現実に引き戻される羽田空港
ホノルルからA380搭乗を無事に果たし成田空港へ戻ってきましたが、この日の最終目的地は秋田です。成田空港から秋田空港までの直行便は”なぜか”存在しないため、一旦鉄道で羽田空港へ向かい、締めの1フライトへ臨むことになります。
成田空港からは、成田スカイアクセス線経由のアクセス特急(京急線内はエアポート急行)に乗車。電車に揺られること約90分、羽田空港へとやってきました。成田空港とは異なり羽田空港はどホームですので、フライトが控えているとはいえ、気分は高揚するどころか落ち着きさえ感じさせてくれます。
今回搭乗するのは18:10発のANA407便です。羽田空港に到着したのは出発の1時間ほど前でした。余裕で荷物を預け、保安検査場を通過して…と目論んでいたのですが、プレミアムチェックインカウンターには予想に反し長蛇の列が出来上がっていました。どうやら熊本県の阿蘇山が噴火したようで、熊本空港行の便が欠航になっており、その振替などで混雑していたのかもしれません。
そんな大混雑のカウンターで荷物を預け終わり、制限エリアへ。同行の父にも強制的に青汁を摂取させて青汁ツインタワーの完成です。生憎国内線のANA Loungeではおつまみを除いて個体が用意されていないため、実質青汁が最もランクの高い飲食物となっています。(感想には個人差があります)
大幹線、伊丹線に搭乗口で勝る
使用機到着遅れのため出発時刻が5分遅れるという情報をラウンジで得たため、出発時刻の25分前、17:50までラウンジでまったり青汁を摂取して搭乗口へ向かいました。今回アサインされた搭乗口は66番、使用機がA321であることを考えると良心的な搭乗口です。
一方こちらは65番搭乗口に掲げられていた案内のモニター。天下の伊丹空港行が65番搭乗口から69番搭乗口に変更になったという旨の案内を堂々と表示しています。なんだか滑稽でしたので1枚撮ってしまいました。本当に69番搭乗口って誰得なのでしょうか、しいて言えばC滑走路、RWY34Rの最寄りの搭乗口というポジションではありますが、人が歩くよりも飛行機で動いた方が早そうですし、特にメリットはあまりなさそうです。当日悲惨な搭乗口変更を食らってしまった方にはなんだか申し訳ありませんが、69番搭乗口までの歩行でだいぶ足回りも鍛えられたのではないでしょうか()
そして、伊丹空港行39便にアサインされた搭乗口よりも保安検査場に近い66番搭乗口へとやってきました。普通席も混雑しているということでさっさと乗ってしまおうの精神、誰も並んでいなかったグループ2番優先搭乗のレーンに陣取って搭乗開始のアナウンスを待ちました。
地元へ向かう便ですと、どうしても地元の著名人が乗っていないかなどを搭乗口の付近で探してしまうのですが、このフライトでは特にそれらしき姿はなく、少々がっかりであります。一体何を期待して飛行機に乗っているのか分かりませんが、一周回ってしまうとこのような楽しみ方をし始めるのが限界ヲタクなのかもしれません。
2レグ連続でエアバス機の機内へ潜入
18:00、アサインした25Aの席にたどり着きました。優先搭乗の有資格者は大体前方席に収まってしまいますので、後方の区画では私が一番乗り。少しの時間ですが、綺麗なキャビンを写真に収めることができます。2016年にデビューしたANAのA321-200、今年で導入から3年が経過しますが、だいぶキャビンにも目が慣れてきましたね。機内の照明にはLEDが用いられており、新しい機内を一層綺麗に見せてくれます。
25Aの席はL3ドアのすぐ後ろにある席です。しかし、非常口座席ではなく、ドアとの間にはこのような仕切りの壁が設置されています。所謂バルクヘッド席ですので、足元も他の席と比較すると広めにとられています。非常口座席ではないため、緊急時の援助は要請されませんが、足元に荷物を置くことはできません。これは、他のバルクヘッド席でも同様です。今回は殆どの荷物を預けてしまっていたため、膝の上、ないしは座席と体の間に挟めるだけで収納完了です。
25Aの席からの眺めはこのような感じ。真下は主翼に景色が遮られないため、写真を撮ったり景色を眺めるには支障がありません。
搭乗機の紹介がまだでしたね。今回の搭乗機はA321-211、JA114Aです。ウイングレットの内側にANAのロゴが入っているか否かでA321ceoかA321neoかの見分けをつけることができます。もっとも、機内に入ってしまえば、それよりも座席前のパーソナルモニターの有無で先に見分けがついてしまいますが(笑)
ANAのA321-200は15機が活躍しており、そのうちの4機がA321ceoとなっています。今となってはA321ceoを引き当てる方が確立的には難しいのですが、9月はこれまで4回A321に搭乗し、3回がA321ceoという状況、なんだか理論が崩壊していますが気にしないようにしましょう。
18:13にドアが閉まり、18:21に機首を南に向けてプッシュバック開始となりました。新たに設定された出発時刻の18:15よりは早めにドアが閉まりましたが、プッシュバックまでは暫く待たされてしまいましたね。
66番スポットはターミナルの角に位置しているため、他の飛行機と干渉してしまうケースが多いのか、比較的プッシュバックを待たされる印象が強いです。単に私の運がないだけかもしれませんが…
大都会東京の夜景
この時の羽田空港は北風運用。北へ向かう便はC滑走路、RWY34Rからの離陸となります。今回はC2誘導路から滑走路に入りました。
羽田空港周辺は航空機の離発着に支障が出てしまう程の高い建造物がないため、遠くまで視界が開けています。お台場をはじめとする東京臨海部エリアやその先の東京タワー、都心のビル群が見放題です。羽田空港からは様々な景色を眺めることができますが、私はこの景色が一番好きかもしれません。飛行機からでしか見ることができないアングルという優越感と、滑走路の照明と夜景がマッチしていて綺麗というありきたりな理由ですが、世の中そんなもんです。
