超早朝のシンガポールを一路チャンギへ
5日間に及んだシンガポールオフ会もいよいよ最終日となりました。最終日の行程は、早朝にチャンギ空港を出発し、秋田へ向けてひたすら北上するのみです。今回搭乗するのは、6:35発のANA802便なのですが、6:35発の便に乗るためには、5時頃には空港に到着するのが望ましい、と言うわけで一人だけ早起きして空港へ向かうことになりました。
朝4:30のシンガポール市内某所です。シンガポールの日の出は7:20頃ということでまだあたりは真っ暗です。このような時間帯でタクシーや、散々お世話になった自家用車の配車サービス「Grab」を呼んですぐにやって来るのだろうかという不安はありましたが、「Grab」の配車を依頼すると、10分ほどでやってきてくれるとのことでした。
今回のシンガポールオフ会は、現地集合現地解散でしたので、この時間に出発するのは私だけでした。当初の予定では、シンガポールからシドニーへ20:40発の便で向かう予定となっていました。しかし、予定の変更により秋田へ戻ることになったため、出発時刻が一気に早まったのでした。なぜこの便を予約したのかというと理由は一つ、「777に乗る」これだけです。
チャンギ空港名物パタパタに見送られて出国
早朝の空いているシンガポール市内をひたすらかっ飛ばし、チャンギ空港へやってきました。ANAは出発、到着共にターミナル2の利用ですので、5日ぶりに帰ってきました。前回(2017年)にシンガポールを訪れた際も、往復共にANAの利用でしたので、このターミナルからの出国も2回目です。チェックインカウンターの脇に掲げられた大きな「パタパタ」、3年前も今回も現役でしたが、間もなくお役御免となるようです。国内の空港でもその数を減らしている「パタパタ」、音を立てて表示を変える様子は旅情を掻き立てられますが、時代の流れには逆らうことはできません。
24時間運用で朝から夜まで離発着があるチャンギ空港ですが、それでも早朝の便は少なく、ターミナル館内も人はまばらでした。1度利用経験のある場所であればハードルも低く、すぐにチェックイン、出国審査場を通過しました。
Kris Flyer Gold Lounge へ潜入
チャンギ空港発便搭乗時、ANAのプラチナステータスまたはSFCを保有していると、シンガポール航空の「Kris Flyer Gold Lounge」を利用することができます。私はまだANA以外の航空会社ラウンジを利用した経験がなかったため、せっかくなので腹ごしらえに向かうことにしました。
出国審査を通過し、「Lounge」と示されていた看板の通りに3Fに上がり進んでいったのですが、それらしきものが見つからない… 仕方がないので、明らかに異なるであろう「SilverKris Lounge」に突入し、受付で航空券を提示しました。
案の定、弾かれてしまいました。そして、係員の方に、元来た道を示して「over there, over there」と案内されました。ラウンジっぽいところなんてあったかなあ…と注意深く向かってみると、あったあった、写真左側に写っているのがお目当てのラウンジの入口でした。(奥にシンガポール航空のロゴマークが掲げられているのが見えました)
因みに、「SilverKris Lounge」は、ファーストクラス、ビジネスクラス、ANAのダイヤモンドステータスを保有していると入室することが可能ということです。(ANAサイト参照)
受付で提示した航空券で無事に入室することができたラウンジ。一人用のソファーがずらりと並ぶ姿は壮観です。早朝のためか殆ど利用者はおらず、まさに快適そのものでした。ANAの国内空港のラウンジは、常時混雑している印象ですので、ここまで空席だらけのラウンジも新鮮でしたね。これが本来のラウンジのあるべき姿なのかもしれません…(笑)
一応腹ごしらえという名目でやってきたので、勿論食料にありつきます。中華風の小籠包らしきものや様々美味しそうなものが朝5時から並べられていたのですが、流石に早朝からもりもり食べるのは体が受け付けてくれなさそうでした。
というわけで、サンドイッチ、ヨーグルトとアップルジュースをピックアップ。選び放題の席について朝ごはんです。
