寒暖差への挑戦!初搭乗羽田発深夜便で行くシンガポール(NH843便 羽田ーシンガポール線搭乗記)

搭乗記2020

国際線ターミナルへ移動

秋田空港からANA410便で羽田空港へ到着しました。今回の最終目的地はシンガポールですので、第2ターミナルから国際線ターミナルへと移動しました。羽田空港のターミナル間移動は、無料の循環バス、東京モノレール、京浜急行、タクシー、徒歩(お勧めはしません)など様々ありますが、今回は何となく京急をチョイスしました。無料で移動することができる循環バスでの移動が一般的ですが、たまにはブルジョア移動をしてもいいだろうということで、京急に課金しました。

デッキに上がるも搭乗機がいない…

国際線ターミナル到着後、早速デッキへと向かいました。今回搭乗するANA843便がアサインされていた搭乗口は109番。デッキからも飛行機を撮影することができる搭乗口です。しかし、22:00頃にデッキへ向かうとまだ他の787が駐機中でした。既にボーディングブリッジが外され、トーイングトラクターが接続されているため、もうすぐ我が搭乗機が入ってくるのだろうと想像はできましたが、少なくとも移動されてくる787の姿は他に見えず、この写真を撮ってターミナル館内へと戻りました。

まもなく改称「国際線ターミナル」から初出国

ターミナル4階から3階へと降りるエスカレーターから、チェックインカウンターを望みます。

幾度となく通ったこのエスカレーターから見るチェックインカウンターの様子も見慣れたものがありますが、今回は羽田空港から初めての出国ということで、今回このチェックインカウンターも初めて利用することになりました。2010年10月に開業し、今年で早くも開業から10年が経つ羽田空港の国際線ターミナル、今年3月からは名称が第3ターミナルへ変更されることとなっており、最後の最後に「羽田空港の国際線ターミナル」から出発することができ、良かったです。

羽田空港から初出国ということで、この保安検査場を利用するのも初めてです。勿論普段は用事がないため、なんとなくチェックインカウンターの奥の方にあったよなあ…と進んでみるとやはり発見しました。

おかげさまで(?)ANAのプラチナステータスを保有しているため、保安検査場は優先保安検査場を利用することができました。ANAのステータス会員の中では、ダイヤモンド、プラチナ、SFC会員とそれぞれ同行者1名までが利用可能とのことです。

今回は、卒業旅行という名目でのシンガポール訪問だったのですが、シンガポールまでは現地集合となっており、羽田空港からは私と友人1名が向かうことになっていました。制限エリア内で落ち合おうという話になっていたのですが、保安検査場の列に並んでいる間に遭遇することに成功しました。私よりも搭乗のプロであるその友人は、今回はJAL便で移動、ANA、JAL共にステータスホルダーであるため、優先保安検査場も使い放題です。

制限エリア内も楽しい国際線ターミナル

無事に保安検査場を通過し、出国完了。様々お店を巡ったり、ベンチでおしゃべりをして時間を潰しました。

初潜入の場所故、見るものすべてが新鮮に映ったのですが、最も新鮮に映ったのはこちらです。トイレの空き表示をトイレの外に掲げているこの掲示板、なかなかいい発想だと思います。トイレの中に入って確認することも勿論可能ではありますが、入る前から空き状況が分かるというトイレはなかなかありません。流石に日本を代表する空港です。そういえば、飛行機のトイレは空き状況が逐一分かるようになっていますよね。この点からヒントを得たのかもしれません。

今回は潜入しませんでしたが、勿論ANA SUITE LOUNGE、ANA LOUNGEも完備されています。国際線のラウンジでは、特にシャワールームの混雑が激しいことで有名ですが、今回は秋田出発前に自宅のお風呂に浸かってきたため特に用事はありません(笑)

用事はないとは言いつつ、エスカレーターで1階上がってラウンジの前までやってきました。ラウンジの窓からちらっと見えたシャワールームの空き表示を見ると「満室」と出ていました。日付が変わる時間帯ともなると、シャワーの需要もかなり多そうです。

修行層御用達の路線同士で受け継がれる843便

友人の搭乗するJAL35便は0:05発、搭乗開始は23:35でしたので先に友人と別れ、私も109番搭乗口へと向かいました。0:30発、これまでにも日付を跨ぐフライトへは何度か搭乗したことはありますが、出発時刻としては最も早いフライト記録更新です。

国内線同様、国際線でも搭乗グループ別に搭乗が案内されます。羽田空港発便ということで日本人のステータスホルダーも多いのか、ダイヤモンドメンバーが該当となるグループ1番の列にも10名以上の方が並んでいました。グループ1番でそれですから、グループ2番の状況は言うまでもありません。

