2019年4月1日 JALの777-300に初搭乗(JAL2084便 那覇ー伊丹線搭乗記)

搭乗記2019

JAL最大の国内線機材へ搭乗

JALの大型機と言えば、1970年から長らく「ジャンボ」の愛称で親しまれてきた、Boeing 747が思い浮かばれます。2011年の引退後も、その姿が脳裏に焼き付いているという航空ファンの方も多いように思います。ジャンボ亡き今、JALのフリートの中で最大のキャパシティーを誇るのはBoeing 777-300で、その座席数は500席を誇ります。747-400Dの座席数は、引退直前のコンフィグレーションで546席でしたので、約50席差があるだけにとどまっています。

ジャンボ引退後、JALのフラッグシップとして君臨していた777ですが、2014年~2015年にかけて、初期導入の777の引退が始まりました。777-300も既にJA8941、JA8942、JA8943が引退し、現在は4機体制となっています。A350が777の後継として新たに導入されることになった今、完全引退がまた一歩近づいた777-300へ搭乗しようと思いました。

今回はJALの777-300で伊丹空港を目指します

搭乗機お出迎えの儀

羽田空港からJAL905便としてやってきたBoeing 777-346(JA751J)が今回の搭乗機です。JALの国内線仕様777-300は、最大7機のフリートを誇っていましたが、上述の通り、初期に導入された3機は既に引退済み。現在は4機が羽田ー新千歳、那覇そして今回搭乗する伊丹ー那覇線を中心に運航しています。

この日の那覇空港は訓練かスクランブルかは分かりませんが、航空自衛隊のF15戦闘機が民間機の合間を縫って離発着を繰り返しており、国内線の到着便にやや遅れが出ていました。この905便も定刻より少々遅れての到着となりました。

保安検査場で新元号を聞く

これから乗る飛行機の写真を撮り終え保安検査場へと向かいました。朝からJALのカウンターが大混雑していることはチェック済みでしたので、保安検査場もある程度の混雑を予想してはいましたが、鬼のような長蛇の列が出来上がっており、まさにカオスといった状況でした。

これから搭乗する2084便の出発時刻は、5分遅れの12:10に再設定されていますが、11:30前に並び始めても「間に合わないのではないか?」と心配になってしまうほどでした。

それでも意外と列はスムーズに進み、並んで待った時間は約10分程でした。

丁度11:30頃に新元号の発表があるということで、並びながら政府官邸のYouTubeでその様子をチェックしていました。X線検査まであと5人というタイミングで「令和」と発表され、周りからもちらほらと「れいわ、れいわ」と声が聞こえ、関心の高さが伺えました。最初はもちろん新鮮な響きに感じた令和ですが、明治大正昭和平成令和と続けて口に出してみてもだいぶ慣れてきましたね。

那覇空港では、ANA便とJAL便でターミナルのフィンガーが別れており、前者は北側、後者は南側を使用しています。2018年の夏に初めて那覇空港からJALグループ便に搭乗し、今回が2回目の那覇発JAL便。保安検査場を抜け南側へと向かうのは、あまり慣れません。

今回アサインされた搭乗口は22番です。空席状況を確認すると、この便はクラスJが満席、普通席も残席わずかとなっていました。JALの777-300は500人乗りですので、ゲートの前にもかなりの人がいるんだろうな…と予想していましたが、それとは裏腹に比較的ベンチにも余裕がありました。まだ大混雑の保安検査場を通過できていない人が多いのでしょう。

長いキャビンをひたすら奥へ…

11:59、搭乗しました。今回の座席は、進行方向左側最後尾の57Kです。JALもANA同様、上級会員の優先搭乗の後は、後方席の乗客から案内が開始されました。しかし、上級会員が思いのほか少なく、比較的早めに搭乗することができました。特に今回はカウンターでキャリーケースを預けるのを断念したので、その収納場所を確保する上で早めに機内へ入ることができたのはラッキーでした。ほぼ満席の便ということもあり、チェックインした時点で既に隣の座席にも他の方がいらっしゃることが確定していました。その方よりも早く機内へ入ることができたのも良かったですね。

座席は、JALのヘビーユーザーの方にとっては見慣れたであろう「JAL SKY NEXT」仕様のレザーシート。布製のシートに慣れていると座り心地にも違いが感じられますね。

