2018年11月16日 仙台空港から777に乗る(ANA740便 仙台ー伊丹線搭乗記)

搭乗記2018

国内線を777で制覇します

仙台空港は言わずと知れた、東北地方の空港の中では最も利用者数が多い空港です。2018年の利用者数は3,579,622人(国土交通省)と、全国で10番目の規模を誇ります。そこまで利用者数が多い空港であれば、就航する飛行機もさぞかし大きいのではないか思いきや、実際のところそうではありません。秋田空港にもよくやって来る、Boeing 767が、基本的に就航する飛行機の中では最大の機体となります。

そんな仙台空港ですが、ここ数年、11月と12月の上旬には大型機であるBoeing 777が就航しています。修学旅行の需要に対応するためのものと思われますが、流石100万人の人口を抱える大都会、学校数も多いのでしょう。2018年の11月~12月も、1ヶ月以上に渡って定期的に777がやって来ることになっていました。

2018年10月28日〜11月30日版のANA時刻表。仙台ー伊丹線は、時刻表上では、4便あるジェット運航便は全てワイドボディー機がアサインされていた。

できるだけたくさんの路線で777に乗ることが目標の私、仙台にいるうちに仙台空港発着路線で777に乗っておきたいというわけで、用事を作って伊丹空港へ向かうことにしました。

まずはデッキでお出迎えです

今回チョイスしたのは18:55発のANA740便、伊丹空港行きです。搭乗機の到着に合わせて空港へ移動したかったため、17:30頃に仙台駅を出発しました。

仙台駅発の電車は夕刻の帰宅ラッシュの時間帯にも重なり、やや混雑していました。時間帯によっては途中駅から乗り切れない程の需要がある仙台空港アクセス線、両数の増加や列車の増発など対応が必要な気がしてなりません。

2018/11/16 RJSS Peach Aviation Airbus A320-214 JA815P APJ418 from New Chitose
2018/11/16 RJSS J-Air Embraer E190 JA249J JAL2212 to Osaka ITM

仙台空港到着後は早速デッキへと向かいました。仙台空港は便数が多いため時刻表を把握していないのですが、18:00頃の時間帯は2機の飛行機がおり、それに加えてピーチのA320がちょうどやってきました。

2018/11/16 RJSS All Nippon Airways Boeing 777-281ER JA708A ANA737 from Osaka ITM

そしてお待ちかね、我が搭乗機の777が、ANA737便として伊丹空港からやってきました。737便なのに777、このギャップです777の派生型である、777-200LRや777-300ERに搭載されているゼネラルエレクトリック製、GE90-115Bエンジンの直径は737の胴体の直径とほぼ同じなのです。まあこれは界隈では有名な話ですよね。

もちろんこの便も修学旅行の団体様が乗っていらしたようで、伊丹空港からは満席で飛んできたようです。2本のボーディングブリッジが接続されるところを見届けてデッキを後にしました。

Xコンッから制限エリアへ

ターミナル2階に下りて、保安検査場へと向かいました。仙台空港の保安検査場に掲げられていたパタパタ式の案内板が2018年10月末に役目を終え、こちらの液晶パネルにその任を譲ることになりました。

11月現在では暫定的なものが用意されており、この先も使われ続けることはないだろうとは思っていたのですが、どうやらこの先も使い続けるようで、一向に変えられる気配がありません。

今回搭乗するANA740便は、仙台ー伊丹線の最終便です。JAL2214便と同時刻発ということで、大手2社間での競争があることがわかります。この日は、2214便の方が25分遅れていたようですが…

保安検査場を抜けると目と鼻の先にあるのがこちら。アサインされた5番搭乗口です。近くで便利、セブンイレ(以下自主規制)

搭乗口の出発便案内もかつてはパタパタが使用されていたのですが、こちらも保安検査場に合わせて液晶パネル化されたようです。こちらの方が近代的ですね。特に、パタパタですと日本語と英語の2ヶ国語のみの表記にしか対応することができないことからも、液晶パネルの方が機能性に優れます。

駅の発着案内などで韓国語や中国語の表記に否定的な意見が時々散見されますが、あの程度なら文句を言わなくてもいいと思います。羽田空港や駅などでアルバイトをされた経験がある方は共感していただけるかと思いますが、韓国や中国から訪れる方は多いですよね。人で案内できる範囲にも限りがあります。