今回搭乗するANA843便、この便名は2014年3月の羽田空港国際線増便時に羽田―シンガポール線の便名として採用されて現在に至っています。この843便、歴史を辿ると、以前は羽田ー大島線の便名に採用されており、ANAの上級会員になる修行を行う修行僧によく利用される路線同士で受け継がれている便名であると言えます

ANAの高需要東南アジア路線のエース、787-9へ搭乗

0:00頃に改札を通過し、一旦エスカレーターでボーディングブリッジの高さの位置まで降りました。

デッキから搭乗機を撮影することができなかったため、エスカレーターの脇にあった窓から機首の部分だけでも撮影してみたのですが、どうにも撮影しづらかったですね。搭乗機の写真は意地でも撮りたいというコアなファンの方は、デッキでの撮影をお勧めしたいです。因みに今回の搭乗機はBoeing 787-9、JA923Aでした。

エコノミークラスの中では人権確保

そして座席に着きました。今回はエコノミークラスの31Kです。夜通し飛行するフライトということもあり、横になることができればいいというのが本音ですが、毎回毎回アッパークラスの航空券を購入することもできませんし、アップグレードが叶うこともありません(笑)

エコノミークラスですと、自分の席を含めて、横並びの3席または4席が丸ごと空席であれば、ひじ掛けを全て上げて「エコノミーベッド」なるものを作ることも可能です。今回搭乗している787-9は、3-3-3の9アブレストですので、窓側席でかつ並びで3席空席となっている席をシートマップを何度も見て探していたのですが、最終的には中間席のみが空席の席しか空かず、並びで独占することはできませんでした。今回は粘りに粘って、中間席が空席の座席を確保しました。ANAではかつて、737-700において、「Premium Economy Asia」のサービスを実施しており、3-3の普通席のうち、中間席をブロックしてPYクラス扱いしていました。よって、3人掛けの座席で中間席が空席であれば実質PYも同然です!()

新型コロナウイルス関連で需要がやや減少しているのでは?と予想していたのですが、搭乗日(2月9日)の時点ではそのようなことはなく、普通席もかなり混雑している様子でした。

座席は、殆どの搭乗が国内線である私にとってはあまり見慣れない、背面がこのタイプのもの。

今回搭乗のJA923Aは、2019年の夏に導入され、この時点ではANAの787-9の中では最も新しい機体でした。2019年には、ANAでは国際線機材の拡充、機内設備の更新が行われており、従来の機材とは異なる座席を搭載した777-300ER、787-10、A380-800が就航しました。JA923Aは、それらと同時期、あるいは後に導入された機体であるため、エコノミークラスシートくらいはそれらと同様の新仕様の物を積んでいるのでは…と淡い期待を抱いていたのですが、リモコンの仕様からその期待は砕け散りました。IFEは我がPanasonic社製の物が採用されています。

エコノミークラスでも、このように足置きが装備されているのは国際線機材らしさがありますね。

また、シートポケットには、国内線の普通席ではとうに事前の備え付けが廃止されたヘッドホンもスタンバイ。国内線の普通席で最後に提供されていたヘッドホンですので、懐かしいですね。

深夜の移動と言えば…

早々と搭乗してしまったため、出発までにはまだ時間があります。時間潰しにモニターで短い番組を視聴することにしました。9月にホノルルへ行った際にもお世話になったバラエティー番組「水曜どうでしょう」が今回もラインナップされていたので、モニターを弄ってそれをチョイス。じっくり眺めることにしました。

「水曜どうでしょう」と言えば、様々な企画で有名ですが、レギュラー放送時に行われていた人気企画「東京→札幌サイコロの旅」が有名ですよね。私もNetFlixで何周もしました()

もはや説明の必要もないとは思いますが、この「サイコロの旅」では、深夜バスで過酷な移動をするというのが定番となっていました。現在では、快適性と高級感を重視した深夜バスも多数運行されているようですが、番組放送時の90年代はまだ一般的な内装の深夜バスしか走っておらず、新宿から博多といった長距離を10時間以上の時間をかけて移動するというのが恒例の「ネタ」として放送されていました。

今回は、深夜便かつ、シンガポールまで7時間ほどの飛行となりますが、エコノミークラスでの移動ということで、深夜バスで大変な思いをされてきた「どうでしょう班」リスペクトの精神でフライトを乗り切ろうという気持ちになったのは言うまでもありません。

深夜もにぎわう羽田空港から出発

0:25、定刻よりも早くドアクローズとなり、0:37にプッシュバックとなりました。

羽田空港の0時代は、国際線の出発ラッシュの時間帯であり、ANA便だけでもロサンゼルス、バンコク、クアラルンプール、フランクフルト、香港、そしてシンガポールと世界の主要都市へ国際線が出発します。24時間空港ということで、元々「眠らない空港」ではありますが、深夜の一部時間帯を除いて出発便、到着便を捌く国際線ターミナルを後にして、滑走路へと向かいました。

