2018年8月29日 5日で10レグ搭乗最終章 (ANA405便 羽田ー秋田線搭乗記)

搭乗記2018

乗り継ぎ、間に合いました

那覇空港から羽田空港を経由して秋田空港まで移動する今回のプラン。前回記事では、那覇空港から羽田空港までのANA462便の搭乗記でしたので、その続き、舞台は羽田空港の63番搭乗口から67B搭乗口へと移ります。

前回もご紹介した通り、ANA462便の那覇空港出発が23分遅れ、最悪の場合は予定通りの乗り継ぎができない可能性もありました。しかし、関係各所の尽力により、羽田空港への到着は定刻の8分遅れにまで短縮され、無事にANA405便へと乗り継ぐことができました。

というわけで、67B搭乗口に掲げられた「秋田」の文字をこの目で見ることができたのですが、羽田空港に到着した63番搭乗口からここまでは、通常とは異なる経路を辿って案内されたのでした。

ANA462便で羽田空港へ到着後、機内アナウンスで「14:05発秋田行きANA405便と14:00発新千歳行きANA67便に乗り継ぐお客様は、地上係員へお知らせください」という旨の放送が入りました。羽田空港の第2ターミナルでANAの国内線同士を乗り継ぐ場合、最低乗継時間は25分(当時)に設定されており、462便の到着の時点で、405便の出発時刻までは25分を切っていました。その一方で、462便の機内から、405便に使用される飛行機が、出発準備の真っ最中であったことを確認済みでもありました。那覇空港の地上係員さんには、乗継の可否は羽田空港到着後の判断になると言われており、今回はどのような判断になるのかドキドキしながら、地上係員さんに乗り継ぎの旨を申告しました。

地上係員さんに申告すると、一言「ご案内します」と、到着客が向かう通路とは別の通路へと通されました。

羽田空港第2ターミナルボーディングブリッジ付近概略。通常の乗り継ぎ導線は青線、今回の移動経路は赤線で示している。

羽田空港第2ターミナルのボーディングブリッジは、到着旅客と出発旅客の動線を完全に分離しており、M2階へ向かう到着旅客がいる時間帯は2階の搭乗口から機体へアクセスする動線が扉で閉鎖し、保安面の強化がなされています。しかし今回、私は地上係員さんに連れられ、その禁断の扉を通過し出発旅客しか通ることができない動線を逆走。63番搭乗口の改札機を逆から抜けて、2階の出発ロビーへと出たのでした。

このようなワープをしなくとも、到着ロビーの手前、制限エリア内に乗り継ぎ旅客用のゲートが存在しているのですが、明らかに今回の「エスコート方式(勝手に命名しました)」の方が早く出発ロビーに上がることができるのは間違いありません。(※その禁断の扉ですが、青い会社の中の人のみが知り、且つ短期的に数字が変更されているであろうテンキーを入力して開ける方式ですので、無理にこじ開けようとするものなら即ブラックリスト行きです。ご注意ください。

一旦出発ロビーへと上がってしまうと、あとは何ら普段とは変わりません。「ぼくひとりでできるもん」状態ではありますが、地上係員さんがご丁寧に67B搭乗口まではるばるご案内してくださいました。ありがとうございました(笑)

さて、搭乗口に至るまででかなり費やしてしまいましたが、飛行機に搭乗する前から完結するわけにはいきません。この日3レグ目の飛行機であるAirbus A321-211(JA111A)の座席、36Aには出発10分前の13:55に着席しました。

誰にも迷惑をかけることなく出発

さて、無事に搭乗を果たしたANA405便でしたが、私が最後の乗客と言うわけではありませんでした。私の搭乗後もまだまだ複数の方が機内へ吸い込まれ、最終的には14:02にドアクローズ、定刻通りの14:05にプッシュバック開始となりました。タイトな乗り継ぎではありましたが、飛行機を遅らせるといったこともなく、無事に出発することができたのは良かったですね。

67番スポットからほぼ180度プッシュバックぐるりと押し出された飛行機は、E誘導路上でエンジンスタート、こちらのプッシュバックを待っていたのか、出発した67番スポットのお隣、68番スポットにはすぐに737が入ってきました。

