毎回恒例格安乗り継ぎで沖縄へ
大学の夏休み終わりにかこつけて、日本各地を飛行機で回って秋田から東京まで移動しようという今回の企画。1レグ目でいきなり最終目的地である羽田空港へとやってきてしまいましたが、当然ながら企画終了とはなりません。
今回も例のごとく、秋田ー羽田ー那覇線の2区間を乗継旅割運賃で発券しています。2区間合わせても¥15,000程という破格の値段で移動することができ、それに加えて、羽田ー那覇線という1,000マイル近い区間マイルを誇る長距離路線への搭乗と言うことで、マイルやプレミアムポイントも稼ぎ放題という、もうメリットしかない行程。今回もそのメリットを余すことなく享受しようと意気込んでいました。
搭乗機を出迎えます
秋田空港からANA406便で、13:30頃に羽田空港へ到着しました。次に搭乗するANA475便の出発時刻は14:40ですので、1時間以上の余裕があります。一度制限エリアから出て、展望デッキへと向かいました。
デッキで待つこと数分、函館空港からBoeing 777がやってきました。こちらが今回の搭乗機となる機体です。シップナンバーはJA741A。1年前の9月にも羽田ー大分線で搭乗していた機体で、私にとっては1年ぶりの搭乗となります。
そういえば、まだ羽田ー函館線で777に乗ったことが無いのですよね。1980年代から747をはじめとするワイドボディー機が多数就航していた函館空港、777が固定で投入されていたANA553/554便も、最近は時期によって787や767で運航することも多くなりました。ダインサイジングが進む最近の国内線、悠長に構えている時間は正直ありません。近いうちに777チャレンジしたいところです。
定刻の13:50から遅れること5分、 E6誘導路からほぼストレートインで65番スポットへ入る777。その姿を確認してデッキを後にしました。
再び制限エリア内へ戻ります
14時台の出発便が表示されている出発便案内板。これから搭乗するANA475便は、上から4番目に表示が出ています。運航航空会社は言うまでもなくANAですが、ANAと同じ航空連合、スターアライアンスに加盟しているルフトハンザ航空の便名も付されています。所謂コードシェア便です。
残席表示はプレミアムクラスの空席状況を示しています。475便のプレミアムクラスは当然ながら満席の表示が出ています。基本的に羽田空港発着の幹線、準幹線をはじめとしたビジネス路線で混雑するプレミアムクラスですが、羽田ー那覇線の場合は、幹線であるという理由だけでなく、「ステータス修行」を行う乗客に人気があるという理由でも混雑しています。
空いていた保安検査場をすぐに通過し、65番搭乗口へやってきました。もうすっかり見慣れてしまった「ANA 475 沖縄 Okinawa」の表示。2017年は今回が475便への搭乗3度目と言うことになりました。
冒頭でご紹介の通り、圧倒的なコストパフォーマンスを提供してくれるという点では重宝しているのですが、流石にそろそろ飽きてきました。他の時間帯の便にも乗りたいですね。
本日2レグ目、開幕です
直接遅れのアナウンスは出ていませんでしたが、出発準備に時間がかかったようで、搭乗時刻は出発時刻間際の14:39。14:47にドアが閉まり、プッシュバックは定刻10分遅れの14:50となりました。2レグ続けてのディレイスタートとなってしまいましたが、羽田ー那覇線ほどの長距離路線であれば、巡航中の遅延回復も期待できそうです。
トーイングトラクターによって南向きに押し出された飛行機からは、第2ターミナルの姿が見えています。屋上の展望デッキに見えるギャラリーの姿はまばらです。1時間程前まで私もあの辺にいました(笑)プッシュバックを終えて2基のPW4074Dエンジンも特徴的な音を響かせながら無事始動、私にとってもこの日2レグ目のスタートを無事に決めることができました。
管制からタキシングの許可をもらった飛行機は、R、E6誘導路を経由してC誘導路へ向かいました。
日中の時間帯で比較的空いている羽田空港ではありますが、それでも出発便が途切れることはありません。我が777のタキシングを妨げないように、ロングプッシュバックの指示を受けていたであろう737-800を横目に滑走路へ向かっていきました。
その後空港北側のJ誘導路を経由し、A10誘導路からA滑走路へ進入しました。1時間半前に羽田空港へやってきた時同様南風運用の羽田空港、RWY16Rからの離陸です。
2010年のD滑走路供用開始以降、A滑走路は基本的に西方面への出発便のみに使用されるという運用がなされるようになりました。それから5年以上が経ち、RWY16Rからの離陸を経験する機会が減ってしまいましたが、そのせいか、未だにここから離陸するのは気分が高まります。
離陸しました
15:06、離陸しました。1,500kmオーバーの長距離移動の幕開けです。1,500kmと聞くだけではそれなりの距離感を感じてしまうところですが、それを全く感じさせないのが飛行機の威力です。
