新年もやっぱりANA
「実家のような安心感」某SNSでよく見かけるこの表現。私にとってはANAの機内がまさにこれです。いつもと変わり映えしないのは、航空ファン的にいかがなものかと思う反面、なんだかんだで空を飛ぶとなるとファーストチョイスは青い会社の飛行機になってしまいます…
そんなANAの飛行機で2023年の初フライトを遂げてきましたので、その様子をお届けします。
<flight data>
flight.No ANA406 ship Airbus A321-211 registration JA111A seat 34A
STD 11:50 ATD 11:49 take off time 11:58 departure spot 5 take off RWY28
STA 13:00 ATA 12:56 landing time 12:49 arrival spot 68 landing RWY34R
コロナ禍からの複便を果たした2022年度
ここ最近は、全国旅行支援などで国内線の航空需要が一気に高まり、コロナ前を彷彿とさせる混雑を見せている国内各空港。秋田空港も例外ではなく、10月以降は特にターミナル内も混雑している様子が時々見受けられました。
秋田空港を発着するのは、東京(羽田)線9往復、大阪(伊丹)線6往復、名古屋(中部)線2往復、札幌(新千歳)線4往復の計21往復42便。これら全ての便が2023年1月スケジュールでは運航されています。
一時は、閑古鳥が鳴きまくる程、減便に次ぐ減便の嵐だった秋田空港も、今ではすっかり生気がみなぎっています。
ちょうど今回搭乗するANA406便の出発するお昼の時間帯は、出発便が続く時間帯でもあり、秋田空港に3基あるボーディングブリッジもフル稼働状態。保安検査場に最も近いスポットは名古屋(中部)行きのQ400に取られてしまい、不本意ながら少し離れた5番スポットのボーディングブリッジから飛行機へと向かいます。
今や少数派 A321-200ceo
今回搭乗するのは、エアバスA321-200。ANAでは現在26機のA321が就航しており、全国各地でその姿を見ることが出来ます。同じA321でも、ANAには2タイプの機体が存在し、
従来仕様・A321-200ceo(Current Engine Option)
改良仕様・A321-200neo(New Engine Option)
をそれぞれ保有しています。装備しているエンジンに違いがあり、エンジン音に興味のあるコアなファンを中心に、人気を二分しています。(しているとは言っていない)
これら2タイプのA321ですが、機内仕様も異なっており、前者は個人用モニターがない座席、後者は全席に個人用モニターを装備した座席を搭載しています。個人用モニターの搭載については、海外や日本国内でも廃止に踏み切る航空会社がある中、A321neoについては綺麗な液晶モニターがずらりと並ぶ機内を提供しています。
今回搭乗するのは、モニターが付いていない、A321-200ceo。最近は、neoへの搭乗が続いており、22機中4機しかないceoへは、かなり久々の搭乗となりましたが、個人用モニターの無いA321の機内が逆に新鮮に感じられました。
曇天の秋田空港から離陸初め
「冬場の日本海側」と書いて、「天気が悪い」と読みます。異論は無いはずです。
積雪、吹雪に霧による視界不良…飛行機の運航には支障をきたす要件が揃いに揃う地理的条件のよろしくない秋田空港ではありますが、この日は日頃の行いがよかったのか降雪なし、滑走路や誘導路への積雪なしと好条件が揃いました。
定刻1分前に出発時刻をマークしたこの日のANA406便。出発前の防氷、除氷作業、滑走路の除雪作業で遅延ということもなく、スムーズに滑走路までやってきました。フラップも展開され、いよいよ離陸です。
白い日本海側 お天気な太平洋側
秋田空港を離陸すると、雪化粧した景色が一面に広がります。ほぼ白黒の世界に雪舟の水墨画が思い出されます。
写真正面の白い平地の下には田んぼが広がっており、半年後には緑の絨毯が広がっているはずです。1年の間に様々な変化を見せてくれるのが、雪国の田んぼの特徴です。
離陸後大きく左に旋回すると、機内からは秋田空港の全景を望むことが出来ました。
