2018年8月27日 1日ぶりの沖縄 ANAギャラクシーフライト搭乗記(ANA999便 羽田ー那覇線搭乗記)

搭乗記2018

話題性抜群!大手エアラインの深夜便

ANA410便で秋田空港から羽田空港へとやってきました。今回も例のごとく、羽田空港からさらに飛行機を乗り継ぎ、沖縄・那覇空港を目指します。というわけで、今回は再び羽田ー那覇線の搭乗記です。

つい2日前も、同じ乗り継ぎルートで那覇空港へと向かいましたが、今回は「ただの」羽田ー那覇線ではありません。2014年から運航を開始した羽田ー那覇線の深夜便、ANA999便「ギャラクシーフライト」の搭乗記です。(※毎年恒例の臨時増便となっていたギャラクシーフライトですが、2020年は、1月に発表となる事業計画に記載がなく、4月現在でも運航する予定はないようです

ギャラクシーフライトとは?

本題に入る前にこのギャラクシーフライトについて少々ご紹介。

ANAでは、2009年から那覇空港を貨物事業の拠点と位置づけ、保有している767フレイターで、深夜に貨物便を多数運航し始めました。日本の大消費地である東京、大阪とアジア地域との中継点としてハブ機能を有していた那覇空港に、羽田空港からの深夜貨物便が就航したのは2012年のことでした。この羽田ー那覇線の貨物便は旅客機によって運航されており、床下の貨物室のみで貨物取り扱いを行う貨物便として運航し始めたということです。(※現在は基本的に羽田ー那覇線の貨物便でも貨物機が使用されているようです

そのような中、夏休みのハイシーズンに羽田ー那覇線という高需要路線にせっかく旅客機を飛ばしているなら旅客扱いもしてしまおうではないか、ということで誕生したのがこのギャラクシーフライトでした。2014年の夏休みから毎年夏限定で運航を開始したギャラクシーフライトは、2018年で5回目の設定となりました。なお、かつては、定期便にも愛称のついたフライトが多数存在していましたが、現在ANAの定期便で愛称のついている便は、このギャラクシーフライトのみとなります。

運航機材は2014年は777-300、2015年から2017年までは777-200、2018年は787-8が時刻表上ではアサインされていました。しかし、2018年はその国内線仕様の787-8が諸事情によりあまり稼働することができませんでした。というわけでこの日のギャラクシーフライトは777-200による運航となりました。また、運航開始初年度の2014年のみプレミアムクラスの設定がありませんでしたが、それ以降はプレミアムクラスも設定されるようになりました。(※ANAプレスリリース 2014年4月23日号 参照)

軽くギャラクシーフライトについて紹介したところで、早速本題へと入りましょう。

独特な雰囲気の出発ロビー

秋田空港から羽田空港へ到着後、一度1階の到着ロビーへ出たのち、再び保安検査を通過しました。羽田空港の到着コンコースにある乗り継ぎ旅客用のゲートは20:00までしか使えないようで、20:00以降に羽田空港へ到着する便からギャラクシーフライトへと乗り継ぐ乗客は、必然的に一度到着ロビーへ出る必要があるようでした。

今回は21:50の到着ということで、ギャラクシーフライトの出発時刻である22:55には余裕で間に合うことができましたが、時間がタイトな便での乗り継ぎでは、個別に対応していただけるかもしれません。

22:55発と言うことで、既に他のANA国内線定期便は運航を終了しています。出発便案内板にはこれから搭乗するギャラクシーフライトことANA999便が表示されているのみです。

そして、普段はたくさんの出発便を表示させている案内板もこの時間では仕事が無いということで、右半分は大々的にギャラクシーフライト乗客向けのアナウンスに徹していました。勿論、この1便のためだけに全ての保安検査場やカウンターをオープンするのはあまりに非効率的ということで、第2ターミナルの最も北側にある保安検査場Aとその付近のカウンターのみで業務を行っているようでした。

まあこの画面だけでしたら、利用客でなくとも見ることはできますので、ここから先、利用客にしか知り得ない世界へと早速向かうことにしましょう。

さて、保安検査場Aを抜けまして、搭乗口へとやってきました。アサインされた搭乗口は、保安検査場Aの目と鼻の先にある59番搭乗口です。「ANA999」某漫画を彷彿とさせる良い便名です。

