ANA403便 羽田ー秋田線搭乗記 便を振り替えたら東北フラワージェットに乗れた!(2018年2月16日)

搭乗記2018

冬場の運航状況の確認は欠かせません

冬場、雪国への運航便を予約した際によく見るこのような表示。

雪などが原因で時刻表通りの運航ができない場合があるため、航空券の変更、キャンセルを受け付けますというものです。所謂「条件付き運航」となった便のチケットを持っている場合、変更不可の運賃で購入していた航空券でも、無料で便の変更をすることができます

2018年2月某日、羽田発秋田行きのANAの始発便のチケットを抑えていた私。しかし、例の如くその便が条件付き運航となってしまいました。その日は、秋田到着後すぐ陸路仙台へと移動する用事があったので、保険を掛ける意味で便を変更することにしました。

<変更前> 2月17日(土) ANA401便 羽田(7:50)→秋田(8:55) 機種:76P

<変更後> 2月16日(金) ANA403便 羽田(9:55)→秋田(11:00) 機種:738

航空券の変更を行ったのは、2月16日未明のことでした。条件付き運航となるタイミングはケースバイケースです。今回は、数日前から17日の大雪の予報が出ていたため、早めに条件付き運航が確定→便の変更と言う流れになりました。

初めてバスで羽田空港へ行きました

振り替えた先のANA403便は9:55の出発。飛行機に間に合うだけであれば9:30に羽田空港へ到着すれば十分です。と、余裕をぶっこきながら横浜市内某所にあるアパートの最寄り駅に向かうと、当然の如く出勤ラッシュにぶち当たりました。完全に平日朝ということを忘れていました

平日朝の通勤ラッシュの時間帯に、大荷物を持って電車に乗るというのは、時間が全く読めません。念のため時間に余裕をもって横浜駅までやってきましたが、どのみち電車で羽田空港へ向かうのは、困難であると判断し、YCATからバスで移動することにしました。バスも補助席を使う程混雑していましたが、人の入れ替わりもなく1本で空港まで向かってくれるのは大荷物勢にはありがたい限りです

というわけで、8:00過ぎには第2ターミナルまでたどり着きました。

出発時刻まで2時間を切り、出発便案内板にも我がANA403便の表示が出ています。普通席も残席△の表示が出ており、予約率は上々のようです。

出発までまだ時間があったので、搭乗機を撮影しに第1ターミナルのデッキへと向かいました。過去数日の運用を見る限り、403便に使用される飛行機は、中部国際空港からANA86便としてやって来る機体がアサインされることになっていました。

Flightrader24で確認すると86便には、「東北フラワージェット」がアサインされているという表示。運用が崩れない限り、本日の搭乗機は特別塗装機で確定です!

無事に引き当てました

8:50、これから乗ることになるであろう「東北フラワージェット」がやってきました。胴体いっぱいにお花があしらわれている一方、垂直尾翼は通常の塗装。かつてのシンガポール航空のスターアライアンス塗装機を彷彿とさせますね。

第2ターミナルへ戻る途中で、403便にアサインされた56番スポットにフラワージェットが到着するという情報をゲット。当選確実を勝ち取りました

中部国際空港に夜間駐機していたBoeing 737-800の中にフラワージェットがいたからという理由で真夜中に403便への振り替えを決心したわけですが、本当に引き当てることになるとは思いませんでした。日ごろの行いが良い何よりの証拠ですね

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flight.No ANA403 ship Boeing 737-881 registration JA85AN seat 2K

STD 18:10 ATD 18:27 take off time 18:39 departure spot 56 take off RWY34R

STA 19:15 ATA 19:28 landing time 19:23 arrival spot 3 landing RWY28

搭乗記 本編スタートです

第2ターミナルへ戻り、制限エリア内へ入りました。アサインされた56番搭乗口は、北ピアの端の端にあります。機材運とは対照的に、搭乗口の運はあまりないようです…

搭乗口へ向かう途中、このつい2週間ほど前にデビューしたばかりの「HELLO 2020 JET」に遭遇しました。スターアライアンス塗装の2機以外、通常塗装機だらけだったANAの777-200/200ERですが、2017年春にデビューした「C3-PO ANA JET」に続いてまたしても全面特別塗装の777が登場しています。

普段であれば乗りたいなあ…と思う感情が先行するところですが、今回は36機いるANAの737-800の中でも数少ない特別塗装の737へ搭乗することが決まっていますので、特に何も思うことなくスルーしました。

56番搭乗口へやって来ると既に搭乗はほぼ終了していたようで、人の姿もまばらでした。この写真を撮影し、すぐに改札機を通過しました。

56番搭乗口は、次発便にエアドゥの女満別行きの表示が出ていることから分かるように、普段エアドゥ便で使用される場合が多く、ANA便で利用するケースはそれほど高くありません。私も専らANAしか乗らないため、これが2回目の56番搭乗口となりました。

出発!離陸!さっさと上昇!