機内も機外も777-300

窓を見ると隣のスポットにも僚機である777-300が駐機しているのが見えました。この時間帯は羽田空港から3機、伊丹空港から1機の777-300が那覇空港に集結します。国内線のダウンサイジングが進められているとはいえ、春休みシーズンをはじめとする繁忙期には大型機の存在が欠かせません。

隣りの方がいらっしゃらないうちに、安全のしおりも撮影しました。書いている内容は、他の機種も殆ど同一でしょう。安全のしおりの写真を撮るなどという行為は、一般人からすると相当頭がおかしいですからね(笑)

ここに記載されている内容は、確かに殆どのフライトでは関係ないものではありますが、与圧システムのトラブルなどで酸素マスクが天井から落ちてくるという事態は日本でも年に何度かありますから、そこだけでも暗記しておくと一層快適なフライトになると思いますよ。

777普通席最後列座席のすゝめ

一般的に搭乗、降機に時間がかかり、エンジンの後ろということで飛行中はうるさいことであまり人気がない後方席ですが、777や787と言った大型機、中型機でかつ比較的長い飛行時間のフライトでは後方席もオススメです

飛行機の機体は後方に行くに従って形が収縮していきます。それに伴い、777の場合は、通常3-4-3の座席配列のところ、後方席になると2-4-2の座席配列に変わります。それでも壁と座席の間に若干の隙間ができてしまうのですが、これが狙い目。足を伸ばすことができるのです。

空席がちの便であればあまり参考にはなりませんが、今回のように満席近い便であれば、上の収納棚も一杯で前の座席の下に荷物を置かざるを得ないと言った状況も多々あります。その中で足を伸ばすことができる後方席というのは、そこそこアドバンテージがあるように思います。もっともこれは窓側席に関してですが(笑)

大混雑で大遅延

時刻は12:30、搭乗から30分が経ちますが、未だに出発できていません。出発時刻の時点で保安検査未通過の乗客が100名程、それから10分経ちそれでもまだ50名が通過していないということでなかなか出発することができないのです。この情報をCAさんが機内アナウンスで放送するのですが、特に機内は荒れることはなく()皆さん静かに待っていらっしゃいました。

飛行機はテロ防止の観点から、既に荷物を預けたお客さんを乗せずに出発することができません。もっとも、乗る意思があり、かつ保安検査場で足止めを食らっているお客さんを置いていくというのはおかしな話ではありますが、基本的に保安検査場の混雑による遅れであれば飛行機は大体待ってくれます。

荷物といえば、隣の777-300からはコンテナではない謎の物体が大量に搬出されてきました。中身はなんだか分かりませんが、圧縮されたお布団がぞろぞろ運ばれているように見えました(笑)

12:35、ようやく全てのお客さんが揃ったようでドアが閉まりました。搭乗から36分が経過し、ようやく出発です。

出発時のアナウンスが終わると早速セーフティービデオの放映が始まりました。JALに搭乗するのは2018年11月以来ではあるのですが、その時にはモニターの付いていないE190への搭乗でしたので、これを見るのは1年半ぶりになります。

ANAではブランドイメージの刷新、制服の変更、歌舞伎の採用など、ここ10年で数回ビデオが新たなものへ更新されていますが、JALのものは10年以上前からほとんど変わらず、航空界隈でもマンネリ化()が進行しているようです。(※2019年に久々に新しいビデオが登場しました

近年は外資系の航空会社でも非常に凝ったビデオを製作しているところが多く、もちろんビデオを見てもらうことが第一ではあるのですが、その点を踏まえると、エンターテイメントの一部となっていると言っても過言ではないでしょう。JALのビデオに関しては、エンターテイメント性はありませんが(笑)

機内最後尾から満席の777-300のキャビンを望むと頭しか見えません。繁忙期の那覇空港発着路線には参ってしまいますね。これが1月や2月の閑散期となるとかなり空席が目立ちますから、いかに繁忙期を避けるかが、快適な旅行をする上での重要な点の1つと言えると思います。

因みに、私の周りには関西圏の学校の野球部の団体様がいらっしゃっていました。団体と聞くと騒々しいようなイメージではありますが、そこは規律の取れた野球部のみなさん、フライト中は始終平穏に過ごされていらっしゃいました。寧ろ航空界隈限界ヲタクの私の存在の方がウザがったのではないかと思われるほどです。