飛行機ですぐに機内食が出てくるため、やや少なめにしたつもりですが、このサンドイッチが普通に大きい…6枚切りのパンを半分に切って間に具を詰めているというものでしたので、単純にパンを2/3斤食べているという計算になりました。量は多かったものの、サンドイッチは美味しくいただきました。それに加えて、右に写っているヨーグルトが美味しかったですね。食欲がそそられる他の美味しそうな食料はまたの機会に頂きたいです。
保安検査は搭乗口前で…
腹ごしらえも済んだところで搭乗口へと向かいました。アサインされていたのはF41番、訪れるのが2回目の空港ですので、どの搭乗口がどこにあるのかということは分かりません。(何度か行っている成田空港でも、国際線の方はさっぱりですがw)一先ず、案内表示に従って、フィンガーを突き進むこと5分弱、ようやくF41搭乗口にたどり着きました。かなり端の方にある搭乗口のようでした。
いまいち国際線の要領はよく分からないのですが、6:35発の便で搭乗口前に到着したのは、5:30頃、まだ早いかなあ…と思っていたのですが、既に搭乗口前には多くの方が待っている様子でした。
チャンギ空港では、搭乗口の直前で保安検査が行われます。国内の空港に慣れ切っていると、かなり違和感がある構造ですが、航空券の確認を保安検査と一緒に行うことができるため、トータルで見ると効率が良いのかもしれません。保安検査通過時も上級会員レーンと一般レーンで分けられており、比較的スムーズに保安検査を通過することができました。因みに、保安検査で自分の周囲にいる人を見まわしても、保安検査を通過後、搭乗開始を待っている人を見ても、殆どが外国の方と思われる方ばかり、日本の航空会社の飛行機に乗るのに何だかアウェーな気分でした。
搭乗開始は、当初の予定よりも10分ほど遅れ、6:15頃から開始となりました。搭乗順はもうお馴染みとなったグループ別搭乗。国際線となるとステータスを保有していなくとも、ビジネスクラス以上であれば、グループ2で優先搭乗が可能となるため、優先搭乗にもそこそこの規模の列が出来上がっていました。
初搭乗!ANA’sプレミアムエコノミー
今回の座席は27Aです。ラウンジの写真にも航空券を乗せていましたが、そこに記載があるようにプレミアムエコノミーとなります。
今回は、当初はエコノミークラスをアサイン、ANAでは2020年3月まで上級会員向けにエコノミークラス→プレミアムエコノミーへの無償アップグレードを受け付けていますが、この便ではアップグレードの空席枠がなく、そのままエコノミークラスへの搭乗となるかと思われました。しかし、出発6時間前に予約詳細を携帯電話で確認すると、いつの間にかアップグレードされていました。この座席自体は、以前国内線で体験済みですが、国際線の「プレミアムエコノミー」として搭乗するのは初めてです。
出発数日前に各座席クラスの空席状況を確認すると、エコノミークラスはほぼ満席、プレミアムエコノミーは半分ほど、ビジネスクラスは1-2-1の2の部分が殆ど空席という状況でした。アップグレードの枠こそ空いていませんでしたが、プレミアムエコノミー自体には空席が多いことが分かっていましたので、27Aの隣、27Cも空席のままだと良かったのですが、生憎隣りには他の方がいらっしゃるとのことだったので、搭乗後すぐに綺麗な状態の座席の写真を撮影、席に着きました。
確かに、名前に「エコノミー」と付されている座席ですので、すこぶる快適、というわけではありませんが、最後列でリクライニングし放題ということもあり、それなりに快適な6時間を過ごすことができそうです。
2度目のANAのプレミアムエコノミ―シート、前回は、機材変更で広島→羽田線に入っていた787-9での搭乗でした。現在ANAでは2種類のシートがあり、こちらは2012年に登場したものとなります。前回の787-9もこのタイプのシートでしたので、新鮮味はそこまでもなく、と言ったところでした。
プレミアムエコノミー区画最後列ということで、リクライニングはし放題だったのですが、シートピッチが広くなっているのもメリットの1つに挙げられます。