9:44に機内へ入り、それから5分後の9:49にドアクローズ。定刻を2分過ぎた9:52にプッシュバックとなりました。他のトラフィックを妨げないように180度向きを変えた状態で、E誘導路上まで押し出されました。

ANAホームページより引用(シートマップ:ボーイング737-800)

なお今回は、プレミアムクラスの2Kをアサイン。2-2の座席が2列で8席が並ぶ737のプレミアムクラスですが、今回はそのうち5席が埋まっており、私の隣(2H)が2席並びで埋まるという状態でした。

今回の離陸滑走路は、第2ターミナルからのアクセスが抜群に良いC滑走路(RWY34R)。

羽田空港はスポットを離れてから離陸まで時間がかかるという先入観を何となく抱いているのですが、その心持ちで悠長に構えていると、気持ちが離陸体制に入るまもなく滑走路へとたどり着いてしまうので注意が必要です

特に今回は、C4B誘導路からのインターセクションと言うことで、あれよあれよという間に離陸の時を迎えてしまいました。

10:03、ぼーっとしていると気づいたら離陸していました。

今回は進行方向右手の座席をアサインしていたため、東京都心部の様子を見ることはできませんでしたが、代わりに羽田空港の有名な撮影スポットである城南島海浜公園の様子を見ることができました。

綺麗に整備された砂浜、地上で撮影している時には、「ただの砂浜」以外の感想は出ませんが、上から俯瞰してみると潮の満ち引きが形作る曲線美が堪りませんね(笑)何度かこの地に足を運んで撮影したことがありますが、公共交通機関がバスでのアクセスに限られる点が、マイカー非保持の身にとっては少々キツかったです。

右旋回を続けながら上昇を続ける我が737。右手後方を振り返ると、離陸してきた羽田空港の姿を一望することができました。都心の風景も良いですが、こちらはこちらで、羽田空港の大きさを感じることができる点では、素晴らしい機窓の1つであるように思います

「羽田は大きい」と言うことは、漠然とは知っていても、その実態をつかむことはなかなか難しいですよね。多摩川を挟んで対岸にある川崎の工場群がかなり小さく見えてしまう程、羽田空港は大きいのです。(Google Earthで見れば一発じゃないか、というツッコミはやめてください)

冬晴れの関東地方、やや雲が点在していますが、街並み拝見には全く支障がありません。千葉県から茨城県にかけての風景ですが、住宅地が所せましと並べられています。どこまでも広々とした平野が続く関東地方、街の広がりをどこまでも許容できる地理的条件が、首都圏への人口集中を助長する一つの要因と言えるでしょう。

写真左下の円形に区画された土地が気になったので調べてみると、「ふなっしー」でお馴染み、千葉県船橋市の行田という場所であることが分かりました。旧日本海軍の無線施設である、海軍無線電信所船橋送信所の跡地だそうで、上空からでもその特徴的な区画がよく分かります。羽田空港から北へ向かう際にはチェックしてみてください。

10:16、栃木県宇都宮市上空付近を通過しました。写真下部を流れているのは鬼怒川です。冬場で降水量が少ないせいか、心なしかかなり干上がっているようにも見えます。写真中央下の3本並んだ橋は、左からJR宇都宮線の鬼怒川橋梁、国道4号の鬼怒川橋、新鬼怒川橋と続きます。国道4号は、上下線で橋が別々になっているようです。

その東側(写真上部)には、広大な水田地帯が広がっています。撮影時期が真冬と言うことで、水田らしさはありませんが、夏場は一面が緑の絨毯状態になることでしょう。農地に囲まれるように家々が点在する様子は、富山県の砺波平野を思い出させてくれます。

東北フラワージェットに触れるのを忘れていました

ここで、今回の搭乗機についてご紹介。

今回搭乗しているのは、再三ご紹介している通り、Boeing 737-881(JA85AN)。2016年2月の導入機で、搭乗日時点での機齢は2年でした。導入からわずか3か月後に、「東北フラワージェット」としての大役を任されることとなり、それから特別塗装機として全国を飛び回っています。

「東北」と言うだけあり、この特別塗装機登場のきっかけは、2011年に発生した東日本大震災から5年の節目を迎えたことにあります。東北地方各地を代表する花が飛行機全体をパレットにあしらわれているわけですが、機内の各席にそれらを紹介するリーフレットが備え付けられています。

