新型コロナウイルスで大幅需要減少のANAに貢献しよう プレミアムクラス搭乗編(ANA408便 秋田―羽田線搭乗記)

搭乗記2020

航空業界にも大打撃の新型コロナウイルス

1月に中国・武漢で本格的に蔓延し始めた新型コロナウイルスは、瞬く間に世界へと伝播し、3月に入ると、欧米のみならず、アフリカや中東でも一気に感染者数を増やすほどの猛威を振るっています。外出自粛、海外への渡航禁止を表明する国や地方が増加する中、世界の航空会社もその影響を受け、既に破綻してしまった航空会社もあるほどです。

ANAの羽田ー秋田線は羽田発7:50のANA401便、秋田発9:40のANA404便が運休対象便となっている

特に国同士の行き来が制限される面が目立ちますが、国内間の移動でも自粛ムードが漂っているのは言うまでもなく、国内大手のANAやJALでも国内線の需要減退に伴い、減便や機材小型化で対応するようになりました。国内屈指の大幹線である羽田ー新千歳線を中心に、「これでもか」と言わんとばかりの供給減は、新型コロナウイルスが世間に大きな影響をもたらしていることの1つの象徴とも感じられます。

我が地元の秋田空港発着便でも、ANAの羽田ー秋田線が3月13日から1往復減便の措置が取られ、需要が減少していることが分かります。JALも同様に羽田線と伊丹線を減便する措置をとっており、この状況が長引かないことを願うばかりです。

航空ファンたるものフリーライダーではいけません。飛行機が飛ばなければ、趣味を行うことができないからです。航空会社が破綻などという事態になってしまっては元も子もない、空席が目立つ便に乗って少しでも席埋めに貢献しようではないかというわけで、秋田ー羽田線に往復で搭乗することにしました。機内での感染リスクについても様々意見が分かれるところではありますが、私が選んだ便、座席は少なくとも他人と半径2m以上は余裕で離れることができるほどに空席だらけの便ですので、あまり気にしすぎるほどでもないと判断し、決行しました。

搭乗40分前に滑走路の脇にいる限界ヲタク

今回は、初めて自宅から秋田空港まで一人で車を運転し、羽田空港まで往復し、再び一人で帰るという行程でした。秋田空港へは、公共交通機関はリムジンバスのみの乗り入れですので、車がなければバスか徒歩()の2択となってしまうのですが、昨年ようやく普通自動車免許を取得したので、一層フットワークが軽くなりました。

早速、それを生かして羽田空港からやってくる搭乗機をRWY28のアプローチライトの下から撮ってやろうと暫く待ち伏せしていたのですが、Flightrader24に映るその機影は反対側のRWY10に向かっている様子を示しています。ここにいても仕方がありません。いそいそとここを後にし空港へと向かいました。

2020/3/14 RJSK ANA A321-211 JA112A NH405 from Tokyo HND

先程の場所から車で5分、秋田空港の駐車場で搭乗機を無事撮影しました。空港へ向かう前にしっかり風向きと使用滑走路でも調べておけば良かったのですが、間に合ったので結果オーライです。今回の搭乗機はAirbus A321-211(JA112A)。秋田ー羽田線では散々お世話になっているA321ceoです。

未搭乗の機体が来なかったので、私の搭乗欲も減少してしまいました。この日新しく開通した道路でもドライブして帰ろうかとも思ってしまったのですが、今回の目的はとにかく座席を埋めるのに貢献すですので、気の迷いを断ち切って空港ターミナルへと向かいました。

閑散とした空港内

自動チェックイン機で紙の搭乗券を発行し、早速保安検査場へと向かいました。この日は土曜日ということもあって、普段も人は少なめではあると思いますが、バイアスがかかっているのか、心なしかターミナル館内にも人がかなり少ない印象を受けました。出発30分前の時点で保安検査場に並んでいる他の方の姿はなく、すぐに保安検査を通過することができました。

保安検査場を通過し、搭乗を待ちました。出発便がなかった隣の搭乗口の前から、搭乗便の搭乗口の方を見渡しても、全く混雑している様子がありません。たいていの場合、ベンチの数に限りがあるため、壁の脇に立って搭乗を待つ方の姿も多いのですが、この日に関しては全ての方がベンチに腰掛けて搭乗を待つことができるほど余裕がありました。このような光景を全く見ることがないかと言われると嘘になりますが、このような状況がどの便でも発生していると考えるとさすがに心配になってしまいます。