既に出発時刻が5分遅れての表示が出ていますが、これは使用機到着遅れなどと言ったありきたりな理由での遅れではありません。那覇空港の滑走路点検に伴う時間調整のための遅れです。鉄道などでも深夜に線路の保線作業を行いますが、那覇空港のように24時間運用している空港であっても、一定時間を確保してメンテナンスを行うことがあります。まさに深夜便らしい遅延の理由です(笑)

ラウンジもギャラクシーフライトに合わせてオープン

出発までまだ30分以上あるということで、ラウンジも覗いてみることにしました。

ANAラウンジは、本館北の一部エリアがギャラクシーフライトに合わせてオープンしていました。他のラウンジは、本館南が21:00まで、ANA SUITE ラウンジが21:20までオープンしているようでした。優先チェックインカウンターは21:00までと言うことで、こちらもギャラクシーフライトには合わせていないようでした。

ラウンジは半分以上のスペースが閉鎖されていましたが、そもそもラウンジを使用することができる資格を持つ乗客数自体が日中の便よりも少ないのでしょう、この日は全く混んでいませんでした。もしかすると金曜夜発の便などは混雑するのかもしれません。

1日前に秋田空港で見た777に搭乗

さて、しばらくラウンジで青汁などをすすりまして、再び搭乗口の前へと向かいました。ここで今回一緒に向かう同業者数名と合流し、早速機内へと向かいました。最後の方に搭乗したため、5分遅れた出発時刻の23時ちょうどに座席へたどり着き、ドアクローズは23:02。その後23:05にプッシュバック開始となりました。

今回アサインしたのは普通席最前方の5Kでした。機種が787から777へと変更になった時には、5Aが自動的にアサインされたのですが、その後何度か席を変更し、最終的にはこの5Kに落ち着きました。普通席とは言えども最前方ですので足元は広々としています。隣の5Jを空けて5Hには他の方がいらっしゃったのですが、3人掛けの真ん中が空席であるというだけでもかなり快適です。

なお、今回の搭乗機は、Boeing 777-281(JA705A)でした。27時間前に秋田空港で見たばかりの機体でした(笑)

お休みモードの飛行機を横目に出発

ANA410便で秋田空港から到着した時同様、羽田空港は北風運用のままでした。飛行機は、D滑走路へ向けてタキシングしていきました。

時刻は23時を過ぎ、国内線の到着便もほとんど終わっている時間帯です。第2ターミナルの南側にある沖止めのスポットには、既にこの日のお仕事を終えて就寝している飛行機たちがたくさんいました。

D滑走路への連絡橋を渡り切ると、右側の窓からは羽田空港本島の姿を見渡すことができました。その先の都心の様子と合わせて夜景が綺麗に見えたのですが、もう撮る方は適当です(笑)

元気よく羽田空港を離陸

2018/8/27 ANA999便 離陸

飛行機はD滑走路の末端であるD1誘導路から滑走路へとline up。2基のPW4074エンジンが唸りを上げて離陸滑走開始です。離陸の様子は動画で撮影しました。

23:19に離陸した飛行機は東京湾上空で高度を稼ぎ、23:25にはベルトサインが消えました。
この日は前回の通り、ゲリラ豪雨が関東地方を襲っていました。その雲が西へ進んでいるため、この飛行機の進行方向と正に同じように進んでおり、夜景を楽しむことができませんでした。かすかに雲の隙間から光が見えたのが救いです。と言っていると、静岡上空の方は雲が所々切れていたほか、富士山もシルエットが浮かび上がっていました。

ナイト富士、見えれば幸せになるとかそーゆーのないっすよね()

愛知県が良く見えました

23:44、愛知県の渥美半島の南を通過しました。岡崎平野と濃尾平野が綺麗に見えました。特に南側にある渥美半島では陸地の輪郭が辿ることができるように、明かりが連なっていたのが印象的でした。

濃尾平野のさらに先の方では雷が見え、空が時々光っていました。飛行機で上空からから見るとなかなか興味深いものです。以前成田空港から夕方の便でシンガポールへ向かった際にも、シンガポール着陸前にマレーシアの方で似たようなものを見たのですが、なんだか雲という膜の中で化学反応が起きているかのような光景でしたね。

