ANA410便 秋田ー羽田線搭乗記 大荒れのバレンタインフライト(2018年2月14日)

搭乗記2018

Wi-Fi付きの767のはずが…

2018年からANAの国内線では機内Wi-Fiサービスが無料で提供されるようになりました。ライバルのJALに若干遅れを取ってはいたものの、Wi-Fi装備機材も増え、引退が近い経年機などを除き、上空でインターネットに接続し放題な環境が整いつつありました

この頃からANAでは、搭乗予定の便がWi-Fiを搭載しているか否かを示す表示を空席照会の画面で出し始めました。現在はしっかり「Wi-Fi」のロゴが用意されているこの表示ですが、黎明期はあたかも突貫工事で始めましたと言わんばかりの表記でした。

懐かしさもあるこちらの表示を頼りに、搭乗機を縛りこんでいた頃もありましたが、この時に搭乗予定だった2018年2月14日のANA410便には、ご覧の通り「Wi-Fi:〇」の表示が出ていました。すなわちWi-Fi装備機で飛ぶよというアナウンスです。

この当時、ANA407便の機材は、羽田(ANA751便)小松(ANA754便)羽田(ANA253便)福岡(ANA258便)羽田と流れてくる傾向にあったので、お昼過ぎにANA253便の使用機材を見てみると…

うおっ!スタアラじゃん!!

フライトレーダーに示されたANA253便には、JA614Aで運航されている様子が出ていました。国際線仕様から改修されたばかりのこの767、もちろんWi-Fi装備機であるという点でも矛盾しません。搭乗機確定の歓喜の舞を小一時間程度踊っていました。

それから数時間、ふと予約詳細の画面を見ていると、Wi-Fiの表示が消えていました。

この1時間で何があったのかは分かりませんが、とにかくスタアラB6への搭乗は幻となり、Wi-Fi装備機に乗ることができるという夢も散ってしまいました。Wi-Fi無料のサービスは、全旅客向けには4月からのスタートだったのですが、ステータスホルダー向けには1月からスタートしており、その恩恵を余すところなく享受する気満々だったのですが、いやぁ、はかないものですね。

出発に黄色信号がともり始めました

今回の東京出張は、大学の教授との会合()が理由でした。スタアラが来なくとも、Wi-Fi未装備機だろうとも行かないという選択肢は取れません。

秋田空港へ向かう道中、ANA407便の機材を確認すると、丁度羽田空港からJA8677が離陸したところでした。本当によく当たるJA8677、2017年10月から2か月に1回のペースで搭乗することになるようです。

秋田空港に着くと、出発便の案内板には何やら大量の注意事項が出ていました。欠航に遅延に天候調査中。なんだかオンパレードです。そういえば、JALのアナウンスでも、19:00に、「20:40発の予約を持っている人は16:50発の便に乗るように」と案内されていました。秋田空港、天気がかなり悪いようです。

とは言いつつ、「そこまでではないだろう」と正常性バイアスを働かせて保安検査を突破するのが人間の性。アサインされた3番搭乗口の前で出発を待っていると、聞き慣れたCF6エンジンの音が微かに外から聞こえてきました。ANA407便が無事に秋田空港へ降りたようです。そしてこのようなメールが送られてきました。

もはや天気の悪い秋田空港を離陸すれば実質勝利とも言える状況で、「他空港への着陸」、「出発地への引き返し」というのはネタレベルで面白いわけですが、条件付き運航という制約も解かれ、晴れて無事に出発することができるようです

機内へ入ります

空港周辺の雷の影響で、一時地上業務がストップするなど、なかなか機内へ入るのも一筋縄に行かない今回の搭乗記ですが、19:59、ようやく機内へと入ることができました。悪天候でデッキさえも閉鎖となっていたため、ボーディングブリッジから証拠程度にJA8677の姿を写真に収め、自席へと向かいました。

今回の座席は34K、主翼の後方です。雨に濡れた窓からは、写真を撮るのも一苦労。離陸の際に水滴が吹っ飛んでいくのを待つしかありません。

水曜日という平日of平日のこの日、機内後方は相変わらず空席が目立ちました。それを求めて後方座席を指定しているので期待通りと言えばそれまでなのですが、あまり空席が目立つのも機材小型化に作用して良くありません。「何事もほどほど」が一番です。

20:02にドアが閉まり、34列目を見てみるとご覧の通り、がらんどうです。トヨタ紡織製の座席が普段以上に綺麗に見えたのは言うまでもありません

20:13、機首を東に向けてプッシュバック。通常ダイヤではこの後に2便の出発便がありますが、この日は悪天候により欠航ですので、これがこの日の最終便。秋田空港のエプロンにCF6エンジンの素晴らしいサウンドとケロシン臭を残し、ランプアウトしました。