RWY16R離陸後すぐ、右手には川崎市から横浜市へ続く工場群を見渡すことができます。小学校の社会科で学習する「日本の三大工業地帯」の1つ、京浜工業地帯。所狭しと並べられた倉庫やタンク、鉄骨むき出しの製錬所(であってるんですかね)…日本の工業を支える一端をみるところからフライトが始まりました。
少しの罪悪感と共に南進します
離陸後5分で、日本第2の都市、横浜市の様子が右手に見えてきました。写真左下に見えているのは、水族館やアミューズメント施設が揃った八景島です。横浜市の東京湾沿いの地域も工場が連なっており、工場群の拡大に合わせて埋立地が造成されていった様子が、整った海岸線からもわかります。
因みに、私が当時居住していたアパートも、この写真の中に入っています。秋田空港を出発する時点で、この沖縄行きのことを家族には話していないため、家族の中では私は既に、この写真の中の一部に溶け込んでいることになっているはずです。私も人の子ですので、多少は罪悪感にかられています。
15:13、三浦半島上空を横断し、右手には、相模湾と湘南海岸が見えてきました。写真右下には、江ノ島も見えてきました。「江ノ島が見えてきた~ 俺の家も近い~~」という某バンドの楽曲の歌詞がありますが、私は家から遠ざかる一方です。予定ですと、自宅への帰還はこの後20時間後の予定です。
天候がよければこの先に富士山が顔を出しているはずですが、この日は雲が優勢、その姿を見ることができませんでした。またの機会にお預けです。
この付近で機内アナウンスが入り、17:30の到着を予定していると伝えられました。羽田空港の出発が遅れた分、到着時刻がそのままスライドするような形になるようですが、フライトはまだまだ序盤です。何分遅延回復するのか楽しみです。
青空が見えてきました
15:16、離陸から10分でベルトサインが消えました。雲の切れ間からようやく青空を望みます。やはりせっかく空を飛ぶなら青空を見たいですよね。
離陸後19分で巡航高度の32,000feetに達した我が777、470ktsほどの巡航速度をもってひたすら沖縄を目指します。西へ向くにつれて上空の雲がとれ、高高度には一面の青空が広がりました。揺れも少なくフライトは快適そのもの。向かい風を受けて頑張って飛ぶ飛行機には悪いですが、何だか眠くなってきそうです。
機内で寝るのはなんだかもったいないという思考回路の持ち主ですので、眠気覚ましにラバトリーへ移動しました。
機内を放浪しました
2012年に就航した、777の中では比較的新しい部類に入る今回の搭乗機であるJA741A。洗面台の蛇口はセンサー式が採用されており、手をかざすと自動で水やお湯が出てきます。ステンレスがむき出しになっている洗面台ではないことも、機齢が若い飛行機であることを感じさせてくれます。
飛行機のラバトリーに欠かせない装備となっているのが、「灰皿」です。
国内線では1999年より全ての路線、機材で禁煙となっており、機内天井の禁煙サインも787などでは装備されないほど、機内全面禁煙は浸透しています。しかし、その潮流に逆行するかの如く居座っている灰皿。わかっていても我慢できずに吸ってしまうかたが、タバコをゴミ箱の中に捨ててしまわないようにするための最後の砦的扱いらしいのですが、実際隠れてタバコを吸うかたはいらっしゃるのでしょうか…気になるところです。(闇を見るのは嫌なので敢えて調べるのは避けようと思います)
ラバトリーついでにL4ドアからの風景も撮影しました。一面の雲海と果てしない青空が窓一杯に広がっていました。
写真の一部に写りこんでいるのは、言うまでもなく我が777の左の主翼。ANAの飛行機の場合、左の主翼に日の丸を示す赤い〇が塗装されています。一方、JALの飛行機は、右の主翼に機体番号と赤い〇が塗装されています。日本の大手航空会社に限っての見分け方ですが、主翼だけでもどちらの航空会社の飛行機であるかを判別することができます。
そして、機内後方R4ドア付近から機内を眺めてみました。
搭乗日の9月20日は平日の水曜日でした。休日も利用者数が比較的少ないだけあり、低めの価格設定がなされているこのANA475便ですが、それが平日となると込み具合の低さは想像に難くありません。「がらんどう」と言うわけではありませんが、午前便を中心に混雑する羽田ー那覇線の中では穴場の便と言えるかもしれません。なお、私の座席のならび2席も空席のままでした。
気づいたら南の島
16:42、アナウンスで奄美大島上空を通過中、雨雲のため揺れることが予想されると伝えられました。離陸から1時間40分程で奄美諸島までやってきたようです。
16:45、その奄美大島のすぐお隣にある加計呂麻島上空を通過しました。久々に目にする陸地の様子。羽田ー那覇線特有の「気づいたら奄美諸島だった」という流れ、なかなか好きですよ。
上空からもわかる複雑に入り組んだリアス式海岸と、サンゴ礁が特徴的な加計呂麻島へのアクセスは、奄美大島からのフェリーか海上タクシーに限られているようで、船便のみで上陸が可能とのこと。アクセスにやや難がありますが、地元の観光サイトを除いてみると、豊かな自然が広がり、空の旅よりも非日常を味わうことができそうです。(加計呂麻ウェルカム)