ターミナルビルなどと比べるとその大きさは一目瞭然。1981年に開港した当時は、東北地方で唯一ボーイング747が就航する空港でもありました。節目の40周年をコロナ禍で大々的にお祝い出来なかったのが残念でなりません。
その後雲に捕まり、揺らされ、雲を抜けると…
雲が切れ眼下にはかまくらでお馴染みの秋田県横手市付近の景色がお目見えです。平地は一面真っ白です。暖かい機内から眺める分には問題ないのですが…(以下略)
さらに南下するとようやく太平洋側の景色が見えてきました。
平地が白いか否かで奥羽山脈のどちら側にあるかがわかってしまうのが面白いところ。(時々例外もありますが…)飛行機に乗っているだけで日本地理のお勉強です。リモートワークで浮いた需要の分を、小学校の社会科見学に回してみてはいかがでしょうか。外野から言うのは簡単ですね(笑)
充実の機内サービス
今やコワーキングスペースや大手カフェチェーンに限らず、フリーWi-Fiや充電用電源が身近な存在になりました。
個人用モニターは無くとも、最低限のサービスは提供されているANAのA321ceo。むしろ誘惑の元になるモニターが無い分、作業は捗るかもしれません(笑)
あっという間に関東上空
秋田ー羽田線の所要時間は約50分。ぼけーっとしていると気づいたらベルトサインが点灯していた、なんてこともザラに起こります。今回も離陸から30分で早くも茨城県の県庁所在地、水戸市上空付近を通過したと思うと、航空自衛隊百里基地(茨城空港)や成田空港などが見えてきました。
肉眼で駐機中の飛行機の姿までとらえることが出来る成田国際空港。付近を飛行している他の飛行機の姿も見ることが出来ました。成田発着の国際線も徐々に復活しているようで、関東南部の空の混雑も今後ますます激しくなりそうです…
着陸はC滑走路でした
千葉県市原市上空付近からしばらく雲の中の飛行となり、それを抜けると木更津の工場群が見え始めました。着陸滑走路はRWY34R。並行しているRWY34Lへの着陸機を血眼になって探しましたが、結局見つけることはできませんでした。
東京湾を横断すること3分、羽田空港が見えてきました。D滑走路をオーバーパスするとまもなく着陸。タッチダウンの衝撃が殆どなく、かなりソフトなランディングだったのが印象的でした。
52分の空の旅、これにて完結です。
到着はここでした
滑走路を出て、無事に駐機場へ到着しました。ここ、どのスポットかわかりますか?
答えはこちらです。
羽田空港第2ターミナルの南の端。68番スポットです。到着ロビーまでの距離が長く、歩数計の進捗が墓がることで有名です()
そんな不人気スポットへ到着してしまったわけですが、今回はこのスポットに到着したのが功を奏する出来事が立て続けに起こったのでした。
まずはこちら。機内から撮影しました。
羽田空港に現在就航する旅客機の中では最も大きい、ルフトハンザドイツ航空の747-8です。着陸した時点で、離陸へ向けてC滑走路へ移動するこの機体が見えていたので、タイミングよく撮影することができました。
続いては、飛行機を降り、到着ロビーへ向かうコンコースからの1枚です。
ANAでは現在、様々な特別塗装機を就航させていますが、それらのうち3機が1枚に収まっています。実は、この数分前まで、もう1機、11月に就航したばかりの「ANA Green Jet」も停まっていたのですが、降機している間にスポットを離れてしまい、4機並びは実現しませんでした…
多くの便が発着する羽田空港でも、特別塗装機が近くに集まっている光景を見ることはそう多くはありません。タイミング勝負な部分もあるので、常に周りの様子をチェックしておく必要がありますね(笑)
到着ロビーへ出ました。制限エリア内で撮れ高十分だったので、この後は都内を徘徊しに行きました。晴れている平日午後はお散歩日和で、アフタヌーンティーよりも健康的な時間を過ごせたように思います。
最後に
天気に恵まれた新年初フライトでした。正月を過ぎたいわゆる閑散期で機内は空いており、定刻よりも早く到着する結果になりました。やはり人の移動が少ない時期に搭乗するのが一番ですね!
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