秋田帰還から12時間で秋田脱出
前日までA380に乗るべくホノルルへ出向いていた私ですが、秋田到着後12時間で再び秋田を出ることになりました。”出ることになった”というと、あたかも唐突に秋田を脱出したかのような表現ですが、これも予め決まっていた予定。今度はホノルルとは方角的には正反対、広島へと向かいます。
秋田空港から広島空港への直行便は勿論飛んでいません。秋田から広島へ向かうとなると最短コースは羽田空港を経由して向かうコースとなります。というわけで、秋田ー羽田ー広島というのがこの日の移動ルートです。前日の移動距離と比較すると大したこともありません。今回の広島行きは、ホノルル行きの後に決まったのですが、日程的に問題ないと判断してホノルル明けの広島行きを決めました(笑)
前日秋田市内の自宅に着いたのは21時近くでした。それから9時間後の朝6時過ぎ、再び自宅を出発して秋田空港へ向かいました。ここまで1週間おきに秋田空港へ出向いていますが、とうとう1週間よりも短いスパンで乗り目的で秋田空港へ向かうことになってしまうとは…
12時間ぶりに3番スポットのA321とご対面
秋田空港には7:00前に到着しました。航空ファンの鑑なので、デッキでの搭乗機確認は欠かせません。前日のANA407便で到着してから約12時間ぶりに秋田空港の3番スポットに駐機するA321とご対面です。ただ、前日はA321ceoだったのがこの日はA321neoが鎮座していることが異なっています。正面から見るとそのエンジン直径の大きさが際立っていますね。
2000年から秋田空港にはANAの東京便で夜間駐機が実施されています。長らくその機種は767で、現在も767が夜間駐機する月もありますが、2019年の9月と10月はA321が夜間駐機することになっていました。ここ数年は、737-800やA321が夜間駐機することが多く、ダウンサイジングをひしひしと感じるところです。
2011年の12月から秋田ー伊丹線にANAが参入し、この路線はダブルトラック運航になりました。TDA→JAS→JALとJAL系が圧倒的強さを誇ってきた伊丹便へのANA新規参入を知らせる報道を見たときは驚きましたが、それから1年半後の2013年夏ダイヤからANAの伊丹便でも夜間駐機が開始となりました。ここでもANAのやる気が感じられましたね(笑)
夜間駐機のANA1655便と1652便はオープンスポットに1番スポットで夜を明かすのが基本だと思っていましたが、今回初めてボーディングブリッジ付きの2番スポットに入っているのを見て写真を撮ってしまいました。まあスポットが空いているならボーディングブリッジ付きのスポットのほうが乗客側としてはありがたいですよね。
国際色豊かな出発便案内板
普段はターミナル2階、保安検査場脇の出発便案内板を撮影して載せるところですが、今回は趣向を変えまして、ANAカウンター上にあるANA便専用の出発便案内板を撮影してみました。全国のANAカウンター共通のこのスタイルの案内板ですが、主要空港程便数が多くないため、1便あたりの欄が大きくなっているのが特徴ですね。なんなら機種欄もつけていただきたいところです(笑)
ちょうどコードシェア便の表示がなされているタイミングで撮影したため、TG、OZ、LH、VNと国際色豊かな案内板になっています。今回搭乗する7:30発の羽田空港行はタイ国際航空とのコードシェア運航だそうです。羽田空港を10:35に出発するバンコク行きの便に乗り継ぐことができるため、納得のTGコードシェアです。
この日のANA402便は比較的混雑していました。カウンターで空席状況を確認すると、3-3の座席配列のうち、席に挟まれた中央席しか殆ど空きがない状況。今回は同行者2人がいるため、他人と並びで肩身の狭い思いをすることはなさそうですが、一人では乗る気のしない便であることには変わりません。
保安検査を通過するとちょうど優先搭乗が終了し、グループ3の搭乗が開始されていたので、ノンステータスの同行者共々機内へ入ることにしました。
見慣れたナローボディーのキャビンへ帰ってきた
07:15、搭乗となりました。今回の座席は29Kです。9月5回目のA321搭乗で、予定通りにいけば今回が9月最後のA321搭乗となります。内訳はceoが3回、neoが2回と相変わらず機数の少ないceoに当たる回数の方が多いという矛盾っぷりを発揮しています。
ボーイング大国と呼ばれ、特にJALからA300が引退し、国内LCCがデビューするまではANAのA320とスターフライヤーのA320しか国内にエアバス機が飛んでいないという時期もあった日本ですが、2019年9月現在では、国内LCC4社、ANA、SFJ、そしてJALでエアバス機が就航しているというのは時代の変化を感じさせられます。と言ってもここ10年以内の変化のですがね(笑)
満席のA321と聞くと、搭乗や降機に時間がかかるイメージですが、始発便ということで出発時刻の5分前、7:25にはプッシュバック開始となりました。機首を東へ向けてプッシュバック、主翼のフラップを展開すると水滴が一気に流れ落ちていくのが見えました。そういえば窓も濡れまくっていますね。夜のうちに雨が降ったようです。
