昔にタイムスリップシリーズ① ANA 767-200

歴史シリーズ

昔の写真が大量に発掘されまして…

Twitterでもお世話になっている方はご存知のように、当ブログの中の人は、長年「ニワカヒコーキヲタク」として生きております。私が飛行機にハマるきっかけとなったのは、父の存在が大きく、父方の祖父母の家で大掃除をしていた時に、父が溜めていた昔の月刊エアラインが大量に発掘され、それを読み漁り始めたのが、私と飛行機の長い付き合いの始まりでした。

祖父母の家の父の部屋には、月刊エアラインだけでなく、以前撮影された写真や、今や骨董品と言っても過言ではない時刻表などが大量発生しています。かねてより、ブログのネタに活用しようと考えていたのですが、新たなネタが収集できない昨今ですので、この機会に少しずつ放出することにします。昔にタイムスリップシリーズ、今回は栄えある第1弾です。

「ハイテク機」の先駆け Boeing 767-200

第1弾ということで、私にも馴染みのある空港、馴染みのある機種から始めようと思います。というわけで、今回はANAのBoeing 767-200のご紹介です。

1985年の3月某日に秋田空港で撮影された、ANAの767-200(JA8485)です。ANAでは、1983年より、主に国内ローカル線用機材として、767-200の導入を開始しました。現在ANAで運航されている767は、全て胴体延長型の767-300/300ERで、今となっては-300の方がすっかり「The 767」という印象を受けますが、767のオリジナルはこの形。-200と-300の見分け方は簡単で、主翼上の非常口が1つの場合は-200 、2つの場合は-300となります。

なお、こちらのJA8485は、1984年2月にANA向け767-200の7号機として導入、1999年3月に引退しました。現在の767-300と比較すると、だいぶ活躍の期間が短いですが、ANA引退後は貨物航空会社のエアボーンエクスプレスに売却、現在はN783AXとして活躍しています。貨物機へ改修されたことで寿命が延び、弟分の767-300よりも長生きしているのが、元ANAの767-200の特徴と言えますね。

767-300と比較した、767-200の主要なスペックは以下の通りです。(ANA 運航機材の歴史 参照)

 767-200767-300
全長48.5m54.9m
全幅47.6m47.6m
全高15.9m15.9m
航続距離4,040km3,370km
離陸滑走距離1,540m1,660m
着陸滑走距離1,610m1,650m
エンジンCF6-80ACF6-80C2B2
最大離陸重量120,900kg131,000kg
座席数234席(全席普通席)288席(全席普通席)

胴体を延長した分、座席数は50席増加していますが、その他のスペックについては、そこまで大差がありません。勿論-200と-300でライセンスは同一ですし、何なら-300導入の黎明期には、時刻表上で-200と-300の区別がありませんでした。離着陸滑走路長も、共に1,800m以下に収まっており、特に、主要都市の地方空港の中では最も整備が遅れたと言っても過言ではない旧広島空港にも乗り入れることができたという点では、さすが我らがB6との一言に尽きます。

RWY28へ着陸後、3番スポットへと入ってくる767。正面から見ると、正直現在の767-300と大差はありません。強いて違いを挙げるとすれば、Wi-Fiのアンテナがないことと、胴体下部がビカビカと光っていることくらいでしょうか(笑)

操縦桿の正面上側にあるのが、EADI(Electronic Attitude Director Indicator)。電波高度、対地速度、ピッチ角、ロール角を表示。747-400などのPFDに相当する計器。その下にあるのが、EHSI(Electronic Attitude Director Indicator)、747-400などのNDに相当する。(月刊エアライン 1990年9月号 参照)

言うまでもなく、「ハイテク機」であるか否かという点は、コックピットの計器によります。というわけで、JA8485のコックピットの写真です。今となっては一部の航空会社を除き、国内航空会社ではコックピットの見学をすることができませんが、当時は、到着後はもちろん、飛行中にも見学することができていました。

767は、現在主流となっているグラスコックピットを搭載した飛行機の先駆け的存在であるため、デジタル計器とアナログ計器が共存しています。現在の最新鋭であるA350や787といった飛行機のコックピットでは、タブレット端末を横に並べただけ(かなり雑な表現ですみません)のような状態ですが、767のコックピットは、速度計や高度計などがアナログ計器として残っています。

767の中でも、最後に開発された767-400ERは、ぱっと見ると777のコックピットと間違える程のものに進化していますが、Twitterで調べたところ、それよりもさらに進化した、「タブレット配置タイプ(勝手に命名)」のコックピットを持つ767も存在するようです。(「767 コックピット」で検索)グラスコックピットの黎明期から活躍を続ける飛行機ともなると、コックピット1つとっても様々な種類があるようです…

時刻表から時代を感じる

SR…Boeing 747SR、TR…Lockheed L-1011、B6…Boeing 767-200、B3…Boeing 737-200、B2…Boeing 727-200、O…NAMC YS-11

1985年3月のANA時刻表です。35年以上も前の時刻表ですので、現在と大きく異なることは言うまでもありません。この時、父は羽田空港へ向かったようで、往復の搭乗便に印が入っています。(往路872便、復路881便)上の767-200は、搭乗する前便のANA871便のショットであると思われます。時代は変わっても、季節ごとの光線状態は変わりません。今も朝9時頃ですとこのような具合の光線で写真を撮ることができます。

この当時の秋田ー羽田線は、1日5往復の運航。現在もANAだけですと1日5往復ありますが、当時はANAの単独運航路線であったため、これが秋田ー羽田線の全便となります。B6(767-200)が2便、TR(トライスター)が3便、全便ワイドボディー機での運航です。羨ましい…

航空自由化が遅かった日本では、国内大手3社(JAL、ANA、TDA→後のJAS)が担当する路線が決まっていました。(45/47体制)80年代後半以降、規制が徐々に緩和され始めて以降も、路線ごとの利用者数に応じて新規参入を認めるという状況となっており、国内幹線中心だったJALが、地方路線の中では羽田ー鹿児島線や羽田―小松線といった路線を皮切りに地方へ進出することになったのは、この制約による影響もあります。

いかがでしたか?

今回は、少し短いANAの767とそのコックピット、当時の時刻表を見てみました。この35年で変わったところの方が目立ちましたが、個人的には、そこまで大昔のようには感じませんでした。ANAの塗装が変わっていないことが、時間の経過を感じさせない1つの要素になっていると思われます(笑)

まだまだ写真の在庫が山のようにありますので、また続編を作りたいと思います。最後までお読みいただきありがとうございました。

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