羽田空港さようなら

管制からタキシングの許可を得て、飛行機はE6、C誘導路を経由してC滑走路RWY34Rまで移動しました。

滑走路の末端までは行かず、途中のC2誘導路より滑走路へ進入。ANA462便で羽田空港へ着陸してからまだ40分程しか経っていませんが、もう羽田空港を後にする時間となりました。羽田空港到着から出発までも22分、羽田空港で経験した乗り継ぎ時間としてはダントツでトップの記録を樹立しました

14:17、離陸しました。再び雲がべったりと覆っている羽田空港の上空へと再び向かっていきました。

ANAのA321ceoに搭載されているのは、CFMインターナショナル製、CFM56-5B3。737に搭載されているのとほぼ同じ系列のエンジンですので、エンジン音も心なしか737のそれに似ています。

ANAでは1998年から2008年の間にもA321を運航しており、その当時運航されていた機体にはIAE製、V2500エンジンが搭載されていました。ANAはその当時、姉妹機であるA320を20機以上も運航していましたが、こちらのエンジンはCFM56でした。ANAの機材で他にV2500エンジンを搭載している飛行機はいませんでしたので、当時導入した7機のA321のためだけに、V2500用の様々なパーツの維持管理を行うことが必要でした。コストが高くつくことは明白で、当時のA321が10年ほどで引退してしまった理由の1つがこの点にあると言われています。

その点今回搭乗のJA111Aを含め、2016年より導入されたA321ceoは、ANA内に同メーカー、同系列のエンジンを搭載する飛行機が多数存在しているため、4機という少数派でものびのびとやっていけるというわけなのです。(A321ceo自体は、A321neo導入までの繋ぎとしてリース導入されているという点については触れないでくださいw)

離陸後は高度を稼ぎつつ、右に旋回。お台場やレインボーブリッジ、葛西臨海公園をはじめとした臨海エリアの様子はかろうじて見ることができましたが、その先の陸地は雲に阻まれ、全く見ることができませんでした。

2016年にANAのA321が再デビューを果たしてから、A321の後方に座る機会が増えたのですが、離陸時に他の機種と比較しても体がシートに強く推しつけられる感覚を受けるなぁと以前から感じていました。

また、機体後方に座っているためエンジン音が大きく聞こえ、頑張って上昇しているのは伝わるのですが、どうしても767の離陸上昇が体に染みついているせいか、のんびり上昇するのがなかなか慣れないですね。羽田空港のRWY34Rから離陸する場合、767であれば余裕で都心方面を望むことができますが、A321では結構窓を覗き込むようにしないと景色を見ることができません。もっともこの日は曇っていて、景色どころではありませんでしたがね(笑)

上昇~巡航

飛行機は羽田空港から北方面へ向かう便が使うSIDである、PLUTO ONE DEPARTURE(当時)に従って上昇を続けますが、関東平野上空に入る手前で雲を抜けてしまいました。これでは下界の様子が全く見ることができません。

幸いにも離陸後4分でWi-Fiへの接続が完了したので、USBポートの恩恵を受けつつTwitterで様々ぼやきながら時間を過ごしました。

ところどころ上昇中は雲の影響で揺れてはいましたがベルトサイン自体は14:25に消灯しました。

14:27、飛行機は栃木県小山市上空付近を飛行中。丁度雲の切れ間から利根川の様子が見えたので撮影しました。上空からでもよく目立つ立派な河川です。この脇にハート形の渡良瀬遊水地があるのですが、正直もう見なくても大丈夫ですね(笑)

この時点の高度は約21,000feet、北へ向かう便は奇数高度を取るのでこの高度で巡航でも悪くないのですが、気流が悪いようでまだまだ上昇を継続し、結局31,000feetまで上昇したようでした。

上がったらすぐ下ります

時刻は飛んで14:50、飛行機は巡航高度の31,000feetから既に降下を開始し、鳥海山の上空付近を飛行中。スポイラーを使って一気に高度を下げていきました。Flightrader24によると丁度この時間帯の降下率が最も大きかったようで翼も割と斜めになっているのが分かりますね。

Flightrader24のスクリーンショット。鳥海山上空付近を通過している様子が分かる。

羽田空港から秋田空港までの飛行経路は羽田空港離陸後、福島県猪苗代湖の上空や山形上空を経由し、鳥海山の東にあるCHOKAポイントで使用滑走路によって右旋回か左旋回するというものが一般的だと思っていました。と言いますか、殆どこの経路以外で飛んだ記憶が無いのですが、この日は羽田空港から庄内平野上空付近まで左に弧を描くように飛行し、鳥海山のほぼ真上を通過、CHOKAポイントよりも西にあるYAYOIポイントを通過するという経路をたどっていました。