秋田空港の住所は秋田県秋田市ですが、市町村合併の結果秋田市に入ったもので、旧住所は秋田県河辺郡雄和町となります。標高の高い丘陵地にあるため、秋田市内中心部とは天気が異なることも多く、雨なんて降ったっけ、と一瞬思いましたが、”山の上だから”といつも通り自分を納得させました。
全日空A321neoお自慢、GTFのエンジン音と共に空へ
07:34、秋田空港RWY28から離陸となりました。12時間15分ぶりに秋田空港を後にします。これではただのおうちトランジットですね。(笑) ただ、短い時間でも自宅のお布団で横になることができるというのは有難いことです。睡眠時間を削ってまで活動するほど愚かなことはありません。因みに前日にホノルルから一緒に帰ってきた友人は、前日の夜のうちにバンコク、スワンナプーム空港へと再び旅立ったようです。バンコクなどに比べると広島など目と鼻の先、ちょっと近くのショッピングセンターまで買い物に行くようなものです。
A321neoは4日ぶりの搭乗ですが、やはり”New engine option”だけあって推力が上がった時のエンジン音がより”最近のエンジン”という印象を受けます。こういったエンジンの飛行機ばかりに乗っていると、767や747に搭載されている1世代前のちょっとな音が元気なエンジンの音が恋しくなってしまうのです…
離陸後は秋田市内中心部を右手に見ながらすぐに左に旋回しました。秋田市南部にある水田も、稲刈りのシーズンを迎え黄金色に輝いています。それにしても秋田市って大きいですよねえ…ここから見えている平野部は全て秋田市です。こんなに大きいなら秋田空港ももっと秋田市よりに造ってくれたらよかったのに、と思ってしまいます。
秋田空港は、元々何もなかった山を削り、平地を造成して建設されたわけですが、その際、周辺に緑地帯を設け、将来の住宅接近化を未然に防止しようとしたという経緯があります。秋田空港が現在地に移設されたのは1981年、その7年前の1974年に工事が着工となりましたが、1970年代の日本では各地で公害問題が発生しており、航空機の騒音問題という点においては、有名な大阪空港訴訟も1969年に発生しています。そういった社会事情を踏まえ、騒音問題と極力無縁となるように設置された秋田空港、市街地から離れて建設されたのにもしっかりとした理由があるのです。もっとも、秋田空港の周辺にもそれなりに集落があり、秋田空港の運用時間を延長する際にも協議を行っているという経緯があります。そのため、騒音問題とは完全に無縁というわけではないようです。
巡航高度を変えながら南下
秋田空港を離陸するとすぐに左へ旋回します。離陸後1分の7:35には早くもベルトサインが消えました。間違えて押したんじゃねえか??と思い機内を見回すとCAさんが立ち歩いていらっしゃったので、間違いではないようです。こんなに早くベルトサインが消えるのもなかなか珍しい気がします。鳥海山はピンポイントで雲に覆われており、山頂が見えませんでした。
7:50、山形県米沢盆地の東を通過しました。太平洋側の天候はあまりよろしくないようで、こちらにくると雲が目立ってきました。
飛行機は一旦24,000feetまで上昇しましたが、そこからすぐに高度を下げ20,000feetで水平飛行に移りました。
07:52、福島上空を通過しました。この付近で高度を20,000feetから下げ始め、再び16,000feetで巡航となりました。高い高度が取れないのか、単純に揺れるのか、最近この路線、この機材で高い高度を飛んだ記憶がありません。時々カタカタとした揺れが続き、9月の秋田ー羽田線はハズレが多かったですねえ、もっとのんびりフライトしたいものです。
8:02、降下開始とのアナウンスが入りました。羽田空港の天候は晴れ、21度ということもあわせて伝えられました。その予報に反して南関東に入ってくると再び下界には雲がかかってきました。
関東の空へ舞い戻ってきた
08:12、ベルトサインが点灯し、着陸態勢に入りました。千葉県上空に入ってくると再び雲は切れ、東京湾内エリアを一望できるようになりました。やはり羽田空港も天候はいいようです。ただ、この付近から再びカタカタ揺れ始めました。
今回は、ここまで秋田(Y32)山形(Y32)福島(Y10)GODINと普段よく飛行するルートでここまでやってきました。9月3度目の秋田ー羽田線でしたが、これまでの2回は台風やら勢力の強い低気圧やらでそれらを避けて飛行するという経路が採られていたため、久々に飛びなれた航路でのフライトとなりました。何度も飛んでいる区間で、見える景色にも飽きが生じているのはまた確かですが、少しは離れて戻ってくると実家のような安心感を感じることができました。
08:17、CLOAKポイントで右に旋回、3回目の旋回で羽田空港へ機首を向けました。先日の台風の被害を受けた地域ということで屋根にかかるブルーシートが目立ちました。
9月、10月と台風や大雨の影響により千葉県ではかなりの被害が発生してしまったというのは報道で伝えられた通りです。自然災害とはいえ、ここまで連続的に被害を被ってしまうのは、どうしたものか…と言ったところ。ゲリラ豪雨やら異常気象やら様々自然災害が毎年後を絶ちませんが、自分の命は自分で守る精神で行動するように常日頃から意識しておきたい、そう改めて感じさせられました。
