引退宣言が出された737-700を見に行った話(2020年5月10日 秋田空港)

秋田空港

737-700に引退宣言が出されました

ANAは先日、2020年3月期決算短信を発表しました。新型コロナウイルスの影響により、売上高、営業利益が前年比大幅減となってしまったということが、ネットやメディアを通して、広く伝えられました。

航空オタクにとって、この決算短信で注目すべきなのは、これだけではありません。2020年度の新規導入機材、退役機材が公表されているのです。

今年夏には3機全てが揃うはずだったANAのA380。国際線の先行きが不透明であり、今後の動向が注目される。

2020年度に導入される予定なのは、Airbus A380、Boeing 787-9、Airbus A321neoの3機種、13機となっています。これらの機体に関しては、今後の情勢が全く読めないこと、現段階で、国内線、国際線共に大幅な減便、路線の運休を余儀なくされていることを鑑み、秋以降の導入になるということが伝えられています。

「スーパードルフィン」の愛称で親しまれた737-500。この引退をもって、国内から第二世代の737が姿を消すことになる。

続いて退役機、こちらもBoeing 777-200、Boeing 767-300/-300ER BCF、Boeing 737-500と、就航から20年以上が経過した飛行機を中心に引退が進められるという妥当な計画となっています。しかし、これらの他にもう1機種、Boeing 737-700が3機引退予定であることが掲載されています。

737-700と言えば、初号機であるJA01ANの就航は2005年12月。まだまだ経年化による引退がなされる段階ではありません。しかし、当初の目論見であった、①45機導入、②ANAのナローボディー機の中核を担う、③内際兼用機として役割を発揮するという3つの計画は、2020年現在になって、どれも実現していません。(③に関しては、小規模ながらやや達成した感はありますが…)

また、737-700は、今後長きにわたって使用されないことが示唆されていました。Wi-Fi装備の対象となっていないこと、プレミアムクラスのシート更新がなされていないこと、普通席へのUSBポート装備対象となっていないことがその理由です。

近い将来の引退を予想してはいましたが、このような形で、唐突に引退が発表されるとは予想していませんでした(笑)

秋田空港に737-700がやってきた

新型コロナウイルスの影響により、GW期間中は5往復全便が運休となっていたANAの羽田ー秋田線は、5月8日より週3便程度ながら、運航が再開されました。アサインされている機種は日によって異なり、お馴染みBoeing 767と、引退宣言がなされたBoeing 737-700が秋田空港へ飛来することになっているようです。

運航再開2便目となる5月10日のANA403便にも、737-700がアサインされていました。平常時は秋田空港であまり見ることができない機種であることに加え、引退宣言が出されたということで、見に行くことにしました。(※撮影に関しては、ターミナル館内へは入らず、外周のポイントから撮影を行いました。そこそこの音量で歌を歌っても周りに一切影響が出ないほどに、social distanceを確保しています。実際歌いました

2020/5/10 RJSK ANA 737-781 JA18AN NH403 from Tokyo HND

今回やってきたのは、ANAの737-700としては最終号機に当たる、JA18ANでした。2008年4月の導入で、これ以降ANAが導入した737は、現段階で全て-800となります。

737-500を見て育った身としては、737には小さくて丸っこいという印象を持っています。機体サイズがほぼ同じ737-700は、主翼にウイングレットを装備することで、737オリジナルの可愛さにカッコよさを追加するという「かわカッコいい」を体現する飛行機でした。ここまで熱弁を奮っているということで、かなり好きな部類に入る飛行機だったのですが、引退が始まってしまうとは寂しい限りです。

2020/5/10 RJSK ANA 737-781 JA18AN NH406 to Tokyo HND

再び羽田空港へと折り返していく737-700。今度は別の場所から撮影しました。

今年度は3機の引退が予定されている737-700ですが、どの機体から引退となるのかは分かりません。特に、経年化により「航空の用に供しないため」の引退の場合は、古い機体から順に引退させる場合が多いです。一方、今後も他社で運航させる「売却」であれば、高く売れる新しい飛行機から引退させる場合もあります。(ANAの747-400など)

ANAの737-700の場合、約3年で全てが納入されているため、各々の機齢に大差はありませんが、引退スケジュール次第では、新しい737-700から引退させる可能性も少しはあると、勝手に予想しています。

登録番号型式登録日抹消日座席数備考
JA01ANBoeing 737-7812005/11/22144lsd to ADO(2012~2019)
JA02ANBoeing 737-7812006/01/26120
JA03ANBoeing 737-7812006/02/16120
JA04ANBoeing 737-7812006/03/14120
JA05ANBoeing 737-7812006/06/26120
JA06ANBoeing 737-7812006/07/19120
JA07ANBoeing 737-7812006/10/11144lsd to ADO
JA08ANBoeing 737-7812006/10/26144lsd to ADO
JA09ANBoeing 737-7812007/01/11144lsd to ADO
JA10ANBoeing 737-781ER2007/02/152016/05/1138
JA11ANBoeing 737-7812007/05/23144lsd to ADO
JA12ANBoeing 737-7812007/06/29144lsd to ADO
JA13ANBoeing 737-781ER2007/08/172016/07/0738
JA14ANBoeing 737-7812007/09/11144lsd to ADO
JA15ANBoeing 737-7812007/10/11144lsd to ADO
JA16ANBoeing 737-7812008/01/24144lsd to ADO
JA17ANBoeing 737-7812008/02/14120
JA18ANBoeing 737-7812008/04/22120

ANAの導入した737-700を一覧にしてみました。18機のうち、ANAが現在運航しているのは8機です。他に8機がADOへリースされており、2機のみ導入された737-700ERは、2015年の冬ダイヤで引退。その特殊性から引退後の買い手が無く、既にスクラップとなってしまっているようです。

ANA初の内際兼用機、オールビジネスクラスでの就航など、エポックメイキングを多く残してきた737-700、乗るのも撮るのもここ数年がラストチャンスとなりそうです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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