祝!1日3往復化! 大館能代ー羽田線に乗ってみよう①

大館能代空港

貴重な、貴重な1票をゲットしました!

日本で最も忙しい東京国際空港(羽田空港)。

日本の首都がバックに控えると言うことで、今でこそ国内線、国際線の両方で幅広いネットワークを持つ空港ではありますが、かつてはあまりの混雑に国際線を成田空港へ移転する程に発着枠が足りず、右肩上がりで需要が増えていた地方路線に対応するため、500人乗りのジャンボ機を幹線、ローカル線問わず投入するという荒業で乗り切っていたというのは有名な話です。

近年は、滑走路や誘導路の増設、また新しい飛行ルートの設定により発着枠が増加しており、国際線定期便の復活の他、国内線も利便性向上のため、機材を小型化した上で増便されるようになりました。

発着枠に少しながら余裕が出てきた中、航空路線による地域活性化に結び付けようと、2014年より行われているのが、「羽田発着枠政策コンテスト(以下、発着枠コンテスト)」。それぞれの空港が発着枠獲得後のメリット、目標、課題などを提案し、羽田空港の発着枠を政策的に割り振ってもらおうというものです。(各空港の提案はこちら

直近では2020年に行われたこのコンテスト。羽田空港に路線を持っていた三沢、山形、大館能代、鳥取、萩・石見、佐賀そして当時定期便はなかったものの民営化により再び定期便が就航するようになっていた下地島の5空港で熾烈な争い()が行われ、最終的な結果は以下のようになりました。

上記評価結果に基づき、政策コンテスト枠(5便分)のうち4便については、上位4位までの
羽田=鳥取、羽田=石見、羽田=山形、羽田=大館能代の各路線にそれぞれ1便ずつ配
分します。(自治体等の準備期間を踏まえ、運航開始は 2020 年冬ダイヤ(2020/10/25~)から)

と言うわけで、発着枠コンテストで我が秋田県にある大館能代空港が、1枠の確保に成功。ANAの大館能代ー羽田線が2020年冬ダイヤから1日3往復化されることになりました。

そもそも大館能代空港ってどこ?

というわけで、晴れて羽田線の1往復増便の権利を得た大館能代空港ですが、東北地方の地理に詳しくないとこの疑問にまずはぶち当たります。岩手県と秋田県の位置関係もままならない方がやはり一定数いらっしゃる世の中ですので、ここで改めてご説明します。

まずは東北地方があって、

最北端の青森県の西側(日本海側)にあるのが秋田県で、

地図の出典は全て国土地理院

その北部、北秋田市鷹巣にあるのが大館能代空港です。

バスケットボールで有名な能代市と、秋田犬やきりたんぽで有名な大館市の中間に位置しているので両方の地名を取って大館能代空港と言う名称となっています。わかりやすいですね。

大館能代空港が開港したのは1998年7月18日、東北地方の空港の中では最も新しい空港となります。今でこそ高速道路の整備が進み移動が楽になったこの秋田県北部エリアですが、当時は一般道路か在来線で向かう他移動する手段がない地域でした。

1999年9月版のANA時刻表。当時はANA便が青地、ANK便が緑地で表示されていた。

開港当初の路線は、羽田、伊丹、新千歳の3路線。それぞれ1日1往復、エアーニッポン(ANK)が担当していました。この中でも新千歳線はすぐに撤退、伊丹線も2011年1月で廃止となり、長らく羽田線が1日2往復のみという期間が続いていましたが、ここにきて1往復の増便。臨時便等を除いては、約10年ぶりに定期便が1日3往復運航されることになりました。

気になる運航ダイヤは…

当初は2020年秋から始まる予定だった大館能代ー羽田線の3往復化。例の「やつ」によって増便はおろか、既存の2往復のうち1往復さえも減便されるという措置が講じられてしまう状況となっていましたが、2021年の夏ダイヤは1日3往復のダイヤで発表されました。一先ず計画時点ではいよいよ3往復で運航されるようです。

その気になるダイヤがこちら。

既存の2便と言うのが羽田を午前と夕方に出発するANA719便と723便。(折り返しの720便、724便)そして今回新たに増便となったのが、中間の721便。(折り返しの722便)

折角3往復化されるのであれば、朝夕の便も時間の繰り上げ、繰り下げが行われるのかと思いきやそのようなことはなく、単純に昼過ぎの便が1往復加わっただけという布陣です。よって日帰り時の滞在時間が延びることはないものの、取り敢えず利用者側の選択肢が広がったと言ったところ。

これまでは、日中時間帯に移動するとなると秋田空港や青森空港へ移動する必要があったのが、大館能代空港から乗ることができるようになった点は地元でも歓迎される点なのかもしれません。

また、東京以西、特に西日本からの観光客の利便性が向上する(724便で羽田空港に到着すると同日中に乗り継ぐことができる空港がかなり限られる)というメリットもありますね。大館、能代への宿泊を伴う観光にも使い勝手がいい時間帯の増便となったのではないでしょうか。

<724便から同日中に乗り継ぐことができる行き先(西日本)>

大阪(関西)、大阪(神戸)、岡山、広島、岩国

<722便から同日中に乗り継ぐことができる行き先(西日本)>

大阪(伊丹)、大阪(関西)、大阪(神戸)、岡山、広島、岩国、山口宇部鳥取出雲米子徳島高松高知松山福岡佐賀長崎大分熊本宮崎鹿児島那覇 

ご覧の通り、16:05に羽田空港へ到着するダイヤが組まれているだけあり、724便と比較し、同日中に乗り継ぐことができる空港は倍以上に上ります。19:30に羽田空港へ着いても、殆ど乗り継ぎできないのが意外ではありますが、この点も増便の恩恵を受けることができるといいですね。

To be continued

今回の大館能代空港ネタ、これにて終了、といいたいところですが、4年前に1度大館能代ー羽田線に搭乗した際の搭乗記もそのうちお届けしたいと思います。秋田県のランドマークを眺めることができる路線だけあり、楽しい路線だと思いますよ!

最後までお読みいただきありがとうございました。

※記事の一部は国土交通省の資料を参照しています。

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