シートピッチは38インチ、エコノミークラスの34インチと比較すると4インチ広くなっています。足置きだけでなくレグレストもありますから、足も延ばし放題です。ただ、べらぼうに足元に余裕があるわけでもなく、隣の方がリクライニングを全開にしていると、通路に出るのには一苦労でした…
ひじ掛けには、引き出し式のカクテルテーブルを完備、隣の方がいらっしゃらない場合には、引き出さずとも使うことができるカクテルテーブルを使えばよいのですが、隣に他の方がいる中で、共用(とされる)スペースを使うのは憚られますので、引き出し式のものが重宝されました。
一通り、荷物などを収納し終え、写真も撮って、準備完了。イアホンジャックにイアホンのコードをぶっ差して「水曜どうでしょう」を見始めたのですが、どうも音の聞こえ方が悪い…大泉さんの声が何だかしゃがれた声で聞こえるのです。流石に、6時間もオーディオなしで過ごすのは、このご時世きついものがあります。イアホン自体の故障か、或いは接触不良を疑って様々弄ってみましたが、改善しない。最後にダメ元で差し込んだイアホンをやや奥から離した位置で止めてみると、明瞭に聞こえるようになりました。いくら上級席とは言えども年には勝つことができません。
今回搭乗しているのは212席仕様の機体であるため、そのうちファーストクラスにTHE Suite、ビジネスクラスにTHE Roomが装備される新仕様機に改修されることでしょう。
夜明け間際のシンガポールを出発
自席からの眺めはこちら。丁度主翼の後方ですので、景色が特別見づらいということもありません。基本的にANAの777-300ERのプレミアムエコノミー区画は、主翼に重なる窓側席は無いようです。
時刻は6:30前、日の出まではまだ時間があるため夜間感が強いですが、徐々に東の空が明るくなっている様子も伺えました。
6:30にドアが閉まり、6:35にはプッシュバック開始となりました。一旦Heading Eastでプッシュバックされたのち、そのまま若干プルフォワードして停止、エンジンスタートとなりました。なかなかトーイングカーで前に引っ張られるという経験がないため、プッシュバック後に間髪入れずに前に進む感覚は新鮮です。
これを含めて777-300ERへはこれが4回目の搭乗、GE90の豪快な始動音が振動になって伝わるのには、まだ圧倒されてしまいました(笑)
出発準備が整い、滑走路へと向かってタキシングします。離陸滑走路はRWY02Cのようで、使用されていたF41番スポットからは比較的すぐのところにあるはずなのですが、並行誘導路で一旦停止してしまいました。2機の着陸機を待ち、先行機であったシンガポール航空の777-300ERを見送るといよいよ我々の番、末端のC12誘導路から滑走路へとline upしました。
離陸は6:59でした。滑走路を半分ほど滑走したところでリフトオフ、トリプルセブンのまったりとした離陸はシンガポールでも健在です。離陸を待っている間にだいぶ空が明るくなってきたので、離陸のシーンも静止画で撮影しようとも考えたのですが、やはり動画で撮影しました。
チャンギ空港を離陸後すぐ、眼下にはターミナルを挟んで向かい側のRWY02L/20Rと、その脇に海岸線を見ることができました。写真中央を縦断する海岸線付近が、おそらくチャンギ空港が南風運用時に撮影スポットとなる場所であると思われます。今回は、撮影に充てた日が北風運用だったため用事はなかったのですが、機会があれば足をのばしたいですね。
シンガポールはご存知のように小さな都市国家で、マレーシアから分離独立したのがその始まりです。縮尺の小さな地図で見ると国境が分からないほど隣接している両国ですが、離陸後まもなく視界に入るのは隣国マレーシアです。特にチャンギ空港はシンガポールの中では北東に位置しているため、北へ向かっている離陸すると、すぐにマレーシアとの国境を跨いでしまいます。
チャンギ空港を北へ離陸後TOKIMポイントでほぼ90度右旋回した飛行機は、一旦東南東へと進路をとります。進行方向左側からも少しだけ朝焼けの東の空を見ることができました。
写真の下の方に見えているのは、マレー半島の南端に近い部分。これから先、陸地の景色とは暫くお別れです。