機内での過ごし方諸々…

24:00、紀伊半島の南上空を飛行中に日付を跨ぎました。8月28日の24:00です。機内で日付を跨いだのは上述した2017年の3月にシンガポールへ行って以来2回目です。

国内線でこの体験をするには、このギャラクシーフライト、スカイマーク及びスターフライヤーの深夜定期便に乗って確実に抑えるか、天候が著しく悪そうな日の夜間便に乗ると日付を跨ぐことができることがまれによくあります。後者は邪道ですが(笑)

深夜便ということで機内アナウンスは少なめというか殆どありませんでした。今回の搭乗機であるJA705AはWi-Fiを搭載していない機体ですので、機体の位置情報はモニターに表示されるマップから得るほかありません。リアルタイムで得たい情報を得ることができないのは、少々残念なところです。なお、到着後にフライトレーダーで確認すると、巡航高度は38,000feetで巡航速度は480~490kts程でした。

日中の便でも同様ですが、羽田-那覇線のフライト中盤は洋上飛行となり暇となってしまいます。
日付を回ってやや睡魔も出てきたところですが、ちょっと作業をすることにしました。

普通席の中でも、最前列や非常口座席と言ったように前に座席が無い座席では、ひじ掛けにテーブルが収納されています。というわけでそこからテーブル引き出して作業を始めたわけですが、ペンを置く場所が無いのが困ってしまいました。そこで、回収されずに残っていた紙コップを仮ペン立てに採用しました。これ以外と使えます。

機内の様子も気になりましたので機内サービスが落ち着いたのを見計らって機体最後部まで行ってみることにしました。
搭乗口の前で大体の客層は把握していたのですが、日中は親子連れも多いこの路線で、それよりも学生グループや若いカップルの方が目立つというのですから、それだけ見ても異端な便であることが分かります。そんな客層にも関わらず機内は特に騒がしいといったこともなく、まさに大手の那覇行きと言いう感じでした。このような層にはウケが良い時間帯の便であることには違いありませんので、来年以降の再びの復活が待たれま

因みに搭乗時にダイヤモンドメンバーの優先搭乗で並んでいたダイヤモンド会員様は数名だけでした(笑)

消灯のお時間です

24:25、飛行機は種子島の東海上上空を飛行中です。この時間帯になると機内の照明が落とされ、国際線のような雰囲気になりました。お陰で毛布を使わずとも機外の様子を撮影することができました。快調に動くPW4074エンジン、沖縄まではあと1時間ほどです。

機内の照明操作に関してですが、CAさんによって統一されているのかされていないのか気になります。以前、羽田空港から福岡空港へ今は亡きジャンボの2階席で向かった際には、17:00発の便であるにも関わらず巡航中は照明を落とした状態で飛行した思い出があります。

2018082728 NH999 (15)

25:02、鹿児島県の与論島上空を通過しました。写真に若干写り込んでいる島は最初は沖縄本島の北部かと思ったのですが、時間が早すぎることや島の形から沖永良部島だとジャッジしました。
参考程度に写真も撮ったのですが適当さが過ぎますね(笑)
 
この付近から心なしか右旋回が多いように感じてきました。沖縄本島は沖永良部島や与論島よりも南に位置しているため、完全に方向感覚が分からなくなってしまっていましたが、しばらくすると再び機内の照明が点灯しました。

25:28に着陸態勢に入りました。Wi-Fi搭載機ではないため、自機の位置を常に把握することはできませんでしたが、旋回が多かったのはこの便が5分遅れる原因となった、滑走路のメンテナンス終了時刻に合わせて時間を稼いでいるんだなと容易に想像できました。しかし驚いたのはここからで、東から那覇へ向かっているはずなのに進行方向右側から那覇市内の様子が丸見えだったのです。
どうやら時間を稼ぐあまり、一度沖縄本島を通り過ぎて、座間味諸島の方まで西進。その後は宮古や石垣から那覇へ向かう要領でアプローチという流れになったようでした。

深夜の那覇空港に着陸です

2018/8/27 ANA999便 着陸

最後は着陸まで動画で撮影しました。エンジン音をお楽しみください。

着陸直前には、滑走路の横断を待つANAカーゴの767フレイターの姿が見て取れます。

25:39、那覇空港のRWY18に着陸しました。飛行時間は2時間20分でした。日付としては2日ぶりの那覇空港となるのですが、48時間は経過しておらず、実質的には1日と何時間ぶりに沖縄上陸となりました。