違和感のある座席周り

出発25分前の15:25頃には早くも搭乗開始となりました。最後の方に搭乗して客層などを観察していたのですが、服装からは何とも言えない方が多く、取り敢えず必要最低限の移動を余儀なくされている方ばかりなのかな、と推察されました。

タイトル通り、今回往路はプレミアムクラスを抑えました。出発前日まで8席全てが空席のままだったので、もし乗るとすればこの便だなと目星をつけていたのですが、最終的には私以外にもうお一方いらっしゃり、貸し切りとはなりませんでした。

座席前のシートポケットには、アナウンス通り機内誌等は撤去されており、安全のしおりとエチケット袋のみが用意されていました。ヘッドフォンと持ち帰り可能なスリッパは撤去の対象にならなかったようで、なんとか「プレミアムクラス」の体裁だけは保たれていました。

搭乗後早速CAさんが挨拶にやって来られるのですが、新聞のサービスは無し、また、秋田ー羽田線のような飛行時間の短い路線では、事前にドリンクのオーダーをとられるわけですが、プレミアムクラスのドリンクメニューが記載されたリーフレットも撤去されていたため、「お水やコーラ、お酒ですと…」といった具合に口頭で説明されていた姿も印象的でした。

撤去と言えば、プレミアムクラスでは予め座席に用意されているブランケットも撤去されていました。座席に着いたときに感じた違和感の原因はこれだったかもしれません。ブランケットを寄せて席に着くというルーティンワークが消えるだけで違和感を覚える程度にはANAに乗っているんだなあと、感慨深くなりました(笑)

正の効果か?定刻よりも早く出発

私が最後の方に搭乗したのは15:33でした。それから3分後の15:36には早くもドアが閉まりました。定刻は15:50ですので、出発時刻の10分以上も前にドアが閉まるということになりました。通路が1本のナローボディー機としてはなかなかのことではないかと思います。ANAの運航状況を確認すると、実際の出発時刻は定刻よりも10分早い15:40でした。CAさんからも早発できたことに関してお礼のアナウンスが入りました。これまで300回程飛行機に乗ってきて、記録を付けている250回程のフライトの中で、定刻よりも10分以上早発となったのは、これが2回目となりました。

乗客が少ないということは、それだけ搭乗や荷物の搭載に時間がかからないことを意味しており、定刻通りに出発しやすいという正の側面もあるようです。もっとも、いくら定刻通りの運航をしても乗客が少ないと意味がないのですが…

秋田空港からの離陸は15:48でした。定刻よりも早く出発するだけでなく、離陸時刻さえも定刻より早いというのですから笑ってしまいます。上空には雲があるものの空は明るい秋田市内を右手に上昇、すぐに左へと旋回して一路山形上空を目指します。

左へ旋回してすぐに雲に突っ込み、雲を抜けるとその上にはさらに雲、雲が何層にも分かれて浮かんでいる様子が見て取れました。もう一層の雲の上まで上昇するのかと思いきや、そこまで上昇せず、15:56に巡航高度の20,000feetでレベルオフとなりました。

20,000feetまで上昇した付近でガタガタ揺れましたが、それが収まるとベルトサインも消灯となりました。出発までの過程は普段と異なる雰囲気が出まくっていましたが、フライトそのものは普段と何ら変わりません。

プレミアムクラスのサービスは簡略化

ベルトサインが消えるとプレミアムクラスでは軽食がサーブされました。普通席では飲み物のサービスを含めて中止となっているようですが、プレミアムクラスでそれをやってしまうと、とうとう値段と不釣り合いになってしまうため最低限必要であろうと思われるサービスは維持されているようです。

15:50発17:00着の便ですので、プレミアムクラスのサービスとしては、食事ではなく軽食「Premium SABO」が提供されます。SABOっていつもこんな感じでしたっけ、というのも、普段プレミアムクラスに搭乗する際は、食事提供の時間帯の便に乗ることが殆どで、軽食提供の時間帯に搭乗するのは数える程しかないのです。普段とサービスの違いなどをお伝えすることができれば良かったのですが、これでは比較のしようがありません。