本日2度目の朝食 with 77W
離陸後約40分で機内食がサーブされました。プレミアムエコノミーでも機内食はエコノミーと同じものが提供されます。今回は、「親子丼」と「野菜とチーズのオープンオムレツ」から前者をチョイスしました。海外発便ですので、洋食の方が当たりなのかもしれませんが、親子丼なんて誰が作っても大失敗にはならんだろう…と思ってオーダー。しかし、やはり日本の地上で食べる親子丼とは少々異なっていましたね。
親子丼の他に、うどん、フルーツ、ヨーグルトと俗に言う副菜、副副菜があったのですが、特にヨーグルトに関しては、明治というブランドと、ラウンジで食べたヨーグルトがすこぶる美味しかったためかなり期待していたのですが、少々期待外れな味でした…
トイレ待ちの時間も有効活用
食事を終えると、隣の方が席を立たれたため、私もトイレへ向かうことにしました。飛行時間は往路ほどではないにせよ、5時間トイレ無しというのはなかなかキツいものがありますからね。食後かつ朝の時間帯と言いうこともあって、近所のトイレはどこも混雑していました。
トイレを待つ間に、様々写真を撮影していたのですが、国内線ばかり乗っていると、国際線機材ならではの部分につい目が行ってしまいます。トイレの隣、通路に面したところに位置するギャレーなんていうものはその典型です。飛行機は、そのスペースの都合上、無駄を極力省く傾向にあります。特に、国際線となると、機内に搭載する備品やらサービス品が多いため、このスペースも壁として埋めるくらいならギャレーにしようと考えられた結果このようになったと考えるのが妥当です。
ANAの777-300ERのプレミアムエコノミーは、座席仕様により異なりますが、212席仕様機の場合はNo.4ドアの前方、ビジネスクラスのすぐ後方にあります。座席配列は2-4-2の8アブレストで3列、24席です。今回は、私が出発日直前になってアップグレードされたことからもわかるように、満席ではなく、17席(おそらく)が埋まっている状態でした。特に中央の4人掛け席は、3列全てで中間の2席が空席でしたので、4人掛け席の方はかなり快適だったのではないかと思います。
ウトウトしてしまう早朝洋上フライト
一通りトイレにも行き、再び自席へと戻ってきました。離陸から約2時間で、全体の1/4を過ぎたかな、と言ったところ。残りの飛行時間は約4時間ということで、長距離フライトに体が慣れていればへっちゃらな時間ではあるのですが、私がこれまでに搭乗してきたフライトの9割5分以上はブロックタイムさえも4時間以内という国内線ばかりですので、4時間は果てしなく長く感じます。
この日は、上述の通り、朝早くから活動していたため、この付近で少々ウトウトしてしまいました。
太陽と同じ向き、東へ向かって飛行しているため、気づくと空はすっかり明るくなっていました。ここだけ見ると、普段の那覇線、洋上飛行中。と何ら変わりはないのですが、777-300ERらしく主翼の先に着いたレイクド・ウイングチップが良いアクセントになっています。
プレミアムエコノミー限定サービス
その後もひたすら洋上飛行が続き、暇を完全に持て余してしまったため、映画を見ることにしました。暫くすると、CAさんが「こちらよろしければどうぞ!」と声をかけてくださったので、スープをいただくことにしました。ビジネスクラスでは、いつでも機内食以外に麺類などをオーダーすることができるのを知っていましたが、プレミアムエコノミーでも、このようなスープなどは無料でいただくことができるということです。国内線の「プレミアム」クラスでも、食事以外にスープも頼むことができますからね。それ相応だと思います。
座席のポケットにもよく見るとこのようなリーフレットが入っていました。(こちらはANAのサイトから引っ張ってきたものですがw)ドリンクの追加メニューはアルコール類のみですが、スープなどであれば、丁度小腹も満たすことができそうですね。
沖縄の島々を望む
スープに舌鼓を打ち、映画を鑑賞しつつ時間が経つのを待っていたのですが、ふと窓を見ると島が見えてきました。何となく宮古島っぽいなあ…と思いルートマップに切り替えるとビンゴでした。
