2019年9月9日 ANA406便 大都会RJSK流欠航便対応

搭乗記2019

台風で飛行機が欠航に

9月8日の夕方から、翌9日の朝にかけ、関東地方に台風15号が直撃しました。比較的小型の台風で、報道では”コンパクト台風”などと呼ばれていましたが、大きさが小さいだけで、その規模は侮るなかれ、普通の台風でした。太平洋から南関東にダイレクトに入ってきた台風のため、勢力が強く、関東地方を中心に被害が出てしまったのはご存知の通りです。

私はこの日、大学のゼミが東京であるということで、9:35に秋田空港を出発するANA404便を予約していました。運航状況によると朝6時の時点では出発予定との表示が出ていました。ANA404便は、その前便であるANA401便が羽田空港を出発してさえくれれば飛ぶことがほぼ確定します。401便の出発は7:50、同時間帯に羽田空港を出発する便は、どれも出発を予定していたため、安心して2度寝を決めたのですが、7時に再び起きると”欠航”のメールが届いていました。これは困ったぞ……台風で結構を食らうのは初めてです。

株主優待という救世主

秋田発羽田行きの次の便は11:50発のANA406便です。404便の欠航が決まった時点で空席状況を確認すると、普通席は満席ですが、プレミアムクラスは残席5の表示が出ていました。25歳まではスマートU25運賃で羽田空港まで¥12,290、それにアップグレード費用¥6,000でプレミアムクラスに乗ることはできますが、そもそも普通席が満席のため、その手段を取ることはできません。そこで目をつけたのが”株主優待運賃”。私はANAの株など1株も持っていませんが、金券ショップに行けば株主優待券を買うことができます。11:50発であれば金券ショップの開店を待ってから空港に行っても余裕で間に合います。というわけで、自宅→金券ショップ→秋田空港と移動し、秋田空港へやってきました。プレミアム株主優待運賃は¥18,180、それに株主優待券¥7,000を加え、総額¥25,180でした。まあ当日にこの値段ならまあまあでしょう。

勘のいい方は、”なぜ振替え便を手配しないのか?”と疑問に思われるかもしれません。私は今回、”外国人向け運賃だけど日本人でも買うことができてしまう”でお馴染み、”Discover JAPAN Fare”で購入していました。国内線の運賃ではないため、振替や払い戻しの場合は予約センターへの電話が必要だったのですが、航空券の払い戻し自体は当日ではなくても大丈夫ですので、ひとまずそちらは後回しにして新たに航空券を購入しました。

秋田空港で飛行機を出迎える

ANA406便の前便は羽田空港からのANA403便です。定刻通りであれば、11:00に秋田空港へ到着する予定ですが、台風でダイヤがズタズタに乱れている状況で、定刻通りの運航は期待できません。結局403便の秋田空港到着予定は11:50へ変更となり、406便の出発時刻も11:50→12:30へ変更となりました。

11:50頃秋田空港へたどり着き、チケットを発券、送迎デッキへ上がるとJ-AirのERJが離陸していくところでした。こちらは定刻通りの運航、新千歳空港を拠点に運航している飛行機には台風の影響は無いようです。

ERJの離陸から数分、我が搭乗機のA321-200がやってきました。登録番号はJA114A、4機あるANAのA321ceoの中では最終号機にあたります。私は2018年の夏に一度搭乗しており、今回が2回目の搭乗となりました。現在ANAのA321は、在来型のceoが4機、エンジンのモデルチェンジを図ったneoが11機在籍しています。確率では圧倒的に新型のneoに当たる可能性の方が高いのですが、またしてもceo。これで11回目のceoとなりました。

混雑する保安検査場

搭乗機の写真を撮影してすぐに2階の保安検査場へと向かいました。我が406便が満席近い状況である他、ANAの伊丹行き、JALの羽田行きと出発便が続くため、保安検査場に並ぶ列がかなり長くなっていました。秋田空港の保安検査場は2013年のターミナル改修に合わせ、保安検査の機械は2基に増えたのですが、スペースの関係上、並ぶ列は1列分しかありません。小物類をカゴに入れようとするタイミングでやや秩序が乱れ、順番がややこしくなってしまうのは改善の余地がありそうです……