飲み物は、上述の通り種類が限られており、例のマンゴージュースを頼むことができなかったため、コーラにしました。聞くところによると、500mlのボトルごと出てくるという情報もTwitterで確認し、こればかりは普段よりお得なのではないか?と思ったのですが、通常通りカップに入れられた状態でサーブされました。

メインとなる軽食のボックスの中身はこのような感じ。メインのサンドイッチにサラダとトマトドレッシングが綺麗に並べられていました。特に、右上の「苺とモッツァレラ トマトドレッシング」は、甘さも控えめで、残ったドレッシングをサンドイッチにつけて食べるというのも悪くなかったですよ。限られた飛行時間の中で、サーブされたものをいかにアレンジして食べるか、ということもプレミアムクラスの中では重要になってくるのではないかと思われます。

食事提供のPremium GOZENと軽食提供のPremium SABOでは、茶菓子がつくか否かでも違いがあります。SABOでは食事の量が少ない代わりに茶菓子がつきます。沖縄発着路線をはじめとする長距離国内線や相当空腹で命に関わるといった方は機内で消費してしまうかもしれないこちらの茶菓子ですが、たいていの方は持ち帰るようで、持ち帰り用の袋をいつもいただいていた記憶があります。

今回は、豆菓子ということで自宅に持ち帰り家族に渡しました。バリバリ食べていたのできっと美味しくいただいたものと思います。

最後に「いつもの」水をいただきました。こちらの水はもうお馴染みですが、常時何本機内にストックされているのか気になるほどよく出てきます。CAさんに聞く程のこともありませんので、ご存知の方がいらっしゃいましたら後でこっそり教えてください

終始雲の中のフライト

サービスの縮小はあるにせよ、それなりのサービスが提供されていた機内ですが、窓の外はいつ見ても雲しか見えませんでした。山形上空を通過中に機長からアナウンスが入り、ひたすら雲の中の飛行となり揺れること、羽田空港の到着スポットは504番、天候は雨で3度であると伝えられました。そのアナウンス通りの天候の中、羽田空港へ向けて飛行している状況です。時々強めに揺れることもありましたが、今回はかろうじて機内食に味噌汁やスープといった、こぼれたらやけどを負ってしまう液体がなかったのが助かりました。

結局この日は終始景色を見ることなく巡航を終え、巡航高度も20,000feet→18,000feet→16,000feetと安定せず、揺れとの戦いのようなフライトになってしまいました。巡航中もここまで揺れるとなると、新型コロナウイルスの有無に関わらず普通席のドリンクサービスは中止となっていたかもしれません。

機内でも手洗いを徹底

食後にもしっかり手を洗いましょうということで最前方のラバトリーへ出向きました。A321に搭乗する時は、機内が混雑していることが多く、あまりラバトリーへ入ったことがないのですが、青が基調となってANAらしさ()があふれる内装になっていました。白い方が清潔感はありますが、同時に汚れも目立ってしまいますので、青、紺といったものの方がその点アドバンテージがあるのかもしれません。

最近の飛行機らしく蛇口も自動となっているA321のラバトリー、衛生面もかんっっっっっっぺきであります。(山形元機長風に)

雨の羽田空港へ着陸

上述の通り巡航中は一度も雲から抜けず、東京湾上空でフラップを出すところまで高度を下げても全く何も見えないフライトとなってしまいました。

16:19に茨城県大子町上空付近でベルトサインが点灯となり、それ以降揺れのためCAさんを含め離席禁止の指示が出されていたようで、それ以降は時折強めに揺れながら、ひたすら雲の中を降下するというフライトが続きました。秋田の天候が良かったため天気予報など全く気にせずやって来たのですが、飛行日和とは言えない日に乗りに来てしまったとやや後悔しました。

Flightrader24に映し出された機影が羽田空港のD滑走路にだいぶ近づいてきた付近でようやく雲を抜け、D滑走路の島が見え始めました。それと同時に、コックピットから「ピピッピピッ」とオートパイロットが解除された警告音が聞こえました。A321では前方席、少なくともプレミアムクラスの区画に座っていると着陸前にこの音を聞くことができます。

