ANA89便 羽田ー石垣線搭乗記 南ぬ島へワイドボディー機で初上陸(2018年5月19日)

搭乗記2018

秋田空港に飛来しない789が就航する石垣空港

2011年11月に華々しくデビューしたANAのBoeing 787。2020年6月現在では、787-8/-9/-10の3タイプ合わせて73機というフリート数を誇っています。

国際線が運用のメインとなっているANAの787ですが、国内線仕様機はそのうち13機(787-8×11機、787-9×2機)しかありません。その中でも787-9の国内線仕様機は、わずか2機と言うフリート数。777-200とほぼ変わらない座席数と言うこともあり、時刻表にその表示がなされないこともしばしばあります。

そんなANAの中では少数派の国内線仕様787-9に乗って、今回は石垣空港を目指します。私の知る限りでは秋田空港へまだ飛来していないANAの787-9ですが、国内屈指の高需要ローカル線である羽田ー石垣線へは2017年5月から、需要に応じて投入されています。

2018年3月25日~5月31日版のANA時刻表 。
需要に応じて機材を投入する「ぴたっとフリート」の影響か、機種欄、備考欄があまり参考にならない状況である…

今回搭乗するのは、1日2便ある羽田ー石垣線のうち、1便目のANA89便。

時刻表上ではBoeing 767がアサインされており、予約時点での機種も767だったのですが、すっかりお馴染みとなった需要に応じて機材を細かく調整する「ぴたっとフリート」政策によって787-9へ機材変更されたのでした。

健康増進 天空橋walk

早朝フライトに備え、前日に仙台空港から成田空港までフライトし、京急川崎駅付近のホテルまで移動しました。

朝は楽々羽田空港にアクセス、と言いたいところですがお金をケチって天空橋駅から羽田空港までは徒歩で移動しました。京急川崎駅から羽田空港国内線ターミナル駅までは¥407、天空橋駅までは¥195と言うことで、約¥200程の節約。(2018年当時)金銭面のメリットはさておいて、これから3時間のフライトに臨む身としては、少しでも運動した方が体にとってもプラスとなるに違いありません

国際線ターミナルから、ターミナル間循環バスに乗って第2ターミナルへたどり着きました。ここまで長かったです()

今回は1月に羽田ー新千歳ー那覇ー羽田と乗った時同様、友人と一緒に1日4レグこなすことになっていました。東京某所在住の友人は既に始発電車で羽田へ着いているとのこと、出発便の案内板を撮影して合流することにしました。(普段なら撮り直しするところですが急いでいるので止めました。その辺の踏ん切りは大事です(笑))

普通席の残席表示を見ると、我がANA89便は残席〇の表示が出ています。767から787-9へ機材変更したことで、100席程供給増となったため、普通席に関しては余裕があるようです。プレミアムクラスについては、もうお察しの通りです。

堂々の64番搭乗口発

保安検査場で友人と合流し制限エリアへ入ろうか、というところで友人がチケット関連のトラブルで引っかかりややドタバタしていましたが、飛行機慣れしているオニイサンでしたので無事に通過し搭乗口へ向かいました。

今回アサインされた搭乗口は64番でした。これから777と同等のキャパシティーを誇る飛行機に搭乗するわけですので、妥当なゲートアサインではあるのですが、目的地は石垣島ですからね(笑)

737のイメージしかない空港へ向かうにも関わらず、737とは縁も所縁もない搭乗口からの出発というこのギャップが堪りません

6:08、機内へ入りました。当初は11Kをアサインしていてのですが、11H、11Jの隣2席が埋まってしまったので、非常口座席の12Kに変更をしました。友人はプレミアムクラスにアップグレードしたので一緒に行くと言いつつ機内では別行動です(笑)

私も友人もこの年はステータス修行に精を出していたのですが、「隙あらばアップグレード」の友人、方や「切羽詰まったらまた那覇に行きゃいいや」というヤル気のない私。どのような不可抗力が働くか分かりませんので、「隙あらば」の方を見習ってください。

