋田県大仙市の街並み、農地などをみながら旋回するのですが、今回はまだ雲を抜けません。

遠くに見えているのは森吉山であってるかは分かりませんが、雲と雲の間から顔を出していました。他のものは一切見えていません。着陸へはレーダーが頼りです。

雲の切れ間から「下は見えるか??」と目を釘付けにしてみていましたが、着陸数分前になってようやく完全に雲から抜けました。主翼の下に見えているのは秋田自動車道、ここから秋田空港までは直線距離で2kmしかありません。飛行機で言う2kmは大した距離ではなく、減速している着陸前とは言えどもすぐに通過してしまいます。

もちろん下の景色が見えたからといって着陸できるぞ!というわけではなく、コックピットから滑走路の進入灯を視認することができなければ着陸することはできません。条件が揃えば視界0でも自動着陸が可能ですが、あいにく秋田空港にはその設備がありません。

無事に着陸しました

8:54、秋田空港RWY28に着陸しました。飛行時間は45分でした。なかなか雲が切れなかったため、着陸復行、ゴーアラウンドも期待していましたが、結果的に1発で着陸となりました。

滑走路面は濡れていたようで、逆噴射をかけるとそこそこ水飛沫が舞っていたのが印象的。機内から見ても外から見ていても、この水飛沫は迫力があって好きです(笑)

その後通常通りT4誘導路で滑走路をバケートした飛行機は、ターミナルへと向かっていきました。

8:59、秋田空港3番スポットへ到着しました。ブロックタイムは1時間1分でした。コンテナの件が無ければあと数分は早く到着できたはずですが、飛行機は15分遅れまでは定刻扱いですから、この便も一応「定刻通り」の到着ということになります。

やはり秋田空港をよく利用する秋田県民としては、秋田空港の姿が見えると落ち着くといいますか、ホッとしますよね。横浜に住んでいた時は羽田空港を拠点として散々利用きましたが、秋田空港へ感じる安心感とはまた違った感覚でした。

飛行機から降りて到着ロビーへ出ました。新卒者の季節でもある4月、秋田空港の地上係員さんにも「研修中」のネームプレートをつけた方がいらっしゃいました。秋田空港の本番は何と言ってもGWや盆正月の繁忙期、しっかりそれらに備えて修行()に勤しんでいただきたいです。

今回は預けた荷物もなかったのですぐに制限エリアから出ましたが、到着ロビーの前では出張でいらした方を迎えにきたと思われる企業の方々が多数おり、平日の午前便らしい様子が感じられました。やはりビジネスには航空便に優位性があるのでしょう。1日9往復ある秋田ー羽田線は余裕で日帰り出張も可能です。宿泊業や飲食サービス業にとって交通網の発達はメリットもデメリットも存在するわけですが、時代に合わせて地方のサービス業側も客層のターゲットを変容させていくことが必要だと思います

今回はここまでにします。最後までお読みいただきありがとうございました。


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