9月にホノルルへ向かった際は、夜間のフライトとなる往路でビジネスクラスにアップグレードしていただいたのですが、それでもよく寝ることはできませんでした。今回は、深夜便ということに加え、フラットにならないエコノミークラスですので、全く寝ることができるとは思っていませんでした。それでも時間が時間だけあり、出発直後はやや睡魔に襲われていたのですが、この表示を見て眠気が飛んで行ってしまいました。「残りの飛行時間 7:00」寝てしまえばすぐなのですが、やはり7時間って長いですよね。国内線に慣れ切った体にとっては4時間オーバーのフライトはまだまだ慣れません。

機内は早くもおやすみモードへ

ANAの深夜発便に搭乗するのはこれが2回目で、前回は夏季限定で羽田ー那覇線で運航されていた「ギャラクシーフライト」でした。私が搭乗した時のギャラクシーフライトは22:55発でしたが、離陸後巡航に入るまでは機内照明は明るいままだったのですが、今回は滑走路に向かっている間に機内の照明が消されました。天井は787らしいLEDの暖かそうな照明を残して消灯、いかにも「さっさと寝ろ」と言われているような雰囲気が出ていますが、これで寝ることができたら苦労しないのです…(笑)

日中時間帯は楽しめそうなタキシングルート

羽田空港では深夜時間帯、極力騒音を抑えるため原則的に使用することができる滑走路がC滑走路とD滑走路に限定されています。今回は、北風運用かつ羽田空港離陸後西へ向かうシンガポール線であるため、D滑走路からの離陸となります。なお、北風運用時は、日中も離陸はC滑走路とD滑走路を使用するため、深夜時間帯と大差がないというのが実際のところです。

109番スポットからD滑走路までのタキシングルートは以上の通りです。格納庫の真横など日中は窓から見える景色をたくさん写真に収めることができるルートですが、生憎夜間ということで写真は撮れませんでした。このルートでの移動は、A滑走路の横断というネックがありますが、深夜時間帯、A滑走路は基本的に使用されないため、横断もラクチンです。

離陸~上昇

2020/2/9 NH843 離陸

0:57、離陸しました。一足先にシンガポールへと向かう、友人の搭乗機(JAL35便)を追いかけます。通常D滑走路からの離陸の際には、離陸後すぐに大きく右に旋回するのですが、深夜時間帯は、「極力東京湾の上空で高度を稼いでから先に進めよ」というわけで、暫く滑走路方位のまま上昇し、その後右に旋回するという航路がとられているようでした。

離陸後しばらくは揺れのない上昇が続きましたが、東京湾上空で右旋回をして機首を西へ向け始めたところから強めの揺れが続きました。強く揺れると睡魔も飛んで行ってしまいますよね…

離陸の時点で既に時刻は1:00近く、普段通りの生活であれば既にお布団にくるまって寝ている時間帯ですが、ここはブランケットしかない飛行機の椅子の上。全く状況が異なります。何となく眠いような気もするのですが、目を閉じてみてもなかなか寝ることはできません。

離陸から少し経ち、三浦半島を横断したところで、残りの飛行距離は5533kmと出ています。先はまだまだ長いです…

離陸後にも物資の供給があるものの…

出発後にサーブされたのは飲み物とこちらのスナック類。離陸の時点で1:00ということですので、勿論ガッツリとした食事は不要なのですが、このスナック類も正直要らないかな、というのが実際のところかもしれません(笑)

機内で食べることはなく、シンガポール到着後に友人に全て提供しました。

万全なトイレ事情

通路側の31Hに座ってらっしゃる方がトイレに立ったタイミングを見計らって、こちらもトイレへ行くことにしました。飛行時間が長い国際線では、「トイレに立つ」ということさえにも気を遣わなければならないため大変です。かといってトイレ事情のために窓側席を捨てることもできないため、このようなトイレ運用をせざるを得ないのです。

利用したのはR3ドア付近のトイレでした。エコノミークラス区画にあるトイレですが、ウォシュレットが付いていました。以前中距離仕様の787-9に搭乗した際にも、エコノミークラス区画のトイレにウォシュレットはついていたのですが、マスキングテープのようなものが貼られており、使用できませんでした。今回はそのような遮るものもなく、しっかり使用することができました。777-300ERでも、「THE Room」仕様機は分かりませんが、それ以外の機体であれば、エコノミークラス区画のトイレにウォシュレットはついていない記憶がありますので、ウォシュレットヲタクの方は、787への搭乗をお勧めします。

ひたすら眠れない巡航

巡航中は相変わらず寝ることができない時間が続きました。日本時間の5:00頃(シンガポール時間の4:00)にはもう寝るのを諦め、映画なり窓の外を見るなりして、時間が過ぎ去るのを待ちました。

