修行層にも優しい乗り継ぎ運賃
秋田空港からANA406便で羽田空港へ到着、続いての目的地は沖縄、那覇空港です。ANAでは、特定の2区間に連続して搭乗する場合、乗り継ぎ運賃を設定しており(※2018年当時は乗継旅割、乗継特割など、2020年現在は、バリュートランジットという呼称で発売)、秋田発羽田経由那覇行きという航空券を発券することが可能です。
この運賃も、早く買えば安く買えるという基本に忠実な運賃設定となっており、直行便が少ない地方空港利用者にとっては重宝する運賃となっています。この時は、8月下旬とは言えども繁忙期の運賃が適用されていたわけですが、それでもこの2区間合わせて運賃は¥15,180。もはや意味が分かりません。(因みにステータス修行僧の方が気になるPP単価は¥8.01です)
この日2度目の保安検査場通過
本来乗り継ぎであれば、経由地の空港で制限エリア内を出ることなく、そのまま次の便の搭乗口へ向かうことも可能です。しかし、今回は羽田空港で90分ほどの乗り継ぎ時間があったため、1度制限エリアを出てデッキへと向かったり、昼食を調達したりしました。その後再び保安検査場を通過しさえすれば全く問題ありません。というわけで、本日2回目の保安検査場通過となりました。
土曜日の午後ともなると、一般の保安検査場も空いているようで、ほぼ待ち時間なく通過することができました。
ネタ① 搭乗口がおかしい
ラウンジでしばらく青汁を飲んだり昼食を食べたりした後、アサインされた69番搭乗口へ向かいました。元々アサインされていたのは63番搭乗口だったのですが、羽田空港へ向かうANA406便搭乗中に搭乗口変更のメールが入り、まさかの69番ゲートへの変更が知らされました。
おかしいですねぇ…
なぜよりによって、満席近い那覇線の777-300に69番搭乗口という、秋田線でも体から謎の液体が湧いてくる程度に拒絶している搭乗口がアサインされてしまったのか…と思ったのは言うまでもありません。普段とは異なる「アトラクション」を用意されると、マンネリ化しつつある羽田ー那覇線も多少は楽しくなりそうです。
それにしても搭乗口前に列をなすこの人だかり。満席近いと言うか、予約上は満席と言うことで514名(+インファント)がこの第2ターミナルの僻地、69番搭乗口に集結しているわけですから非常に滑稽です(笑)
いざ搭乗
14:37、機内へと入りました。今回、座席は42Kをアサインしました。当初は17Kをアサインしていましたが、後方席であれば隣が空くであろうと予想して変更しました。しかし、結局満席ということでどこを取っても同じだったようです。
今回は父と2人での利用ですので、後方の2人掛けの窓側席を予め押さえることができていれば良かったのですが、搭乗2か月前の時点でも飽きがありませんでした。恐るべし夏の羽田ー那覇線です。
14:45、ドアクローズの後、14:48にプッシュバックとなりました。69番スポットの隣の隣、71番スポットまで長々と押し出されてエンジンスタートです。
真夏かつ満席の777で那覇へ向かうということで、主翼の中にある燃料タンクにも腐るほどのジェット燃料が搭載されているのでしょう。主翼が重さでやや下向きに垂れ下がっているように見えます(笑)
ネタ② 離陸滑走路が…
この日の羽田空港は南風運用でした。南西方面への出発便いうことで、A滑走路までのんびり向かうんだろう、と思っていると、飛行機はH誘導路からC誘導路を経由してC10誘導路との交点を右に、右に(大事なので2回言いました)曲がりRWY16Lにline up。隣に父がいて良かったです。ずっと小声で笑っていました(笑)
正直、第2ターミナルからの出発便で、原則RWY16Rから離陸することになる飛行機に乗っていると、心の中で「Cから上げろ!Cから上げろ!」って唱えるじゃないですか。唱えない?私はいつも唱えてます。目の前に滑走路があるのですから、さっさと離陸したいじゃないですか(笑)
ただ、いくら心で唱えたところで、自分の乗った伊丹線や那覇線の飛行機がRWY16Lから上がるということはこれまでありませんでした。今回も「どうせ16Rまで行くんだろ」と思いつつも心で唱えていると、まさかまさかの16Lからの離陸、積年の思いが管制官の方に通じたのかもしれません。
RWY16L離陸後「右へ」旋回
15:02、羽田空港から那覇空港へ向かう飛行機で、RWY16Lから離陸となりました。
line upしながらエンジンの推力を上げており、先行のJALの777に続いてそそくさと離陸しました。
