2021年2月から完全オンライン化… ありがとう!ANA時刻表!

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どうする!?紙の時刻表コレクター

今日、ANAからやや衝撃的なプレスリリースが発表されました。

「冊子の時刻表の製作は、2020年12月1日~2021年1月31日の掲載期間を以て終了し…」

えええ~!!!紙の時刻表終わるんすか!?(マスオさんの声で)

公共交通機関オタクの皆さんにとっては、バイブルとも言える存在である「紙の」時刻表。私も物心ついた時から航空会社の時刻表収集に勤しんでいましたので、かなりの衝撃を受けました。プレスリリースによると、今後はオンライン時刻表にリプレースされるとのことですが、なんだかこのご時世、ありとあらゆるものが一気にオンライン化して、人間の方が付いていけなくなりそうな気がします(笑)

紙の時刻表の限界

紙媒体の筆頭とも言える新聞社ですら、記事のネット配信を行う時代となり、紙媒体と電子媒体それぞれの利点を生かして共存共栄が図られている昨今ですが、航空会社、とくにANAの紙の時刻表は、その流れについていくことができなくなっていたのが事実だと言えます。

石垣空港での787-9。この2週間前に767から機材変更となりアサインされた。

ANAでは、2015年より、需要に応じて機材繰りを流動的に入れ替える「ぴたっとフリート」なる運用を行っています。国内線では、週末と平日で需要が異なるため、需要の多い週末には大型機の稼働を増やし、平日は、小型機の稼働を増やす運用をとりました。こうすることで、需要の取りこぼしがなく、且つ搭乗率を高め収益性の向上に繋げることを目指しました。結果として、我が地元の羽田ー秋田線などでは、2015年以降、年々搭乗率、乗降客数共に増加傾向にあり、他の路線でも同様の傾向が見られるようになりました。

このように機材繰りを細かくするでメリットを享受することができたANAですが、紙の時刻表にとっては、その存在価値を下げることになってしまいました。ANAの時刻表は、便名と出発時刻、到着時刻の他に、「機種」を記載する欄が設けられています。どの機種で便が運航されるのか、オタクにとっては最も重要な記載であると言っても過言ではない「機種欄」が、徐々に機能しなくなっていってしまったのです。

機種欄下に緑字で記載するのがサンプリングした日の運航機材

こちらは、2017年3月26日~6月30日版のANA時刻表です。ゴールデンウィークを挟むため、機材がコロコロ変わりそうな期間ではありますが、羽田ー伊丹線に関しては、備考を示す印が殆どありません。

ある1日をサンプリングして空席照会画面で表示されている機種と照らし合わせると、3.5往復、7便が時刻表に記載されている機種以外で運航されることが分かりました。そのうち1便は出発時刻と到着時刻が変更になっていますが、それに関する備考もありません。

機種欄下に緑字で記載するのがサンプリングした日の運航機材

そして、同じ時刻表、同様にある1日をサンプリングした羽田ー秋田線、備考欄と照らし合わせても4往復が時刻表通りの機種では運航されない日がありました。これではもはや機種欄に関してはもはや形骸化していると言っても過言ではありません。

ANA661便と664便は同じ機材で運航する便のため、往復で機材が異なることはイレギュラー運航時以外生じない。

他にも、同一機材で運航されることが火を見るよりも明らかな便同士で、機材が異なったり、

ANA246便よりも先に出発するANA3842便(SFJ42便)の方が下に表示されている。(これは単純なミスか…)

9:20発の便が9:25発の便よりも下に記載されていたり、、となんだかもうネタを提供してくれるネタ本と化していたのが印象に残っています。(決してdisっているわけではありませんww

「臨機応変」、「流動的」こう言った対応が顕著に行われるANAのオペレーションにとって、紙の時刻表の発行は限界があるということは、個人的に数年前から感じているところではありました。

時代の流れってやつですね

その存在に限界を感じざるを得なくなっていたところに、今回のコロナ禍。紙の時刻表がとうとう部分的にではなく全体的に形骸化してしまった今、紙の時刻表の発行を廃止することは、理にかなった判断であると思います。コストカットの要素も大きいとは思いますが、航空会社も趣味で時刻表を発行しているわけではありませんので、時代に合わなくなった物は、切らざるを得ないという判断に至ったのでしょう

インターネットが普及する以前は、時刻表が情報源として大きく機能しており、有効期間が2週間程(3月下旬の春休み期間のみ)という短期的なスパンで発行されていたものも存在しますが、今となってはそれも現実的ではありません。過去を振り返る資料として、紙の時刻表の価値は貴重ですが、これからは、オタクが独自に、記録を残していくほかないのかもしれません。

これからは特に用事も無いのに、空港や旅行会社のカウンターに時刻表を取りに行くという数か月に1回のルーティンワークが無くなると思うと寂しい限りですが、自宅に大量に眠っている時刻表でも愛でていきたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

コメント

  1. タナカカズヤ より:

    ANAの冊子時刻表が廃止されるというニュースは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で苦境に陥っている今の日本の航空業界を象徴する出来事になりましたね。

    感染症対策や環境保護、経費削減の点から考えると、やむを得ないと思います。

    私も毎回、ANAの時刻表を無料でもらいに行くのを楽しみにしていたのに、残念です。

    さよなら、ANA時刻表。

    • JA707Ana より:

      タナカ様

      コメントいただきありがとうございます。

      私も物心ついた時から紙の時刻表を集めていたので、この一報には驚きましたが、様々な事情を考えると自然な流れなのかもしれません。
      JALも追随するのか注目したいですね。

  2. タナカカズヤ より:

    ANAとJALの冊子時刻表が年内に廃止されるというニュースは、新型コロナウイルスの影響で苦境に陥っている今の日本の航空業界を象徴する出来事になりましたね。

    新型コロナの影響で、両社とも大量欠航が相次ぎ、時刻表通りの定時運航が難しくなったことから冊子時刻表の廃止が決まりました。

    新型コロナなどの感染症対策や環境保護、経費削減の観点から見れば、
    今回の両社の措置はやむを得ないと思います。

    私もJALとANAの時刻表を毎回、無料でもらいに行くのを楽しみにしていたのに、残念です。

    さよなら、JAL・ANA時刻表。これからもJALとANAは永久に不滅です。

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