私はこのように寝ることができていませんが、基本的に殆どの方は睡眠に勤しんでおられるようで、ところどころイビキも聞こえてきました。そのような中、カメラでパシャパシャ写真を撮影するのもよろしくないため、ひたすらぼーっと時が過ぎるのを待つのみでした。

ただ、一度だけ、お月様が綺麗に見えていたので写真を撮りました。機内は完全に消灯されており、機内の明かりが反射することはないのですが、機外もお月様を除いて真っ暗ですので、大した写真を撮ることはできませんでした…(笑)まあ、機内から見る満月はなかなか素敵でしたよ。

到着2時間前に朝ごはん

日本時間の5:30頃に機内が明るくなりました。それからすぐ、朝食がサーブされました。

朝食のメニューは以下の通りです。

・白身魚の照り焼き ・ポテトサラダ ・海老 ・スモークチキンのマリネ ・フレッシュハーブ ・刻み柚子 ・ミックスリーフ ・イタリアンドレッシング ・フルーツ

言うまでもなく和食と洋食の2つから選択することができる機内食ですが、日本発便であれば和食を選んだ方が良いのではないか、というのが私の持論です。これから暫く和食とおさらばする生活が続きますし、和食の質も日本発便であれば保障されているも同然ですからね。

今回のメインは一応白身魚ということのようですが、それも含めて全体的においしくいただきました。エコノミークラスの機内食であれば、普段口にしているような食材がそのまま出てきますので、「何を食べているのか理解した状態で食事をする」という至極真っ当なことができるのでありがたいですね。

この後、日本時間の7:00には、コックピットからアナウンスが入り、あと50分で着陸すること、15分後に降下開始となること、シンガポールの天候は晴れの26度であることが伝えられました。2月で26度とは、流石赤道がすぐそこの国です。

着陸~チャンギ到着

2020/2/9 NH843 着陸

チャンギ空港の着陸滑走路はRWY02L。チャンギ空港には02L-20R、02C-20Cの2本の滑走路があり、ANAが使用するターミナル2へは後者の方が近いのですが、今回は遠い方のRWY02Lがアサインされたようでした。

着陸前には、前回訪問時同様、海に浮かぶたくさんの船舶が見られた他、東の空が徐々に明るくなっている様子も伺うことができました。着陸時刻はシンガポール時間の6:50でしたが、この時間でも地上はまだ薄暗い状態です。2月上旬ですと、沖縄でも7時頃はまだ暗いですよね。それと同じ感覚です。

7:04、チャンギ空港ターミナル2のF34番スポットに到着しました。チャンギ空港に着陸してから徐々に曇り始めた窓は、スポットインする頃にはこのような状態になっていました。これでは外の様子を確認することは殆どできません…

普段なら最後の方にのんびりと降機するところですが、今回は国際線ということで、入国審査やら様々面倒な手続きが待っています。一足先にシンガポールへ向かっていた友人のJAL35便もタキシング中に姿を確認しましたので、さっさと降りて友人と合流できるよう尽力しました()

降機後、ボーディングブリッジの脇から、ここまでお世話になったJA923Aを撮影して到着ロビーへ向かいました。羽田空港では綺麗に撮影することができなかったので、こちらで「証拠程度に」ちゃんと撮ることができ、良かったです(笑)

この後このJA923Aは、4時間ほどのステイを経て、再び羽田空港へと折り返します。羽田線と成田線が両方就航している空港では、羽田からやってきた機体を成田へ、或いはその反対の運用を組む場合もあるようですが、シンガポールでは原則羽田から来た機体は羽田へ、成田から来た機体は成田へ戻すというスケジュールとなっているようです。

チャンギ空港へ訪れるのは、今回が2回目です。勿論ターミナル館内についての知識は乏しいので、取り敢えず「Arrival」の掲示が掲げられている方向へと突き進みます。荷物も少ないため、早歩きでいそいそと入国審査へと向かっていたのですが、途中、到着便案内表示のモニターに気づき、写真を撮りました。備考欄が真っ赤に染まっているため、「例のウイルスのせいで欠航便が多いんだなあ…」と思ってみていましたが、よく見ると、赤く表示されている部分には「Landed」と表示されているだけです。日本の空港の要領で考えてしまった結果、大きな勘違いをしてしまいました(笑)

我がANA843便は、左側のモニター、エアカナダの便名で表示されています。日本発便のためか、備考欄にも「着陸済」と表示されていますね。

この後は、入国審査、ターンテーブルと通過して、無事に友人と合流したのでした。前回訪れたときは、入国審査にだいぶ時間がかかった記憶がありますが、今回は待ち時間も殆どなく、スムーズに通過することができました。飛行機から降りたら、足早に入国審査へと向かうのが一番ですね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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