離陸後すぐに反対のA滑走路の方を見ましたが、離陸機はいない模様。これで安心して右旋回できますね!(笑)
一応イレギュラーな運用ではありますが、SIDはRWY16Lから離陸して西方面へ旋回するパターンも用意されているので、当たり前ですが、その点は心配無用です。
離陸後はしばらくランウェイヘディングで直進、その後右旋回といういつも通りの流れ。K側席からは今さっき離陸して来た羽田空港の全景が見えます。C滑走路から離陸して西へ向かっているだけでも別物に見えますね(見えません)
これまで、羽田空港のRWY16Lから離陸して、右に旋回するという経験はなかったように思います。D滑走路運用開始後は、原則離陸後に左旋回する北方面への出発便にアサインされる滑走路でしたし、D滑走路運用開始前の南風運用時は、離陸RWY16R-着陸RWY16Lの場合が殆どでした。時々RWY22が着陸に使用される場合、RWY16Lから離陸するということもありましたが、D滑走路運用開始前にRWY16Lから離陸したのは、秋田線の1度のみです。(百聞は一見に如かずですので、上の図を参照してください)
そこから1分で「横浜」の様子が見えて来ました。中国、四国地方などへ向かう便に使用されるYANAG DEPARTURE(当時)などは横浜上空を飛行するのですが、やや遠くを飛んだ方が全体をよく俯瞰できていいですね。横浜を鍵括弧で強調していますが、横浜に在住していた者からすると横浜というのは横浜市全体を指すのではなく、みなとみらい地区とその周りだけを指す言葉として適当なのではないか、と思いこのようにしました(笑)
湘南を感じつつフラップアップ
15:09、離陸から7分経ち、ようやくフラップが上げられました。飛行機はすでに三浦半島上空を横切ろうかと言うところ。ここまでフラップを出して飛行するのも、なかなか珍しい経験のような気がします。
三浦半島上空を横切ると飛行機は再び右旋回しました。丁度湘南海岸を雲に遮られることなく、綺麗に見ることができました。2018年8月のANAのオーディオプログラムではサザンオールスターズが特集されており、夏、湘南、サザンと3拍子揃って旅情がそそられました。
毎夏のANAのオーディオプログラムはサザンで固定していただきたいです(笑)
富士・富士・富士
某CMでダンスグループの女の人が踊りまくる系、貸金業者のような見出しとなってしまいましたが、15:15にすっかり雪が溶けて地面がむき出しの富士山が見えました。ここまでで離陸から13分です。
6月くらいまでは富士山も冠雪してると思いますので、こちらのほうが珍しいのかもしれませんね。
15:16、静岡県の富士市が見えて来ました。いつも羽田からJYOGA DEPARTURE(当時)のSIDで飛行するときは、どーんとそびえる富士山ばかりに目を取られ、その周辺の景色をあまりまじまじと眺めた記憶がないのですが、今回は富士市の様子がよく見えたので写真を撮ってみました。
写真右上に位置する富士山と、左側に位置する富士川に挟まれた区域が富士市街地。まさに富士尽くしの場所ですね。
777にかかれば何でも綺麗に
15:24、愛知県岡崎平野の東上空で左旋回。機首を南西へと向けました。
主翼をふと見ると、大きくて綺麗な777の主翼を一層魅力的にさせるような物体が覆っていました。これはヴェイパーと呼んでもいいのでしょうか、一応高校では理系だったのですがその辺の知識は一切持ち合わせていないので、何とも申し上げることができません…
さようなら本州
15:27、伊勢湾上空から愛知方面を望む。
この前日、前々日と日本列島を台風20号が縦断し、西日本から東海地方を中心に様々影響が出たようですが、その台風が過ぎ去った後のせいか中部地方の景色は、雲に遮られることなく楽しむことができました。伊勢湾に浮かぶ中部国際空港や、その先には大都会名古屋を有する濃尾平野の様子も見えています。しかし、今日も今日とて上空から眺めるのみ。安定の名古屋飛ばしです(笑)
15:31、飛行機は三重県の熊野灘にそって南下していきました。
丁度紀伊半島名物の真珠、ではなくリアス式海岸を右手に見ることができました。
日本にはこのほかにも、岩手県の三陸海岸や福井県の若狭湾など、複数リアス式海岸が存在しますが、この紀伊半島のリアス式海岸が最も空から眺める機会が多いのでは無いでしょうか。
洋上飛行が続きます
紀伊半島の南を過ぎるとしばらく景色とはおさらばです。この説明も飽きました(笑)
満席の機内に目を向けても殺伐した様子しか目に入らないので、サザンをBGMに機窓を楽しむしかないのですが、特徴的な雲が浮かびまくっていたので撮ってみました。
