ANA1693便 新千歳ー那覇線搭乗記「キングオブ国内線」で日本縦断(2018年1月26日)

搭乗記2018

予定外の国内最長路線搭乗

タイトル通り、今回は日本一周の2レグ目、新千歳―那覇線の搭乗記です。

国内線のみでの「修行」に人気の三角飛び。1日で札幌と那覇を回って帰ることができる。(便名は参考)

終わってみれば、羽田ー新千歳ー那覇ー羽田と綺麗な三角飛び、日本一周が完成することになったわけですが、当初は新千歳から那覇まで、伊丹経由で向かうという予約を持っていました。

<当初の予定>

新千歳11:00発(ANA774便)伊丹13:00着 

伊丹14:00発(ANA767便)那覇16:20着

しかし、出発前日に、予約していた774便が、新千歳空港の積雪による運航への影響が生じる可能性がある、所謂「条件付き運航」となったため、ダメ元でコールセンターに伊丹経由を直行便に変更できないか、と掛け合ってみると、結果は可。

こうしてイレギュラーではありますが、国内最長路線の航空券を獲得することができたのです。
それでは早速、言わずと知れた国内最長路線、区間マイル1397マイルの空の旅の様子をお伝えします。

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flight.No ANA1693 ship Boeing 737-881 registration JA70AN seat 5K

STD 10:35 ATD 13:56 take off time 14:15 departure spot 1 take off RWY01L

STA 14:35 ATA 17:45 landing time 17:41 arrival spot 41 landing RWY36

保安検査場通過 9:40

今回搭乗するANA1693便は、2018年1月時点では唯一あった新千歳ー那覇線の便。出発時刻は10:35に設定されていたため、その約1時間ほど前に保安検査場を通過しました。

保安検査場の前にある出発便の案内版曰く、我がANA1693便は普通席が残席僅か、プレミアムクラスは満席の表示が出ています。何度も何度も「国内最長」と連呼していますが、航空会社のステータス修行を行うには、ステータスポイントを1回の搭乗で大量に獲得できるだけあり、うってつけの路線。プレミアムクラスを確保するのがANAの路線の中で1番難しい路線かもしれません。

因みにこの日の新千歳空港はかなりの悪天候。道内路線のQ400運航便で既に欠航便が発生していることからも先がやや危ぶまれます…

ラウンジで出発を待ちました

一旦保安検査場を通過すると、あとはひたすら搭乗口の前で待つ。というのがデフォルトではあるのですが、私も同行していた友人も、ANAラウンジ入室資格を持っていたので、ラウンジ内で時間を潰すことにしました。

8時前に新千歳空港へやってきたときは、吹雪で視界が効かないような光景が広がっていたのですが、時間が経つにつれ、だんだん天候が回復してきました。飛行機もダイヤに乱れは出ているものの、離発着は続けられていて、ラウンジからも窓越しに写真を撮ることができました。

ただ、日本国内の大幹線、新千歳ー羽田線も運航がストップしており、ラウンジはかなり混雑していましたね…

正直写真の撮影には不向きな新千歳空港のANAラウンジでしたが、証拠程度に撮影する分には支障なしでした。エアアジアXのA330も雪をかぶりながら滑走路へと向かっているのが印象的。とにかく雪が似合わないエアラインです。

つかの間の晴れ間…

天候回復で余裕ムードが漂っていたのもつかの間、すぐにこうなってしまいました。

天気が目まぐるしく変わる雪の新千歳、再び天候が悪化してきました。

今回搭乗するANA1693便に使用されるであろう、広島空港からのANA1271便がやってきたので、一先ず遅れても出発できるのではないか、という希望を持つことはできましたが、また窓から外がみえなくなるような吹雪に見舞われてしまいました。

「使う飛行機が来たから多分大丈夫じゃね?札幌観光は未遂に終わりそうだなあ…」などと友人と会話していると、近くの席に座っていたサラリーマンらしき方が、ラウンジスタッフに「羽田行きのxx便に乗るんだけど、飛行機は千歳にあるの?」と尋ねている様子が目に入りました。時間に追われて、大変だなぁ…って思いました(汗)