出発時刻は18:55。搭乗開始時刻まで20分ほど時間があったので、一旦ラウンジへ引っ込むことにしました。時間帯的には、これから私が搭乗する伊丹行きと19:10発の福岡行きのお客さんでほとんどが占められているであろうANAラウンジですが、凄い人でした(笑)

金曜日の夜ということで、出張帰りの方が多いのだとは思われますが、座席を確保するのが大変な仙台空港ラウンジは初めてでした。ラウンジ奥にあるソファータイプの席をなんとか確保し、お茶を一杯すすりました。しかし、ゆったり寛ぐには程遠い環境であったため、これだけ飲んですぐに撤収しました。

仙台空港から777で出発です

出発時刻の15分前、18:40より優先搭乗が始まりました。金曜日、仙台ー伊丹線の最終便という条件が重なって20〜30名程の方が優先搭乗で乗り込んで行かれたのが印象的でした。私もその最後に続いて機内へと入って行きました。もっとも、この便は21席あるプレミアムクラスも残席が僅かとなっていたため、上級会員として優先搭乗の資格を持つ方がどれほどいたのかは予想できません

搭乗時刻は18:44、座席は中央やや後ろよりの29Kです。当初は7Aを指定していましたが、周りが混雑していたため変更しました。ANAの777-200ですと、混み合ってくると出発前に29H〜Kから31H〜Kの9席が開放されるのですが、今回は29列目のみの開放だったようで、30列目と31列目は空席のままでした。

18:55、定刻通りにドアが閉まり、18:56にプッシュバック開始となりました。離陸滑走路はRWY27のようで、機首を東に向けて停止です。

夜仕様の仙台空港、中心で光り輝いているのは先程まで飛行機を撮影していた展望デッキです。仙台空港の現在のターミナルは1997年に開業したものですが、当時は展望デッキはありませんでした。それから10年ほど経ったのち展望デッキが新設されたため、イルミネーションの設置も容易に行うことができたのでしょう。既存のデッキに後付けするのは個人的には大変なように思います。

大都会仙台の夜景を見ながら離陸

2018/11/16 NH740 離陸

離陸は19:05でした。夜間なので撮影は動画にて行いました。離陸後すぐに広がる大都会仙台の夜景は、なかなか美しかったですよ。おススメです。

街明かりの撮影は厳しいです……

仙台空港を離陸した飛行機は、一路伊丹空港を目指します。(当然です)仙台から大阪を直線で結ぶとわかるように、この路線は陸地上空を飛行はするものの、そのほとんどが山の上を飛行することになります。そのため夜間はほとんど景色を見ることができません。

時々街の灯りが見えはするのですが、首都圏、中京圏や関西圏ほどの灯りがないとなかなか撮影しづらいものがあります。フライト前半はボケーっとFlightraderを眺めながら、のんびりとした時間を過ごしました。

離陸後11分の19:16にベルトサインは消灯。19:28にはコックピットからアナウンスが入り、巡航高度30,000feetを飛行中であること、気流が不安定な中を飛行するため所々揺れること、19:45より降下開始となること、着陸予定時刻20:10、到着予定時刻20:15、到着予定スポットは5番、目的地天候は曇りの15度ということが伝えられました。

細かなアナウンスだなあと感じたことに加え、到着予定時刻が定刻よりも10分早まるということですから、家路を急ぎたい出張系フライヤーの方にとっては良い知らせだったに違いありません。

19:33、飛行機は南アルプス上空付近を飛行中。見えている灯りは恐らく長野県松本か上田あたりのものであるように思うのですが、確証は持てません。雲の影響で街の灯りが隠れてしまっているところもあるため、確実に「ここです」と伝えることができないのが残念なところです。

この付近でそこそこ機体が揺れ始め、巡航高度を一旦下げることになりました。周囲を飛行する他の飛行機も軒並み20,000feet台で飛行していたことから、当然の流れと言えます。

特に、羽田発熊本行きのANA649便なんかは20,000feetで飛行していましたからね、30,000feet台だけでなく、40,000feetの方まであまり推奨されなかったのかもしれません。そちらの機種は767でしたから、上がろうと思えば40,000feet以上まで上がれそうですけどね…

まもなく 名古屋です

19:41、「5分後に降下開始」とアナウンスが入り、その通り19:45頃から26,000feetより降下開始となりました。19:49に愛知県知多半島南端にあるKOHWAポイントを通過し、あとは羽田ー伊丹線と同じように飛行して伊丹空港まで向かうことになります。