青線:RWY18着陸後通常時の地上走行ルート、赤線:今回のANA999便の地上走行ルート
※2020年3月より沖合にB滑走路が運用開始となったため、原則A滑走路(既存の滑走路)は、離陸用となる。
(AISJAPAN 参照)

通常で有れば滑走路からターミナルのある東側の誘導路で滑走路をバケートするところ、滑走路メンテナンス車両の位置との兼ね合いか西側の誘導路に出て滑走路をバケートしました。ターミナルから滑走路を挟んで反対側には入ったことが無かったので、この点も深夜便ならではと言ったところでしたね。

というわけで、滑走路からW6、W1誘導路を通過して滑走路を横断しました。

ちょうど真ん中のライトの列が滑走路の中心を示しており、その両脇にある2列のライトが滑走路の端を示しています。この照明の類も深夜のメンテナンスで補修、改修されているのでしょう、作業に関係する皆様もお疲れ様であります。

再び那覇空港ターミナルへ

25:45、定刻より10分遅れて那覇空港の35番スポットに到着しました。出発と到着が共に10分遅れまして、ブロックタイムは2時間40分でした。

CAさんからログブックを受け取り降機しました。羽田空港のデッキは22:00で閉まっており、出発前に搭乗機の撮影ができなかったので、到着後那覇空港のボーディングブリッジから撮影しました。今回の記事では初めて飛行機が登場しましたね(笑)

因みにCAさん曰く、ギャラクシーフライトの折り返しであるANA1000便と今回搭乗したANA999便は飛行機、乗員さん共に同じ方々が乗務されるとのことでした。ANA1000便の出発時刻は03:35、羽田空港の到着時刻は05:55ですから、夜通し乗務するということで一般人からすると大変なように感じます。那覇空港では2時間のインターバルが設けられていますが、折り返し便のブリーフィングやら出発準備やらで休む時間も殆どなさそうです…

座席が別々だった同行者らと再び合流し、到着ロビーへ出ました。この時間帯は、ギャラクシーフライトの他にスカイマークの深夜便が名古屋からやって来ているそうです。そしてさらに我々とほぼ同着しているというジェットスタージャパンの成田便があったようですが、この便は3時間30分遅れての運航だったようです。深夜便ではありませんね。

この後はタクシーで予約していたホテルへと向かいました。この時間帯は勿論公共交通機関が動いていないため、沖縄県民以外が那覇市内中心部へ出るには、徒歩を除きタクシーが唯一無二の選択肢となるだけあって、ターミナルの前にはタクシーが列をなして待機している状況でした。

タクシーの運転手さん曰く、那覇空港発着の深夜便シーズンはもう書き入れ時なんだそうで、この点だけでも、ギャラクシーフライトは沖縄経済に大いに貢献していることが分かります。

那覇空港も利便性が良い空港の中の1つ。市内中心部までは車で10分ほどの距離である。(GoogleMaps 参照)

タクシーに揺られること10分程で、予約していた「KARIYUSHI LCH. PREMIUM」へとたどり着きました。2017年から2018年にかけて何度も利用したホテルの系列で、モノレールの旭橋駅が最寄であることからこれまでは毎回モノレールでやって来ていました。タクシーで訪れたのは初めてでした。

このホテルはANAと提携してギャラクシーフライトに合わせ、スーパーレイトチェックインに対応したプランも用意しているホテルと言うこともあって、私たち以外にも深夜便で那覇へとやって来たのであろう観光客の方の姿がありました。私は今回そのプランとは関係なく、航空券と別でホテルを予約したのですが、事前にチェックイン時刻に関して問い合わせたところ、27時すぎでもチェックインが可能であるとの回答を頂きましたので、別々に予約することにしました。

他にもスーパレイトチェックインに対応したホテルは複数ありましたので、翌日からの計画に合わせて宿泊先をチョイスするのが賢明でしょう。

最後に

2018年7月~9月のANA時刻表。国内線で、日付を跨ぐ便や6:00以前に出発、到着時刻が設定されている便は珍しい。

2020年は運航されることが恐らくないとは思われるギャラクシーフライトの搭乗記、お楽しみいただけましたでしょうか。来年以降復活することがあれば、是非参考にしていただきたいことに加え、私も今度は復路便で搭乗してみたいです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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