お待たせしました。出発です。

そしていよいよ那覇空港へ出発する時がやってきました。時刻は13:15と表示が出ています。

実に、3時間以上遅れての出発

となってしまいました…

ここまで至るのにはかなり紆余曲折がありました。出発時刻は10:35から11:00、11:40、13:10、13:40と4回変わり、搭乗口は8→10→0→1と3回変わりました。その都度メールで連絡が入るように設定していたため、まるでかまちょかの如くテキストメッセージを受信していました。

取り敢えず怒涛のお知らせメールラッシュに、飛ばそうとしている意欲だけは伝わってきました。

天候の一時的な回復と悪化を繰り返すこの日の新千歳空港、何度かラウンジと搭乗口を往復して出発を待つという、新千歳難民と化していた我々、最終的には13:00過ぎまでラウンジで待ち、再び出発することになった1番搭乗口へやってきました。

13:35、定刻まであと5分と迫ったところで搭乗、機内へと向かいました。ここまで遅れると5分や10分の遅れも気にはなりません。飛んでくれるだけでも大満足です(笑)

あまり地上支援車両に明るくはないのですが、前輪に接続されているトーイングトラクターが結構古いもののような気がします。90年代頭に秋田空港で父が撮影した写真があるのですが、それと同型のように見えますね…

お馴染みの業務連絡に続けてガチャリと閉まるドアの音、13:53にいよいよドアクローズに漕ぎ着けました。それから2分後の13:55、先ほどのトーイングトラクターに押し出され、スポットをゆっくりと離れました。定刻から遅れること3時間21分、ようやく試される大地を離れる時がやってきたのです。

午前中とは打って変わってすっかり雪が止んだ新千歳空港。ここぞとばかりにショベルカーがエプロンに積もった雪をかき集めています。

新千歳空港かエアドゥの広告に是非使って頂きたい写真が撮れました(おこがましい)

恵庭岳や樽前山と新千歳空港の管制塔。
「あー北海道らしい写真だなぁ」と思いシャッターを切りました。

並走しているジェットスタージャパン、A320の排気によって巻き上げられた雪が良い味を出してくれています。生まれて初めてジェットスターに感謝したかもしれません(笑)

いよいよ離陸です

朝と変わらず北風運用の新千歳空港、ターミナルの端から滑走路の端までゆっくり移動し、A滑走路RWY01Lから14:15に離陸しました。

因みに、この便の正規の到着予定時刻は14:35。予定通りに飛んでいればまもなく着陸と言うところで、この日はそこまでまだ3,000km近くも飛ばないといけないという、かなりよく分からない状況になっています。

RWY01Lは北を向いている滑走路。これから向かうのは圧倒的南ですので、離陸後すぐに大きく右ライトターン、新千歳空港と千歳基地の全景を見ながら上昇していきます。

航空自衛隊の千歳基地と新千歳空港で4本の平行滑走路を持つ新千歳空港。その広大な敷地一面に雪が積もっている様子も圧巻です。そして何だか違和感を感じませんか?

その原因は、ずばり「取付誘導路が殆ど除雪されていないこと」。この5日前に同じ場所を飛んだ時は、

このように見えていたのでその差は歴然です。正直滑走路と並行する誘導路の除雪に手いっぱいで、その他の誘導路は必要最低限の除雪を行っているというのが実際のところなのでしょうが、高いクオリティーを持つ新千歳空港の除雪部隊をもってしても、この雪は一筋縄ではいかなかったようです。

道南の著名な地域が良く見えました

そこから数分、苫小牧上空を右目に津軽海峡上空へと抜けていきます。意外と海に近いところにある新千歳空港、南へ向かうと飛行機であればすぐに陸地上空を離れてしまいます。

羽田空港行きでは海岸線とほぼ直角に飛行していくのですが、西へ向かう便ということでやや並行して南西方面へと飛行を続けます。

上昇するにつれてやはり雲が下界を遮ってきましたが、その切れ間から立派な橋脚の姿が見えてきました。鉄鋼で栄える室蘭市です

この立派な橋、以前NHKのブラタモリでやっていたのを覚えていたのですぐに識別できました。
番組でもやっていましたが、室蘭市はちょうど腕を曲げたような形をしており、ちょうどこの橋が腕を曲げた時の拳と肩を結ぶようにかかっている、というわけです。

