暇すぎて秋田空港に737-700を見に行った話(日本の元祖737NG JA01AN撮影記)

秋田空港

暇を持て余す春休み

この春休みは、2月と3月で飛行機に乗りまくる予定を立てていたのですが、ご存知の通り新型コロナウイルスの影響で、その殆どが中止となってしまいました。予定が殆どなくなると暇を持て余すというのは自然の流れ。世間では新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、自粛ムードが漂いつつありますが、時間が経つにつれ感染しやすいシチュエーションが分かり始めており、屋外であれば特に問題がないという情報が出始めました。

屋外での活動が問題ないということは、屋外での活動となる飛行機の撮影は自粛の必要性がまっっっったくありません、ということになります。高校の英文法のテキストをやり始めるレベルに暇を持て余していたので、空港へヒコーキウォッチングをしに行くことにしました。

やはり「ネタ」は必要です

撮影目的のみで秋田空港を訪れるのは、1月以来のこととなってしまいました。どうもネタがないと空港へ出向く意欲が湧かないのです。今回もネタがあることが前提での訪問となりました。

今回のネタは「73A」。相当「ANAが嫌いで興味がない」という航空ファンの方でなければご存知でしょう。全席普通席の737-700、JA01ANです。

前日の羽田発秋田行き最終便であるANA409便にアサインされ、秋田空港にナイトステイしていたJA01AN。通常通りであれば、翌日早朝のANA402便で羽田空港へ折り返してしまうのですが、この日の402便は乗員繰りのため欠航となってしまったようでした。Flightrader24によると、この日の8時半の時点でまだ秋田空港を出発しておらず、乗員繰りが欠航の理由であれば、8:55秋田着のANA401便でパイロット氏を乗せてきて、JA01ANも9:30~10:00頃に出発するのではないか、と予想。それに合わせて空港へ向かうことにしました。

いつも同じメンバーで

秋田空港に到着後、すぐに羽田行きのANA404便が離陸していきました。カメラの設定も確認せずに撮影してしまったため、露出がおかしなことになってしまいました。特に夜間の撮影をした後に設定をそのままにして放置、続けて日中の撮影に臨むと変な写真を量産してしまいます。確認は大事です。

このJA141Aは2019年1月の導入で、ANAのA321の中では現在最も新しい機体。エンジンの大きさや機体番号からneoであることが分かります。これ以降A321の導入は一旦ストップしている状況ですが、2020年1月のANAプレスリリースでは、「ご好評をいただいている全席にパーソナルモニターを装着したエアバスA321neo型機の導入を順次進め、2020年度末までに18機体制へ拡充します」と記載があることから、今年は再び導入が再開されるようです。(2020年度 ANAグループ国内線航空輸送事業計画を策定(2020年1月22日)参照)

A321の200席というキャパシティーが国内ローカル線にはマッチしており、ANAにとっても使い勝手がいい飛行機なのかもしれませんが、大幹線()である羽田ー秋田線にナローボディー機とは、物足りなさしかありませんので、頑張って全便767で揃えるくらいには乗りまくらないといけません。

当ブログでも何度かご紹介している通り、9:00~10:00頃にかけての秋田空港はトラフィックの多い時間帯でもあります。2020年3月ダイヤでは以下のようなダイヤ設定となっています。(機材の小ささにはツッコまないでください。泣いてしまいます)

基本的にANA便は羽田線を除いてQ400での運航となっており、この1時間の間でも2機見ることができます。一部地域を除いて全国各地で見ることができるQ400、ANAグループの国内線機材の中では唯一、羽田空港で全く見ることができない機材でもありますので、Q400を見に秋田へいらっしゃるのもいかがでしょうか(笑)

2016年より就航しているJ-AirのE190もすっかりお馴染みになりました。この日撮影できたのは初号機のJA241Jでした。

E190は伊丹ー秋田線へ2017年の夏ダイヤから就航し始め、当時主力だったCRJをリプレースしていきました。50席仕様だったCRJに対し、E190はほぼ2倍の95席というキャパシティーを誇るため、JALの伊丹ー秋田線の座席供給数はこの数年で約2倍になりました。その甲斐あってかこの路線の利用者数も右肩上がりで推移しており、それは以下のグラフの通りです。

