神戸にトリプルがキターーー!!
1日2往復設定されているANAの羽田ー神戸線。
現在は、767-300ERと737-800で運航されていますが、コロナ禍前までは、767の代わりに777が投入されていました。777の就航実績がある空港へは777で向かわねばならないという信念のある私にとって、777での神戸入りは何としてでも果たしたい目標の一つでした。

2025年9月以降、不定期ではありますが、羽田ー神戸線のANA415/412便に777が投入される日が設定されました。コロナ禍で学んだ教訓は「行ける時に行く」。数少ない神戸トリプル設定日に予約をねじ込み、出発当日を迎えました。
機材変更は回避しました

今回チョイスした神戸トリプルは10月6日のANA415便。羽田空港を20:30に出発し、そのまま神戸空港へ夜間駐機する、ビジネス需要の多そうな便ではありますが、いかんせん月曜日というのがなんとも懸念要素でした。
東阪路線の一部とはいえ、777で満席になる需要はあるのだろうか、機材変更はないだろうか、そんな不安を抱えながら空港へ出向きましたが、自動チェックイン機に777のシートマップが表示されて安心したのは言うまでもありません。

普段は767で運航されている415便。機材変更ということで、機材の調達先を調べると、福岡発、羽田19:30着の264便からの流れで運用が組まれたようです。
64番スポットで準備を進める777を確認し、制限エリアへ向かいました。

なお、この日の415便は、国内線で777がアサインされる最終便となるようです。20時代の出発便ともなると、幹線でも小型機で運航される便が目立ちます。
コロナ禍前は、関西行きの20:30発97便、21:00発の99便も777で運航されていましたが、今ではご覧の通りです。ちょっと寂しいですね…
オンタイムで出れ、るのか?

ターミナル正面の64番ゲート発ということもあり、搭乗は極めてスムーズ。定刻6分前には早くもセットスライドバーの業務連絡が機内へ響きました。

しかしながらドアが閉まっても一向にプッシュバックが始まらない…窓の外を凝視すること10分、ようやくアンチコリジョンライトが点滅しているのが見え、プッシュバックが始まりました。奥に見えている787と同時に動き出します。
ここで1つ、気になるのが神戸空港への到着時刻。今回のミッションは、神戸で777を撮ることでもあるので、デッキの営業時間である22:00前には外に出たいのです。定刻通りですと15分の余裕がありますが、果たしてどうなることやら…
ちなみに、プッシュバックを終えてからもしばらくR誘導路上で待機の時間に入り、ただでさえ距離のあるD滑走路が、さらに遠く感じたのはいうまでもありません(笑)

21:00になろうか、というところでようやくD滑走路へたどり着いた777、いよいよ羽田空港を離陸します。羽田ー神戸線のフライトタイムは早くても50分、送迎デッキの営業時間にギリギリ間に合うかどうか、というタイミングです。離陸時刻は20:59をマークしました。
「大阪線」でも異端な神戸線
「東京ー大阪線」と一括りにされる伊丹線、関西線と神戸線。この中でも神戸線のみ飛行ルートがやや異なります。前者2路線は静岡県や愛知県の南側を飛行する一方、神戸線のみは、離陸後一旦北西に進路をとり、山梨県や長野県上空を通過して西へ向かうのです。


離陸後すぐに横浜上空なども通過するため夜景満喫タイムかと思われましたが、残念ながら景色は雲に阻まれてしまいました。
神戸空港と777の縁は深い

景色が見れない時はフライトレーダーで遊ぶしかありません。アプリに位置情報を反映させると、しっかり「777に乗って神戸へ向かっている」の証拠写真のできあがりです。
今でこそソラシドエアやFDAといった中堅エアラインの就航が目立つ神戸空港ですが、2006年の開港時はANAとJALの大手二社とスカイマークの三社のみが乗り入れていました。その中でも神戸発の開港初便となったJALの羽田行きには777-300がアサインされており、神戸空港と777の縁は開港初日までに遡るのです。

羽田線はもちろん、神戸―新千歳、那覇線にも777は積極的に投入されていました。その背景にあったのが、伊丹空港が抱えていた長距離国内線の運航便数の制約です。需要の大きな新千歳線や那覇線も、本来は伊丹発着にしたいところ、この制約があるため神戸発着にし、大型機である777を投入していたというわけです。

今はその制約が緩和され、神戸発着のこれらの路線からはJALが撤退、ANAも新千歳線を1往復運航するのみで、あとはスカイマークをはじめとした中堅エアラインが路線を担っているのは周知の事実です。
運航機材や就航便数を振り返ると、関西の3空港を取り巻く環境がここ20年の間で大きく変化していることが分かりますね。
フライトの締めに関西の夜景
西へ向かうにつれて、下界の雲がだんだん切れてきました。名古屋上空で少し街灯りが見えたかな、と思うと目的地の大阪、神戸付近は完全に雲が切れ、綺麗な夜景を肉眼でもファインダー越しでもはっきり楽しむことができました。



狭いエリアに空港がひしめき合う関西エリア。その中でも最後に開港した神戸空港はやや肩身の狭い思いをしています。空港の滑走路は東西に設置されていますが、空港西側からの進入、西側への出発と航路に制約があるのです。

と言うわけで、一旦神戸市を通り過ぎ、加古川市付近まで西へ進んでから大きく左へ旋回。神戸空港へと機首を向けました。明石海峡大橋もバッチリ見ることができました。

今回の着陸滑走路はRWY09。進行方向左側の席からは着陸まで明石市から神戸市にかけての夜景が数分間に渡って見放題でした。
これだけでも航空券代の半分は賄いきれたのではないかと思われるビジュの良さ。伊丹線の「梅田のビル群」に引けをとらない港町神戸の夜景を最後に見てlandingです。
スカイマークの館に777襲来

21:51に着陸した我が777。短いタキシングを経て5番スポットへ入りました。隣のスポットにも、更にその隣にも、そして奥にもスカイマーク。機体の大きさでは777に分がありますが、存在感は777でも敵わないかもしれません(笑)

ブロックインの時刻は21:54。なんとかデッキの営業時間には間に合いそうです。良かった。
時間が無い中でも神戸×777要素をかき集めようと、L2ドアに接続するボーディングブリッジと「KOBE」のサインを絡めてみました。787が就航しない神戸空港にとって、「ボーディングブリッジ2本付け」が見られるのは、777のオペレーション時のみとなるでしょう。
神戸トリプル 履修完了

初めての神戸空港訪問から6年、ようやく神戸空港で777の撮影に成功しました。デッキ到着後すぐ、警備員さんの「締めます」の声、1分にも満たない滞在時間でしたが、撮る物を撮ってデッキを後にしました。

デッキは22時クローズでしたが、下の階からガラス越しに撮影することもできました。大阪湾をバックに翼を休める777。背景が開けた海の空港で、かつ777が就航する地方空港は神戸空港だけなので、その道のプロの方には「BE KOBE」が伝わるのではないでしょうか…
そして何より印象的だったのは、地元神戸空港をベースに撮影しているであろう同業者の熱気です。近隣の伊丹空港を中心に777は撮り放題ではありますが、「神戸で撮る」ことに価値を見出して夜中に出撃するパッション、最高でした。
神戸空港×777 今後の予定は?
神戸空港で777を撮影するチャンスは、10月以降、冬スケジュールに入ってからもまだまだあるようです。ANAのサイトから777運航予定の便をピックアップしてみました。(10月12日現在、スケジュールは変更の場合あり、※有は722、無印は772)
ANA411便 羽田ー神戸(神戸着 8:00)、ANA577便 神戸ー新千歳(神戸発 8:45)
1月13日(火)※、1月16日(金)※、1月19日(月)※
ANA415便 羽田ー神戸(神戸着 21:45)
10月27日(月)、11月3日(月)、11月10日(月)、1月12日(月)※、2月14日(土)※
ANA412便 神戸ー羽田(神戸発 7:05)
10月28日(火)、11月4日(火)、11月11日(火)、1月13日(火)※、2月15日(日)※
冬ダイヤでは現状、12月と3月を除いて777の投入予定があるようです。なにより注目なのは、神戸―新千歳線にも投入予定があるということ。これは撮るだけではなく、乗って楽しみたい便の1つですね。乗りヒコーキの同業者の皆さん、出番です。
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