ネタがあれば空港へ向かう航空ファンの鑑
前々日から続いていた東京都内でのゼミはこの日が最終日でした。この日の予定は13:00から東京、両国にある江戸東京博物館で見聞を広めようということでしたので、私はそれまで成田空港でヒコーキウォッチングに勤しむことにしました。短い時間ではありますが、成田線に復帰したシンガポール航空のA380やスカイチーム塗装のKLMのB777など個人的にネタは多数。ついでに成田空港で働く友人にも会ってこようというわけで成田行き決行となりました。
横浜駅に隣接するYCATからリムジンバスに揺られること1時間半、成田空港に到着しました。曇りの予報でしたが、少し太陽が照ってきていたため、ひとまず午前中順光の1タミデッキで撮影開始です。
早速UPSのB767フレイターが離陸していきました。ドッカン上がりでお馴染み、B767ですがこのB6は貨物がいっぱいだったのか重そうに離陸していきました。国内線のANAのB6ばかり見ていると色々感覚が麻痺してきてしまいますね。(褒め言葉)
先日、羽田空港の国際線における新たな発着枠の配分が決定し、ノースウェスト航空時代から成田を拠点にその地位を築いてきたデルタ航空が成田から羽田へシフトするなど、国際線=成田という等式からさらに乖離していくなあ、、と感じさせられた発表でした。
そんな成田空港ですが、今も昔も国際色豊かなのは変わりません。大韓航空のA220、ベトジェットエアのA321、フェデックスのB767、この3ショットは国内ではここと関西空港でしか撮ることができません。
離陸していった大韓航空のこちらの飛行機、まだ全然見慣れませんが、A220-300です。これまではボンバルディアCS300と呼ばれていたリージョナルジェットですが、ボンバルディアがエアバスと提携したため、エアバスの名称が新たに与えられました。MD-95とB717みたいなものですね。最近冷え込みが激しい日韓関係、地方空港発着の韓国線を中心に運休が続いているようですが、このA220がこれから向かうチェジュはどんな具合なのでしょうか……
広州からのフェデックスのB767フレイター。個人的にはMD-11Fよりも馴染みがないため、見ることができて嬉しかったですね。B767はここ最近、貨物機としての需要が高いという情報をtwitter経由で入手しました。新型機が次々にトラブルが発生する中、信頼と実績がある古株がボーイングの売り上げを何とか支えているあたり、航空会社にとってもメーカーにとっても縁の下の力持ちという言葉がよく似合う飛行機だと思います。
JALのB787-9の中では最も新しい機体であるJA876J、マニラ行きだそうです。ANAのB787ほどではないですが、JALもB787をそれなりに保有しています。JALの方はB787-8とB787-9の2タイプを保有していますが、登録番号がごちゃまぜになっていないのが有難いですね。82xJ〜84xJがB787-8、86xJ〜87xJがB787-9です。
こちらの機体が向かうマニラ、ニノイ・アキノ国際空港ですが、twitterで”利便を考えずに滑走路の周りにターミナルを配置しただけ”というツイートが回ってきたので、上空写真を見てみると、なるほど、滑走路の周りにターミナルはあるのですが、”周りにただターミナルを集めただけ”という表現が本当に適切でした。(笑) ウィキペディアにも記載がありましたが、乗り継ぎの際には注意が必要な空港です……
アエロフロートと言えば、A330のイメージでしたが、2019年の春から成田線にB777-300ERが投入されたと言うことで、今回のネタの中の1つにカウントしていました。世界の主要な航空会社で採用していない航空会社を挙げろと言われても、デルタ、カンタス、ルフトハンザくらいしか思い浮かばない程人気機種のB777-300ER。冷戦終結から30年近くになりますが、ロシアでこうしてアメリカ製の人気機種が飛び回っていると思うと何だか面白いですね。
そういえば、アエロフロートでは以前B777-200ERも運航していましたね。写真でしか見たことがありませんが、尾翼の塗装がなかなか奇抜だった記憶があります。
先程タキシングシーンを捉えたベトジェットエアのA321が離陸していきました。ハノイ行きだそうです。界隈の限界ヲタクの方は見ていただけると分かるかと思いますが、エンジンがやたら大きいのでneoタイプです。
写真でお伝えすることができないのが残念ですが、A321neoって本当に体に優しい音を出して離陸していきますよね、、表現が謎ですが、かつてのDC-8やB737-200などに搭載されていたJT3D、JT8Dといったエンジン音を”張り裂けるような轟音”と表現していた書物を見たことがありますが、そんなものとは比較にならないほど静かに離陸していく様子が印象的でした。
