ANAの777で行く羽田ーロンドン線「THE Room」搭乗記①

搭乗記2025

ANAの花形路線「ロンドン線」

1986年から国際線定期便を運航すること約40年。世界各地へ路線を展開するANAの国際線の中で花形路線と言えばどの路線を思い浮かべるでしょうか。

栄光のNH1便がアサインされたワシントンD.C.線、フラッグシップ・ボーイング777で1日2往復が設定されているニューヨーク線、修行僧が集うクアラルンプール線…定義付けによって花形路線は異なると思いますが、「機内サービス」に焦点を当てると、ANA国際線の花形路線はロンドン線になると思います

1990年6月のANA時刻表。当時の東京ーロンドン線は成田発着で、週3便の運航だった。(モスクワ経由便がさらに週1便設定されていた)

1989年に成田ーロンドン(ガトウィック)線として歴史を始めたANAのロンドン線、2002年には新しいビジネスクラスシート「New Style CLUB ANA」の初投入路線、2019年には現在の最新鋭ビジネスクラスシート「THE Room」の初投入路線として選ばれるという新プロダクトのお披露目路線を複数回担っているのです。

現在、「THE Room」をはじめとした最新のキャビンプロダクトを搭載しているのは、ボーイング777-300ERのうちの9機。コロナ禍で777-300ERの過半数が引退してしまいましたが、コロナ禍前と変わらず777-300ERでANAの最新の機内サービスを体験できる羽田―ロンドン線に乗って、一路ヨーロッパを目指しました。

便利な2タミから出発

秋田空港からANA402便に乗り、羽田空港へやってきました。羽田空港を発着するANAの国際線は、第2、第3いずれかのターミナルから出発しますが、ロンドン線は第2ターミナル発。第2ターミナル発着便であれば、国内線から国際線への乗継に必要な時間は55分となっているので、その日の朝に地方空港を始発便で出てくれば、余裕を持って乗り継ぐことができるスケジュールになっています。

ターミナル間の移動は時間が読めなかったり、重い荷物と共に長い距離を移動する必要があったりとなかなか大変ですが、同一ターミナルでの乗継であれば、これらのストレスからはほぼ解放されます。

第2ターミナルの国際線エリアは、ANA便のみが発着します。9時から10時台は特に出発ラッシュを迎える時間帯で、チェックインカウンターや保安検査場もやや混雑気味。それでも多くの航空会社がひしめき合う第3ターミナルの人の多さとは比較にならないため、この点も2タミ発の利便性の高さに軍配が上がります。

保安検査と出国審査を通過すると、体は自ずとラウンジに吸い込まれていきます。何事も無ければ数時間後には機内食が提供されているはずですが、ラウンジのカレーを食べずして機内に入ることは推奨されない行為だと思っているので(お前誰や)、まずはカレーを実食です。

ラウンジ入室後即カレーをゲットしました。この日まだ朝食を摂っていなかったため、これが正真正銘朝ごはん。一刻も早く口にしたい気持ちを抑えて写真を撮り、すぐに頬張りました。うまい。余談ですが、ラウンジにあるご飯自動盛り付けロボット、あれ自宅に欲しいですね。

搭乗機も今翼に燃料補給しているだろうな、、と考えながら自分自身もお腹に食料の搭載を進めること20分、腹が満たされたので搭乗口へ向かうことにしました。

今回アサインされたのは72番搭乗口。2020年3月の第2ターミナル国際線エリアの開業以降は、国際線専用の搭乗口として運用されています。

以前は国内線機材しか駐機していなかった場所に、国際線のフラッグシップ、777-300ERが入っている姿はまだまだ新鮮な光景に感じられます。

これからロンドンへ行くんだ

そう感じるシチュエーションは何度かありますが、そのうちの1つが搭乗口の案内板を見た時ではないでしょうか。2023年に続いて2度目の訪問になりますが、前回に負けず劣らずの高揚感と共に改札を通過しました。

ANAの777-300ERいろいろ

今回ロンドンまでお世話になるのは、777-300ER、JA785A。ANAの777-300ERは現在13機が現役で活躍していますが、登録記号で大きく3つのグループに分けることができます。

JA784A、785A、787A、788A → 2010年導入、「THE Suite」「THE Room」改修済

JA790A~792A → 2015年導入、「ANA FIRST SQUARE」「ANA BUSINESS STAGGERED」搭載

JA793A~798A → 2019年導入 「THE Suite」「THE Room」搭載

というわけで、JA785Aは古参のグループに入るわけですが、最新のグループの機材と内装が同じであるため、言われなければ機齢9年の差を感じる部分は正直ありません。

機内に入り、ロンドンまでの14時間を過ごす座席、いや「部屋」にたどり着きました。シートナンバーは14H。通常窓側席はアルファベットがAまたはKとなりますが(一部例外あり)、こちらの「THE Room」は、1-2-1の座席配列であるため、シートナンバーのアルファベットがA,C,H,Kであれば実質窓側席となります。

2人は楽に腰掛けるスペースがある「THE Room」の座面の効果で、本来通路側席となるC,H席も窓側席に化けているわけですが、シートベルトの位置は座面の通路側にあるため、少々身を窓に近づけないと写真の撮影は難しいです。

ボーイング777-300ER(77W)新212席シートマップ(ANAHP参照)。青い印が座席の向きを示す。

そして、「THE Room」のもう一つの特徴は、進行方向逆向きの座席があること。デビュー当初はなかなか斬新な座席配置だなと思いましたが、空間を無駄なく使いたい飛行機にとっては合理的だなと納得しました。因みに真の窓側席であるA,K席がこの逆向き席で、前回搭乗時この逆向き席は履修済みだったので今回は進行方向の向きの席をアサインすることにしました。

座席周りだけでも楽しい「THE Room」

座席に用意されていた毛布やマットレスは暫く使わないので上の棚に収納し、ロングホールに備えて「お部屋」のコーディネートを一通り済ませると、CAさんがご挨拶にいらっしゃいました。

私があまりにガチャガチャと写真を撮っていたせいか「お席の説明は、、大丈夫ですね!」と「THE Roomマイスター」の称号をゲットしました。と言いつつ、実物の「THE Room」に触れたのはこれが2回目。色々物色するのにもまだ楽しみがあります。

※前回搭乗時の撮影

まず座席について目に入るのがこちらの大型モニター。とにかく大きな24インチのモニターが用意されています。勿論タッチパネルではありますが、

固定式テーブルの脇にあるコントローラーでも操作ができます。因みに前回搭乗時はこのコントローラーが故障していました(笑)

コントローラーの更に隣にあるのが、リクライニングや読書灯などのライト類のスイッチ。リクライニングは、離着陸モードや食事モードの他、自分好みの角度に調節できるようリング式のスイッチも用意されています。

読書灯などの各種ライトは通常通り座席の上部は勿論、「お部屋」の隅などにも用意されています。夜間の巡航中など機内全体の照明が落とされる場合でも、室内のライトを駆使して綺麗に写真を撮ることも可能です。

固定式のサイドテーブルには、機内食のメニューが置かれていました。メニューにアメニティーのポーチを置いても余裕のあるスペースですが、

これに加えて引き出し式のテーブルも用意されています。木目調で、機内の内装にマッチしたデザインですね。

モニターの脇には、各種収納と各種電源、そして鏡が用意されています。小物類を収納する場所は基本的にここだけなので、この扉を開けるのを忘れさえしなければ忘れ物とも無縁です。

因みにUSBポートとイアホンジャックだけは「お部屋」のシートベルトが付いていない側(C,H席では窓側)にも用意されており、シートベルトさえしっかりしていれば、どんな態勢でも不自由なく機内エンターテインメントや個人のデバイスを使用できるという親切設計になっています。

次回に続く…

座席周りを眺めるだけでも楽しい「THE Room」。私が写真を撮りまくっている間に搭乗が進み、定刻10分前にドアが閉まりました。9:50に僚機の777-300ERに見送られながら72番スポットを後にして、いよいよロンドンへのフライトが幕開けです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました