ANA409便 羽田ー秋田線搭乗記 換装ホヤホヤのトヨタ製新シートに搭乗!(2016年2月22日)

搭乗記2016

トヨタグループが航空機の座席メーカーになりました

2015年4月、ANAからこのようなプレスリリースが発表されました。

内容は、「国内線仕様のBoeing 767の普通席に、トヨタ紡織と共同開発した新型シートを搭載する」と言うもの。2015年時点で、ANAの国内線仕様の767に搭載されていたのは、2005年に登場したシートと、レカロ社製のシート(国際線仕様からのコンバート機)でした。ここにきて、シートバリエーションが増えるとはヲタク心理としては、有難い以上の感想はありません。

と、このシートが発表されてから10か月が経過した、2016年2月、ようやくこのシートに座る機会を得ることができました。

ドナドナドーナードーナー

今回は、大学入試を終えて秋田へ戻るための搭乗となりました。試験が終了したのは16時頃でしたが、せっかく東京へいるなら少しは遊んでから帰りたいというのが地方民の心理です。

まあ、私の言う遊びというのは、世間一般のそれからはかけ離れているわけですが…(笑)

お察しの通り、羽田空港のデッキで時間を潰すこと数時間。第2ターミナルの61番スポットにBoeing 767がトーイングされてきました。今回搭乗するのはこちらの767になります。シップナンバーはJA8342、1995年4月に導入された20年選手の飛行機です。

旅客機の平均的な寿命は20~30年と言われていますが、ANAの767-300に関しては、大体25年ほど活躍した後、引退するのが一般的となっています。このJA8342もまだ5年ほどは活躍するに違いありません。

なおこちらのJA8342、航空機の運用情報を掲載しているサイト、Flightawareで直近のフライトを調べると、最後のフライトは約1か月前のANA626便であったようです。それ以降整備に入っていたようで、このフライトが整備明けの初フライトであるということが分かりました。整備明けの飛行機であれば、翌朝の羽田空港始発の便から営業運航に復帰するのが一般的であるように思いますが、復帰1発目から地方空港で一夜を過ごすという運用に入るようです。

その整備でどのような作業が行われたのか…冒頭の導入部分で触れている「あれ」が新たに搭載されているに間違いありません。

もはや扱いは「幹線」です

搭乗機がスポットに入ったところも見届けましたので、制限エリア内へと向かいました。19:00の羽田空港第2ターミナルは、各地へと向かう最終便に搭乗する方々で賑わっていました。

20時台の出発便はご覧の通りのラインナップ。高松、米子、庄内…と幹線に混じって地方空港の名前も表示されていますが、その中でも最も下、出発時刻が遅く設定されていたのが、これから搭乗するANA409便です。

最終便の出発時刻は、ダイヤによって5~10分の変動がありますが、空港の運用時間との兼ね合いもあるため、大きくは変動しない印象を受けます。羽田ー秋田線の最終便も、2012年3月末から秋田空港の運用時間が22:00までに繰り下げられたことを受け、それと同時に20分繰り下げられました。

そして何より今回注目すべきなのは、搭乗口です。札幌行きが52番、神戸行きが65番と端に追いやられる中、秋田行きは堂々の61番。いかにANAが羽田ー秋田線に力を入れているか、手に取るようにわかるゲートアサインです。

羽田空港第2ターミナルの61番搭乗口は、ターミナルのほぼ正面にある保安検査場Bの真正面にあります。京急やモノレールの駅からでも走れば数分でたどり着くことができるという抜群の好立地です。それが、秋田線にアサインされているわけですから、冷遇されている訳がありません。好待遇過ぎて帰って床にひれ伏してしまいそうです

搭乗口上、真ん中のモニターには、「Request for On-time Departure.」と表示が出ています。そもそもこのような表示をしなくとも、この好立地な搭乗口で定時出発ができないなどと言うことが現実として起こりうるのでしょうか…

当時は、搭乗口に設置されている改札機の、スキャナーらしき部分(ICや二次元バーコードをかざす部分)の枠を収集していた私。羽田空港の物もしっかり写真に残していました。

描かれているのは、東京タワーとスカイツリーという2本の電波塔に、レインボーブリッジ。そして、その上空を飛ぶ787らしき飛行機でした。

東京タワーも今となっては、都心のビル群とほぼ同化してしまい、あまり目立たないこと、東京タワーとスカイツリーの高さがあまり変わらないこと…などなど様々気づいてはいけない点に気づいてしまった感がありますが、このようなことを言っていると、周りから人が減ってしまいかねないので、気を付けたいと思います。

767の性能を見せつけられました

20:04、機内へ入りました。今回の座席は、安定の後方30Aです。767らしい角ばった主翼が見放題、下に少しだけ垂れ下がっているエルロンもまた趣があってよろしいです。

因みに機内へ入る時に、つい10日ほど前にお会いしたCAさんに遭遇しました。お互い目が合うと「あっ…」と言う表情になるのがシュールでした。これまで60回ほどフライトをこなしてきましたが、このような経験は初めてでした。私のような限界ヲタクが覚えられてしまっているとは…機内で奇怪な行動をとっていないか心配になってしまいます