プッシュバックは12:42。やっとこさスポットを離れたかと思うと、今度はなかなか地上走行の許可が下りず、しばらくこの場所で再び待機となりました。

航空ファンの方であれば、1度はプレイしたことがあるであろう航空管制のシミュレーションゲーム、「ぼくは航空管制官」シリーズであれば、プッシュバック後に10分も放置してしまってはあっという間にストレスが溜まってゲームオーバーになってしまいます(ちょっと盛りました)。しかし、現実の空港では、ストレスだなんだ言っている場合ではありませんので、安全第一の管制が行われます。特に那覇空港の場合は、ターミナルが滑走路の末端にあること、誘導路が滑走路に並行する1本しかないこと、ターミナルの形が独特なことなど、混雑を助長する要素が多く、いかに遅延が出ないような管制をするかという点が航空管制官の見せ場でもあるように思います。(※2020年3月にB滑走路が運用開始となったため、混雑時間帯のその度合いについても、今後変化がみられるかもしれません

因みに那覇空港の管制はかつては航空自衛隊が担当していましたが、現在は、国土交通省の航空管制官が担当しています。航空管制官も公務員のうちの一つなのです。

牛歩、牛歩で滑走路へ

那覇空港と言えば、沖縄本島と日本の主要都市を結ぶ玄関としての役割がまず思い浮かばれますが、沖縄や鹿児島の離島とのアクセスの中心としての役割もまた担っています。

これまで那覇空港発着JALグループ便のプロペラ機部門は、JTAの子会社である琉球エアーコミューター(RAC)により運航されていましたが、2018年夏より奄美大島ー徳之島ー沖永良部ー那覇というアイランドホッピングルートが開設され、こちらは沖縄が絡む離島路線でありながら、鹿児島の離島路線をメインとする日本エアコミューター(JAC)が運航しています。

JACもRACも共にJALグループでコミューター路線を担っていますが、主力機材がそれぞれ異なっており、JACではATR42、RACではDHC-8を採用しています。(JACもDHC-8を運航していましたが、全機引退済み)

小型ターボプロップ機市場では敵対関係にある両機種ですが、それらがグループは違えど同じ航空会社で使用されているというのは、なかなか興味深いものがあります。那覇空港ではJAC便は1日1便のみですので、圧倒的にATRが劣勢ですが、機体後部に描かれたハイビスカスがその存在感を示しています。

この日の那覇空港は、前日同様RWY36運用でした。到着便からすると着陸から到着までの時間が短くて済みますが、ターミナルと真逆の方向から離陸することになる出発便は、離陸まで時間がかかります。その上、このお昼過ぎの時間帯は那覇空港が大変混雑する時間帯でもあり、なかなか滑走路へ進むことができません。牛歩して止まって、牛歩して止まってを繰り返し航空自衛隊那覇基地の格納庫の前までやってくると、何やら多くの人が集まってらっしゃる様子が見えました。

航空自衛隊那覇基地のホームページによると、毎週月曜と金曜は基地の見学を行なっているそうで、まさにこのには月曜日でしたから、その御一行様がいらしてたのでしょう。

格納庫からこちらまではそこそこ離れていますが、それでも世界最大の双発ジェット旅客機、777-300であれば遠くからでもかなり大きく見えるはずです。そんな多くのギャラリーの視線を爆浴びしながら、滑走路へじわじわと近づいていきました。

13:19、ANAの777の着陸後、ようやく滑走路へと入りました。13:00にはあと10分で離陸することができるとアナウンスが入りましたが、戦闘機の爆音が響いていましたので、またスクランブルがかかったのでしょう。

結局13:00から20分経ち、ようやく離陸の順番が回ってきました。出発時刻から既に1時間以上が経過し、地方空港発便でしたらとっくに水平飛行に移っていてもおかしくないような時間を地上で過ごし、燃料などは大丈夫なのか逆に心配になってきてしまいました(笑)

遅延回復目指して那覇空港から離陸

13:20、那覇空港RWY36から離陸しました。
満席の777、さぞゆっくり上昇していくんだろうなあと思っていましたが、案の定まったりと上昇していきました。

ちょうど隣に見えているのが、建設中の新滑走路です。長さは現在の滑走路とほぼ同じ、2,700mだそうです。基本的に2本の滑走路がターミナルを跨がずに平行で設置されている場合は奥側が着陸用、手前側が離陸用と分けて運用されるため、この新滑走路は主に着陸便に使用されるものと思われます。