宮古島を見るとしたら、石垣空港発着の便で、島の真上付近を低い高度で通過するというのが常でしたので、全体を俯瞰するのは初めてでした。何がともあれ、ここまで来ればあとは乗り慣れた那覇ー羽田線と大して変わりません。
宮古島に気づいたため、おおよその現在位置は分かっていたのですが、続いて見えてきたこの島々はすぐに「ここだ!」と言い当てることはできませんでした。沖縄にこんな島あったっけ…と思考を巡らせ、慶良間諸島に行きつきました。それにしても見方が違うと分からないものですね。
その後は沖縄本島のほぼ真上を通過してしまったため、那覇空港など見慣れたランドマークを見ることはできませんでしたが、北部のエリアと伊江島などは見ることができました。
この付近で、お昼ご飯代わりにチョコレートデニッシュがサーブされました。日本時間ではお昼の時間帯ですので、お昼ご飯ということなのですが、既に起きてからラウンジでのご飯、機内食、先ほどのスープと食べまくっているため、このパンは持ち帰ることにしました。
沖縄上空を通過すると、再び太平洋上の飛行となります。鹿児島県最南端の島である与論島が綺麗に見えたので写真に収め、そこから先は再び映画鑑賞に戻りました。とは言っても残りの飛行時間は2時間を切っており、フライト中に見終える頃ができる映画もありません。一先ず気になっていた「ボヘミアン・ラプソディー」をギリギリまで見てやろうというわけで、モニターをポチポチ弄り、鑑賞開始です。まあ、機内で気に入った映画は、またレンタルかなんかで見返せば済む話ですので、気合を入れてみなくても良いというやつです。
つかの間の日本を感じる旅客が多い成田線
13:24、三宅島上空を通過する付近で遠目には富士山の姿が見えました。まさに「日本・東京へ帰ってきた」、そう思わせてくれる要素でもある富士山ですが、この便ではどうやら日本に帰国する目的で搭乗している乗客はあまりいらっしゃらないようでした。
CAさんに聞くところによると、この便の日本人の乗客は10名(聞き間違えではないと思います)ということで、乗客の大多数は外国人、日本人乗客の数はCAさんの数よりも少ないというのですから驚きです。
確かに、羽田空港の再国際化に伴い、羽田は日本人、成田は際際乗り継ぎの外国人の利用を目指した「首都圏デュアルハブ」が機能していることは前から知っていましたが、これほどまでに日本人乗客の比率が低下している便に遭遇するとは思いませんでした。CAさんも「成田線なので外国の方が多いですね」とのこと、「際際ハブとしての成田」という印象が現場の方にはだいぶ染みついているのかもしれません。(言われてみれば、東南アジア発東京経由北米行きの航空券も競争力が高そうな価格で売られていますもんね…w)
降下~着陸
成田空港へ近づくと、スポイラーを使って徐々に減速をし始めました。この日の成田空港は南風運用のようで、着陸滑走路はRWY16RかRWY16Lとなるようです。雲の切れ間からかすかに見えた九十九里浜がだいぶ高く見えたことからも、これらのいずれかへの着陸は確実だろうと思いました。
到着後に確認すると、STARはRUTAS G Arrivalとのことでした。(以下参照)
チャートに示されたポイントを完璧にトレースしているわけではなく、ややショートカットするようにレーダー誘導されていたようで、図の青線のように飛行していたことが分かりました。管制からは、direct VENUS→direct BOOTH→direct CASIOと指示が出ていたようで、最終的にGEMINでSTARと合流したようです。GEMINポイントは同時にILS Z RWY16L/RWY16R ApproachのInitial Approach Fixとなります。
成田空港に疎いため、窓から見える景色だけでは最後の最後までRWY16LとRWY16Rのどちらへ着陸するのかは分かりませんでした。利根川上空をオーバーパスしたところで大きく左へ旋回、先行機のA330の姿が見えました。
