予定が合えば積極的に乗りたい国際線機材
誰にでもあるあるなことだとは思いますが、突然関空へ行くことになりました。「せっかく関空へ行くなら国際線機材に乗るべ」というのが正しい反応です。今回の目的地は羽田空港、ANAの関西ー羽田線には国際線機材が一部便で充当されているのは界隈では有名な話で、羽田発の93便と関空発の98便が国際線機材で運航されます。(※2018年冬ダイヤ当時。2020年夏ダイヤ以降も93便と98便に国際線機材が充当されています)
国際線機材に乗る醍醐味は、普通席の運賃で国際線の上級クラスの座席に座ること。関西ー羽田線に使用されている国際線機材である767-300ERではビジネスクラスとエコノミークラスの2クラス仕様ですが、普通に国際線で購入すれば片道10万円はするビジネスクラスの座席に1万円程で乗れてしまうわけですから逃さない手はありません。(※2020年夏ダイヤでは、787-8とA320neoが使用される予定)
というわけで早速関西発のANA98便を予約、と機種を見るとお目当ての767ではなくA320と表示されていました。10月末からの冬ダイヤ以降、この路線に767は充当されず、A320に機種が変更されているのを失念していました。まあA320とは言えども国際線機材は国際線機材。あまりまだ乗ったことがない機体でもあったので良しとしましょう。格安ビジネスクラスの旅はかないませんでしたが、ANAの最新鋭国際線機材で行く羽田への旅、始まりです。(※2018年12月当時はANAの国際線機材の中でA320が最新鋭でした)
関空に上陸
今回はJRで関空へやってきました。普段は南海を利用して「関空の島」に上陸、脱出することが多いのですが、JRの利用は初めてだったように思います。関空を訪れるのは、2018年では2回目。通算でもまだ6回目ということで、まだターミナル館内には疎い状態です。
関空はターミナル屋上にデッキが設置されていないため、搭乗機の写真は制限エリアに入ってからでなければ、まともに撮影することができません。早速保安検査を通過しANAFESTAで食料を買い込み、アサインされた18番ゲートへと向かいました。関空は国際線も国内線も一部のLCCを除いて第1ターミナルから出発しますが、ターミナル中央が国内線、両端が国際線という配置になっています。(2020年現在もこのような配置となっていますが、国内線エリアと国際線エリアの配置が今後改められるようです)
18番ゲートにたどり着くと既にスポットには飛行機が青島から到着しており、ゲートの電光掲示板には出発便案内が表示されていました。
関西ー羽田線は国際線から(国際線へ)の乗り継ぎも意識されており、ANAと共にスターアライアンスに加盟する航空会社とのコードシェア便として運航されます。このANA98便はニュージーランド航空、タイ国際航空、吉祥航空、山東航空、深圳航空とのコードシェア便だそうです。2レターコードさえも怪しい中国の航空会社の便名が3つも付されているのはさすが関西線と言ったところですね。
ANA近距離国際線のホープにご対面
今回の搭乗機はA320-271N(JA213A)です。中国路線を中心に活躍するANAの国際線機材の中では唯一の単通路(ナローボディー)機で、2016年から導入が始まったばかりの機材です。ANAのA320自体は1991年から導入が始まり、派生型を考慮しなければ、30年近くに渡って運航が続けられている機材です。
これまで関空発着のANA国際線は、需要の大きな上海線や香港線などは767、それ以外の路線では内際兼用機の737-700での運航となっていましたが、737-700は内際兼用とあって、個人用モニターはビジネスクラスのみ、機内Wi-Fiも無しという状態でした。路線によるサービスの格差が大きく生じてしまうため、A320neoでは、それらの課題をしっかりと克服した仕様で導入され、737-700をリプレースしていきました。私は2017年に一度搭乗していましたが、国際線機材ということでなかなか搭乗機会に恵まれず、これが2回目の搭乗となりました。
やや混雑するも定刻よりも早く出発
搭乗時刻は20:48。大阪ー東京線の中でもビジネス需要が大きな伊丹発着路線では大名行列ばりの優先搭乗の行列ができている光景が日常茶飯事となっていますが、関空発着路線ではそのようなことはなく、優先搭乗が制度として機能しています。もっともこの日は三連休の中日ということもあり普段以上に優先搭乗対象客が少なかったことは想像に難くありません。