保安検査場を出るとすぐに搭乗口の目の前に出ます。約1週間ぶりの406便、座席クラスも同じくプレミアムクラスで、ここまではデジャヴ感が漂います。しかしながら、アサインされた搭乗口は異なり、通常の3番搭乗口ではなく5番搭乗口からの出発となりました。遅延しすぎた結果、ゲートチェンジとなったようです。5番搭乗口とは言えども、改札機は3番搭乗口のものを使います。5番搭乗口は国際線ターミナルに付いているボーディングブリッジですので、3番搭乗口で改札を通過、その後渡り廊下を通って5番搭乗口のボーディングブリッジへと入っていく流れになります。

満席のプレミアムクラス

12:22、搭乗となりました。優先搭乗対象客のうち、ダイヤモンド会員の方は数名でしたが、プラチナ会員、SFC会員はざっと20名程はいらしたように思います。改札機の前で搭乗案内書(あの赤い紙です)を渡していたGSさんも”いつもありがとうございます”と言い続けていて大変そうでした()

座席は2Aです。朝の時点で5席空いていたプレミアムクラス、この2列目のA,C席はともに空席でしたが、404便の振替からか座席はあっという間に埋まったようで、プレミアムクラスの8席は満席となっていました。今回はプレミアムクラスらしい客層の方ばかりで、私のようなクソガキの風貌をしたクソガキがかなり浮いているように映ったであろうということは言うまでもありません。

12:33、5番スポットから機首を東に向けてプッシュバック開始となりました。1番スポットには伊丹行きのANA1654便、ダッシュ8。お隣3番スポットには羽田行きのJAL164便、B737の姿が見えています。このB737はRWY10へ着陸している様子が見えましたが、こちらは反対側のRWY28からの離陸となるようです。台風は関東から東北の太平洋側を進んでいるようですが、その影響は他の航空路にも出ているようで、一見台風とは関係なさそうな伊丹空港発着便にも遅れが出ているようでした。

そうこうしているうちにあっという間に滑走路へとやってきました。幼い頃は、ターミナルから滑走路までの移動がかなり長く感じられ、ドキドキしながら時間を過ごしていた記憶がありますが、最近は”もう着いたのか?”と思うことの方が多くなりました。冬場などはスリップ防止のため、ゆっくり地上走行することもよくありますが、それを加味しても移動が早く感じられてしまうようになりました。

地上走行中にCAの方から”機内から霧のようなものが発生しているが、気温調節のものなので心配しないで”とアナウンスが入りました。エバー航空のフェイスブックによると、乾燥防止の役割を果たすと書かれていましたが、霧が出ると気温も確かに下がりそうですね。A321で霧が発生するということは知っていましたが、私はまだその実物を見たことがありません。プレミアムクラスの区画では霧は発生していませんでした……

なんとか秋田空港を離陸

12:42、秋田空港RWY28から離陸しました。満席のA321、重量はいうまでもなく重いのでしょう。滑走路の7/10くらい滑走したところでようやく機体全体が宙に浮きました。
こうして上空は雲に覆われていた秋田空港上空ですが、台風とは関わりがないようで、比較的揺れもなくスムーズに上昇が続きました。

秋田空港を離陸すると通常であれば一路山形上空を目指します。しかしこの日は台風という超イレギュラー案件が空を混乱させていますので、どこをどう飛ぶかは分かりません。

今回搭乗しているJA114Aは、前日の夜に秋田空港へ夜間駐機、その後、秋田(NH402)羽田(NH403)秋田(NH406)羽田と飛び、このフライトがこの日2度目の秋田→羽田線となります。因みに402便運航時には、秋田空港離陸後、新潟上空、岐阜上空を経由して西回りで羽田空港へ向かっていました。所要時間はかなりかかったようで、秋田出発から羽田到着まで2時間近くかかっていました。他の飛行機や雲の具合だけでなく、満席で高い高度を取れないという弊害もありそうな今回の406便。果たしてどこをどう飛んでいくのでしょうか……

12:52、鳥海山の西で雲を一層突き抜けたところでベルトサインが消灯となりました。雲を通過する際にはカタカタと揺れましたが、それ以外は概ね揺れもない飛行が続きます。こちら側から見えているのは、台風の外側の雲だとは思いますが、そちらに近づかない限りは大丈夫なのかもしれません。