那覇空港からの出発経路はNAHA NORTH TWO Departure。那覇空港から北へ向かって離陸するため、それに倣ったの出発経路の名前が付けられています。

那覇空港を離陸してすぐに左に旋回、そして露骨にエンジンの音が小さくなり、上昇が止まります。離陸後すぐにエンジン音が小さくなっても殆どの人は気にしないかもしれませんが、一部の飛行機恐怖症の方にとってはまさに恐怖のような体験かもしれません。

那覇空港の東、沖縄本島中央部には米軍の嘉手納基地があるのですが、その空域の一部が那覇空港の出発(南風運用時は到着)経路と重なってしまっているのです。一応管制官がしっかりレーダーで監視している上に、飛行機側にも衝突防止装置が備えられてはいますが、空域の干渉を避けるため、那覇空港を北に向けて離陸した飛行機は、一旦1,000feet(=304m)で水平飛行を行います。東京タワーよりも低い高度で制限がかかっているため、離陸後すぐにエンジンの推力を下げないと、制限に引っかかってしまうのです。沖縄の空はどこもかしこも混雑しています。

沖縄本島の北西にある神山島とナガンヌ島。共に無人島ですが、奥のナガンヌ島には船で向かうこともでき、有名なダイビングスポットなんだそうです。

景色がお預けだった前半

高度制限が解除されると再び上昇開始となります。

離陸後分の13:28にはベルトサインが消灯、伊丹空港の到着時刻は定刻よりも55分遅れて14:50とのアナウンスが入りました。天候や機材繰りが理由で大幅に遅れることは、年に何度か経験がありますが、出発空港の混雑による大幅遅延は2年ぶりな気がします。今回はJALの777-300に乗れさえすれば良かったので、遅れについてはあまり気にはなりませんでした。

13:39、沖縄県北部、東シナ海に浮かぶ伊江島の北を飛行中。遠くに反対方向へと向かって飛行する飛行機の姿が見えました。Flightraderによると関西発バンコク行きのタイ国際航空623便、A380のようです。こちらは対地速度540kts、あちらは対地速度400ktsで飛行中とのことですので、相対速度は940kts(=1740km/h)となります。鬼のような速さで通過していってしまうため、あっという間に視界から消えていってしまいました。

飛行中の飛行機から飛行機を見つけると、その速さにいつも驚かされてしまいます。もっとも、同じ方向へと飛行している飛行機は速く感じることはありませんが(笑)

飛行機は奄美諸島の北側を北東方向に向けて飛行していきます。13:45には巡航高度の35,000feetまで上昇完了しました。奄美諸島の北を飛行しているだけあって、進行方向の左側の窓からはほとんど景色を楽しむことはできません。ひたすら雲と海と青空が広がります。ボケーっと眺めていても悪くはないのですが、時間が勿体無いのでデスクワークに励むことにしました。

13:50にはコックピットからアナウンスが入りました。着陸予定時刻が14:50、到着予定時刻は定刻より1時間遅れの14:55とのことです。私はJALの777-300に乗ることが目的で乗っている身なので、飛行時間が長いことに越したことはありませんが、なかなか派手に遅れてしまいましたねえ…

島が見え始めました

13:58、鹿児島県屋久島の東を通過しました。鹿児島県の本土(という表現が正しいかどうかはわかりませんが)から比較的近い場所に位置する屋久島は、縄文杉で有名ですね。世界自然遺産にも登録されており、それを目当てに島を訪れる方も多そうです。

円に近い形をしている屋久島、上から見ると、これぞ島という印象を受けますね。那覇ー羽田線ですと、もっと東の海上上空を飛行するため、屋久島を見ることはほとんどできないのです。新鮮な光景ですね。

ドリンクサービスが回ってきたので、ご存知「スカイタイム」をオーダーしました。ファミリーマートなどで時々市販もされている、JALオリジナルドリンクのスカイタイムですが、やはり空の上で飲むとまた各別です。この辺の表現は、勿論後付けであるのは言うまでもありません。

JALの紙コップには、しっかりとロゴマークである鶴丸が描かれているんですね。「ナビタイム」の広告が前面に押し出されている、ANAの紙コップとはかなり印象が異なります。