この辺では岡崎平野と濃尾平野の超明るい夜景を写真に収めることができそうだと期待していたのですが、あいにく雲に阻まれてしまいました。そして、セントレアの姿は全く見ることができませんでした……

日中の羽田ー伊丹線はよく乗りますが、夜間には乗った経験がありません。よく考えたらセントレアを夜間上から眺めたことは無いのです。また今度見ることができたらいいなと思います。

伊勢湾横断しました

19:57、伊勢湾上空を横断し、志摩半島上空へとやってきました。再び雲を抜け、名古屋方面を望みます。日中に伊丹空港へ向かう際にはもっと北の方を飛行するように思うのですが、21:00の伊丹空港の門限を前に、到着機のラッシュを迎えているのでしょう。フライトレーダーで確認すると機首を南へ南へ振られている様子が伺えました。先行機も同様の対応がとられているようです。

19:53にベルトサインが点灯し、着陸態勢に入りましたが、その後「伊丹空港上空混雑のため、奈良上空でホールドの指示が出た」とアナウンスが入りました。ホールドという言葉を使うことで上空待機とすぐにわかることができるのは航空界隈限界ヲタクだけなのでは??と思いましたが、上空待機という直接の言葉に言い換えられなくとも、それに近い意味合いで使われているということに関しては想像することができた方も多いように思います。

ともかく、奈良上空で5分ほどの上空待機をするそうです。

門限は破れません…

19:59に一旦ベルトサインが消え、奈良盆地の東側でぐるりと一周、その後20:08に奈良盆地の上空に差し掛かった頃で再びベルトサインが点灯しました。

この伊丹空港門限間際の時間帯に伊丹空港へ着陸するのは初めてですので、この上空待機を食らうのも初めてだったのですが、ホールディングパターンを1周しただけで着陸進入許可が下りたのは意外でしたね。便によってはもっと何周かしているイメージでしたので、この程度であれば大したこともないように思います。ただ、天候が悪く、日中から便が全体的に遅延気味の日であれば、門限の21:00というのがかなり気がかりになってしまうように思います。伊丹空港に無事到着するのと、関空に島流しにされてしまうのでは大違いですからね。

flightrader24より搭乗便の航跡。伊勢湾上空付近から変針、上空待機の指示が続いていることが分かる。

今回はまだ20:08、21時まではまだかなりの余裕があります。上空待機中も「あ、他のヒコーキみっけ!」などと余裕をぶっこいていました

20:13、生駒山を超えて大阪平野へと入って行きました。

日中ももちろん市街地上空を低高度でアプローチするため迫力がありますが、夜間になるとそれに加えて美しさポイントが増します。日本で2番目の都市圏である関西圏、人口もかなり密集しており、日本国内で飛行機から見ることができる夜景としてはトップと言ってもいいのではないでしょうか。

当初座席7Aを抑えていたのは、この夜景をしっかり撮影したいという目的があったからでした。エンジンの手前で撮影がしやすいであろうということと、伊丹空港へ着陸する際は、進行方向左側から大阪城、梅田のビル群、あべのハルカスが見えるため、それらのものを撮りたかったのです。結局混雑と無縁になりたいということで、こちらに逃げてきてしまったのですが、それでもまあ楽しむことはできたと思います。次回は絶対進行方向左側で夜景をお届けできるように頑張りたいです。

2018/11/16 NH740 着陸

着陸までのシーンもやはり動画で。大阪平野の夜景は言うまでもなく圧巻です。

無事に「伊丹空港」へ到着です

そんなこんなで夜景に見とれているとあっという間に飛行機は伊丹空港へと着陸しました。着陸時刻は20:18、飛行時間は1時間13分でした。上空待機がなければあと10分は早く着陸できたように思いますが、それでもこの時間であれば定刻の20:25には余裕で間に合いそうです。

W-8誘導路で滑走路をバケートした飛行機はA滑走路を横断、C-3、E-3の誘導路を経由して11番スポットへと向かいました。到着スポットは5番と言われていた気がしますが、変わったのでしょう。こちらの方が到着ロビーに近いためありがたいです。

20:22、伊丹空港11番スポットに到着しました。ブロックタイムは1時間25分でした。そして定刻よりも3分早い到着となりました。定時運航へ協力することができ、嬉しい限りです!!