先程のベトジェットエアはLCCですが、ベトナムには言わずと知れたフラッグキャリアのベトナム航空が存在します。スカイチームですが、最近になってANAとも提携し始めた面白い()会社です。私は赤い色を見ると”共産党カラー”と勝手に共産党扱いしているのですが、ベトナムは社会主義国です。先程のベトジェットエアは、まさに”らしさ”を演出した塗装ですが、ベトナム航空の塗装は上品でシックな印象を受けますね。機材もA350やB787など最新鋭の中型機を揃え、クオリティーの追求をしている。まさにそんな印象です。先程のベトジェットエアのA321とこのA350は共にハノイ行きですが、客層の別れ方などが気になるものです笑
今回は用意が悪く、SDカードの残り撮影枚数が60枚のところからスタートしてしまったため、一部の飛行機は”スルー”して対応しました。”ターミナルのコンビニで買えよ”って感じですけどね、(笑)
というわけでベトナム籍の機体を3機連続でご紹介。今度のベトジェットエアはホーチミンシティ行きだそうです。成田からはハノイとホーチミンシティの2都市を結んでいるようです。
そして機体前方には得体の知れない謎のキャラクターが並びます。取り敢えず何かしらの特別塗装機であることには変わらないため、撮っておきました。
今回は成田空港で1時間ほど撮影しましたが、その中で唯一のB747-8がこちらです。ソウルまでの短距離フライトということで、軽やかな離陸。胴体の長さと主翼の長さがまさに”鳥”、同じように胴体が長く、主翼も長いA340-600と同じような感想が出てくるのにも納得です。
そんなに美しい飛行機ですが、ボーイングは美術品メーカーではないのが残念なところ、このB747-8はこのご時世、あまり買い手が無いようです。国内でも日本貨物航空が導入しているのみ、かつては”ジャンボ大国”と呼ばれた日本も時代の流れには逆らうことができません。
ANAの保有する貨物機と言えば、B767-300F/-300BCFですが、2019年からB777-Fの導入が始まりました。撮影時の段階で、JA771FとJA772Fの2機体制で運航しており、今回はそのうちの2号機で且ついかにもトリプルセブンらしい登録番号のJA772Fを撮影することができました。B777-Fは、”Worldliner”の愛称を持つ、航続距離が爆発的に長いB777-200LRをベースとしているため、足の長さが自慢です。ANAでもこのB777-F導入を機に、成田ーシカゴ線のノンストップ貨物便を新規就航させるようです。旅客機の貨物スペースでさえもその積載量を生かして、羽田ー新千歳線の深夜貨物便に使用されるなど貨物機としての側面を持ち合わせているわけですが、その輸送力をいかんなく発揮して頑張っていただきたいですね。
ANAのB777に全機搭乗することをワイフワークとしている私にとっては、このB777-F登場はかなり厄介な事案ではありますが、荷主として意地でも乗ってやる、気持ちだけは大きく持っています。
旅客型のジャンボ機は殆ど見る機会が減ってしまいましたが、貨物機であればダッシュ400もまだまだ見ることができます。エアチャイナカーゴのB747フレイターが上海からやってきました。A滑走路からは出発便が続いていましたので、突然到着機がやってくると慌ててカメラを構えることになるのですが、なんとか後追いで撮ることができました。エアチャイナカーゴのジャンボは初撮影です。
着陸後は派手に逆噴射を効かせて減速していたのが印象的でした。4発機の豪快な逆噴射も日本でいると聞く機会が殆どなくなってしまいました。
平日だからか貨物機がいつにも増して多い印象を受けますが、今度はチャイナエアラインカーゴのジャンボが離陸していきます。エアチャイナカーゴに続いてこちらのジャンボ機も初めての撮影となりました。こちらも目的地は近場の台北だけあって軽々と空へ舞っていきました。
チャイナエアラインと言えば、まだ旅客型のダッシュ400を運航し、かつ日本線にも投入しているという数少ない航空会社のうちの1社ですが、旅客型を見慣れすぎているせいか、貨物型のジャンボがかなり新鮮に見えたのは言うまでもありません。
ことある度に”成田線に期間限定投入”が続いていたA380のおかげで、マレーシア航空のA350はこれまで撮影する機会に恵まれませんでしたが、今回ようやく撮影することができました。マレーシア航空のA350と言えば、マレーシアの国旗をイメージしたこちらの塗装ですよね。この塗装に関しては機体斜め後方から撮影した方が絶対に良いと思います(笑)