雨で視界が悪くなっているため、滑走路の灯火が付いているD滑走路をオーバーパスするとすぐに着陸です。

16:45、羽田空港RWY34Rに着陸しました。飛行時間は57分でした。C11誘導路で滑走路をバケートしてスポットへと向かいます。視界が悪いため、羽田空港から都心の建物群は微かに見える程度、中央防波堤のクレーンがかろうじてはっきり見える程度です。

ボーディングステーション初体験

飛行中のアナウンスでは到着スポットが504番であると伝えられていました。天気の悪い時に限ってオープンスポットとは勘弁してくれ…と思っていたのですが、504番スポットは「ただの」オープンスポットではありません

504番スポットにはご覧の通り「ボーディングステーション」が併設されています。このタイミングで初めての利用となるとは思いませんでしたが、今回が初めての利用となりました。先日紹介したサテライトと同時期に供用開始となったボーディングステーション、羽田空港の東地区貨物エリアに複数設置されており、基本的にANAの小型機やADO、SNA便で使用されているものですが、ご丁寧に1つのスポットにボーディングブリッジは2本取り付けられており、777や787といった機体にも対応しているようです。

504番スポットへは16:48の到着、ボーディングステーション内の写真を撮りたかったので1番に降機しました。遠目に見るとこじんまりとしているように見えるボーディングステーションですが、内部は比較的広く、踊り場のスペースも広くとられているのが印象的でした。

サテライトやボーディングステーションの設置は、このような悪天候時に快適に乗降することができたり、バリアフリーに貢献したりといったメリットがあります。羽田空港でもターミナルの増設などによって、沖合展開事業前と比較するとボーディングブリッジから直接搭乗することができる便数が格段に増加しましたが、これらの設置によってそれらのメリットがさらに高められるようになったのは言うまでもありません。

以上のようにサテライトやボーディングステーションはメリットばかりなのかと言うと必ずしもそうではなく、最後に「バス乗車」が待っていることはやはりデメリットです。特に、通路側席に座っており、ボーディングブリッジ付きのスポットに着いたのかと思っていると最終的にバスだったなんて酷いオチじゃないですか(笑)

航空ファンからすれば、めったに走ることができないエプロンを走り回って普段見ることができないアングルから飛行機を見ることもメリットではあるのですが、到着からターミナルまで時間がかかるのはやはり若干ストレスを感じるものです。今回は到着時刻が16:48でしたが、バスがボーディングステーションから発車したのはそれから5分程してから、ターミナルへ到着したころには定刻の17:00を過ぎていました。

仕事がないのは飛行機も一緒…

バスの車内からは、オープンスポットで翼を休める飛行機の姿が目立ちました。早朝や最終便到着後の時間帯であればまだしも、夕方の5時で777やA350といった幹線の主力機材が何機も留め置かれている光景はやはり違和感を感じざるを得ませんでした。

東地区貨物エリアの401~403番スポットには777が3機、地上支援車両なしで駐機していました。777としては、ジャンボの引退後、ANAの国内線機材最大のキャパシティーを生かして幹線中心で大活躍、また、ここ数年は度重なる787のエンジントラブルの際にもその穴埋めで大活躍した実績もあるため、良く捉えればつかの間の休息と言える今回の事案ではありますが、一方であまりにも運休や減便が長続きすると真っ先に稼働していない大型機が整理の対象となってしまうため、突然のリストラがないことを願うばかりです。

早着便が目立つ到着便表示

というわけで到着ロビーへと到着しました。我がANA408便は12分の早着、他の便も軒並み殆どが早着で、中には20分近く早着している便もあるほどです。

職場が変わる飛行機

2020/3/14 RJTT ANA 767-381ER JA626A NH595 to Matsuyama

この日はすぐに秋田へ折り返す予定でしたので、少しだけデッキへ上がって飛行機見物でもしようと思っていたのですが、予想以上に雨が強かったためすぐに撤収。丁度よく国内線の応援に入っていたB6WLが出発していくところでしたので、これだけ撮影して再び館内に戻りました。

国際線の大幅減便に伴い、仕事を失った国際線機材が最近国内線で良く運航されているようで、国内線機材として運航してもそん色のないA320neoや国内線機材よりも座席数が70席程少ない767-300ERが地方路線によく投入されています。普段は朝晩の関西線でしか第2ターミナルのスポットに入っている姿を見ることができないこれらの機体ですが、夕方の時間帯に見ることができることもイレギュラー運航が続く今の時期を象徴する出来事ですね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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