2018年8月からこの路線は基本的にE190のみで運航されており、これまでは機材大型化が利用者数の増加に寄与していましたが、JALグループでE190よりも大きな機体は737-800となってしまうため、これからの機材大型化はあまり見込めません。今後の利用者数の推移に注目ですね。

橙:2016年 黒:2017年 黄:2018年 青:2019年
JALグループマンスリーレポート参照

満を持して本命のネタが出発

空港に到着した当初は、ボーディングブリッジの無い6番スポットに入っていたJA01ANですが、一連の出発ラッシュを終えて、ボーディングブリッジのある5番スポットへと移動、給油が開始されました。相変わらず出発時刻は分かりませんが、そう時間も経たないうちに出発するであろうと考え、離陸の時を待つことにしました。

ANAグループで運航されている737は、ご存知のように3タイプあり、最大勢力の-800(39機)、-700(8機)、引退間近の-500(2機)(※2020年3月19日時点で運用されている機数)という布陣となっています。737-800に関しては、北は稚内、南は石垣まで全国津々浦々へ就航しており、ANAの就航地の中でもその姿を見ることができない空港の方が少ないほどです。737-500に関しても、今でこそ引退を控え、限られた路線にのみ就航していますが、全盛期は現在の737-800と同様に全国各地を飛び回っていました。一方、737-700に関しては、2005年から2008年にかけて18機が導入され、それなりに全国各地へと就航はしたものの、現在はその半数がADOへリースされており、現在は737-500の穴を埋める形で就航している、なんとも影の薄い存在となっています。

秋田空港へも、機材変更で飛来した実績はそれなりにありますが、時刻表上で固定運用された実績は記憶の限りありません。私もこれまで1度しか秋田空港で737-700を見たことがなかったため、737-700とは言えども、秋田空港ではかなりレアな存在であると言えます

フェリー便らしく軽々しくエアボーン

そんなレアな737-700は私の予想よりも1時間ほど遅れて、10:40に離陸していきました。737-700には、胴体が長い737-800と同じCFM56-7B24エンジンが搭載されているため、機体に対するエンジンの推力が大きいのが特徴です。普段も割と短い離陸滑走で離陸していく様子を羽田空港で目にしていますが、今回はフェリー便ということもあってか、一層軽々しく離陸していったように感じられたのでした。

因みに、このJA01ANは、2019年の夏にADOからANAへとリースバックされた機体で、上述の通りADO時代同様、普通席144席仕様のままで運用に就いています。ANAの他の737-700は120席仕様(プレミアムクラス8席、普通席112席)で運用されているため、オペレーションのしやすさを考慮ると、同一の仕様に改修するのが良いのではないか?と思ってしまいます。その独自性から、JA01ANは突発的な機材変更などで活躍する場面が多く、今回もそれに倣ってピンチヒッターとして秋田空港へやってきたようです。そのうち機内へもお邪魔したいですね。

2020年12月8日追記

JA01ANが引退してしまいました。

当初の予定でも3機の引退が決まっていたANAの737-700ですが、いざリタイヤとなると寂しいものですね。

2009/1/24 ROAH Air Nippon Boeing 737-781 JA01AN

上記の通り、ANAの737の中では少数派であった737-700、機齢15年での離日となりました。やはり航空会社にとってはスケールメリットを享受しづらい少数派の機体は正直保有したくないというのが本音なのかもしれません。導入前の計画では、45機導入し、当時ANAで運航していた小型機(737-500、A320シリーズ)を1機種で置き換えるということでしたが、ふたを開けてみれば全く異なる結果となってしまったようです

737-700と言えば、一足先にトンデモ仕様の737-700ERが引退しています。成田ームンバイ間の直行を可能にするために燃料タンクを追加するなど転職先が見つかりづらい状況にあった-700ERとは異なり、今回引退したのはノーマルの-700ですので、転職先が見つかることを願うばかりです

最後までお読みいただきありがとうございました。

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