調べてみると「ひつじ雲」らしき雲であるとのこと。秋の雲と紹介されていました。よく考えれば8月はあと6日で終了、9月に入るんですもんね。外気温から秋の兆しを感じることはできませんでしたが、確実に秋の気配は訪れていたのですね。
フライト終盤は離島ウォッチング
16:29、1時間ほど続いた退屈な洋上飛行も鹿児島の離島チームのお陰で解消されました。まず見えたのは奄美大島。鹿児島の離島の中でも、特に屋久島や種子島は各々の島固有の有名な物のお陰で全国的に名が知れていますが、奄美大島は鹿児島の離島の中では最も人口が多い島。ということで航空便は最も多く運航されているのが特徴ですね。
16:36、続いて徳之島上空を通過しました。やはり判別材料は空港ですよね(笑)
徳之島空港は島の西部に位置しており、鹿児島県内の離島の中では最も早くジェット化された空港です。一時期ジェット便の就航がなくなりますしたが、鹿児島線がJ-Airへ移管されたため再びジェット機が就航するようになりました。
降下~着陸
16:43、ベルトサインが点灯し着陸態勢に入りました。巡航中は、終始対地速度500kts以上で飛行して来た我が777もとうとう減速、巡航高度の34,000feetから降下して那覇空港へ進入して行きました。
17:03、ギアダウン、フラップもダウンで着陸への準備が整いました。フラップのあたりからはヴェイパーを引きずっていたのですが、それをずっと見ていました(笑)
フライトレーダーによると、着陸前の数分は1,250feetで一旦水平飛行していたようです。嘉手納基地の空域の関係で、那覇空港の周辺で高度制限があるのはこちらも有名な話ですが、それに関連したものなのでしょうか、その辺の話にはあまり明るくありません。
17:06、那覇空港RWY18に着陸しました。飛行時間は2時間4分でした。
これは早い部類に入るのでしょうか…夏は高いし混むから、という理由で沖縄へ来るのを避けており、基本的にいつも沖縄、那覇空港を訪れるのは偏西風が強い時期なのです。それと比較すると当然夏場の方が飛行時間が短く済むのですが(笑)
因みに6月にANA475便に乗った際は飛行時間が2時間5分でしたので、意外と普通なのかもしれません。
飛行機はE6誘導路で滑走路をバケートし、32番スポットまで移動しました。
実家のような安心感、那覇空港
17:12、那覇空港の32番スポットに到着しました。ブロックタイムは2時間25分でした。所定のブロックタイムは2時間35分ですので、そこからは10分短縮した形になりますね。羽田空港でかなりショートカットしたのが奏功したといえますね(笑)
羽田空港の出発は12分遅れましたが、到着は2分遅れまでに縮められた点もシビれるオペレーションでした。ありがとうございました。
特に預けた荷物もなかったので、すぐに到着ロビーへ出ました。2018年はこれで4回目となった那覇空港、まったく新鮮味はありません。最後の最後にタイトルとは真逆のことを記して終わるのは褒められたことではないので、今回感じた夏休みシーズンの羽田ー那覇線の印象をまとめたいと思います。
・とにかくお客さんが多い…夏休みに限ったことではありませんが、夏休み期間はこれが常態化しているのでしょう。
・乗り慣れていないお客さんが多い…ベルトサインが消える前から立ち歩いている方が注意されていたのには苦笑いするしかありませんでした。お話を聞きましょう。
・遅れやすい…以上2点を踏まえると当然のことですが、スケジュールには余裕を持ったほうがいいでしょう。
このように、人によってはストレスが溜まりまくるフライトになってしまうかもしれない夏休み期間の羽田ー那覇線ですが、イレギュラーな場面に遭遇し、C滑走路からの離陸を経験することができるかもしれませんので、日頃の行いは良くしておいたほうが良いでしょう(笑)
最後に今回の搭乗機についてご紹介。今回の搭乗記はBoeing 777-381(JA751A)でした。言わずと知れたANAの777-300の初号機です。10年ほど前までは、函館線、小松線や広島線といった高需要地方路線にも就航していたANAの777-300ですが、今はそのキャパシティーをしっかり発揮することができる幹線がメインの運用。これからも繁忙期の羽田ー那覇線には欠かせない存在となりそうです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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