羽田ー函館線はやっぱり大型機!
北海道の一大観光地として有名な「函館」。観光地としてはもちろん、交通の要衝としても、年間を通じて多くの方が訪れています。
そんな函館の空の玄関、函館空港も地方空港の中では規模が大きく、特に、函館空港のメイン路線である羽田ー函館線は国内線の利用者ランキングでは約104万人で第23位の規模を誇ります。(航空輸送統計速報(令和 5 年(2023 年)分))
かつては、ボーイング747・ジャンボ機が1日何往復もしていた羽田ー函館線も近年のダウンサイジングの流れには逆らえず、小型機が目立つようになりましたが、羽田空港を午前10時頃に出発するANA553便はボーイング777や787と言ったキャパシティーの大きな機材が投入されがち。
そして2024年は、エアバスA321のエンジントラブルによる長期離脱が生じたため、閑散期の1月上旬にも関わらずこの便にはボーイング777がアサインされていました。「空いている777で函館へ」これを果たすべく、一路北へ向かいました。
条件付きの函館行き
函館空港まで777に乗ることが今回のミッションではありますが、早速出発前に一波乱がありました。
羽田空港に着いて函館の天気を確認すると、この有様。もちろん553便は天候次第で羽田空港へ引き返す条件付き運航となってしまいました。
冬場の北日本の路線を多用している秋田民なので、正直条件付き?知らんがな?というスタンスではあるのですが、今日函館にたどり着くことができなければ、再履修確定です。折角なので無事にたどり着きたい…このような面持ちで777の待つ57番ゲートへ向かいました。
座席は前方窓側の9Aをアサイン。日曜日の午前便と言うこともあり、隣2席は空席のままドアクローズ、窓に大粒の雨がたたきつける中出発しました。冬は空気が澄んで晴れ渡るイメージの強い関東地方ですが、冬の雨の東京も寒さが一段と体に応えそうです。
冬らしく北風運用だったこの日の羽田空港。離陸滑走路はRWY34Rです。天気が良ければここから都心のビル群を一望できるのですが、視界が悪く何も見えません。滑走路の灯火も点灯させて、安全運航をサポートしています。
雲の中をひたすら北上
9:58、雨の羽田空港を離陸しました。離陸後すぐに雲に突入。上昇中はもちろん、この日の巡航高度は31,000feetでしたが、巡航中も何も見えず、トイレの写真や非常口座席の写真を撮っていると、777はあっという間に津軽海峡上空までやってきてしまいました。
もちろんここまで景色は0。みんな大好きPW4074Dエンジンの崇高なエンジンサウンドと風切り音、あとはWi-Fiを繋いでフライトレーダーを見るかと言う過ごし方で、ここまでやってきてしまいました。
最後の最後に函館市街
東西の向きで滑走路が設置されている函館空港。東からの風が吹くこの日は、西側・函館市街地側からの進入となりました。流石に高度を降ろすと何か見えるだろうと踏んでいると、だんだん雲が切れ初め…
五稜郭とその隣にある五稜郭タワーはかろうじて機内からの撮影に成功しました。天気が良ければもっと良く見えたところですが、こればかりは仕方ありません…
777の主翼、エンジンと函館市街。雪に覆われた街中の上空を777で飛ぶことは、大阪や福岡で大雪が降りでもしない限り、なかなか無いと思います。一応証拠程度に函館の上を777で飛んだということで記録の1つになる写真が撮れたのかなと思います。
11:01、函館空港RWY12へ着陸。滑走路の路面は真っ白です。積雪のある地域の空港では、滑走路のマーキングがオレンジ色で施されていますが、白のマーキングですと完全に雪と同化して何も分からなくなってしまいますね。
この日の朝、雪の秋田空港を出発してから3時間半、再び雪の世界へ舞い戻ってきました。
飛行機のタイヤにスタッドレスという概念は無いため、着陸後はゆっくりと駐機場へ移動しました。定刻よりもやや遅れての到着とはなりましたが、777で函館に降り立つミッションは無事完遂。るんるん気分でボーディングブリッジを渡りました。
「パタパタ」が現役の函館空港
函館空港は、到着便や出発便の案内板にいまや貴重となった「パタパタ」が現役で使用されています。地方空港の中でも便数が多い函館空港、30分も待っていれば「パタパタ」のシーンを見ることができるのですが、時間がないので後回し。まずはデッキで777を拝みます。
やはり地方空港で見る777は素晴らしい
屋根無しのデッキにも関わらず冬期間もオープンしている函館空港の送迎デッキ。外に出てすぐ、「あ、777だ!」と分かるその大きさにはいつも惚れ惚れしてしまいます。
2010年代に入ってからもジャンボ機が就航していた函館空港。もちろん2つのドアに対応するボーディングブリッジを備えて、迅速な降機、搭乗に一役買っています。
晴れ渡る好条件での撮影ももちろん良いですが、冬の北海道の交通を支える一面を感じる、このようなシチュエーションも大歓迎です。いつも凛々しい表情をみせる777ですが、雪を被りながら折り返しの時を待つ777はよりたくましく感じました。
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