出発準備に時間がかかったのかドアクローズは6:29、プッシュバックは6:35となりました。出発前にキャプテンからの飛行概況についてのアナウンスが入り、飛行時間が2:33、巡航高度は40,000feetと伝えられました。

南ぬ島へ向けて離陸

タキシングのクリアランスを得た我がANA89便は、R、E6、E、J誘導路を経由してA滑走路へと向かいました。離陸滑走路は、RWY16Rのようです。

J誘導路を通過中、右手には800番台のスポットを見ることができます。早朝と言うことで、稼働を待つ飛行機もいる一方で、エンジンを外され飛ぶに飛べない787の姿も1機だけですが確認できました。

その奥にあるB滑走路RWY22には、JALの777が着陸せんとしています。2010年の再国際化以降着実に国際線の規模が拡大しつつある羽田空港、6時台には東南アジア方面からの到着便が集中します。

集中するのは到着便だけではありません。6時代の羽田空港は国内線の朝の出発ラッシュを迎えます。我々の前にも何機か先行機がいたようで、しばしA10誘導路で待機した後A滑走路へline up。2基のRRトレント1000エンジンが唸りを上げて離陸滑走開始です。

6:53、やっとこさ離陸となりました。取り敢えずrejected take offでターミナルに逆戻り、なんていう事案にはならなくて良かったです。

ANAの787に搭載されているのは、英・ロールスロイス製のTrent1000エンジン。ANAにとっては、1974年に導入されたLokkeed L-1011「トライスター」以来のロールスロイス製エンジンの採用となりました。787もトライスターも革新的な飛行機と言う点では共通していますが、両者ともにエンジンで悩まされることになるとは、想定の斜め上を行っているに違いありません。

雲上のフライトの幕開けです

飛行機は離陸後3分程ランウェイヘディングのまま直進し、房総半島上空に差し掛かろうかというところで右旋回、三浦半島上空を横断していくように飛んでいました。

離陸後は暫く上昇すると雲に捕まりすぐに景色は拝めなくなりました。白いエンジンカウルのエンジンに、白い主翼、そして白い雲という「白」尽くしの光景が広がります。

完全に景色とおさらばであれば悲しいところではありますが、雲の切れ間からは、横浜や三浦半島の先の方が見えていました。

写真に写っているのは、三浦半島の中央部に位置する横須賀市付近。東京湾と三浦半島の高地の間に挟まれた数少ない平野部に、所せましに家々が立ち並んでいる様子が上空からでも見て取れました。

米軍基地が存在することが、その知名度の引き上げに大いに貢献しているであろう横須賀の地ですが、地形でも豊富なネタが揃っていそうな気がします。

暫く雲の中の飛行となりましたが、7:10頃から雲を抜け始め青空が見えるようになりました。揺れは相変わらず続いておりベルトサインは離陸後20分を過ぎても消えませんでした…

それから5分、7:15にベルトサインが消えようやくドリンクサービスが始まりました。巡航中もベルトサインが消えているとは言え、所々揺れながらの飛行が続きます。飛行時間の長いフライトということでトイレに立つ人も多く見られましたが、飛行機慣れしているお客さんが多いのでしょうか、トイレ待ちのお客さんも多少の揺れでは平気な顔をして待っています

トイレに行ってみました

私も暇なので恒例のお手洗い、もといトイレに出向きました。
新しい機体ということでラバトリーも清潔感が一層あり、明るい印象を受けます。照明がLEDになっている点も大きいと思われます。

便座の蓋がゆっくり閉まるように改善されたのは言わずと知れた777開発時にANAがボーイングに提案したのがきっかけとなっています。しっかりと787にも受け継がれており高評価ですね。しいて言えば国内線機材にもウォシュレットを付けていただけたら最高ですね。というのも、最近新幹線に乗る機会があったのですが、あの秋田新幹線に投入されているE6系新幹線のトイレにはウォシュレットがあったのです。これは負けていられませんよ()