近くで見ると横浜のベイブリッジや瀬戸大橋などと並ぶ程、圧倒される建造物のように番組では映し出されていました。いつか近くで見てみたいですね。

続いて見えてきたのは函館の街と函館山。室蘭上空から約5分後に通過しました。
新千歳空港へアプローチするときには、左手やや遠めに見える函館ですが、このフライトではほぼ真上から俯瞰する形となりました。

まだ函館を訪れたことがないので、ここまで近くで見たのももちろん初めて。あの山から見る夜景も綺麗なんだろうなぁと思うと函館を訪れたい欲望にかられますね。北海道、楽しみ尽くすことがもはやできないレベルに魅力に溢れています(笑)

機内

函館を過ぎるとしばらく日本海上空を飛行するため、右側席からは景色を楽しむことができません。しばし機窓ウォッチングはお休み、その他もろもろのご紹介です。

まずは今回の搭乗機、Boeing 737-881(JA70AN)について。

この737は、ANAの20機目の737-800として、2012年12月に導入されました。搭乗の時点で既にWi-Fiアンテナの取り付けを終えており、機内でもネットに接続させることができました。Wi-Fiが今後機内での「当たり前」となる中、新千歳ー那覇線のような長距離国内線がその威力を最も発揮する路線となるに違いありません。

因みに私は今回がJA70ANへの初搭乗。ANAの737-800、約40機が在籍するうち16機目の搭乗となりました。まだまだ全機搭乗への道は長いですね。

飛行時間が3時間を超えるロングフライトですので、座りっぱなしというのは体によくありません。せめて1回くらいは席を立って運動したいですよね。

今回は、座席がプレミアムクラスのすぐ後ろ、所謂バルクヘッド席の5Kということで、足元が若干広い席でしたので、通路側の方への影響も最小限に抑えながら通路に出ることができました。

最高尾のラバトリーへ向かったついでに機内の様子も撮影。この日はプレミアムクラスの8席は満席、普通席も残席わずかとなっており、ほぼ満席での運航となっていました。飛行時間が長いことから「トイレに行列ができる」という噂も聞いていたのですが、このフライトではそういった様子はありませんでした。

那覇線と言えば恒例のハーゲンダッツも¥300で提供されます。お昼を一切食べていなかったので、これでエネルギーチャージしました。

なお、同行の友人はプレミアムクラスへのアップグレードを華麗に決め、美味しいお食事に舌鼓を打っていたとこのことでした。

再び機窓ウォッチングに勤しみます~中国地方編~

山陰地方から再び陸地上空を飛び始めた我が737、久々に見えたのは広島市上空でした。

私、広島空港へは3度行っているのですが、未だに空港から出たことが無く、こうして生で広島市内を見るのは初めてでした。とはいっても小さくて、かつ雲に阻まれてよく見えませんが(笑)

上の写真をちょっと拡大すると、真ん中に広島ヘリポートが見えました。この界隈の方には説明の必要ももはやありませんが、旧広島西飛行場、その前は広島空港だった場所です。

この空港の滑走路は1,800mでしたが、高需要路線の羽田線には767やA300が投入されており、こじんまりとした空港には似合わない光景が広がっていたようです。現在の広島空港は広島市内から離れており、そのアクセスの悪さが時々取り沙汰されていますが、旧空港がこれだけ街の真ん中にあるとアクセスの悪さがより際立ってしまいますね…

広島市内を上空俯瞰してから3分、今度は岩国飛行場が見えました。こちらもやはり初めて見ることになりました。いやー西日本って楽しいですね!!

こちらの飛行場は、米軍と自衛隊との共用飛行場でANAも羽田と那覇から就航しています。錦帯橋で有名な岩国市、所属するのは山口県ですが、広島県西部からも利便性がよく、この空港の開港により広島空港の利用者数に影響を与えているようです(笑)

上から見ると広大な軍関連施設のすぐ隣には農地が広がっているあたり、非常に趣深いです。

山口県中部の光市、周南市の海岸線を見ながら瀬戸内海を横断していきます。

西日本までやってくると天候もよく、景色も楽しむことができました。日本を南北横断すると地域ごとに異なる様子が手に取るようにわかって面白いですね。

再び機窓ウォッチングに勤しみます~九州地方編~

一体何か所の空港を見ることができるんだ、というわけで続いては大分県の国東半島にある大分空港上空を通過しました。

基本的に西日本の空港は、地方空港であろうとも規模が大きな空港がゴロゴロあります。この大分空港も滑走路は新千歳空港同様3,000m。かつては毎日747が飛来していた「強い」地方空港の1つです。