到着機がやってくる西の空を見てみると、続々と飛行機が向かってきている様子が分かります。伊丹空港の門限はお伝えの通り、また、皆さんご存知の通り21:00です。それに間にあわせるべく必死になってアプローチしてくる雰囲気が伝わります。到着済みの身からすると高みの見物、着陸さえすればあとはこっちのもんというわけですね(笑)

ここまでお世話になったJA708Aに心の中でお礼を言って降機します。11番スポットはフィンガーの先にあるため、そこそこ到着ロビーまで距離があるのですが、5番スポットよりはマシですね。勿論JA708Aも本日の業務全て終了です。

この日のJA708Aは、関空ー羽田ー伊丹ー那覇ー伊丹ー仙台ー伊丹の6フライトをこなしたそうです。通常であれば最後の仙台往復のところが羽田往復となるのですが、その需要に応えるため変更となったようです。因みに羽田往復のところはA321が担当した模様、金曜日の夕方の伊丹ー羽田線がA321で間に合ったのかどうか、そちらも気になるところです。

そんなこんなで到着ロビーへ。伊丹空港へやってくるのは6月以来5ヶ月ぶりとなりました。基本的に日中時間帯に到着するのが常ですので、この時間帯にやってきたのは初めてでした。

到着便案内板には、日本各地から最終便が集結してくることが見て取れます。運用時間の21:00に間に合うよう余裕を持って、20:40着のJAL139便が最終便となっていますが、勿論全て定刻通りに運航するのは不可能です。特に20:25に到着する便なんて5便もありますが、滑走路が2本しかない空港でそれはもちろん不可能です。

伊丹空港へ夜到着する便に関しては、いかに早く出発できるかが上空待機を食らって遅延するか否かを決める大事な要素となりますので、利用する際はせっせと搭乗して定刻よりも早く出発できるよう頑張りましょう。

夜伊丹最高です

安定の大阪着後ノープランな私、することがないのでとりあえずデッキへ上がってみました。夜の伊丹空港のデッキ、これまた新鮮です。何名か他の方もいらっしゃいましたが、日中と比較すると閑散としていました。快適です。

空港の運用時間は21:00までですが、こちらのデッキは22:00まで営業しているようですので、夜中のデートなどには最適なのではないでしょうか?

夜に来るとまた良いものですね。ライトアップされた空港というのは素敵な夜景として広く世間に認知されています。山の中の地方空港では物足りない部分もありますが、伊丹空港のように街中にある空港ですと、空港の照明とその先に広がる大阪市内の照明が相まって一層素敵な夜景を演出してくれるように思います。

飛行機の写真なのに飛行機について一切触れないとなるとまずいので多少ご紹介。手前の10番スポットに入っているのは、成田空港からのANA2179便、777-300ER、その隣9番スポットには737-800、さらにお隣8番スポットには羽田からのANA39便、A321、その奥7番スポットには777-200が駐機しています。夜の伊丹空港は大型機も多く、エプロンを見ていても楽しいですね

2018/11/16 RJOO All Nippon Airways 777-381 JA754A ANA41 from Tokyo HND

反対側に目を向けると、ちょうど羽田空港からの最終便、ANA41便が到着してきたところでした。1本前であるANA39便が777→A321の運航に変わったため、積み残しを出さないための配慮なのでしょうか、777-300で運航されていました。

現在ANAの羽田ー伊丹線は、朝夕のラッシュを中心に777-200が主力となって運航されていますが、ジャンボが現役で777-300にまだ余裕があった頃は、伊丹空港に夜間駐機する39便、41便はともに777-300で運航されていました。それを考えると需要が減っているのではないかと察してしまうのですが、実際利用者数はそのままに搭乗率が向上しているため、会社としても特に問題がないどころかむしろ有難い状況になっているのかもしれません。

羽田空港からの最終便も到着した伊丹空港、まもなく時刻も21時ということで運用時間が終了です。デッキにいても仕方がないので、本日の宿泊先へと向かうことにしました。翌日もここ伊丹空港から飛ぶ予定となっていたので、さっさと休んで備えることにしました。

最後に

今回は、仙台―伊丹線で777に搭乗しました。大抵の場合、地方空港絡みの777運航便は羽田空港発着路線がメインとなりますが、時々それ以外の路線にアサインされている様子も見受けられます。そのような便を発見するためには、根気強い情報収集が欠かせません。これからも地方路線での777搭乗に精進したいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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