ここで今回の搭乗機についてご紹介。
今回の搭乗機はB787-9、JA833Aです。2014年9月に導入された国内線仕様のB787-9の2機目にして現在のところ国内線仕様機としては最終号機となる機体となります。私は昨年4月に羽田―伊丹線で1度搭乗済みでこれが2度目の搭乗となりました。

国内線仕様のB787-9、2機への搭乗は果たしていたということもあり少々がっかりだったのですが、石垣空港でトリプルセブンにも迫るキャパシティーが大きな機体を見ることが出来ると言うことでその点は非常に楽しみにしていました。

降下開始です

トイレの写真や搭乗機のご紹介で文量を稼いでいましたが、沖縄線恒例の洋上飛行区間に入っていたため、紹介できる機窓からの風景がありませんでした。長い長い洋上飛行も終盤に近付き、8:56に降下を開始、40,000feetから高度をぐんぐん下げていきました。

Flightraderによると、巡航速度は西へ向かうにつれて速くなり、奄美大島上空付近から降下開始までは500ktsを越えてかなりかっ飛ばしていたようです。夏場ということで偏西風が弱かったのか、単純に遅延回復なのか分かりませんが、飛行機ってやっぱり凄い乗り物ですねぇ…

9:06にベルトサインが点灯、着陸態勢に入りました。

9:10、石垣島の様子が見えてきました。南北に長い石垣島、石垣空港はその南側に位置しているため、着陸前の飛行機からは美しい島の景色を楽しむことができます。

出発地の天候は「汚」天気でしたが、八重山地方の天候はいいようで、エメラルドグリーンのサンゴ礁も、日光を浴びて一層輝いて見えています。早朝フライトで眠いところではありますが、この景色を見るためには、寝ている暇はありません。晴れの石垣空港へ向かう際には、寝過ごしに注意が必要です。

南ぬ島に着陸です

この日の石垣空港は南風運用。RWY04-22方向へ走る滑走路のうち、RWY22へ進入します。RWY04への着陸では、石垣市街地の様子を見ながら滑走路へ向かっていくのですが、RWY22への着陸では、着陸間際にサンゴ礁をオーバーパスしてタッチダウンとなります。普段間近に見ることがない雄大なサンゴ礁から、目を離すことはできません。

美しい景色はさておき、個人的には大きなトラブル(エンジン関連)がなくここまでやって来ることができ、安堵していました(笑)

石垣空港でエンジンが故障してしまったらどうするんだろうか…など、着陸前に不謹慎なことを考えるほど余裕がありました(何の?)

9:21、石垣空港のRWY22に着陸しました。飛行時間は2時間28分でした。出発前のアナウンスでは2時間33分の予定と言われていたので5分短縮です。

2,000mの滑走路をフルに使い、RWY04側のT1誘導路でバケートした後6番スポットへ移動、ブロックインは9:25。ブロックタイムは2時間52分でした。出発までに時間を要したものの結局定刻よりも5分遅れで済みました。

今シーズン初の南ぬ島

CAさんからログブックを受け取り近所の病院と同じ匂いのするターミナルビルに進入しました。
2017年6月以来約1年ぶりとなった石垣空港の訪問。前回訪れた時に、次は787-9で来ることになるとは予想のしようがなかったわけですが、その「予想を超越した飛行機」でやってきてしまったようです。

私自身初となった、石垣空港へのワイドボディー機での上陸。次回はトリプルセブンで訪れたいと思います(笑)

最後に

ANAの中では2機しか存在しないコンフィギュレーションの787-9で羽田―石垣線に搭乗したという搭乗記でした。2017年のゴールデンウィークに初めて787-9が投入されたこの路線ですが、それ以降すっかりこのアサインがお馴染みとなっています。

777-200に混じって、国内幹線が主要な活躍の場となっている国内線仕様の787-9に、国内屈指のリゾート路線で乗ってみるのはいかがでしょうか。

最後までお読みいただきありがとうございました。

コメント

  1. […] […]

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