滑走路へたどり着き、T1誘導路からRWY28へと入ります。離陸のシーンは動画撮影に切り替えました。

2018/2/14 ANA410 秋田空港 離陸

周囲が暗く、綺麗な映像も撮れませんでしたが、滑走した?と言うレベルですぐに地を蹴り上昇してしまいました。「ドッカンあがり」が767を象徴する言葉ではありますが、客も貨物も燃料も少ないガラガラの短距離路線ではそれが顕著に表れますよね。皆さんも区間マイルが300未満の短距離路線かつ空いている767の便に乗って、楽しい離陸ライフを送りましょう

無事に離陸したのは言いものの、そこから暫くは揺れとの格闘が続きました。遠くには稲光も見え、まさにカオスそのものです。離陸はパワフルな767も揺れに逆らうことはできません。揺れが落ち着き、ベルトサインが消えるまで、離陸から9分かかりました。

2月14日と言えば…

ベルトサインが消えると、ドリンクサービスがはじまりました。今回はドリンクだけでなく、オマケの一品も付いてきました。

それがこちら

明治 THE チョコレートです。普段気にすることはありませんが、搭乗日である2月14日は「バレンタインデー」です。普段チョコレートを大量摂取する人にとっては、毎日がバレンタインデーなのかもしれませんが、チョコレートにとってはこの日が節目の1日(なんの?)。と言うわけで、ANAではチョコレートを配布しています。

日ごろからキットカット配っている会社もあるぞ!と言うご指摘は、是非然るべき組織、機関に連絡してください

このチョコレートが配布されている頃、アナウンスではあと25分で着陸すること、羽田空港の天候は晴れ、10度であることが伝えられました。寒暖差が激しい冬のフライト、北の空港から冬の装いで飛行機に乗ると到着してから悲惨な目に遭いがちです。

文明の光が見えてきました

20:48、巡航高度の28,000feetから高度を下げ始めた飛行機からは、関東地方の夜景が見え始めました。

21:00にはベルトサインが点灯し、着陸態勢に入りました。

この日の羽田空港は、気温10度が納得の南風運用でした。北から向かう便はRWY23へ誘導されます。

千葉県千葉市や船橋市と言った大都会の夜景を低い高度から楽しむことができました。夜に羽田空港へ着陸する便の楽しみはこの夜景にありますよね。展望台から眺める夜景も良いですが、方角と高さがコロコロ変わる機内からも違った形で楽しむことができますよね

着陸後に畳みかける「好待遇」

21:13、羽田空港RWY23に着陸しました。かなり雑に撮ってしまいましたが、スポイラーがしっかり展開しているので着陸している様子が伝わるかと思います。

なお、飛行時間は50分でした。巡航中は500kts近い速度で飛行していたようで、頑張って飛行してくれたようでした。この後はD5誘導路で滑走路をバケート、Y誘導路経由で羽田空港の「本島」へ渡りました。

R誘導路からG誘導路に入ると、オープンスポットに留め置かれている737-500の姿が目に入りました。機材変更時を除いて羽田空港にはあまり飛来しないスーパードルフィンに反射的にカメラを向けましたが、写真のクオリティーはお察しの状態です…

かつては、幹線の早朝、深夜便やローカル線を中心に羽田空港発着路線でも大活躍していた737-500ですが、すっかりその座を737-800に譲ってしまっています。

21:23、第2ターミナルは59番スポットに到着しました。定刻を7分遅れての到着となりましたが、59番スポット着と言うことで文句を口にしたらバチが当たりそうなレベルで「当たり」を引きました。いつもこのような待遇だとありがたいのですが、なんとかなりませんか?

いただいたチョコレートを握りしめながら飛行機を後にし、到着ロビーへ出ました。全国各地を20時台に出発してきた便が一斉に到着する時間帯と言うことで、到着便を表示するモニターよろしく館内アナウンスもひっきりなしに流れていたのが印象的。「おら、東京さ来ただ」を最も実感する場所ですね。

59番スポットに入った飛行機は、デッキからもばっちり見ることができます。最後に今回搭乗したJA8677を撮影して空港を後にしました。

21時も過ぎ、国内線は店じまいの時間となります。この飛行機も今日のお仕事はこれにて終了。因みに、バレンタインデーのチョコレート無料配布は2月14日限定ですので、降機時に在庫処分セールが行われていたのは言うまでもありません。カカオの味を噛みしめながら帰路につきました(笑)

最後に

3月3日の「ひなまつりフライト」や、7月7日の「七夕フライト」など、エンターテイメント性あふれる企画が1年を通して行われている昨今の国内エアライン。上述のような大々的な○○フライトは、1便限定での開催となることが多いですが、2月14日の「チョコレート配布フライト(笑)」は、基本的に全便が対象です

日常生活ではチョコレートやバレンタインに縁も所縁もない方、例年のバレンタインに飽きが来てしまった方、2月14日はお空の上でカカオ成分を補給するのも悪くないと思いますよ!

最後までお読みいただきありがとうございました。

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