20:11にドアが閉まった飛行機は、定刻よりも1分早く20:14にプッシュバック開始となりました。「 Request for On-time Departure.」 をしっかりと実現するスタッフと乗客。さすが翼だけでなく乗客をも鍛える航空会社です。

face to southでプッシュバック、一旦E誘導路上に押し出された飛行機は、Z誘導路からランプアウト、その様子は機外カメラとモニターを通して、機内へも映し出されていました。搭乗機のJA8342へも新たに液晶モニターが装備され、今までよりもさらに高画質な機外カメラ映像を見ることができました。

冬場らしく今回の離陸滑走路はRWY34R。誘導路をかっ飛ばし、C滑走路末端のC-1誘導路から滑走路へと入りました。

機外カメラには、全長3,360mのC滑走路が映し出されています。飛行機にとっては大した距離ではありませんが、末端から見ると果てしなく続いているような錯覚さえおぼえます。

2016/2/22 ANA409便 羽田空港離陸

離陸は動画で撮影しました。

ただでさえ離陸が早い767、今回もその性能をいかんなく発揮し、第2ターミナルの姿が見えてくる頃には、空高々と上昇していました。

この日の都心上空は雲に覆われており、大井埠頭が見えてきたあたりで雲へ突入、綺麗な夜景を見ることはできませんでした…

トヨタシートはいかほどか…

さて、タイトルや冒頭でご紹介の通り、今回はトヨタ紡織製の新型シートを初めて体験するというフライトにもなっています。

今回搭乗しているJA8342は、上述の通り、1か月間整備を行っていました。それに合わせて、新型シートに置き換えられたようでした。
座席のテーブル部分にもトヨタ紡織の頭文字、「TB」をイメージしたロゴが入っていました。なお、この後にAを付けると、あまりよろしくない3文字になってしまいますよね()

ベルトサインが消灯し、ドリンクサービスが始まりました。テーブルを開いてカップホルダーに紙コップを差し込んでみました。

飛行機のシートに関しては後発企業が製造している製品だけあり、この辺については従来のシートと大きく変わるところはありません。ちなみに飲み物は伊右衛門です。

シートポケットは、座席下部、テーブルの下にお引っ越ししました。

2005年に登場した普通席のシートは、シートポケットを座席上部に移動することで、膝周りのスペースを確保したことが売りとされていましたが、場所が戻ってしまいましたね笑

ポケットの下にメッシュが入っており、忘れ物対策がとられているところは、ポイントが高いですね。

767のキャビンと言われると、どのような姿をイメージされますか?

国際線仕様からのコンバート機が増えてきた昨今ですが、私の中ではまだこの角ばったオーバーヘッドストウェッジが天井を覆うイメージが強いです。設計は70〜80年代の767、照明は勿論LED化されてはおらず、レトロな雰囲気を今に残しています。

秋田空港へ着陸です

767のキャビンを紹介していると、あっという間に秋田上空へとやってきました。

羽田空港は若干雨もちらついていましたが、北上するにつれ雲が取れて下の様子が見えるようになり、着陸前にはすっかり雲がとれてしまいました。

この日の秋田空港は西風でしたので、RWY28を目指してアプローチしていきます。

秋田空港の周囲は秋田県立中央公園となっており、アスレチック、陸上競技場、野球場や屋内運動施設のあきたスカイドームなどがあります。勿論夜間は特に使用されないため、秋田空港の照明だけが遠くからもよく視認できます。

アプローチライトに沿って滑走路へ向かっていきます。滑走路の左脇、進入角度の高低を示すPAPIも左から白白赤赤。かんっっっっっっぺきな着陸間違いなしです。 秋田空港の滑走路は、全長2500m、幅60mですので、767にとっては十分な規模となっております。(笑)

そして21:10、秋田空港RWY28に着陸しました。飛行時間は44分でした。

T4誘導路で滑走路をバケート、21:14に3番スポットへブロックインしました。ブロックタイムは1時間ちょうどでした。おかげさまで定刻よりも5分ほど早く秋田空港に到着しました。エプロン上には、全く雪はありません。春が近づいていることを感じさせられました。

この時間で最終の新幹線は福島付近を走行中だと思うので、やはり早さに関しては飛行機に分があるようです。

最後にボーディングブリッジから搭乗機を撮影しました。1か月ぶりの飛行を終えたJA8342、ホッと一息ついているようです。

写真左側には、飛行機に搭載されていたコンテナを下ろすべく、リフトローダーが走り回っている姿も確認できます。もっとも、ビジネス客が多い平日最終便且つ、ただでさえ、貨物の取り扱いがそこまで多くない路線ですので、このリフトローダーが活躍する時間帯もそこまで長くはなさそうです。

最後に

別日に撮影したJA8342のトヨタシート

今回は、換装されたてのトヨタ紡織製の新シートに乗ってみたという搭乗記をお届けしました。何事も「初物」とはいいものですよね。今回は、たまたま換装されたてのシートを経験することができましたが、こればかりは狙ってなんとかなる問題ではありません。日ごろの行いを良くして、遭遇頻度を高めていきたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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