旋回を終え、高度を下げていくと千葉県らしく広大なゴルフ場に自機の影を映しながらファイナルアプローチとなりました。RWY16Rへの着陸ですと、高度を下げると進行方向左側には空港の敷地が見えてくるはずですが、高度を下げても一向にその姿を見ることができません。どうやらRWY16Lへの着陸となるようです。
この時点で、見続けていた「ボヘミアン・ラプソディー」はエンディングまで40分ほど残っている状況でした。完全鑑賞失敗、そのうちどこかしらで続きを見たいと思います。
13:48、成田空港RWY16Lに着陸しました。飛行時間は5:49でした。成田空港でANAが使用するのは、ご存知の通り第1ターミナルですので、ここから暫く長いタキシングが続きます。反対側のRWY34Rへ着陸するのと比較するとマシですが、用地取得の関係から、旨い具合に誘導路を設置することができないのが大変です。
複雑なタキシングを経てスポットへ…
当初の計画とは大きく異なってしまった成田空港ですが、今もこうして様々建設工事が行われています。成田空港では、現在のB滑走路よりもさらに東側にC滑走路を建設することになったようで、それに関連して、エプロンや誘導路を新設することになったようです。ただでさえ複雑な成田空港の誘導路ですが、今後さらに複雑化するとなると、特に外資系のパイロット氏泣かせの空港になってしまいますね…
成田空港でのタキシングルートは以上の通り。B滑走路へ着陸後、時計回りに大きくぐるりと回ってスポットまで向かいました。第3ターミナル、貨物ターミナルの西側にも誘導路があると便利なのですが、上述の通り、好き勝手に誘導路を設置することができないのが成田空港の弱点です。
到着は第1ターミナルの37番スポットでした。37番と言われても全くピンと来ないのが成田空港初心者の証です。初心者とは言っても、かれこれ10回以上は成田空港発着便に搭乗しているのですが、国際線の場数が少なすぎるため、こればかりはどうしようもありません。
到着は14:01でした。携帯電話をシンガポール時間で設定していたため、一瞬1時間も早着したのかと驚いてしまいましたが、そのようなことは勿論ありませんでした(笑)
シンガポール張り付けの777を後に
座席周りの忘れ物チェックをのんびりしていると、降機は一番最後になってしまいました。急ぐ用事はまったくないため、やはりのんびり最後に降機しました。
出発時に搭乗機の写真を撮ることができなかったため、ボーディングブリッジから証拠程度に1枚撮りました。今回の搭乗機であるJA784Aは、ANAの777-300ERの14号機として、2009年12月に導入されました。このJA784Aですが、2月7日から1ヶ月近くほぼ毎日成田ーシンガポール線に投入されており、実質この路線の専用機体となっています。これも新型コロナウイルスの影響なのでしょうか…
新型コロナウイルス措置に追われる成田空港
前述の通り、同じ便で成田空港へ到着した方の殆どは、到着ロビー方面ではなく、乗り継ぎのレーンへと流れていったようで、入国審査、税関はかなり空いていました。2月13日の時点では、中国湖北省のパスポートを有している、或いは14日以内に滞在歴がある人のみ、入国制限がかかっていたと記憶していますが、入国審査通過前にはこのような掲示が掲げられていました。この先どのような経過を辿るのかは分かりませんが、この掲示が早く撤去されることを願うばかりです。
空いている入国審査と税関をすぐに通過し、制限エリアから脱出しました。すぐそばにあるANAのArrival Loungeも利用することができますが、今回はパス。すぐに成田空港を後にして羽田空港へ向かうことにしました。
2月10日より、ANAでは中国路線の大幅な運休、減便を行っており、成田空港発着便でもそれまで成田ー武漢線のみだった運休路線を、成田ー北京、成田ー上海(浦東)(NH921/NH922)、成田ー杭州、成田ー瀋陽、成田ー広州へと拡大させました。到着便案内にもANAの上述便に加えて、深圳航空の深圳便、中国国際航空の北京便が欠航の表示が出ているのが分かります。
成田空港で働いている同業者の方も、健康には気をつけて無理せず職務遂行していただきたいですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
コメント