因みに我が秋田県から選出されているのは、ストックと言う花。その存在自体をこの飛行機の搭乗によってはじめて知ったのですが、県や市の花と言ったメジャーな花ばかりを採用しているわけではないのが、ポイントが高い点と言えそうです

朝ごはんの時間です

午前中に出発する便では、短距離便を除き朝食が提供されるプレミアムクラス。今回のメニューは以下の通りでした。

合鴨のオレンジ風味と野菜のサンドイッチ

タコス風 オープンサンド

半熟卵とパンケーキ チーズソース

豆とトマトのパスタサラダ バジルソース

クルトンとフライドオニオンのスープ

2017年の冬ダイヤからプレミアムクラスのサービスが改められ、特に幹線でのサービス向上が図られました(弁当箱から食器でのサーブに変わる 等)。

しかし、朝食メニューの少なさは相変わらずで、今回のメニューも秒で食べ終わってしまいました。プレミアムクラスに乗る際には、昼食あるいは夕食提供便に搭乗するのがおすすめです

東北地方上空に入っていきます

10:23、福島県猪苗代湖上空を通過しました。「東北」フラワージェットで、「東北」地方へやってきました。

高度25,000feetから見る猪苗代湖。全景を見ることは叶いませんでしたが、一面雪に覆われた会津盆地の一画と、冠雪した山々。そして青い湖面。冬晴れの日にとても相応しい景色ですね。

陸路で移動するとそれなりの時間がかかる福島~秋田間ですが、直線で移動できる飛行機にかかればすぐに移動することができます。

猪苗代湖上空を通過して9分、山形市などが位置する山形盆地上空に達しました。あいにく雲に景色を阻まれている感がありますが、雪に覆われて真っ白になった農地は確認することができました。

雪の秋田へ進入です

山形までやってくれば、秋田はもう目と鼻の先です

真冬の日本海で力を蓄え、ドカ雪をもたらさんと停滞する雪雲に突っ込んで降下していきます。

秋田空港の滑走路は、ほぼ東西、RWY10-RWY28方向に設置されています。今回はそのうち、東側、RWY28からの着陸です。進入コースから予想するにILS Z RWY28 Approachで滑走路へと向かっているようです。

雪の降るこの日の秋田上空でしたが、機内からも下界の様子を見ることができていました。写真に写っているのは、大仙市協和付近。福島までを結ぶ羽州街道(現在の国道13号にほぼ並走)と盛岡までを結ぶ秋田街道が分かれる街で、古くから交通の要所となっていた場所です。

Landing

10:54、秋田空港へ着陸しました。飛行時間は51分でした。

滑走路上の雪を巻き上げながら減速、滑走路をバケートしました。

雪の降り積もる空港では、着陸してからも気が抜けません。滑走路からスポットに入るまでの地上走行中にスリップしたり、誘導路脇の草地にはみ出したりと、時々トラブルが発生したというニュースを耳にします。

今回は何事もなく、無事に秋田空港3番スポットまでたどり着きました。ほっと一息つく間もなく、シップサイドにはベルトローダーやらタンクローリーやらが控え、早くも折り返し便の出発準備に取り掛かっている様子を見ながら降機しました。

ちょっと撮らせてもらいました

降機の前に2枚だけ普通席区画の写真を撮らせていただきました。プレミアムクラスの座席は特記すべき点もない普通の座席だったのですが、普通席は塗装に合わせてヘッドレストカバーが「東北フラワージェット」専用のものが取り付けられています

特別塗装機はどちらかと言えば外から見て楽しむ要素の方が強いのかもしれませんが、このように乗っている側にもアピールするものがあるとオタク的にはポイントが高いですよね。ポケモンジェットにも専用のヘッドレストカバーに、エプロン、紙コップが用意されていたのを思い出しました。

CAさんから「東北フラワージェット」のポストカードまでいただき、るんるん気分で到着ロビーへ出ました。特別塗装機に乗って来ると、見慣れた秋田空港の到着ロビーもまた違った雰囲気に感じるものですね(感じない)。

最後に

条件付き運航便のチケットを振り替えたら特別塗装機に乗れた!という内容でお届けした今回の搭乗記。当初予定していた行程から変更をかけるというのは、吉と出るか凶と出るかそわそわするものですが、日ごろの行いを良くして着実に「吉」を積み重ねていきたいですね!

そして今回の主役だった「東北フラワージェット」は、2021年4月20日のANA1730便(宮古ー那覇)を以て、特別塗装機の任を解かれ、通常塗装機へと戻ることになりました。導入間もないころから特別塗装機として活躍していたため、通常塗装を纏っていた時期の方がまだ短いこのJA85AN。今後も特別塗装機を任される機会があるか、楽しみですね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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