08:24、羽田空港RWY34Rに着陸しました。飛行時間はちょうど50分でした。前日の18:33にこの滑走路を離陸してから14時間ぶりに帰ってきました。
このJA139A号機は、前日の羽田発秋田行最終便であるANA409便として秋田空港へやってきて、再び翌日の始発便に充当されているわけですが、409便に乗務されていた乗務員の皆さんは、何もなければ、この日の午後に秋田空港を出発するANA408便で羽田空港に戻ってくるはずです。この2日間の内に東京と秋田を往復した人間の中では、秋田での滞在時間が最も短かった自信があります。1番じゃなくとも、トップ10の短さには入っているでしょう。だからなんだといいう話ですが。
サテライトターミナル初利用
飛行機はその後、C8B、E8、R誘導路を経由して407番スポットに入りました。到着時刻は08:27、8分の早着です。
さて、羽田空港の第2ターミナルでは、基本的に2桁のスポットナンバーが割り当てられているスポットにボーディングブリッジが備えられています。それに従うと、407番スポットやその隣、406番スポットにはボーディングブリッジが存在しないはずです。しかし、その406番スポットに入っているA320にはボーディングブリッジが付いています。これは一体どうなっているのか…
その正体はこちら。第2ターミナルの北、東地区貨物エリアに新たに設けられたサテライトターミナルに到着したのです。以前は何もないオープンスポットで、到着後は飛行機からタラップを降りて降機しバスでターミナルまで移動するという流れでした。このサテライトターミナル開業後は、オープンスポットの内、406から408番までの3か所で、ボーディングブリッジによる降機に変わり、バリアフリーの点や雨天時の搭乗、降機の点において利便性が増すということになりました。
このサテライトターミナルの他にも、羽田空港のオープンスポットの一部には新たにボーディングステーションと呼ばれる施設が複数完成し、同じく、オープンスポットでもボーディングブリッジを通じて機内へ出入りすることが可能となっています。ボーディングステーションというと、この第2ターミナルが完成する前、まだ国内線のターミナルをANA、JAL、JASの3社で使用していたころ、JASに割り当てられていたボーディングブリッジ付きのスポットが5か所しかなかったことから、当時こじんまりとした1世代前の国際線ターミナルしかなかった東地区のエリアにボーディングステーションを複数設置し、乗客を捌いていたという過去があります。
羽田空港のスポット不足は、第2ターミナルの完成をもって一旦収束したかに思われましたが、国内線の多頻度運航による増便に加え、2010年から国際線定期便が復活し、さらに2020年春から第2ターミナルの一部からも国際線が発着するというとこになりました。再びボーディングブリッジ付きのスポットが不足するという事態が予想され、救世主のボーディングステーションが復活したという流れとなります。
と、あたかも様々知っているかのような説明っぷりを発揮したわけですが、私はかつてのボーディングステーションも、このサテライトターミナルも利用するのは今回が初めてです。ボーディングブリッジを降り、このエレベーターに乗ろうとすると、地上係員の方から止められまして、脇にあったエスカレーターで階下に降りるように誘導されました。確かに、何でもない人がエレベーターを使ってしまっては元も子もありませんからね…慣れない場所ですと何かしらボロが出てしまうものです。
このサテライトターミナル、先ほど2点のメリットを挙げました。階段移動がないことからオープンスポット利用時のバリアフリー化を図ることができること、そして、雨天時の搭乗、降機の際に雨に濡れずに済むこと、この2点です。逆に言うとそれさえ克服することができればあとは野となれ山となれの精神です。ここから到着ロビーのある第2ターミナル本館まではやはりバスで移動することになります。せっかく”ボーディングブリッジ付きの出口に降り立ったぞ”と喜ぶ地方民、その喜びもつかの間、現実はやはりバスなのです。
まあそれでも、このバスの発着場にはしっかり屋根がかかっており、ここでもよほど雨風にさらされない限りは濡れることとはほぼ無縁です。以前のオープンスポットと比較すると快適性が増したことは確かですね。ただ、ヒコーキヲタク的に残念なのが、間近で飛行機を眺める機会が減ってしまうこと。特にこのような天候の良い日などには絶好の眺め日和なのですが、こればかりは致し方ありません。全てのオープンスポットがサテライトターミナル、ボーディングステーション併設というわけではありませんので、晴れている日はこれまで通り何もないオープンスポットがアサインされるよう、日ごろの行いを良くしておくのもいいかもしれません。
というわけで、バスに揺られて到着ロビーへとたどり着いたのでした。今回はここまでにします。最後までお読みいただきありがとうございました。
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