そのYAYOIポイントは、秋田県の沿岸では最も南に位置するにかほ市仁賀保地区にあり、飛行機からも見慣れた地図通り、日本海にやや突き出した姿を見ることができました。

地形に合わせて綺麗に弧を描いているのは、青森から新潟までを結ぶ日本海東北自動車道。秋田県内の区間は山形県境の区間を残してほぼ全線開通しており、国道7号のバイパスとしての役割を確立しています。

美味しそうな名前のFIXを辿ります。

飛行機はその後秋田沖にあるBRIKO、KILLYという美味しそうな名前のFIXを通過して秋田空港の方面へと機首を向けました。秋田空港への着陸は西側から、ということで進行方向左側からは秋田平野の景色が一望できました。

BRIKOまではアライバルチャート「YAYOI WEST ARRIVAL」参照、BRIKOから先はアプローチチャート「RNAV Z RWY10 APPROACH」参照(共にAIS JAPANより)

因みに再び陸地上空へと戻ると、すぐにTAMPOというFIXがあり、BRIKO、KILLY、TAMPOと食欲旺盛のエライ方が命名したに違いない3つのFIXを連続で通過するということになります。

時々テレビで「空には要所要所に名前の付いたポイントがあり、ラーメン、お肉やキリン、エビスといった食料に関係した名前が付けられているものもある」なんて話が出ているのを見たりしますが、秋田空港周辺にもごろごろ転がっていますよ。

秋田空港へ日本海側から進入していくと、着陸数分前には、広大な秋田平野に広がる水田を一望することができます。収穫を約1か月後に控えた稲も、徐々にその色を緑から黄金色へと変えつつあります。

手前を流れる川は、秋田県内で2番目の長さを誇る雄物川。秋田県内の平野や盆地を蛇行しながら南北に貫き、最終的に秋田市西部の新屋地区から日本海へと注ぎます。

3度目の着陸

15:02、秋田空港RWY10に着陸しました。飛行時間は45分でした。この日3度目の着陸、そして、2018年の8月としては、これで3度目の秋田空港着陸となりました。だいぶ航空会社に貢献した月になりましたね(笑)

T-2誘導路で滑走路をバケートし、3番スポットまで移動しました。

この便の折り返し、ANA408便の出発までは、35分の折り返し時間しか確保されていません。A321としては短い折り返し時間ですので、あまり時間がありません。既にボーディングブリッジの脇には、航空燃料給油係りの方もスタンバイしている様子が分かりました。

5日で10レグ、無事完遂です

15:10、定刻通り秋田空港へ到着。出発時刻も到着時刻も時刻表通りという完璧なフライトでした。

よく飛行機は「時間が読めない」と評価されますが、定刻ぴったりに運航することができるように多くの方が携わっています。また、お客さんが揃えば定刻よりも早く出発、遅れて出発してしまった場合には、上空で可能な範囲での遅延回復をするなど、何かと融通の利く乗り物でもあります。技術の粋を結集した飛行機ですが、マンパワーがあってこそ、その技術を生かすことができるのです

マンパワーと言えば機内清掃も勿論人海戦術です。ボーディングブリッジからは、早速折り返し便の出発準備に取り掛からんとする、掃除のお姉さんやお兄さんの様子が見て取れました。

そして、到着ロビーへと返ってきました。3日ぶりの秋田空港の到着ロビー、全く新鮮味はありません(笑)

2018年と言えば、夏の全国高校野球選手権大会で、秋田県代表の金足農業高校が準優勝を果たした年でもあります。当時の盛り上がりはかなり印象に残っていますが、到着ロビーにも、このように関連した装飾が施されていました。

8月25日より始まった飛行機で日本をぐるぐる飛び回る旅(旅の範疇には入らないかもしれませんが…)、これにて無事完遂となりました。

この5日間の経路は、秋田ー羽田ー那覇ー新千歳ー秋田ー羽田ー那覇ー石垣ー那覇ー羽田ー秋田。搭乗した機種は、777-300×2、777-200ER×1、777-200×1、A321-200×2、737-800×2、737-400×1、E170×1となりました。ルーティングとしてはやや物足りない部分がありましたが、大きなトラブルもなく、全て回ることができたのは良かったですね。これも日ごろの行いの良さに違いありません()

最後までお読みいただきありがとうございました。

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