今回の座席は翼の後方22K、チェックインをした時点で隣の2席は空席でしたが、結局それら2席は埋まってしまい人権が飛んでいきました。
20:57にドアクローズの後、プッシュバックは定刻よりも6分早い20:59、ヘディングノースで押し出されました。ANAのA320neoお自慢のPW1127G-JMエンジンが特徴的な音を響かせながら始動するのが聞こえてきます。バイパス比が大きなエンジンと言えばB777-300ERやB777-200LRに装備されているGE90-115Bエンジンが筆頭に挙げられますが、音としてはこちらに近い印象を受けます。エンジンスタートの時が一番乗っていて楽しい時間帯かもしれません。
出発直後からモニターに食らいつくオタク
前述の通り国際線機材のA320neo、普通席には個人用モニターは勿論、USBポートも装備されておりバッテリー残量が僅かだった携帯電話もフライト中に楽々充電することができました。今後は国内線機材にも順次USBポートや一部機種には個人用モニターも備え付けられるようになるということで、機内での過ごし方もこれから一層変わってくるように思います。
出発の時点からモニターに前方カメラの映像を映し出すことも可能、前方カメラは胴体下部に取り付けられているため、離着陸時などは迫力のある映像を楽しむことができます。
関空の夜景を見ながら離陸
離陸は21:09、A滑走路のRWY24Lからでした。基本的に離陸はA滑走路、着陸はB滑走路に分けられて運用されている関空ですが、第1ターミナルからB滑走路の端までなんて行きたくないですよね。
離陸後は綺麗にライトアップ(この表現が適切かどうかはわかりませんが)された関空の様子をよく見渡すことができました。建物のライトと滑走路や誘導路の灯火はライトの色が異なるため、夜でもその色からどこに何があるかは容易に推測することができます。
恐らく出発方式はKANSAI ONE Departureで、大阪湾上空をしばらく南進した後右旋回して関空上空を通過する経路を飛んでいきます。関空の真上を通過するため、かなり俯瞰しないと関空を見ることはできません。
雲上の暇なフライト
国際線機材が国内線で使用される際にはWi-Fi搭載機であってもネットへ接続することができません。しかし、ネットに繋いだところで見るのはFlightrader24だけですので、「これ」さえあればネット接続も不要です。というわけでモニターにはマップを表示させました。羽田までの直線コースが点線で示されていますが、このように飛ぶことはありません。
実際のルートはFlightrader24のスクリーンショットのようにクネクネとしているのがわかります。基本は航空路通りに飛ぶように計画が作成されますが、周囲の航空機の状況や気象状況などで航空路通りに飛ばないことも多々あります。
21:16にはベルトサインが消え、ドリンクサービスも開始されました。特に撮るものもないので安全のしおりと綾鷹のツーショットをもらいました。安全のしおりは勿論A320用なのですが、しおりに付されたA320はシャークレット付き、即ちA320neoが採用されています。従来仕様のA320ceoも、座席のタイプのみが異なるだけで、基本的な構造は同一であるため、同じものが搭載されていました。
何も見えないまま降下開始
関空から羽田まではフライト後半は太平洋上空を飛行します。天気が良ければ左側の窓からは東海地方の夜景なども楽しむことができたのかもしれませんが、あいにく右側からは何も見ることができません。この日は航路上の下には雲がべったりと張り付いており、どちらの窓からも雲しか見ることができませんでした…(笑)
離陸後33分の21:42に大島上空を通過したシップは既に巡航高度の29,000feetから降下を開始、スポイラーを使って一気に4,000feetまで降下しました。他に撮るものもないので出発前に配られた毛布を使って機内の光の反射を抑えつつ取り敢えず翼を撮ります。これが毛布の正しい使い方ですね。
出発前に羽田空港の天候を一切調べずに搭乗してしまったのですが、高度的に羽田への着陸はRWY34LかRWY34Rのどちらかだろうとは見当がつきました。大島上空を過ぎてから房総半島沖をぐるりと囲むように飛行して千葉県鴨川市上空から房総半島上空へ、そこからは真っ直ぐ羽田空港へアプローチです。降下中は雲に捕まりやや揺れました。エアバスのナローボディ機の揺れ方はあまり好きじゃありません。