この付近を通過した後の16:51、飛行機は那覇空港へ向けて降下を開始しました。
16:56、沖縄本島の北、伊平屋島の北端が見えました。伊平屋島は沖縄県に属する島の中では最も北に位置しており、この付近が沖縄県が有する有人島の中では最も北と言うことになります。鹿児島県の与論島と緯度はほぼ同じではありますが、沖縄本島との距離は、与論島よりも離れているという距離感の島です。(詳しくは地図を見てください)
こちらの島も島外との移動手段は、船便のみ。沖縄本島中央部にある今帰仁村の港との間に航路が設けられています。
フライトも終盤です…
この日の那覇空港は北風運用。本州からやってくる便は、一旦沖縄本島の南側へ回り込み、その後右旋回を何度か繰り返し着陸する形になります。スピードブレーキを使いながら減速する主翼の先には、雲に覆われた沖縄本島の様子が見えています。9月も下旬になり、10月へ入ろうかという時期になっていますが、入道雲を彷彿とさせる雲がひしめき合っている沖縄の上空。さすが亜熱帯地域に分類されているだけあります。
迫力のある雲の様子を見ることができたのは良かったですが、気になるのは那覇空港の天気。着陸前に見えるエメラルドグリーンの海を綺麗に撮りたかったので、島の西側側は晴れていることを願わずにはいられません。
那覇空港の着陸滑走路はRWY36。その滑走路へ正対するための最後の旋回を迎えました。眼下には一面に広がる東シナ海。そして陰になって言う主翼上面と、西日が当たるフラップのフェアリングと、心が癒される色合いの光景が窓一杯に広がります。
離陸時のような、パワフルな旋回とは異なり、エンジンの推力を絞った状態で力の抜けたような旋回を機内で体感するのが好きだったりします。
滑走路に正対した飛行機は、右手に糸満市の景色を見ながら進入を続けていきます。離陸時ぶりにフラップも展開され、着陸の時が着実に近づいていることが分かります。
もっとも、フラップの状況を確認せずとも着陸が迫っていることが分かる程度に、2017年は那覇空港に通い詰める1年となりました。
着陸直前、眼下にはエメラルドグリーンの海が広がります。懸念していた那覇空港の天候ですが、陽の光がしっかりと当たっているようで、まさに「映える」光景を目の当たりにすることができました。
東西に長い沖縄本島、やはり地域によって天候、雲のかかりかたが異なるようです。島の東側には相変わらずどんよりとした雲の姿が見えます。
着陸前最後の締めは、空港南側、豊見城市にある「しおさい公園」パークゴルフ場に反射する777の影。ここ影だけだけを見て777であることが分かったかたはただのオタクです。
メインギアの様子や垂直尾翼の小ささが777のそれであることを感じることはできるので、意外と分かりやすいかもしれませんね(笑)
大幅遅延回復で到着しました!
17:06、那覇空港RWY36に着陸しました。飛行時間は2時間ちょうどでした。
羽田ー那覇線のように、南西方向へ向かって飛行する区間では、偏西風の影響を受け、特にそれが強く吹く冬場は、復路便と比較し、所要時間が長くなります。(30分程の差が出ます)一方、偏西風が弱い夏場は、往路、復路ともに同じような所要時間となります。(10分~15分程に縮まります)
飛行機はE2誘導路で滑走路をバケート、ターミナルへと移動しました。
西日に照らされた那覇空港の国内線ターミナルを見ながら、32番スポットへと入りました。
到着時刻は17:18。離陸後間もないころのアナウンスでは、17:30頃の到着と言われておりましたので、それよりも10分以上早い到着となりました。と言いますか、この便の定刻は17:15ですので、ほぼ定刻通りの到着となったのでした。ブロックタイムは2時間28分、こちらも時刻表上のブロックタイムより7分早い結果となりました。
最後に
蒸し暑さが残るボーディングブリッジから、ここまでお世話になった飛行機を撮影してターミナル館内へと入りました。
毎度恒例の秋田ー羽田ー那覇線の乗り継ぎでしたが、今回も安く、快適に移動することができました。当ブログで複数回に渡って紹介している上、他のSNSなどでも回し者かと思われるほど暇を見つけては、プロパガンダ的に宣伝しているこの乗継運賃ですが、1人のオタクがちょっと宣伝したところで爆発的に予約が増えて値上がりするということはありません。今後もいいネタとして、そしてお財布にやさしい行程として重宝したいと思います。
さて、既に日も傾き、夜が近づく時間帯となりましたが、この日のフライトはまだまだ終わりません。30分ほどの乗り継ぎで那覇空港をすぐ後にする予定を立てています。改めて振り返ると奇怪な行動をとっているなあ、とは思いますが、後悔はしていません。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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