国内線に国際線機材が大量投入中!!~ANA 763編~

ANA

相変わらず国内線応援が続く国際線機材

国際情勢が元に戻らないため、国際線の需要に復調の兆しが見られない中、日本国内の航空会社では、国際線機材を国内線に投入するという運用が相変わらず続けられています。

これまでは、羽田ー関西線や、成田ー伊丹線、中部線というような特定の路線のみで国内線への投入が行われていた国際線機材ですが、現在では、幹線から地方路線まで多くの路線でその投入が行われています。今回は、その中からANAのBoeing 767-300ER(機種コード:763)をピックアップします。

2010年から2012年にかけて投入されたANAのBoeing 767-381ER(国際線仕様)

国際線仕様の767は「ここ」がちがう!! ①機内仕様

ANAでは、国内線仕様と国際線仕様の767を運航しています。飛行時間が長くても3時間台である国内線と、路線によっては10時間近い飛行時間となる路線もある国際線では、同一の機種でも機内仕様が当然異なります。(座席数やギャレー、ラバトリーの数など)

まずはシートマップの違いから見てみましょう。(ANAホームページ 機種・シートマップ より

まずは、国内線仕様の767から。

ご覧のように座席がぎっしりと詰まっています。前方に2-1-2の5アブレストが2列分、10席のプレミアムクラスがあるだけで、その後方には260席の普通席が並べられています。これでも、搭乗率が8割5分になるまで、理論上は2-3-2の7アブレストの内、中間席の真ん中を使用せずに済む(=どの席に座っても、席を1つ跨ぐだけで通路に出ることができる)ということで、国内線機材の中では、快適な機種という称号を手にしています。

それが国際線機材となると、こうなります。前方のビジネスクラス区画、そしてエコノミークラスの区画のアブレストこそ同一ですが、ビジネスクラスは、7列35席も用意されており、主翼の前方までのスペースを存分に活用しています。国内線仕様と国際線仕様で70席も差があるので、ゆとりのある機内であることは目に見えています

装備されているビジネスクラスシートは、「ANA BUSINESS CRADLE」。CRADLEは、「ゆりかご」という意味の英語ですので、それに倣ってゆりかごのような安心感、赤ちゃん時代を思い出して優雅に空の旅を楽しんでほしいというコンセプトの下サービスが提供されています。(どこまでが本当かはご自身でご判断ください)

この座席は、この767と、中距離国際線仕様の787-8、そして国内線仕様の787-8の一部に装備されています。(写真は国内線仕様787-8のプレミアムクラスとして運用されているもの)

そして、この 「ANA BUSINESS CRADLE」 、「763」が国内線で運航する場合は、普通席として販売されます。国際線で乗る場合は、それなりの出費を余儀なくされるビジネスクラスシートへの着席が、国内線の普通席と同じ値段で発売されているというのですから、狙って乗らない手はありません。

国際線仕様の767は「ここ」がちがう!! ②外見

国際線仕様の「763」と、国内線仕様の767-300ER「76P」には、外見でも大きな違いがあります。

まずは、「76P」の主翼先端にご注目。特になんの変哲もない、普通の主翼端です。

一方、「763」の主翼端には、大きなANAロゴが入ったウイングレットが装備されています。

ウイングレットの効果は、ズバリ「燃費向上」にあります。長距離を飛べば飛ぶほど燃費向上の効果が高まるため、ANAでは、国際線仕様かつ比較的最近導入された9機のみに装備されているウイングレットですが、アクセントが加わるだけで、外見上のイメージもだいぶ異なります。同じ767とは思えません(言い過ぎ)

機内から見るもよし、外から見るもよし、このウイングレットを装備した767を愛でるコアなファンが大勢いるのも納得です。

「763」はどの路線で乗れるのか?

11月24日の羽田ー伊丹線の空席状況
羽田16時発のANA33便に「763」の記載がある。

「763」へ搭乗できる路線は、実はそこまで多くありません…

11月末では、羽田ー伊丹線などにちらほらアサインされているのみ、数か月前までは、羽田空港発着の地方路線などでも頻繁に就航していたのですが、最近はやや活動控えめなようです。それでも、上述の「76P」のピンチヒッターとして突発的に投入されることもあるため、空席照会だけでなく、運航状況もモニターしながら「時」を待つのがいいかもしれません。

最後に

今回は、国内線応援に回っている国際線機材として、ANAの767-300ERを紹介しました。この状況がいつまで続くか分からない中、今後もしばらくは国際線機材の国内線投入が頻繁に行われることが予想されます。

767と言えば、巷でのイメージは「最新鋭機」とは程遠いものとなっていますが、この春から開設予定だった羽田ーモスクワ線に抜擢されるなど、まだまだ第一線でしっかり活躍している機種でもあり、「763」に関しては、全機機齢が10年程度という安心感も持ち合わせています。

是非狙って乗りましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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