この時点で離陸から2時間が経過、北海道からとなると沖縄は遠いです。

大分県と言えば、別府温泉。その別府の名を冠に持つ別府湾上空を通過しました。湾の一番奥に位置しているのが有名な温泉地「別府」です。

つい数時間前まで、真っ白になっている空港の様子を見て、札幌観光が頭をよぎり、ガラナがラインナップされている自動販売機を見ていたのが、気づいたら気分は別府温泉ですからね、飛行機の速さを身を以って感じるところです。

さて、続いては阿蘇山です。くまモンです。
そしてここにきて再び、我々の出発が大きく遅れる原因となった雪に再会しました。

標高は1,529mとそこまで高いわけではありませんが、その広大なカルデラ地形から非常に有名な火山として知られています。実際に見てみるとその独特な地形は非常に興味深いものがあります。

カルデラと言えば秋田県の田沢湖なんかもカルデラ湖ですが、田沢湖も水が無ければこんな風に窪んで見えていたのか~などと想像したりしました(笑)

景色に恵まれた九州もいよいよ最果て、最南端の鹿児島です。鹿児島空港上空を通過します。

かつてはこの鹿児島空港にも新千歳線があったのですが2007年以降運休となっています。運休直前は737-500で運航されており、「長距離フライトなのに737とは大変だよなぁ…」なんて思ったりしたものですが、その「737」で新千歳ー鹿児島線よりも長い、新千歳ー那覇線に乗っているわけですから、当時の自分はどう思うんでしょうか、、

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鹿児島市街地と桜島と我が737、JA70ANの翼。

私、鹿児島へはまだ足を踏み入れたことが無く、鹿児島空港に行ったついでに桜島を見ることができればいいや、などと思っていたのですが、こうして噴煙を上げる桜島を空の上から眺めることができ大変満足できました。(笑)

なんだか広島には行ったことがない、岩国に行ったこともない、鹿児島にも行ったことがない、ない!無い!ナイ!とナーバスになってしまいました。改めてまだ行ったことがない場所に意識を向けるいい機会となりました。

長旅の終焉

鹿児島を過ぎると奄美諸島上空は再び雲上のフライトとなりました。
17:11より降下を開始し、雲に入る直前には太陽が綺麗に見えました。

沖縄本島中部を北から南へ縦断し、何度かに分けて右旋回、降りなれたRWY36への着陸です。

着陸直前には瀬長島へと続く橋が大混雑している様子が見て取れました。2017年の夏に訪れた時もかなり賑わっていましたが、季節問わず大人気なスポットのようです。

17:41、ついに那覇空港へ着陸しました。飛行時間は3時間26分でした。

E2誘導路から滑走路を離脱し、41番スポットへは17:45に到着しました。ブロックタイムは3時間49分でした。秋田県民には聞き覚えのあるこの時間、秋田新幹線の開業当初の最速達列車の所要時間と一緒です。(笑) 

2013年にE6系の営業運転が開始されるまでの16年間にわたって3時間49分が最速でした。秋田から電車で東京まで向かう時間があれば、飛行機は日本最北端の北海道から最西端の沖縄までやって来ることができるわけですから凄いものです。

オープンスポットということで機体を少し撮影してからランプバスでターミナルへ移動となりました。

最後に

新千歳空港の制限エリアに入ってから8時間半、ようやく制限エリア外に出ました。

雪で大幅に遅れてしまいましたが、特に予定も無かったのと、なかなか天候で生じるトラブルに巻き込まれる機会がないので、むしろいい経験になったなくらいの気持ちです(笑)

なお、当初搭乗予定だった新千歳ー伊丹線のANA774便は、最終的に欠航となったようでした。ネタ要素的にも那覇へしっかりたどり着く点においても、振り替えることができ良かったです。

新千歳ー伊丹ー那覇のチケットを新千歳ー那覇のものとして再度作り変える必要があったためか、今回のチケットは「国際線片道運賃(INTOW)」での発券となったことも最後に記しておきます。

と言うわけで初めての国内最長路線への搭乗を無事に果たし、空腹を満たしに空港食堂へと向かったのでした。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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