18:34、羽田空港RWY34Rから離陸となりました。A321にしては元気のいい離陸でぐんぐん上昇していきました。が、すぐに右に旋回するため、エンジンの推力も下げなければなりません。露骨にエンジン音が小さくなったのがなんだか可愛らしくて良かったです(笑)
写真に見えているのはB滑走路。北風運用時には基本的に使用しないため、この運用の際には滑走路は羽田空港に4本あるうちの3本で運用することになります。2020年3月から羽田空港の滑走路の運用方法、飛行コースが変更となりますが、北風運用時は滑走路の運用自体の変更はないようで、B滑走路はやはり暇を持て余してしまうことになるようです。
暇を持て余すといえば、滑走路の脇で照明に照らされている飛行機たちが複数見えます。確証はありませんが、おそらくあの飛行機たちは商売道具のエンジンを取り外されて暇を持て余しているボーイング787であることに違いありません。
右旋回中は、進行方向左側に東京都心の夜景が広がります。凄まじい街明かりのお陰で、カメラのシャッタースピードも十分。ブレることなく綺麗な写真をお届けできることに一役買ってもらっています。
カタカタと揺れが続く巡航
18:40、関宿ポイントの東付近を飛行中にベルトサインが消えました。機内アナウンスでは、所々揺れながらの飛行となると伝えられました。もう9月も下旬に入っていますが、台風なども断続的にやってきており、なかなか気流が安定しない日本の空です。
宇都宮の東付近で巡航高度の21,000feetに達したシップは水平飛行を開始しました。この付近からカタカタと揺れ始め、街の明かりも雲に遮られ見えなくなりました。後方からはANA75便のB777が迫ってきており、デットヒートを繰り広げている様子が、フライトレーダーを通して分かりました(笑)
18:51にはコックピットからのアナウンスが入りました。福島上空、高度21,000feetを飛行中。到着予定時刻19:25、目的地天候:晴れ16度ということが伝えられました。半袖でも余裕だったホノルルとは一転、20度にも満たない気温を提供してくれる我が地元に少しだけ失望してしまいました()
飲み物が来ないままベルトサイン点灯
バルクヘッド席ということで、テーブルはインアームドテーブルが採用されています。早速シートポケットに入っていた安全のしおりと記念撮影です。綺麗に収まるように安全のしおりを力づくで曲げました!とは言いません。機内備品を乱暴に扱うわけにはいきませんからね。バルクヘッド席のシートポケットに入っている安全のしおりは、最もポケットの手前に入れられているためか、ポケットの縁にあたる部分で曲がってしまっているのです。
こうしてテーブルを出してドリンクサービスを待っていたのですが、結局ドリンクサービスが来ないまま19:08にベルトサイン点灯、着陸態勢に入りました。後で父に聞くと、”欲しい人だけに配るって言ってたぞ”と言われました。完全に聞き逃していましたね。
巡航中はそこまで揺れたわけでもなく、極めて普通のフライトでしたが、飛行時間が短いという理由でドリンクサービスがなかったのはこの路線では初めての気がします。
3日ぶりに秋田へ帰還
羽田空港から北へ向かう便からは殆ど夜景を楽しむことはできません。景色が見えないわけではないのですが、やはり国内の主要都市が続く太平洋側とは異なり、山がちな地形であるため、都市がポツポツと点在しているにすぎないのです。というわけで機内からの撮影業務も手がつきません。
着陸のシーンだけは動画を撮りました。CFM56のエンジンヲタクの皆さんだけでもお楽しみください。
19:19、秋田空港RWY28に着陸しました。
飛行時間は46分でした。飛行機はT4誘導路で滑走路をバケート、ターミナルへと向かいました。1レグ前は7時間を超える飛行時間のフライトをこなしてきただけあって、1時間未満のフライトはあっという間に終わってしまいました。東京から秋田までは直線距離でも450km離れていますが、長距離国際線をこなしてきた身からすると屁でもありません。東京から秋田は近いのです。
19:24、秋田空港は3番スポットに到着しました。ブロックタイムは1時間3分、9分遅れをもっての到着となりました。今回はたくさんの荷物をターンテーブルで回収するという作業が残っていますので、最後の方に降機しました。
荷物をピックアップして到着ロビーへ、見慣れたなまはげのお顔と若干写り込んでいる秋田犬のぬいぐるみが帰国、帰秋を歓迎してくれています()
現在の日本の時間は19:30頃、ホノルル時間ですと9月18日の24:30となります。この日は日本時間の2時から起床し、飛行機撮影に勤しんでいたため、稼働時間は既に17時間を超えています。私の自宅は秋田市北部にあり、ここから車で30分ほどのドライブを遂行してようやく稼働時間終了となるわけです。なんだかんだで最終的には20時間ほど連続で起きているということになりそうだなあ…と思い到着ロビーを後にしました。
最後に送迎デッキからお世話になったA321、JA114Aを撮影して秋田空港を後にしました。
この9月はANAの羽田―秋田線には、基本的にA321しか投入されておらず、選択の余地がなかったと言えばそれまでですが、A321がいなければ、今回のホノルル紀行のうち、エピローグとプロローグがなくなってしまうという状況になりかねませんでしたので、A321には感謝しています。最後の締めがまったくもって意味不明ですが、今回の搭乗記はこれにて終了です。最後までお読みいただきありがとうございました。
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