通常であれば、山形空港上空を経由して福島上空へ至るところですが、今回は庄内平野の東の縁を通るように飛行、その後も極力台風の雲には近づかないように進路を取っている様子が伺えました。

もぐもぐタイム

この便のプレミアムクラスは、昼食の提供便です。今回のメニューは、明太子卵焼き、水菜のお浸し、鮭マッシュポテト焼き、紅葉麩、鶏磯辺揚げ、牛肉煮凍り、北寄貝とにんにくの芽炒め、紅白なます 日向夏風味、チェリートマト、焼きセロリ、牛蒡漬け、南瓜漬け、炊き合わせ(蓮根金平、椎茸、人参、湯葉真丈揚げ、隠元)、栗ご飯でした。

8月31日に乗った時とメニューが異なっていたので、9月からメニューが変わったのでしょう。野菜や山菜が豊富だったのがポイント高いですね。ご飯は栗ご飯でした。温かいとなお良しと言ったところです。早く全路線でホットミールを提供してほしいなあ、、と思います。

CAさんのアナウンスでは、揺れが予想されるため、普通席ではキャンディーのサービスのみ、希望者にドリンクサービスを実施するという案内がなされていました。

プレミアムクラスでは通常、味噌汁が最初からお椀に載って登場するところ、今回は紙コップでの提供となりました。揺れが予想される便では、お椀よりもこちらの方が安定性がありますし、溢れにくそうですもんね。味噌汁は後から出てきたのですが、今回は味噌汁無いのかなあ……と思ってしまいました。しかしそこはプレミアムクラス、普通席のドリンクサービスが中止になってもこちらはドリンクだけでなく味噌汁もしっかり出てきます。

栗ご飯に鮭を乗せて、勝手に鮭栗ご飯に改造。味噌汁と共に美味しくいただきました。と言いたいところですが、この写真を撮影している時に”5分後に揺れる可能性あり”というアナウンスが入りましたので、速攻で流し込みました。ただでさえ飛行時間が短い上、それに揺れが加わるとなると優雅にご飯を食べている時間など殆どありません。液体をこぼさないよう、揺れに気を遣いながらいかに早く”ご馳走さま”できるかが勝負です。

13:05、雲の切れ間から福島県会津盆地の景色が見えました。フライトレーダーを見ながら飛行していたため、すぐに場所の特定ができましたが、何も見ずに”会津盆地”と答えるのは至難の技です。もちろん普段この景色を見ることはありませんので、それは当然とも言えます。

会津盆地の中心地といえば、会津若松市です。住宅が密集している部分がそれにあたりますが、意外と街が広がっている印象を受けました。人口は福島県では4番目、12万756人(2018年)とのこと。

台風の雲を抜け関東上空へ

先ほどの会津若松上空から斜めに飛行し、茨城県のDAIGOポイントまでやってきました。この付近が最も台風の雲に接近している時間帯であり、アナウンスで”揺れます”と言われていたまさにその場所です。雲の中の飛行が続き、いつ揺れてもいいように飲み物を飲み干しスタンバイしていましたが、これが意外と揺れないんですねえ……
巡航高度を18,000feet、16,000feetと変えながらの飛行となりましたが、高度を下げても揺れは少なく、心配しすぎたのでは無いか?という感覚でした。

というわけで、DAIGOポイント付近で雲を抜け、16,000feetから羽田空港へ向けて高度を下げ始めました。視界は良好で、鹿島灘の様子まで見渡すことができました。

なんだかんだで、雲の中を通過している時よりも、関東上空で降下している時の方が揺れたかもしれません。時々突風のような風に煽られたり、ストンと落ちるような揺れを食らったりと気流の悪い中降下を続けていきます。

13:21にはベルトサインが点灯、着陸態勢に入りました。ちょうど成田空港の脇を通過する頃でしたので、カメラのレンズを望遠に付け替えて撮影しました。目を凝らしてみると、成田空港を離着陸する飛行機の姿も見ることができます。