これで撮影済みのA350オペレーターは10社目となりました。実はまだJALのA350をまともに撮影していないため、そちらの方も早いうちに抑えたいですね。
今回のお目当て其の、スカイチーム特別塗装機のB777-300ERが離陸していきます。KLMの特別塗装機と言えば、機体の前方をオレンジ色に塗装した”Orange Pride”塗装が有名ですが、勿論アライアンス塗装も健在です。特に、スカイチームの塗装はグレーが前面に押し出されており、青と白で明るいイメージの通常塗装機の中に混じるとだいぶ目立ちそうな予感がします。それにしても、スカイチームに加盟している国内の航空会社がないだけあって、スカイチームのアライアンスカラーはまだ見慣れません…
すっかり私の中ではB787-8のイメージが定着していたLOTポーランド航空、こちらも気づいたらB787-9に大型化されていました。というわけでB787-9は初めての撮影となりました。B787-9には特別塗装機も存在しているようですので、そちらも早くお目にかかりたいところですね。JALも然りですが、ホワイトベースの塗装ですと、胴体が長い方が見栄えが良い気がします。
こちらも今回のお目当て機材。ユナイテッド航空のB777-200です。ERではないただの-200というのがミソですね。ANA、JALでは引退が始まっているとは言え、まだまだその姿を見ることができるB777-200ですが、世界的には-200シリーズの中では航続距離延長型の-200ERが主流です。ユナイテッド航空でも太平洋線には-200ERを投入していますが、飛行距離が短いグアム線には-200を投入しているようです。
-200は、B777のオリジナルのタイプではありますが、生産機数がそこまで多くないことに加え、90年代に生産された機体が多いことから、現役で飛ぶ機数自体が減少傾向です。国内では、日系2社に加え、ユナイテッド航空、タイ国際航空くらいしか見ることができないのではないか、と思います。因みにこちらのN771UAはラインナンバー3番の機体。B777-200のキックオフカスタマーだけあって、初期製造の機体が多く在籍しています。ラインナンバー1番の機体は、ボーイングのテスト機として運用されたのち、キャセイパシフィック航空のB-HNLとして運航していましたが、既に現役を退いています。
昨年から成田空港に就航しているタイライオンエア。私はこれが2回目の撮影になりました。まだまだ見慣れないこの塗装、特に垂直尾翼の柄は一体何を表しているのでしょうか…こういう柄のハンカチとか持っている人たまにいますよね。
機首部にあるロゴマーク、この写真で見ると”Thai”の部分がタイ国際航空の旧ロゴのそれにそっくりな気がします。あまりにも気になったので、”タイライオンエア ロゴマーク”で検索をかけ、じっくり見てみると全然違いました。そもそも同じわけないですよね…
本日最後のお目当て機材がやってきました。シンガポール航空のA380です。A380のキックオフカスタマーであるシンガポール航空では2008年より成田線にA380を投入し始めましたが、その後紆余曲折あり、再び成田空港にA380が戻ってきました。私は、2010年の冬に見て以来9年ぶりの撮影となりました。2017年の春にシンガポールへ行った際には、遠目に少しだけ見ることができたのですが、まともに撮影するのはこれが2回目です。
就航から10年ほどしか経っていませんが、ダウンサイジングのご時世だけあり、シンガポール航空のA380は既に引退が始まっています。撮ることができるうちに撮っておきたい飛行機の1機ですね。
今回の締めはカレーの飛行機。なんだかんだでエアインディアのB787は3年ぶりの撮影だったようです。その間羽田空港でB747-400を2回撮影してるので、航空会社自体は久々ではないのですが、そんなに見ていなかったのか…という印象。こちらのエアインディアですが、スターアライアンスに加盟している航空会社にも関わらず、ANAの国際線時刻表にダイヤが掲載されていないのがアウトサイダー感があります。
この後は、成田空港で働いている友人と少し話してから両国へと向かったのでした。因みに成田市でも先日の台風で被害が出たようで、友人宅も11日の時点でライフラインが機能していなかったとのことです。この文章を作成している9月15日の時点でも、千葉県南部を中心に被害が残っており、1日でも早い復旧をお祈り申し上げます。
今回はここまでにします。最後までお読みいただきありがとうございました。
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