21:48にベルトサインが点灯、着陸態勢に入りました。30分程はベルトサインを消したままのフライトができたようです。
房総半島上空は4,100feetで水平飛行し21:58に木更津上空へ、ここでようやく雲の下に出ました。
ここまでくれば羽田空港はもう少しです。再びフラップを展開し着陸に備えます。
着陸前のモニター操作をお忘れなく
木更津から滑走路に正対した飛行機は真っ直ぐ羽田空港へ向けて降下を続けます。マップを見ていなくとも東京湾アクアラインの見え方で第1ターミナル側、A滑走路のRWY34Lに着陸するか、第2ターミナル側、C滑走路のRWY34Rに着陸するか大体判断することができます。
今回はCっぽいな、、とモニターのチャンネルを機外カメラに合わせてみるとその通りC滑走路が目の前に映し出されていました。こうしてみると滑走路って本当に明るいんですねえ。滑走路のすぐ脇にも並行して誘導路があるのですが、そちら側の灯火は殆ど見えません。滑走路と誘導路ってやっぱり間違えようがないですよねえ!!(最大限の煽り)
因みにこの時点で時刻は22:02、到着時刻は22:15ですから早着がほぼ確定です。
オープンスポットからA320を見上げよう
というわけで22:03、羽田空港RWY34Rに着陸。飛行時間は54分でした。その後はC7、E7、Rの各誘導路を経由して84番スポットへ向かいました。22時以降の到着かつ、翌朝再び関空へ出発する機体にも関わらずオープンスポットへの到着とは意外でしたがまあこんなもんでしょう。
羽田空港では到着してくる飛行機を誘導するマーシャラーさんの活躍の場が少なくなってきています。ボーディングブリッジのスポットではVDGSと呼ばれる機械が誘導してくれるためです。(この名前よく忘れるのでまたネットを検索してしまいました)
84番スポットは前述の通りボーディングブリッジが無いスポットですから数少ない羽田空港で働くマーシャラーの姿を拝むことができるスポット、と言うわけで写真を撮っておきました。ちょうど停止の合図を送っているところですね。羽田空港のような主要空港ではVDGSが普及していますが、地方空港ではまだまだマーシャラーさんが大活躍されていますので、地方空港を訪れた際には注目すべきポイントの1つかもしれません。
羽田空港への到着時刻は22:07。8分の早着でした。この時間帯になると出発機の数が少なくなるためエンルートで混雑に巻き込まれなければ大体早着するような気がします。このJA213Aもこの日はこのフライトで業務終了、翌朝再び関空へと向かい、本業である国際線の運航に充当されることになります。
前述の通り、到着した84番スポットはオープンスポットですので、ここからターミナルまではバス移動です。オープンスポットの醍醐味はグラウンドレベルから飛行機を撮影することですよね。その小柄な機体に不釣り合いである大きなPW1127G-JMエンジンも真近にみることができました。
2016年に、ANAに初めて導入されたA320neoが就航前準備で格納庫に入っていた時、工場見学で機体の近くを通ったのですが、その時と同じくらい近くに寄ることができるのでこのバス移動、嫌いではありません。
バスでプチ羽田見学ツアーをすること数分で到着ロビーへ到着。荷物をピックアップして制限エリアから脱出しました。偏西風の恩恵を受けたためか、西日本からやってくる便はこの日は軒並み早着だったようです。まさに冬と言ったところですね。
この後はコインロッカーに預けていた荷物をさらにピックアップして帰路へついたわけですが、PASMOの残高不足で鍵のロッカーを使用してしまったのが災いしてしまいました。というのも、コインが引っかかってしまったようで鍵が開かないのです。結局係の方に来ていただいて開封の儀となりました。終電まで余裕があったので良かったのですが、23時代の到着便でこのような状況には巻き込まれたくはないですよね。しっかりPASMOにチャージしてコインロッカーは利用したいです…
A320neoは、羽田―関西線、成田ー中部線、関西ー福岡、那覇線で定期的に搭乗することができるため、つかの間の国際線気分を味わってみてはいかがでしょうか。(純国内線機材のA321neoと大して変わらないというのは内緒です)
最後までお読みいただきありがとうございました。
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