台風の爪痕を感じる河口

台風が通過してから、この日の羽田空港は南風運用が続いていました。北からの到着便はD滑走路RWY23に着陸となります。フライトレーダーを見ていると、お隣RWY22へ向かっている飛行機の位置がわかりますので、窓の外とスマホを交互に見ながら他の飛行機を探すのが楽しいですよね←
今回はポイントでANAのB737-800と交差しました。

すでに羽田空港上空は天候が回復しているため、ILS進入ではなく、LDA進入で滑走路へと向かっていきます。DIANEポイントから東京湾上空に出ると、千葉県を流れる養老川の姿が目に入りました。台風が過ぎ去りました!と言わんとばかりのこの色ですよ。東京湾で色は中和されそうですが、こう言った景色は上から俯瞰しないとわかりにくいですよねえ……

今回の台風では、千葉県も多くの被害を被ってしまったようで、成田空港でも鉄道がストップし、多くの帰宅難民が発生してしまったようです。イレギュラーな事態ではありますが、今後の教訓として後世につながることを期待しています。

13:35、羽田空港RWY23に着陸しました。飛行時間は53分でした。通常よりもやや遠回りをして飛行していたはずですが、意外と飛行時間は普段と変わらずと言ったところですね。何がともあれ無事に東京へたどり着くことができてよかったです。

A321のプレミアムクラスにはもう幾度となくお世話になっているのですが、前方席に座っていると、”ピピピッ!ピピピッ!”っと自動操縦が解除される警告音が聞こえてきます。ただでさえ風の強い東京湾上空でしたが、自動操縦から手動操縦に切り替わると、やや機体がふらつき始め、一層”飛んでる”という感覚になりました。そのような中機体のバランスを取り、車輪を出し、左旋回してファイナルコースにアラインする。やはりプロは違いますねえ、、(笑)

羽田空港名物()

RWY23に着陸後はB4-R-E誘導路を経由して第2ターミナルへ移動しました。B4誘導路は高速脱出誘導路ではなく、滑走路に直角に接続している普通の誘導路です。十分に減速しないと誘導路に入ることができないため、心なしか通常よりもきつめに機体が止まったような気がしました。

D滑走路の島から羽田空港の本島に移り、羽田空港名物に出くわしました。台風で飛ぶことができなかった飛行機は数多存在しますが、このB787はそもそも自力で飛ぶことができません。登録番号を確認するとJA878Aでした。ANAのB787-8の中では最も新しい機体です。

そして67番Rスポットへとやってきました。飛行中は71番の到着とアナウンスされていたのですが、その後に変更となったようです。67番スポットは羽田空港の第2ターミナルの中では唯一のマルチスポット、小型機であれば67L、67Rで2機分止めることができます。このスポットを大型機が1機で使用している様子は未だかつて見たことがありません。もし見たことがあるという方がいらっしゃいましたら是非教えていただきたいです。

というわけで到着は13:42、ブロックタイムは1時間8分でした。飛行中のアナウンス通り45分ほどの遅れをもっての到着となりましたが、このような日は飛んでくれてかつ無事に目的地に到着してさえくれれば御の字でしょう。

閑散とする到着コンコース

私はこの日、14:00まで秋葉原へ向かわなければなりませんでした。勿論、予定していたANA404便が欠航となり、406便に振り替えた時点で”遅れます”と連絡は入れていましたが、できる限り遅れは最小限にとどめたいというのが人間の性です()

ラッキーなことに到着コンコースには誰一人として人がいませんでした。乗り継ぎのために動く歩道をいそいそと移動していた方を横から走って追い越し、京急のホームまで安全の範囲内で駆け抜けました。あまりにも誰もいなかったので、走っている間に1枚撮りました。褒められた行為ではないので良い子は真似しないでくださいね()

日中でも時々”ガランとした羽田空港の到着コンコース”に遭遇することがありますが、見ているだけでも爽快です。いつもこんなんだったらいいのになあ、、と思ってしまいました。

因みに、事前に発券していた航空券は、ANAプラチナデスクに電話をして、払い戻ししていただくことになりました。当日(9日)、翌日(10日)は電話がなかなかつながらなかったので、数日経ってから電話をかけるとすんなり通じました。欠航便の振り替えであれば、早急な対応が必要ですが、払い戻しだけであれば後日の方が時間のロスが少ないと思います。

今回はここまでにします。最後までお読みいただきありがとうございました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました