当日シップチェンジの777-300で松山空港へ!ANA589便 羽田ー松山線搭乗記

搭乗記2025

78Pから773への機材変更

1988年の瀬戸大橋開通まで、本州との行き来は海路か空路に頼っていた四国。現在は本州との間に3本の橋がかけられていますが、それでも距離のある関東地方、とりわけ東京との行き来には飛行機のシェアも大きい状況が続いています。

2025年1月某日。羽田空港を12時15分に出発するANA589便で松山空港へ向かいました。

ANAとJAL、合わせて1日12往復ある羽田ー松山線は、四国発着の空路の中では最も利用者数の多い路線で、2024年度の利用者数は約160万人。ANAではその需要に応えるべく、ワイドボディ機を主力に据えて運航しています。

この日の589便の機材は、国内線で最大のキャパシティを誇る777-300。スケジュール上では、787-8がアサインされていましたが、当日機材変更で大幅タイプアップと相成りました。

この日は、秋田(ANA404便)羽田(ANA593便)松山とスーパーバリュートランジットで発券していましたが、羽田到着時点でこの機材変更に気づき、羽田ー松山の区間を再発券して飛び乗りました。地方空港の中では777-300が投入されやすい松山空港ですが、自分のスケジュールと合うタイミングはなかなかありません。ヲタクらしいお金の貢ぎ方ですね。

なお、乗継系の運賃で一部区間使用後の払い戻しはできないのでご注意ください。

機内に入るとお馴染みのふかふかシートがお出迎えです。

電源コンセントやUSBポート、個人用モニターが無いアラサー機材は飛行機に乗り慣れた顧客からは不人気機材の1つかもしれませんが、Wi-Fiが付いているだけでも十分です。デジタルデトックスも大事ですからね。

ちなみに、ANAの国内線機材で最も早く全ての機材にWi-Fiが装備されたのはこの777-300だったりします。

曇天の羽田空港を出発

座席数が突如1.5倍になり、空席が目立つ我が589便。搭乗はスムーズに進み、定刻通りにドアが閉まりすぐに出発しました。ANAの高需要路線を支える777や787に見送られてスポットを後にします。

北風が吹く羽田空港では、松山便はD滑走路から離陸します。ちょうど出発機が空いている時間帯だったようで、すぐに滑走路へ進入、離陸することが出来ました。

曇天の羽田空港を離陸すると雲を突っ切り一路西へ。エンジンよりも前方の席をアサインしたため、エンジン音が綺麗に聞こえます。飛行機のおススメの席はどこか?と聞かれることがありますが、エンジン音を心行くまで楽しみたいという方は、エンジンよりも前の席がマストです。

雲の切れ間から顔を出すOSAKA

離陸から15分でベルトサインが消えました。巡航高度は38,000feet。

冬場の西方面へ向かう便は、偏西風に逆らっての飛行となるため、スピードはあまり出ません。デジタルデトックスとは言いつつ、Wi-Fiがサクサクつながってしまったのでフライトレーダーを開くと、機影のアイコンもこころなしか動きがゆっくりに見えました。

今回は訳あって進行方向左側の席をとりましたが、真昼間の南向きの席は直射日光が眩しいです。それに加えてこの日は、下界が雲しかありませんでした。大多数の方はシェードを下げてしまうような状況ですが、窓を見ていると何かに気づくものです。

雲の切れ間から顔を出したのは大阪湾。大阪万博に神戸空港の国際化と、何かにつけて話題が多いこのエリア、今日本で一番明るいのはここやで!と言わんとばかりにこちらだけ雲が切れていました。

もっとも、よく見えていたのは大阪湾の湾の方だけでしたが…

777の普通席はご存じ3-4-3の10アブレスト。今回は、そのうち「3」席を独占できたので、気兼ねなくお手洗いに行きがてら機内を徘徊できました。

777と言えばエンジンの大きさもさることながら、主翼もかなり大きいですよね。新型の777Xには主翼の先端を折りたたむ機能が装備されていますが、現行の777にも開発時にその話が出たようです。まさに地方路線にも777を投入する気満々であったであろうANAが「NO」を突き付けたわけですが、777就航前に地方空港の整備が進み、一回り大きな747の就航可能な地方空港が多かったことも、この要望を出すことが出来た一つの要因であったと思います。

777で瀬戸内海遊覧飛行の巻

大阪まで来ると松山は目と鼻の先、暫くすると777は降下を初めて再び雲に突っ込みました。厚い雲ではありましたが、終始マイルドな揺れで雲を通過すると、瀬戸内海の島々が姿を現しました。

秋田県のように目立った島があまりないところに住んでいると、小規模な島々があちらこちらに点在する瀬戸内海の景色は新鮮そのもの。小さいとはいえ有人島なので、他の島との行き来は船になるわけですが、船が車と同じような感覚で使われているのを想像するだけでも、「瀬戸内に来た」ということを実感できます。

全長73.9mの大型機でこのような遊覧飛行ばりの景色を楽しむ、777で松山へ向かうことの醍醐味はここにもあります。

瀬戸内海上空で何度か旋回を繰り返し、いよいよ目的地の松山市街地が見えてきました。

海に突き出すような形で滑走路が設置されている松山空港、基本的に海側からの進入で空港へ向かっていきますが、風向き次第では、一旦海側から進入した後、空港を左手に見ながら反対方向から着陸するという方式もとられます。

その反対方向からの着陸をするとなると、進行方向左手からは、大都会松山の街並みを楽しめるのではと、今回こちら側の席をアサインしたのですが、天気を味方につけることはできず、海側から進入し、そのまままっすぐRWY14へ着陸しました。

四国で最も利用者数の多い空港ではありますが、常に混雑しているというわけではありません。

ちょうど他の飛行機が1機もいない時間帯に到着したようで、この時点では賑わっている様子を見ることはできませんでしたが、30分後には駐機場に4機飛行機が並ぶ光景が見られました。

地方空港で見る777は素晴らしい

というわけで、2017年以来8年ぶりに松山空港へ降り立ちました。これが松山訪問3回目となりましたが、いずれも777に連れてきてもらいました。次回も777で、RWY32からの着陸を狙っていきたいと思います。

松山に限らず、西日本の地方都市に来ると自ずと元気が湧いてきます。もちろんその理由の1つに、国内線最大のジェット機を眺められているということが入っていることはいうまでもありません。

乗ってきた777-300は、ANA592便で再び羽田空港へと戻ります。

今回は滑走路をはさんでターミナルの反対側にある空港南第二公園からの撮影を敢行しました。帝人の工場群をバックに地を蹴る777-300の迫力、凄まじかったですね。不定期とはいえこの姿を何度も拝むことができる愛媛県民の皆様が羨ましくてたまりません。

これからも積極的に777-300を狙って松山を訪問したい、そう強く心に誓ってターミナル館内の寿司屋さんへ引き上げたのでした。

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