14:00、鹿児島県種子島の横を通過しました。

ちょうど写真の真ん中にあるのが種子島空港です。2006年にジェット化され、鹿児島県の離島の空港の中では、徳之島空港、奄美大島空港に次いで3番目にジェット化された空港となっています。ジェット化後も長らくは定期便ではプロペラ機が主力となっていましたが、JALグループのJ-AirがE170で離島路線を担当するようになってからは、種子島ー鹿児島線に投入されるようになりました。

鉄砲伝来の島、そして現在は宇宙センターがあることでも、全国的にその知名度が高い種子島。観光需要の増大次第では、これからも繁盛しそうな空港の一つです。

14:10、進行方向左側には宮崎平野の姿が見えました。綺麗な直上の海岸もばっちり見えており、見ていて心地よかったですね。

この付近で飛行機は右旋回。航空路Y53からY753へと分岐しました。航空路Y753は宮崎県沖上空のMADOGポイントから、大阪府和泉市付近にあるIZUMIポイントまでを結ぶもの。このままこの航空路を通り、伊丹空港へ向かっていくことになりました。巡航速度は590kts、100ktsの追い風を受けて一路大阪を目指します。

土佐で地理の勉強タイム

14:18、続いて高知県の南西部にある足摺岬の様子が見えてきました。高知県までやってくると目的地の大阪はもうすぐです。この付近で、巡航高度の35,000feetより降下開始となりました。

東西に長い高知県、西の足摺岬が見えてから6分後に、今度は東の室戸岬が見えました。どちらの岬も台風の襲来時には中継が入りがちなため、その名前をよく耳にします。また、両者共に「海岸段丘」と呼ばれる地形も特徴であり、かつて海中に沈んでいた地形が、隆起したことにより海上に姿を現し陸地となりました。

海岸線の地形では、リアス式海岸が有名ですが、それとは対照的に、比較的単調な海岸線が続いています。足摺岬も、愛媛県側の海岸線を見てみると、リアス式海岸となり複雑な海岸線が現れるようになりますが、岬そのものの海岸線は、そこまで入り組んでいない様子が伺えます。

Top of Descend

14:35、和歌山市の南上空から陸地上空へと入って行きました。飛行中のアナウンスで、大阪地方の天候は小雨と伝えられていましたが、まさにその予報通りのようで、これから向かわんとする先は雲で覆われていました。

何層か雲を通過しながら飛行機は高度を下げていきます。ちょうど雲が切れたところで、窓からは関西国際空港の姿が見えました。こうして俯瞰してみると、まさに巨大空母のような印象を受けますね。手前側の第1期島だけであれば、よりそのように見えたかもしれません。

かつて、伊丹空港発の長距離国内線の運航に便数の制限があった頃、JALの伊丹ー那覇線は1日1往復のみで、残りは関西空港、神戸空港へと振り分けられていました。伊丹空港発着便を補完する目的から、かつて関西、神戸ー那覇線にもJALの777が投入されていました。現在は、伊丹空港発着の長距離国内線(北海道路線、沖縄路線)の運航に制約が緩和され、増便が可能となり、関西ー那覇線はJTAの737-800を主とする運航形態に変わってしまいました。

大阪上空遊覧飛行

大阪上空へ入ってくると、次から次へと景色が移り変わり、見ていて飽きることがありません。まずは、大阪府東部、羽曳野市上空付近からたくさんの古墳群の様子。本来であれば、住宅地やら商業地やらが立ち並ぶはずの大阪平野にぽつぽつと点在する緑地、殆ど全てが古墳です。古墳にも様々な形があり、最も有名なのは、大山古墳でもお馴染みの前方後円墳。写真右側に見えている古墳がまさにその形ですね。

これらの古墳は、大阪府南部に点在しているため、伊丹空港へとやってくる便は進行方向左側の席からよく見ることができます。

続いて見えてくるのは「あべのハルカス」。その高さ故、かなり目立ちます。その高さ生かして、上層階には「はるかす300」なる展望台も用意されています。

一度伊丹空港で暇になった時に行こうと思ったのですが、有料だったのでやめました(笑)

続いて見えてくるのは大阪城。こちらは修学旅行などで訪れる方もいらっしゃるのではないかと思いますが、飛行機からもしっかりと見ることができます。

私は、高校の修学旅行が関西圏だったのですが、大阪城は付近の高速道路を走行中にバスの車内から見ただけにとどまりました。空からは何度も見ているため、そろそろ間近で拝みたいですね。

そして最後に梅田のビル群を見て大阪遊覧飛行が終了となります。写真右側に見えている淀川を超えると伊丹空港はもうすぐです。

伊丹空港へ向かう場合は、羽田空港をはじめ、大阪よりも東にある空港から向かうことが多く、進行方向右側の窓側席を抑えがちです。しかし、大阪の西から向かった今回は、巡航中を含め、右側席よりも左側席の方が勝ち席であったため、普段とは異なる景色を様々見ることができました。四国、九州、沖縄から伊丹空港へ向かう便では、進行方向左側の窓側席がおすすめです。

地上に帰ってきました

14:47、伊丹空港RWY32Lへ着陸しました。飛行時間は1時間27分でした。追い風に乗って飛行時間そのものはあまり長く感じませんでしたが、この時点で搭乗から3時間程が経過しており、機内に入ってからはかなり遠く感じる道中でした。

降下中は景色が最高であるということを写真を通じてお伝えしましたが、この日の大阪上空は風が強く、かなり風に煽られるような形でのアプローチとなりました。

14:50、伊丹空港15番スポットに到着しました。出発時刻が12:41でしたので、ブロックタイムは2時間9分、定刻よりも55分遅れての到着となりました。単純に使用機到着遅れなどで1時間程遅れたことはこれまでにも経験がありましたが、空港の保安検査場が混雑したことによる遅れはあまり経験がありません。繁忙期の那覇空港、おそるべしです。

最後に1枚機内の写真を撮影させていただきました。Bコンパートメント最前部から客室後方を望みました。当初はAコンパートメントのみだったクラスJは、その需要の高さから増席され、Bコンパートメントに2列分、16席が確保されています。そこから先は、3-4-3の10アブレストで、ひたすら普通席が並びます。No.2ドアとNo.3ドアの間だけでも圧巻の並び、流石500席のキャパシティーを誇る飛行機だけありますね。

今回は、遅延便かつ混雑便ということもありこの写真だけ撮影してお暇しました。遅延の関係で機内に長くいることはできましたが、じっと座っているだけに終始してしまったため、今度は暇な便でまた搭乗したいですね。

この後このJA751Jは、再び伊丹ー那覇(JL2087)、那覇―伊丹(JL2088)と那覇空港までいって帰ってくるという仕事が残っていました。

時刻表上でのJL2088便の到着時刻は19:55、伊丹空港の運用時間は21:00までですので、1時間の遅れそのものが致命的です。伊丹空港到着後、すぐに折り返し便の出発準備が行われていたのは言うまでもありません。(この日のJL2088は結局1時間10分遅れの21:05に伊丹空港へ到着したようです。関西空港へのダイバートにならなくて何よりです…)

制限エリアを抜け、到着ロビーへ出ました。既に時刻は15:00ですので、到着便の案内板には勿論14時代後半の到着便が並んでいるのですが、1便だけポツンと13:55着予定のJL2084が浮いています。

最後に、今回の飛行経路です(Flightraderより)。

おまけ①

お腹が空いて死にそうだったので、お昼ご飯を食べました。ターミナルの改修が終わり、新しくなった伊丹空港で何か食事をするというのは今回が初めてだったのですが、早速定食屋さんを見つけたので突撃しました。

外出が続くと外食が多くなってしまいますので、極力バランスの良い食事を心がけたいですよね。美味しくいただきました。

おまけ②

この日の伊丹空港では、ある珍しい飛行機がやってきていました。何かと世間を騒がせている輸送機、MV-22「オスプレイ」です。機内でTwitterを漁っていると、伊丹空港へ緊急着陸したとの情報を獲得、腹ごしらえした後、デッキへ向かってみると早速その姿が目に入りました。

注目の機体だけあり、オスプレイが見える付近には、多くの見物の方や報道陣の方が詰めかけており、記者の方が取材されている光景なども広がっていました。

私も勿論、オスプレイを生で見るのは初めてでしたが、散々テレビなどで見慣れているせいか、そこまで大きな感動もなく、「ああ、こんなもんか…」という感想で終わってしまいました(笑)

2019/04/01 RJOO J-Air E170 JA224J JL2355 to Izumo

私はあまり軍用機に明るくないため、特にコメントすることもございません。この時も、民間機数機をデッキから見送って、空港を後にしました。この日の大阪地方はあまり天気が良くなく、一時雷雨が発生、出発便や到着便にも影響が出ていました。

最後までお読みいただきありがとうございました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました